旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

台風一過・・・セルジュ一家との3日間(1)

2008-04-21 13:49:32 | 

 

 フランスの友セルジュ夫妻が、3人の子供を連れてリヨンからやってきた。わが家に宿泊する前にN氏宅に逗留して、奈良、姫路、広島などをかなりの強行日程で回ってきたので、我が家に着いたときには少しは疲れているだろうと想像していたのであるが、どうしてどうして、18日(金)の朝、激しい雨の中をずぶ濡れになって到着するや、すばやく着替えて、予定通り浅草に出かけるという。
 夫妻はともあれ、子供が疲れているだろうと心配したが、12歳の長女(ナデージ)と3歳の女の子(オードレイ)、19ヶ月の男の子(マチス)ともぴんぴんしている。暴風雨まがいの風と雨の浅草寺を飛び回り、子供盛りのオードレイは仲見世の店屋の物を当り散らす。マチスは乳母車に縛り付けられたままであるが、両親とも乳母車を押しながら雨の中を見物に回る。
 だいたい彼らは雨など気にしないのだ! ズボンのすそがちょっと濡れても気になる私などとは、正に人種が違うのである。

 セルジュ君と同じ会社に勤める友人が同じく東京見物に来ており、彼らと待ち合わせの約束をしている。てっきり雷門大提灯の前だろうと思ったが「ビッグシューズ」の前だと言う。私はそんな靴屋があったかなあと何処に行くのかと思っていると、中門に吊るしてある「大わらじ」の下だ。なるほど、わらじもシューズには違いないと感心したが、私などより彼らの方が日本をよく知っていることに驚いた。
 なんとか雨を逃れようと「江戸を見ていけ」と両国の『江戸東京博物館』に連れ込んだ。これは雨を逃れた上に結構よろこんでもらった。

 その夜は、ビッグシューズで会った友人夫妻も我が家に招いて、私の娘夫妻も加え大宴会となった。オードレイとマチスが飛び回る中で、フランス語と英語が飛び交い、日本語しか十分に話せない私を疎外感が覆った。(ワイフも娘もそれなりに英語をしゃべるので)
 まさに今年の台風一号というにふさわしい。
                            


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