犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

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盆踊り曲としての「アンパンマンのマーチ」 最後のキメ篇

2017年07月28日 | なりもの
[あらすじ] 盆踊りの太鼓を西洋音楽のリズムの考え方で叩くと、行進曲になっちゃうよ。
あ、「アンパンマンのマーチ」って行進曲か。


櫓のてっぺんには、青年会の大人が一人と、小学生3人が乗っている。
一人は鉦を叩き、交代で太鼓を叩く。

あ、大事なのは、鉦べなんですよ。
カネですね、ちゃんちきとも呼ぶ。
太鼓をリードするのも鉦なんです。
鉦がしっかりとテンポをキープすることで、太鼓が踊りやすいタイミングで叩ける。
太鼓はところどころ突っ込んだり、ためたりと、歌っていい。
一番たくみな人に鉦を叩かせるといいんです。

「アンパンマンのマーチ」が掛かると、櫓の上は盛り上がる。
Kくんが溌剌とした声で歌うのが、下界にまで聞こえてくる。
「あ!あ!あんぱんまーんーやーさしっいっきっみっはっ!」
ちょっとかすれた男子の声はいいなあ。



一方、私は踊りの輪から外れている。
子どもたちとお母さんで輪に人が増えるからというのもあるし、
これは別に踊るでもないや、という気持ちがある。
休憩して、枝豆をつまんでビールを飲む。

見ると、私の後ろで踊っていた女子も休んでいる。
母親の傍らでカキ氷を食べている。

婦人会の年配の人たちも休憩だ。

さて、多くの会場で婦人会のみなさまに人気の曲がある。
「チャンチキおけさ」だ。
「月がわびしい路地裏の屋台の酒のほろ苦さ」
「知らぬ同士が小皿叩いてチャンチキおけさ」
小皿を鉦に見立てて、箸で叩いてふるさとのおけさを歌う酔っ払いが見えるようだ。

私もこれが好きで、ビールと枝豆を櫓の足元の紅白の幕の裏にそっと隠して
踊りの輪に戻る。

お、さきほどの女子も、食べかけのカキ氷を母親の手に押し付けて、
輪に駆け戻ったよ。
好きだねぇ。



「アンパンマンのマーチ」のイカシた編曲者は、調べてみると、
SHOGUNの元キーボード、大谷和夫さんなんだな。
元、と言うのも、大谷さんはすでに亡くなっているからだ。

ブラスバンドっぽい雰囲気なんだけれど、残念ながら
録音は生楽器ではない。と思う。(違ったらスゲーごめんなさい)
フルートじゃなくて、なんだかわからない笛の音だし、
ユーフォニウムじゃなくて、なんだかわからないラッパの音が聞こえる。

楽器には、それぞれの得意な音域と、音域特有の音色があるけれど、
電子音ではそこまでの表現はしていない。

子どもには、生の楽器の演奏を聞かせて育てたいものだが。
録音が生じゃないことは何も編曲者の責任ではない。
予算の都合とか、あるでしょう。



櫓の上の男子たちは、「アンパンマンのマーチ」が終わると
「おおおーー!」と歓声をあげた。
なにごとかと言うと、曲の最後に2発「チャン、チャン!」とキメが入るのだが、
Kくんがうまくそこで太鼓を入れたのだ。

いや、私から言わせるとズレてはいたのだが、ほぼ合っていた。
これは、合わせるのが難しいんだ。
前の小節の「トリルラ、トリルラ、ターー」の
トリルは裏拍に入っている。
だから数えにくい。
トリッキーで、編曲者の意地が見える。

そして、問題のキメ2発は、最後の小節の3拍目の十六分裏と4拍目のアタマだ。
譜面に書いて画像を添付すりゃ少しはわかりやすくなるだろうけど、
やんなーい。
どうせ難しい。
でもやりたい!って人は譜面なんか要らないだろう。

「ん、トリルラ、トリルラ、ターーーーーー、ンチャッ、チャ!」である。
全角は八分、半角は十六分で、譜割りに合わせて書いてある。
「ー」もひとつ八分で、伸ばす長さどおりだから、このままおぼえて数えれば良い。
ついでに言うと、トリルのところは枠打ちで合わせるとかっこいいだろう。

「ん、カラララ、カラララ、カーーーーーー、ンドンッ、ドン!」っと
キメろ小学生!

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