旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

琵琶湖の旅⑤ … 浅井一族の小谷城周辺

2014-05-03 11:22:41 | 政治経済


 三日目は長浜周辺。まず午前中は9人乗り大型タクシーで小谷城周辺を回った。前夜の宿『千茂登』旅館を出発した車はやがて琵琶湖畔に出る。車窓を流れる琵琶湖の景観は、春霞に包まれて美しかった。何時間でも走り続けてくれ、と言いたいほどであった。

  
           

 先ず向かったのが、渡岸寺観音堂「向願寺」、国宝「十一面観世音」を拝顔するためだ。「長浜に行くのなら何はさておいても観よ」と何人かに言われただけあって、この観音像は見ごたえがあった。聖武天皇の天平8年(約1250年前)、都に大流行した疱瘡(ほうそう)の除災を祈って、僧泰澄が彫った(木彫)という。

       
 (奥びわ湖観光協会リーフレットより)

 その他、観音像がたくさん並ぶお寺をいくつか見て小谷城址の中腹まで登る。残念ながら頂上の本丸跡までは車はいけない。また歩く時間もない。しかし、緑に包まれた中腹から琵琶湖を遠望、下って小谷城戦国歴史資料館や姉川古戦場跡などを回り、浅井長政、お市の方、浅井三姉妹の悲話を偲ぶには十分であった。

 姉川古戦場跡には特に何もないが、織田(2万3千)・徳川(6千)勢と浅井(8千)・朝倉(1万)勢が姉川をはさんで対立する配置図などがあり、戦いの激しさを思わせる。
 そのそばに地元俳人木導(もくどう、芭蕉の弟子)の

  春風や麦の中行く水の音

という句碑が建っていたが、戦いさえなければ正に平穏な生活がそこにあったのであろう。

     
  小谷山中腹(車止め)より琵琶湖を遠望


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