旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

日本経済の現状と展望(アベノミクスの視座) … 寺島実郎氏講演会

2014-06-19 15:34:15 | 政治経済


 三菱UFJ総研の寺島実郎氏講演会に行ってきた。かなり広範囲に様々な話があったが、中心は「日本経済・産業の現状と展望…アベノミクスの視座――外資依存の株高幻想の終焉と真の成長戦略の必要」というテーマであった。
 豊富な資料をもとに、実に怖い話の連続であった。とにかく記憶にとどめておくため、氏の話した通りをできるだけ正確に書き留めておく。

・現下の株価上昇は、外国人投資家(ヘッジファンド)の買い越しによる。
 2012年11月16日解散総選挙以降、2014年4月25日時点まで、外人投資家による買い越し累計額は15.7兆円。一方、日本人は14.3兆円の売り越し(機関投資家5.8兆円、個人8.5兆円)
・日本人は買ってないのだ。バブル崩壊の1990年以降、株価は69%下落して2012年は9.108円、地価の下落(商業地-77%、住宅地-51%)も合わせ日本の資産家は苦しみ続け、今回の15~16千円回復は絶好の売り場だったのか。
・しかし、ヘッジファンドの投資目的は短期保有の「売りぬく資本主義」。超金融緩和と円安政策の安倍政権の登場で、BRICsに向かっていた資金を一時的に向けて稼ぎ、様子を見ている。事実、今年の3月末米東海岸訪問時、あるヘッジファンドリーダーは寺島氏に次のように語ったという。
「超金融緩和と財政出動による円安誘導は自分たち海外投資家には好ましい環境だが、日本人にとって中長期的に幸福をもたらすとは思わない」
「自国通貨を安く誘導する国が中長期に成功した事例は歴史上皆無」
「自分たちは金融ビジネスの立場でしばらく日本株をENJOYさせてもらい、世界の金融構造の変化を見極めて機動的に動く、それのみ」
(以上、寺島実郎『時代認識と提言 資料集2014年初夏号』より)

 まことに怖い話である。安倍政権や日銀幹部は、国を売る国賊ではないのか? そのような人たちに政治や経済を任せておいて大丈夫か?


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