旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

テロの真の温床はどこか?

2007-10-20 14:45:08 | 政治経済

 

 日本はテロ特措法の処理で揺れているが、問題の根本解決について考えさせられるテレビ番組があった。
 今朝8時からの4チャンネル『ウェーク』・・・、そこに「アフガンを最も知る男」として、中村哲という医師が出演した。私は不覚にもまったく知らなかったのであるが、中村医師は長くアフガニスタンに入り、ハンセン氏病をはじめ困難な医療活動を続け、同時に、「アフガン国民の真の救済は生活そのものを救済すること」だと考え多面的な支援活動を展開しているという。
 特に温暖化の影響から干ばつが激しく、砂漠化により農業が破壊され、生きる場所自体を失いつつある村民を救うために、募金と村民の手仕事によって四年をかけて長大な潅漑水路を築くなど、想像を絶する支援活動を行っている。
 中村氏は、「世界はアフガニスタンの実情を理解してない。テロとの関係でアフガンを見て政治的な係わりをしているが、アフガン国民に一番必要なことは『生きるための支援』を行うことだ」と主張。
 これに対しコメンテーターたちは、「生活支援も必要だが、タリバンというテロの根源を排除しなければ、アフガンの民主化も世界の平和も保てない」と繰り返した。
 中村氏は、大意つぎのように述べて実情を訴えた。

 「タリバンは一般村民で、国を愛する国粋主義者だ。彼ら自体はテロなど行っていない。テロ活動に参加しているのは、むしろアメリカ、ドイツなどヨーロッパで教育を受けた連中だ。
 私たちはアメリカの攻撃を受けたことはあるが(潅漑工事のハッパの爆発音を攻撃と取られてアメリカ空軍の機銃掃射を受けたなど)、タリバンの攻撃を受けたことなど一度も無い。
 テロの根絶としてアフガンを攻撃するのは的外れ・・・、報復によってテロを根絶することは出来ない」

 私はこれを聞いてハッとした。テロの根源はアメリカはじめ先進国にあるのではないか? テロの根絶を掲げたアフガン攻撃やその支援は、大変な的外れではないか?
 その証拠に、9.11以降のテロ報復で、テロは根絶されるどころかむしろ増えている。少なくとも、テレビで見る中村さんとアフガン国民は、テロどころではなく「生きることだけに必死」と見えた。
                     


投票ボタン

blogram投票ボタン