弟の経営してきたY社の株主総会に出席してきた。渡された資料を見ると「32期株主総会資料」となっている。32年と言えば短くない年限だ。弟がその経営に参画して以来、32年にわたり私もかかわりあってきたことを思うと、感慨深いものがあった。
しかも今期も、償却前利益で32百万円を計上している。苦しい時期が何度もあったがそれを乗り越え、今も100人近い従業員を抱えて存続していること自体に意味がある。
総会終了後の懇親会で、私は次のような謝意を述べた。
「…今の日本は危険な方向に向かっていると危惧している。安倍政権の右傾化(集団的自衛権容認や、憲法改定の動きなど)もさることながら、中間層の崩壊…一部の裕福化と多数の貧困化…格差社会と貧困からくる様々な社会問題、に将来不安を感じている。そのような中で、各企業が雇用を確保し、従業員の生活を守っていることは意義が大きい。経営陣の努力に感謝する…」
道徳的廃頽を含め陰湿な事件が後を絶たない。以前には考えられないような事件が起こる。その多くの原因は貧困にあると私は思う。年収200万円以下が1千万世帯を超すという状態は軽視できない。まともに働いても食べていけないワーキング・プアーの存在など先進国の名に恥じる。どうして日本はその様な社会になったのだろうか?
その中で各企業が雇用を確保し、従業員の正常な生活を守り抜く意義は大きい。