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旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

半世紀を経て、なお力を持つ美輪明宏「ヨイトマケの唄」

2013-02-01 15:13:16 | 文化(音楽、絵画、映画)

 

 1月30日付毎日新聞夕刊一面“知りたい!”欄に、「若者絶賛『ヨイトマケの唄』」と題して美輪明宏に関する大きな記事が載った。それによれば、暮れの紅白歌合戦に初出場した美輪明宏のこの歌については、特に若い世代の反響がすさまじく、ツイッターやウェブの掲示版は「号泣」とか「紅白史上最高」などの声で埋まり、音楽配信サイト「レコチョク」が行った「紅白で最も印象に残ったアーティスト」投票では1位であったと報じられている。
 美輪は日本におけるシンガー・ソングライターの走りであり、彼(?)がこの歌を自作自演で発表したのは1965年のことであった。実に48年前、約半世紀前のことである。当時から高い評価を受け、美輪も折にふれ歌ってきたが、今回初出場した紅白で、彼は満を持して歌ったのであろう。
 そしてその歌は、若者を「号泣」させ、「紅白史上最高」の評価を得たのだ。半世紀を経てこの評価を得たことは、この歌がいかに普遍性を持っていたかを示すだろう。そもそも初出場というのが間違っている。美輪はこの48年間紅白に出場し続けて、この歌を歌い続けなければならなかったのではないか?

 実は私は、今回の紅白でこの「ヨイトマケ」だけを聞いた。我が家の暮れから正月にかけてのテレビは、クラシックとオペラの番組で埋まっている。私はその中で、「ヨイトマケ」だけは聞くぞ」と早くから宣言し、2チャンネルの「らららクラシック」から時間を見計らって、美輪の一人前でNHKに切り替えた。聞き終えて、余韻を冷ますために次の和田あき子ぐらいは聞くか…、と聞いていたらワイフに「グレン・グールドが始まるんだからダメよ」と切りかえられた。
 ただ、クラシック音楽の流れる中でも、私はしばらく「ヨイトマケの唄」の感動に浸っていた。私は、彼は戦後史を歌った!、と思った。そして、これは大切にしなければならないと思うと同時に、自分のひとりよがりかなあ…とも思ってきたのだが、この毎日新聞を読んで大いに気をよくした。同年配者が当時を思い起こして支持するのはまだしも、若者の高い評価を受けたことが何よりもうれしい。

 美輪明宏77歳。戦後史を歌い続ける力を持つ最後の歌手ではないか?
 


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