三菱UFJリサーチ&コンサルティング理事長の中谷巌氏が、10月3日付の『daily REPORT』で「“2周目”のグローバリゼーション」と題してスケールの大きい文明史観を提起している。
それによると…。
1周目のグローバリゼーションは、コロンブスのアメリカ発見以来、世界文明が西へ西へと「西転」した過程で、「グローバル資本主義の考え方が世界の隅々まで浸透したという意味において、西欧文明の『西転』はコロンブス以来500年を経て、地球を一周分まわり終えたということになるであろう」としている。
この1周目のグローバリゼーションは人類の物質的生活水準を飛躍的に向上させたが、、西洋による非西洋諸国の収奪(植民地主義、帝国主義など)により成し遂げられたものでもあり、その副作用も大きい。即ち、地球環境破壊、核の開発や原発事故、遺伝子操作などの新たなリスク、富と所得の格差、貧困問題、金融肥大化による世界経済の不安定化、などなど。
そして、これら副作用に対する深刻な反省なくして「2回目のグロバリゼーション」に突き進むならば、人類の未来は非常に危ういと警告している。そのためには、前述の副作用を克服した新しい文明観、西洋諸国が非西洋諸国を征服・略奪してきた「力と闘争の文明観」の克服、自然を搾取することで経済発展をめざす「成長至上主義」を改めること、などの重要性を提起している。
そして中谷氏は、日本が江戸時代まで西洋の価値観と一線を画してきたこと、自然を征服すべきものとする西洋の価値観に対し「人は自然によって生かされている」とする自然との共存思想を持ってきたことなどを挙げ、2回目のグローバリゼーションに向かう文明観を形成するうえで日本人の果たすべき役割の大きいことを指摘している。
このような大きな文明史観を身につけるには、どのような勉強をすればいいのだろうか? つい3日前の「ヘリングパーティ」の記事で、「今の日本はどうなっているんだ」、「もはや日本には住みたくない」など話し合ったことを書いたが、日本人の持つ豊かな文明史観を今一度考え直す必要があるのではないか?
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