犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

ゲゲゲの調布発信
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子どもと犬

2023年07月15日 | 犬と暮らす
飼い犬ウーゴくんは、施設育ちだ。
保護された時、推定生後3ヶ月だったという。

そして、私が里親として引き取った時、
すでに4歳過ぎだった。

人に飼われるにふさわしい犬になるまで、
4年近くかかったらしい。



近付こうとすると、ケージの中に逃げ込もうとする。
ケージの扉を閉めておいて、近付く。

撫でようとして手を伸ばすと、かちんかちんに固まる。

ここまで人に対して緊張する犬の場合、
手を伸ばして撫でようとすると、
我慢できずにガブリとおクチが出てしまう場合が有る。
怖くて咬んじゃうのだ。

だから通常は、手のひらを下にして、
だらりと下げた手の甲を、犬に嗅がせてやる。
やたらと近付かずに、
犬が嗅ぎに来るのを待つ。

しかし、人を恐れる犬のご多分に漏れず、
ウーゴは近付いて差し伸べられた手を嗅ごうとはしなかった。

視線を合わせようとしないのは言うまでも無い。



保護団体のスタッフは、
「撫でてください。」と言う。

こんなに緊張している犬を撫でるのは、
私は正直に言うと、怖い。
いつ怒るか分からない。こちらも緊張する。

しかし、ウーゴはただひたすら、かちんかちんなだけだった。
手を伸ばして頭を撫でてやると、かちんかちんなまま撫でられた。



実はウーゴは、撫でてもらうのが大好きな犬だったのだ。

これも珍しいのだが、
ウーゴは、頭を撫でられるのが好きだ。

多くの犬は、頭を撫でられるのなんか本当はあんまり好きではない。
耳の後ろをゴシゴシやってもらったりするのがいい。

上から手を差し出して、頭を撫でるようにすると、
スッと引く犬が多い。
このやり方だと触らせない犬のほうが多い。



加えて、
ウーゴは、撫でてもらうのは好きだけれど、
距離を詰められるのは嫌いだった。

だから、撫でるためには精一杯に手を伸ばさないとならない。
それはたいへんなので、一歩近付くと、
ウーゴはサッと一歩下がる。

じゃあ撫でられたくないのかと思って手を止めると、
「もっと撫でてくれよ」と、お手をする。
あ、そうなの?じゃあ撫でようか、と近付くと、
サッと下がる。

そんな犬であった。



それが今は、デレデレの甘えん坊になっている。

初めて会う人にでも、自分から近付いて行って、
鼻先でツンとして、撫でてもらう。
ウットリと気持ち良さそうに、ずっと撫でてもらう。
人が手を止めると、「もっと」とお手をする。



子供は怖い。
特に低学年は、急にバタバタ駆け出したり、
急に大声で叫んだりするので、
怖い。

夕方の散歩は、下校中の低学年に会わないようになるべく時間を選んでいる。



早朝のドッグランに、犬を連れた親子がやって来た。
1年生くらいの妹と3年生くらいのお姉ちゃんである。

ウーゴは最初ちょっと緊張した。
しかし、すぐに近付いて行った。

もとより犬を飼っている家の子である。
寄って行けば「かわいい」と撫でてくれる。

ウーゴ、デレデレである。
今までの暮らしの中で「かわいい」という言葉は覚えている。
デレデレ。

良かった。
子供にも撫でてもらえた。



路上で夕方に出会う子供に、同様に撫でてもらえるようになるには
まだ時間が掛かるかもしれない。

けれど、こいつは大きな進歩だ。
嬉しい。
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