勤務する会社が事務所を移転することになった。営業部門と製作部門が分かれることになり、本社・営業部門は従来の事務所の40%ぐらいの広さのところに引っ越した。20年近く住み慣れた東新宿から、中野坂上(丸の内線)に移ったが、環状6号線に面し眼前に都庁をはじめとした副都心ビル群が広がっているので、新宿に居るのと変わらない思いだ。
それはさておき、この引越しで膨大な廃棄物を処理した。本社(総務)・営業部門だけでも、この機会に半分の場所に移転して無駄を省く計画から、不要なものを先ず処分することからはじめたためだ。
狭い事務所に移るには、まずキャビネなどの格納庫が減る。当然中に入っているものを減らさなければ納まらない。今月の中旬からその廃棄に追われた。
実は私は、今年の初めに書斎の模様替えをやり、書籍をはじめ膨大な廃棄物を出した。毎日毎日、紙を破り物を点検してゴミ袋に投入した。かなりの数のゴミ袋を出して、よくもこんなに不要物を溜め込んでいたものだ、と思ったものだ。
ところが今回は、それをはるかに越える廃棄物が出てきた。古い書類が中心であるが、8月いっぱい紙を破り、シュレッダーにかけ続けた感がある。同時に、ファイルやゼムやボールペンなど、売りに行きたくなるほど集まって、「しばらく事務用品の購入は相成らん」と叫んでいる。
東京のど真ん中の家賃の高い事務所に、不要なものを大事に大事に溜め込んで仕事をしているのだ。
一方で、飢えに耐え、勉強するための紙一枚にも不自由している人々もいるのだ。このようなことの度に、人間としての無力さを痛感する。それを感じても又、どうしようもないもどかしさと共に。