旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

政治家の政治と国民の生活

2008-08-02 18:40:07 | 政治経済

 

 テレビも新聞も福田改造内閣のニュースでいっぱいであるので、この機会に政治とは何か考えた。
 三省堂の『大辞林』を引くと、政治とは次のように説明されている。

 「①統治者・為政者が民に施す施策。まつりごと ②国家およびその権力作用にかかわる人間の諸活動。広義には、諸権力・諸集団の間に生じる利害の対立などを調整・統合することにもいう」

 これによれば、為政者(政府、特に首相のことであろう)は、まず民がもっとも必要としている施策を施さねばならない、と言うことになろう。しかしこの改造劇を見ていると、次の②にある「諸権力・諸集団(自民党各派閥と公明党のことであろう)の利害の対立を調整・統合して」なんとか権力を維持して行こうとする策だけが見える。
 各派閥の領袖が党役員と閣僚に並んで調整をとり、都合が悪くなって少し自民党と距離を置きたくなった公明党は、通常なら喜ぶはずと思われる「閣僚2名枠」を、断って一人にしたという記事もある(本日付日経新聞3面)。
 同じく日経3面の『麻生氏と密約説 党内で取りざた』という囲み記事では、福田首相は「私の手で総選挙はしない」と麻生氏に告げ、任期近くまで勤めた上で首相の地位を明け渡す密約を交わしたのではないかとの憶測を報じている。
 もしこのようなことならば、民への施しどころか、まさに国民不在の中での権力維持、権力たらいまわしに躍起になっていると言わねばなるまい。
 いま日本の民は相当に困っている。景気がいいというのはほんの一部の大企業だけで、中小企業の大半は赤字に苦しみ、世に言うワーキングプアをはじめ年収200万円に満たない人口が1000万人を超えている。働くものの5~6人に一人の割合だ。その上、高物価や異常な天災が重なり様々な被害を負っている。民の生活を考えれば、権力のたらいまわしなどしている暇はないのではないか?

 冒頭に引用した辞書をもう一度めくると、「政治家」と言う項の説明は「①政治をつかさどる人」などとあるが、②には「事を巧みに処理する力を持つ人。駆け引きや根回しのうまい人」となっている。私は、現政治家のすべてが国民のことなど考えていない、など短絡的なことは思っていないが、どうも今の政治家は、権力を維持する(それにより相当にいいことがあるのだろう!)ために、「駆け引きや根回し」だけに長けているのではないか、と思えてならない。
 歴史の上で、まさに「民のために尽くした政治家」って誰が居たのだろうか?
                                              

 

 


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