先日地元テレビで「弁当戦争」といった内容の番組を見た。
タイトルは必ずしも正確ではないが、那覇の国道から県庁に向かう日生ビル界隈の露天弁当屋の奮闘振りで興味深く見た。
弁当屋から連想が飛んで国道を挟んだ久米町の裏路地にあったラーメン屋のことを想い出した。
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暫くぶりに以前通った道を車窓から見ると街の風景の激しい変わりように驚かされる。
日生ビル前の弁当市近辺にラーメン屋があったと言う記憶は暫く行かない内に消えかかっていた。
記憶を辿ると国道から商業高校通りに入って最初の路地を左へ入ったら直ぐ右手に「太陽軒」と言うラーメン屋があった。
派手な宣伝はしないが少なくとも30年程の老舗で知る人ぞ知る隠れた有名店である。
時々利用させてもらったがこの店には他のラーメン屋に無い幾つかの特徴があった。
独断と偏見で列挙してみよう。
先ず客席は木造りの大テーブルで6人から10人の大人数が座れるようになっている。
ラーメン屋の定番のカウンター席はなかった。
で、最初の頃は一人で行くと居心地が悪かった。
合い席はこの店では常識なのですぐ慣れた。
次に変っているのは注文品ごとにヌカ漬けの漬物小皿が付く。
例えば一人で行ってラーメン、餃子それにビールを注文したらヌカ漬けが三皿付く。
三番目にビールである。
沖縄ではビールの大瓶を出す店はほとんど見られなくなってきたが太陽軒で頑固にサッポロ大瓶を出していた。
餃子やヌカ漬けを肴にビールの大瓶を独酌で傾けるのは密かな楽しみだった。
最後に週刊誌を沢山置いてあるので滅多に買わない私にとっては結構な情報収集基地であった。
肝心の味のほうは、って?
勿論美味しいのは大前提での長話であって、これで不味かったら只の「ローマータンメーのドゥーチュイムニ―(独り言)」になってしまう。
ラーメンの種類はかなり多種に渡っていた記憶がある。
それも今はやりの醤油味、味噌味、豚骨味と言った種類ではなく太陽軒独自の工夫があった。
食べた事はなかったが「サンマラーメン」のようなものもあった。
ラーメンの容器は大きく食べるたびにリッチな気分にさせてくれた。
ラーメンの他には「レバニラ炒め」がモヤシがしゃきしゃきして美味しかった。
レバーはあまり好きでなかったので、メニューに無い「肉ニラ炒め」を頼むと「あいよ!」と同じ値段で注文を受けてくれた。
是非一度は行ってみるべきお勧めの店だと友人に勧めたら、早速行った友人から寂しい報せがあった。
「太陽軒」は私の記憶どおりに存在したが・・・近く閉店だとのこと。
街がどんどん高層化して昔の良い店が消えていくのは寂しいもの。
「太陽軒」が形を変えて再出発する事を祈念したい。
◆太陽軒http://www.okinawa-joho.net/gourmet/syousai-new.php?id_no=136
【追記】4月28日11:16
友人のM君が閉店の噂を聞いて仲間と連れ立って「太陽軒」での「最後の晩餐」を味わいに行った様子をメールで伝えてきた。
その一部を以下抜粋で転載します。
僕の記憶では前の店は大典寺側にあったのを憶えています。
Nちゃんが言うには3回の場所変をしているそうです。
さて、メニューはと言うとギョーザ、皿大盛りのニバレバ炒め、野菜炒め、それと問題のビール、指摘のとおり大瓶でした。Eさんが前にメールでしっかり書いていたと、雑談のなかで話題になりました。
この大瓶がなくなると思うと何処へいっても中瓶でしか出ないご時世、チョッピリ寂しいですね。
料理の味は濃いめ、でもオイシカッタです。
僕が好きなものは今日は食べなかったですが、味噌ラーメンがおいしいですね。
よく聞いてみると来月の中旬ごろまでは開いているらしいので女房ともう一度来ようかと思っています。
今度は必ず奥様と一緒にいってね!