私は昭和年代の終わりから、行政の断熱指針であった、乾燥した空気を静止させることで断熱効能のあるグラスウール断熱材に変わる素材の研究を行っておりました。
ふとんと同じ断熱材は、乾燥したままにして何十年も保持する事が難しいからです。
私が東京や北海道で行った家づくりは、すべてグラスウール断熱材でした。
当時はグラスウール断熱材しか入手できなかったのも理由の一つです。
湿ったふとんは温かくありません。したがってときおり虫干しや乾燥機にかけます。
しかしながら壁内や床下に埋め込んだ断熱材は、虫干しも乾燥機かけも出来ません。
私は、当時から乾燥した空気を静止させることを十分に意識しながら充填したグラスウール断熱材でしたが、湿気を吸い込む現場もありました。
地域の気候や敷地の状態、住む人のライフスタイルでも微妙に影響を与えることが判明。
平成元年にウレタン樹脂のスプレー発泡断熱方式を試してみました。
ところが可燃性、木材呼吸、施工環境の保持など様々な影響が待ち受けていました。
誰もが行った事のない断熱手法は、当時の住宅金融公庫の断熱仕様にもありません。
平成3年に評定機関に断熱評定の申し込みもグラスウール断熱が基軸となっており、敢え無く窓口での受付拒否にあい撃沈。それから何回も評議員の先生方にお願いし、平成4年に受付を受理されましたが、多くの課題を指摘される厳しい評定審査に掛かりました。
様々な課題克服と先生方の現場審査などを行い、平成5年4月の評定交付となります。
私が日本初のスプレー発泡断熱方式の評定を交付されると今度は、堰を切ったように怒涛のごとく類似工法が出現し始めます。
私達は、グラスウール350㎜相当の厚さとなる断熱壁を190㎜以内に収めて同等の断熱性能を保持しています。この160㎜分の空間にインナー通気をつくって空気循環を行い、輻射熱冷暖房を行うことが出来るようになりました。
施工費用は350㎜グラスウール断熱と同等でさらに家中の隅々まで暖かさが行き渡ります。
また26年前のファースの家の断熱性能は、今でも殆ど性能劣化はありません。
写真は断熱試験ボックスですが、中に100wの電球をつけて内部温度を測定し、グラスウールや色々な樹脂断熱を何シーズンもストレス試験を行っています。
断熱気密の完璧さは、そのままお施主様の利益と施工工務店の笑顔につながります。

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