人の人生は、その人を取り巻く“人”が彩る。酒にしても旅にしても、そこにかかわる人が新たな味わいを添えてくれる。
一人酒、ひとり旅という言葉はある。しかし、一人で味わう酒にもその造りり手(米を作る農夫も含めて)の顔が浮かぶし、ひとり旅人も食や宿りをはじめ無数の人と袖を触れ合う。
去年もたくさんの人と出会った。全く新しく出会った人も多く、思いもかけない新鮮な関係を残してくれた。
今年はまたどんな出会いがあるのだろうか?
人生の清算期に入ると、過去の出来事とそこに絡まる人が様々に想い出される。むかし親しくつき合って、何十年も会わない人と会ってみたくなる。
「あいつとあんな議論をしたが未だ決着がついてない。今どう考えているだろうか?」
「あの時相談されたことに中途半端な返事をしたままだ。あれはどう処理されたのだろうか?」
今年の年賀状の数名に「おれも先が短くなった。一度会うか」と書き添えた。いずれも昔は親しく付き合い年賀状は交わしているが、何十年も会ってない人たちだ。未だ返事が来てないが、相手も何か考えているかもしれない。
今年新たにどんな出会いが生まれ、過去の出会いがどんな決着を見るのだろうか?