初めてドイツを訪ねて、この世界最大のビール祭りに参加できたのは幸運であった。これまで酒にこだわってきた男に、神はプレゼントをくれたのだと思っている。
ミュンヘン市のホームページによれば、毎年600万人が参加するこのオクトーバーフェストは「2010年に200周年記念祭が待ち受けている」とあるので、1810年に始まった祭りということになる。さすがにビールの国だ。加えて「会場では毎年500万マース(リットル)のビールが消費され、50万羽以上の鶏が食べ尽くされる」とあるので、そのすさまじい飲みっぷりに驚く。
私もその600万人の一人として「オクトーバーフェスト2007」に参加し、かなりの量のビールを飲んだ。鶏はそんなに食った覚えは無いが…。
街は観光客と民族衣装を着飾った地元民であふれ、ビヤホールはもちろん、広場や道路にもジョッキをかざし、歌を歌い、歓声を上げてビールを飲み干す人々であふれていた。メイン会場には「14の地元醸造会社のテントが立ち並び」(前出ホームページ)、いずれもぎっしりで、その雰囲気は狂乱と言いたいほどのものであった。
テントといっても、その大きさは体育館ぐらいもある大きなもので、いずれも熱気にむせ返っていた。私たちは、友人の努力で、初日の「パレード」と「ホフブロイハウスの“バイエルン民族ショー”」の予約席を手に入れた。特に後者は、まず不可能と思われていたが、ちょうどキャンセルが出て入手できたものだ。ホフブロイハウスは別項で後述するとして、祭り初日のパレードは見ごたえがあった。
2時間以上にわたり、60チームのパレードが次々と繰り広げられた。それぞれの村や町や地域を代表するものや、各企業を代表するチームが、衣装を凝らし楽団を先頭にパレードを繰り広げる…、これまた想像をはるかに越える見ごたえのあるパレードであった。特に、大半のチームが何十人もの吹奏楽団を擁していたのを見て、さすがに「音楽の国」だと感心した。
祭りも、どうせやるならこのくらい底抜けにやらなきゃあ…と思ったが、日本で一番大きい祭りはどこで、何人集まるんだったっけ?