犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

ゲゲゲの調布発信
犬のこと、人の心身のこと、音楽や自作のいろいろなものについて

排気野郎

2018年12月30日 | のりもの
朝6時前後に介護のヘルパーさんが来る。
その前後に犬の散歩をする。
この頃は日の出が遅いのと、ヘルパーさんと相談しながら進める事が有ったりで、
犬の散歩は介護の後になることが多い。

6時過ぎに家を出ると、町はまだ静かだ。
新聞配達はとうに終わっているが、出勤する人はまだ少なく、
バス通りに車もまだほとんど無い。

そんな住宅街を、犬を連れてのんびり歩いていると、爆音がする。
重低音も激しく、狭い道をけっこうなスピードで
車高の低い車が走り抜けて行く。

道沿いに住む友人Mも言う。
「6時過ぎに毎日通る車ね、うるさいよね、スピード出すし。
マフラーいじってんだろうね。」

その車に追い抜かれた後、すれ違う人物がいることに気付いた。
煙草を吸いながら歩く、三十前くらいの男性だ。
どうやら、その道の先の駐車場に車をとめているようだ。

ある朝、ちょうど爆音車が駐車場に入るのを見た。
奥から×番目か。
その駐車場のすぐ裏にも友人KKが住んでいる。
「爆音うるさい上に、一時期そこで大声で立ち話するから、
不動産屋に苦情入れたのよ。」

ナンバーは隣の区のものだ。
東からバス通りを来てこの駐車場に入るなら、
そこの角を曲がって来れば良いのに、二つ手前の角を曲がって
わざわざ狭い住宅街を爆音で走るのはなぜだろう。
駐車場にまっすぐ入る道沿いの家から既に苦情が入ったのでもあろうか。

東からバス通りを来て、駐車場に続く一番最初の角を曲がっているのではないだろうか。
そして、その手前に職場が有るのではないか。
と、私は推理した。

そして、ある日、あとをつけた。
土地勘は有るので、かなり離れていても大丈夫。
犬を連れているので、立ち止まっても急に走っても不自然ではない。
青年はやはり、バス通り沿いの職場へと向かって行った。

なるほど、配送の仕事か。
車好き、運転好きなのだろう。ドライバーは適職だね。

車を降りて職場へと歩く道、煙草を一本吸う。
私は煙草がとても苦手だ。朝の澄んだ空気を濁さないでくれよと思う。
煙草吸うんなら吸いながら来れば良いではないか。
それとも、運転しながら吸って、車を降りても吸って、というチェーンスモーカーなのだろうか。
はたまた、車はきれーいに保つため、禁煙だったりして。
車好きで土足厳禁にしている人もいるよね、ああ気になる!
彼の車に乗ってみたい!

想像がふくらんで自分を見失っている。



昨日の朝も背後から低く大きい排気音が聞こえてきた。
犬を連れた私は顔を上げて、彼の車を確認し、
一歩、わき道へよけた。

通りすがり、男は軽く礼をした。

あら、紳士的。
喫煙歩きも割り引いて見てやっか。
と思ったが、そりゃまあ、天下のC××Pのドライバーなんだし、
運転マナーは良くなきゃ話にならないやね。

でもまあ、年の最後に、人の良い面をひとつ見られて、
良かった。

みなさま今日も明日も正月も、仕事でもお出かけでも、
安全運転で。


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