昨日の別大マラソンにも興奮した。応援を続けている川内選手が快勝したことによるが、何と言ってもその勝ちっぷりが良かった。相手の中本選手には悪いが、12キロにわたるデッドヒートを最後まで演じてくれたことに感謝している。
二選手の力が他を圧していたのであろうが、28キロから二人が飛び出し、40キロ過ぎまで抜きつぬかれつのデッドヒートというのも、マラソンとしては珍しい。
中本選手は10度目のマラソンで、ロンドンオリンピック6位をはじめ、優勝こそ外しているが常に10位以内を走るマラソン界のサラブレットだ。安川電気に属し駅伝でも名をはせている。立派な監督、コーチに指導され、体調や食生活に関する管理も行き届いているのであろう。出場するレースも、年1、2回で満を持して参加するのであろう。
一方川内選手は公務員。埼玉県庁の職員で毎日業務に追われ、毎週どこかのレースに出場しながら、それを練習として鍛えてきたという。事実、昨年ロンドンオリンピックへの切符を逃した後も、国内はもちろん、「ドイツ、オーストラリア、エジプトなど(あまり聞いたことのない外国レース)に挑戦をつづけながら、タフさと技術を見つけてきた」ようだ。(本日付日経新聞スポーツ欄)
こうなると、昨日のような長距離デッドヒートとなれば勝負ありではないか? 外国人と磨いてきたタフさ、どうすれば勝てるかの勝負勘…、このようなものを毎週磨いている者と、(必ずしもその通りではないのであろうが)理論通りに育てらえた者とでは、勝負は目に見えているのではないか?
「1キロ3分ペースでじっくりと引き離すはずであった」中本選手は、ついに引き離せず、「最後に強い相手のスパートについていけない自分の弱さが敗因」とあっさりシャッポを脱いだ。
12キロの間に3、4回スパートをかけた川内は、スパートというより、「弱気にならないため、自分から落ちないため」スピードアップしたと言っている(前同紙)ので、ここでも勝負に対するとり組み方(根性?)が違うようだ。
スポーツ界は暴力指導問題でも揺れているが、指導方法を根本的に考え直す時期ではないか?
40キロ過ぎで中本を引き離す川内(本日付毎日新聞一面)