東京めじろ会という大分県の酒を飲む会がある。年3回開催で各回300人近い人が集まる盛況が続いている。今回は日田の老松酒造が出展で、芹洋子さんがご出演というので張り切って出かけた。
大分県臼杵市出身で山が好きであった私は、子供のころから県内の山にすいぶん登った。鎮南山から八戸高原、由布・鶴見岳、阿蘇五岳、祖母・傾連山…、中でも九重山群には何度登ったか数え切れない。
竹田市から久住高原を経るコースと、豊後中村から飯田高原を経るコースが多かったが、いずれにせよ、初日は標高1000mの法華院温泉に着き、そこを拠点に九住や大船に登る。その法華院温泉のある盆地の一角が「坊がつる」とよばれた。
1978年、NHKのみんなのうたであったと思うが「坊がつる讃歌」(歌:芹洋子)が流れると、それは一世を風靡し、私の胸には青春の数々がよみがえった。東京めじろ会で、「四季の唄」や「山は心のふるさと」などとともにこの歌を聴いて、はじめてお目にかかる芹洋子さんに、私はその思い出を語った。芹さんは快く耳を傾けてくれて、私と写真に納まってくれた。
蛇足であるがその直後のくじ引き大会で、私は老松酒造ご自慢の焼酎『閻魔』を引き当てた。私には、芹さんがその幸運をもたらしてくれたように思えた。
幸運と言えば、その翌日の「南部美人金賞W受賞を祝う会」でも、思わぬ絶品をゲットすることになった。南部美人は最近10年間で金賞を9回獲得するという東北、いや日本を代表する名門蔵であるが、今回特にお祝い会を開いたのは、新しくできた新蔵も、その最初の出品種が金賞を獲得、本社蔵とダブル受賞をしたからだ。複数の蔵で金賞を取る例は他にもあるが、新蔵がその最初の年の出品で金賞を獲得しW受賞となったのは初めてであろう。
そして私は、その金賞酒を、久慈蔵元とのジャンケン戦を勝ち抜いて獲得したのである。貴重な酒を誰と飲むか熟慮中であり、首に「本社蔵出品酒」という荷札だけを下げ、未だラベルも張られてないその一升瓶は、わが書斎の冷蔵庫の一番奥に眠っている。
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