慶喜

心意気
「明日迄の命の気持ちで、人生を!」
「不老不死の気持ちで、知識の習得を!」

『都合の悪い事伝えないメディア』『老いた肉体への心の備え必要?』

2024年09月15日 | 医療
🌸不愉快な事実は伝えないメディア

 ☆文字ばかりで恐縮ですが
 *医師側から見た『看取り』の内容なので
 ☆何か『人間のライフクロック』を感じさせられます

メディアウソは伝えないが、都合の悪いことも伝えない
 ☆不愉快な事実はだれも知りたがらない
 *心地よい話はメディアにあふれている
 *長寿社会の礼賛、医療の進歩、活き活きシルバーライフ、絆等
 ☆その為、準備を怠り、いざというときになり
 *慌て、迷い、選択を誤る人が多いのは、しがたいこと
 ☆テレビや新聞で前向きな人を見ていて
 *そういう人も必要だろうけれど、そればかりでいいのかと
 *いつも疑問に思っている
 ☆これは老いや死に関することばかりではない
 *犯罪の報道でも、凶悪な犯罪では被害者の側に立った視点で
 *犯人の悪辣なことばかりが報じられる
 *犯人の側に立つ報道は、まず皆無
 ☆メディアはウソは報じないが、都合のいいことしか伝えない
 *世間の共感を得て、メディアとしての信頼を高め
 *メディアは、収益につなげることが目的だから
 ☆被害者のことを考えれば
 *加害者の言い分など聞きたくもないし、犯人の悪辣な情報を得て
 *勧善懲悪の気分に浸っているほうが気持ちがいい
 ☆メディアも被害者のニーズに応えて
 *仮に加害者側に致し方ない事情があっても闇に葬る
 *報じられないことは、受け手からすればないのと同じ
 ☆老いと死に話に関しても
 *気持ちのいい情報ばかりで安心するのは危険
 *不愉快なことでも知っておいたほうがいいこともある
 *より成熟した人間としては、イヤなことにこそ目を向け
 *しっかりと心の準備をしておくべきだ

⛳”人生百年時代”の意味
 ☆昨今、何が根拠かわかりませんが、「人生百年時代」に突入した
 ☆この言葉の真に意味するところは
 *「百歳まで生きられる」ではなく、「百歳まで死ねない」ということ
 ☆高齢者医療の現場にいた筆者
 *百歳近くまで生きて悲惨な状況の患者さんを間近に見て
 *何度、長生きは考え物だと思つたかしれません
 *生きすぎる長生きは不運以外の何ものでもない
 *メデイアはそういう不愉快な事実はめったに伝えない
 ☆メデイアは、超高齢でも元気な人を採り上げ
 *こんなに食欲旺盛だの、腕立て伏せができるだの
 *今も仕事をしているだのと、その活躍ぶりを賞讃します
 *見た人は感心し、いい気持ちになり
 *無意識に自分もそうなれるのではないかと思ってしまう
 ☆それはフェアな報道ではない
 *元気で活躍する超高齢者
 *テレビに映る場面では笑顔でも、実際はあちこち痛かったり
 *関節が曲がらなかったり、不眠と便秘と耳鳴りと頭痛に苦しんで
 *顔をしかめているかもしれません
 *おむつをつけていたり、尿漏れに悩んでいたり
 *心不全、不整脈、肺気腫、腎機能障害等に怯えていたりと
 *さまざまな老いの現実に苦しんでいるはずです
 *不安定な状況はいっさいメディア伝えません
 ☆悲観的なことばかり思い浮かべて
 *うつ病になってはいけませんが
 ☆楽観的なことばかり考えて、心の準備を怠ると
 *現実の老いに直面したとき
 *「こんなになるとは思わなかった」等
 *余計な嘆きに苛まれることになります
 ☆長生きを目指すなら
 *そういう不愉快な事実も視野に入れておく必要がある
                       (敬称略)
⛳知識の向上目指し、記事を参考に自分のノートとしてブログに記載
⛳出典内容の共有、出典の購読、視聴に繋がればと思いブログで紹介
 ☆記事内容ご指摘あれば、訂正・削除します
⛳私の知識不足の為、記述に誤り不明点あると思います
⛳投資は、自己責任、自己満足、自己判断で
⛳詳細は、出典原書・記事・番組・画像でご確認ください
⛳出典、『人はどう死ぬのか』





『都合の悪い事伝えないメディア』『老いた肉体への心の備え必要?』
(ネットより画像引用)
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『死に目に合うより大事なもの』『死に目を重視する弊害』

2024年09月14日 | 医療
🌸死に目に会うことの意味4

 ☆文字ばかりで恐縮ですが
 *医師側から見た『看取り』の内容なので
 ☆何か『人間のライフクロック』を感じさせられます

死に目より大事なもの
 ☆下顎呼吸になれば、完全に意識は失われている
 *周囲が「ありがとう」とか「愛してる」とか言っても
 *本人には伝わらないと思う
 ☆昏睡状態になってからでも
 *呼びかけにたしかにうなずいてくれたと主張する人もいるが
 *多くの場合、それは下顎呼吸を返事と見まちがえたのでしょう
 *そう思いたい気持ちは山々ですが、確証のない状況で
 *自分に都合よく解釈し、陶然とするのは好ましいとは思えません
 *そんな言説は信頼するに足りない
 ☆死ぬ間際の慌ただしいときになって
 *必死に声をかけるくらいなら
 *なぜもっとふつうに意思疎通ができるうちに言っておかないのか
 ☆生きている間に、十分、感謝の気持ちや愛情を伝えておけば
 *死という生き物にとって最悪の非常時に
 *改めて念を押す必要などないと思う
 *ときに異様なほど感情を乱すご家族などを見ると
 *そういう感慨を抱くこともままあります
 ☆先に書いた、膵がんの患者さんのご主人は
 *大切な身内の死に目を冷静かつ厳かに見送ってあげた
 ☆死に目での対応の差はどこから来るのか
 *やはりふだんの対応と、心の備えのちがいでしょう
 *その日は必ず訪れるのに、拒絶し、考えないようにし
 *″ふだん”という貴重な時間をいい加減にやりすごしているから
 *取り乱し、深い悲しみに苦しむのでは
 ☆大切な身内や自分が死ぬ目
 *必ず来るという現実を受け入れるのは
 *つらいことですが、早めにすませばすますほど
 *”今”という平穏な日々の大切さが身にしみます
 *無事であることのありがたみがよくわかります
 *大切な身内や友人に精いっばいの対応をしていれば
 *いざとなったときにも慌てず
 *穏やかに運命を受け入れられるのでは

⛳死に目を重視することの弊害
 ☆特に親の死に目や、連れ合いの死に目
 *自分が見送ってやりたい気持ち
 *どうしても捨てきれないという人もいるでしょう
 ☆人の死はだれにも予測不能です
 *必ず死に目に会いたいというのであれば
 *ずっと相手の横についていなければなりません
 ☆下顎呼吸が合図になって
 *いよいよだというとき、ちょっとスマホに目をやった瞬間
 *心臓が最後の鼓動を打つこともある
 ☆下顎呼吸が長引くと、徐々に悲しみも薄れる
 *途中から臨終を待ち望む気配になってきます
 ☆病院で最期を迎える場合は
 *家族を死に目に会わせるために
 *当人にとり拷問に近い蘇生処置がなされる場合がある
 *死に目を重視する文化の最大の弊害です
 ☆死に目に会えるかどうかには
 *運の要素が大きいのです
 *会えればそれに越したことはありませんが
 *会えなくてもいいという心の準備が必要だと思います
 *それがないと、運悪く死に目に会えなかったときに
 *後々まで無用の悔いに苦しめられてしまいます
 ☆死に目に会うことに執着してしまうと
 *さまざまな弊害があることを知ってほしいと思います
                       (敬称略)
⛳知識の向上目指し、記事を参考に自分のノートとしてブログに記載
⛳出典内容の共有、出典の購読、視聴に繋がればと思いブログで紹介
 ☆記事内容ご指摘あれば、訂正・削除します
⛳私の知識不足の為、記述に誤り不明点あると思います
⛳投資は、自己責任、自己満足、自己判断で
⛳詳細は、出典原書・記事・番組・画像でご確認ください
⛳出典、『人はどう死ぬのか』




『死に目に合うより大事なもの』『死に目を重視する弊害』
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『死に目=看取りの誤解』『見せかけの死に目が特に必要な場合』

2024年09月13日 | 医療
🌸死に目に会うことの意味3

 ☆文字ばかりで恐縮ですが
 *医師側から見た『看取り』の内容なので
 ☆何か『人間のライフクロック』を感じさせられます

看取りのときの誤解
 ☆人は一生のうち、何回くらい人の死に目に接するのか
 *ふつうの人は、両親、祖父母全ての死に目に会ったとしても6回
 *そのすべてに立ち会う人は稀でしょう
 *兄弟姉妹や親戚のケースを入れても、多くても4、5回
 ☆「死に目に会う」イメージは、かなり固定観念になっている
 *さまざまな誤解が生じている
 ☆在宅での看取りをしていたとき、筆者の経験
 *筆者が初診をしたときも、闘病生活の苦しさがうかがわれました
 *訪問診療の巡回中にご主人から電話がかかってきました
 *患者さんはすでに下顎呼吸の状態で、ご主人が横で見守っていました
 *あとは臨終を待つばかりです
 ☆患者さんの従姉妹で、連絡を受け、急速、駆けつけた
 *ベッドで喘いでいる患者さんを見ると
 *女性たちは口々に言いました
 *「あきらめたらあかん。頑張りや」

 ☆横で見ていたご主人が、患者さんにそっと手を伸ばし
 *優しい声で言ったのです、「もう頑張らんでええで」
 ☆3人の従姉妹たちは
 *善意で患者さんを励ましたかったのだと思います
 *これまでの治療のつらさをずっと見てきたご主人
 *これ以上、頑張ることの無意味さを身に染みて感じていたのでしょう
 *それで、もう頑張らなくてもいいと、静かに死を受け入れた
 ☆筆者は看護師ともども、深くご主人の言葉に共感しました
 *死を受け入れるなどもってのほか
 *最後まであきらめずに頑張るべきだなどは、空論です
 *早すぎるあきらめは問題ですが
 *人は必ず最期を迎えるのですから
 *そのときは静かに死を受け入れたほうが
 *安らかなのはまちがいありません

⛳死に目に会わせてあげたかったことも
 ☆筆者自身、家族を死に目に会わせられず、悔いを残した経験もあります
 *48歳のスキルス性胃がんの女性に、胃の全摘手術をした
 *手術後の経過は順調で、食事も五分粥まで進んでいたのですが
 *突如、容態が悪化して、多臓器不全になる
 *筆者は人工呼吸器をつけるなど、治療を試みましたが
 *ついに急変して血圧が下がりはじめました
 ☆患者さんの家庭事情が複雑でした
 *中学の息子さんと母1人子1人の生活をしていた
 *病気の説明、手術後の容態説明
 *患者さんの叔母に当たる人にしていて
 *筆者は、息子さんには会ったことがありませんでした
 ☆急変してすぐに叔母さんと息子さんに連絡をして
 *筆者はなんとか2人が来るまで患者さんの命をつなどうと努力しました
 *筆者は息子さんが来るまで心臓マッサージを続けるつもりで
 *懸命に患者さんの胸を押しました
 *息子さんが来るまではと懸命に頑張りましたが
 *15分ほどで限界を超え、筆者は心臓マッサージを中止しました
 ☆叔母さんに臨終を告げ、面会してもらいました
 *息子さんが到着したのは、それから15分ほどしてからでした
 *息子さんは、ベッドの横に立ち、母親をじっと見ていました
 *泣き崩れることもなく、声をかけることもありません
 *うつむき加減の目から、ポタポタと涙が床に滴り落ちていました
 *私は申し訳ない気持ちでいっぱいで
 *声をかけることもできず、ただうなだれることしかできませんでした
 ☆彼には母親の死に目に会わせてあげたかったと、今でも思います
 *無理な心臓マッサージをして
 *見せかけの死に目を作ってでも
 *そうしたほうがよかったと思うのは
 *相手がまだ少年だからです
 ☆大人にはそんな嘘は必要ないと思いたいです
 *それは、死に目より大事なものを見失いかねないからです
                       (敬称略)
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『死に目=看取りの誤解』『見せかけの死に目が特に必要な場合』
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『先生、遅かったの叫び』『”エンゼルケア”という欺瞞』

2024年09月12日 | 医療
🌸死に目に会うことの意味

 ☆文字ばかりで恐縮ですが
 *医師側から見た『看取り』の内容なので
 ☆何か『人間のライフクロック』を感じさせられます

「先生、遅かったあ」という叫び
 ☆在宅医療の看取りでも、″死に目”のトラブルはある
 *筆者は、膵臓がんの末期で住み慣れた家で
 *最期を迎えたいと退院してきた女性を受け持つ
 ☆筆者はご主人に死の状況を説明した
 *自然な形で見送ってあげることが、患者さんにとっては
 *最善であることを徐々に理解してもらっていました
 *血圧が下がりはじめたころから毎日訪問し
 *最後は午前と午後の2回、ようすを見に行く
 ☆「家内の呼吸がおかしくなっています」とご主人から電話
 *ご主人に、下顎呼吸になったら、いつでも連絡するようにと伝えていた
 ☆看護師にも連絡して、別々に車で駆けつける
 *ご主人が、「先生、遅かったぁ」と叫んでその場に泣き崩れた
 *筆者は一礼だけしてその横を通り抜け
 *患者さんが療養していた座敷に向かいました
 *患者さんはすでに心肺停止状態で布団に横たわり
 *周囲をご家族や親戚とおぼしき人々が取り巻いていました
 *白衣姿の私を見ると、 一同は道を開けてくれましたが
 *今ごろ来てと、怒りとも悶えともつかない無言の圧力が伝わる
 *筆者にできることは何もありませんでした
 ☆筆者はおもむろに時計で時間を確認し
 *「ご臨終を確認しました」と、ご主人に告げ、頭を下げた
 ☆死に対して医療は無力です
 *″死に目″に医者がその場にいるかどうかは
 *実際にはほとんど意味がありません
 *下顎呼吸がはじまったらすぐ連絡するように
 *どの家族にも伝えていましたが
 *それでも間に合わないときもあります
 ☆患者さんのご主人には申し訳ないことをしましたが
 *患者さんが生きている間に
 *臨終のときは医者がいてもいなくても、問題ないとまでは
 *説明できなかったのがつらいところでした

⛳”エンゼルケア”という欺瞞
 ☆患者さんが亡くなると、″エンゼルケア”という死後処置が行われる
 *入院患者さんが亡くなったときは、看護師がすべてやってくれる
 *ご遺族のなかには、死後処置を手伝わせてとおっしゃる方もいる
 ☆”エンゼルケア”は、死後硬直は顎からはじまるので
 *口を開いたままにしておくと
 *あとで閉じられなくなるので、綿を詰めたらしっかり閉じさせる
 *どうしても開く場合は、包帯で顎紐のように縛る
 *看護師が髪を硫かし、時間をかけてフアンデーションを塗る
 *看護師が下半身にまわり、腰を持ち上げて
 *看護師が肛門に指を入れて、便を掻き出す
 *下腹部をぐっと押して便を掻き出す
 *全部出し終えてから、陰部をていねいに洗い清め
 *新しいおしめをつけて、最後は用意された白い死に装束を着せる
 ☆汚れ物を片付けている看護師に、筆者は少々戸惑いながら訊ねた
 *「ここまでしなければいけないのかな」
 *筆者を見て、看護師は思いを察し、諭すように答えた

 ☆ご遺体は、ご家族が見る最後の姿です
 *だから、お化粧もできるだけきれいにします
 *便が残っていると、あとで出てくることもあるので
 ☆病院勤務のときには知りませんでしたが
 *看護師は常にこういうことをしているのです
 ☆すべてを終えて、ご遺族を呼び入れたときに
 *整然と片付けられた座敷の布団で
 *患者さんは安らかな死に顔で横たわっていました
 *ご主人・家族や親戚も化粧を施された患者さんを見て、満足そうでした
 ☆看護師がする″エンゼルケア″
 *遺族も世間も、それをする看護師を”天使″と思っているのでしょうか
 *実際は、ご遺体の腹を押して残った便を掻き出しているのに
                       (敬称略)
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⛳出典、『人はどう死ぬのか』



『先生、遅かったの叫び』『”エンゼルケア”という欺瞞』
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『死に目に会う為の処置の意味?』『死に対して医療は無力』

2024年09月11日 | 医療
🌸死に目に会うことの意味

 ☆文字ばかりで恐縮ですが
 *医師側から見た『看取り』の内容なので
 ☆何か『人間のライフクロック』を感じさせられます

⛳死に目に間に合わせるための非道
 ☆日本では死に目に会うこと、重大事と受け止めている人が多い
 *特に親の死に目に会うのは、子として当然の義務
 *最後の親孝行のように言われたりもする
 ☆筆者が在宅医療で診ていた乳がんの女性
 *臨終が近づいたとき、入院の手続きをとった
 *患者さんが最後は病院でと希望していたから
 ☆病院の主治医から患者さんが亡くなったという報告書が届く
 *報告書によると、看護師が午後8時巡回したときさ異常なかったが
 *午後10時に巡回すると、心肺停止の状態になっていた
 ☆看護師はすぐに当直医に連絡
 *当直医は気管内挿管をして、人工呼吸器につなぎ
 *カウンターショックと心臓マッサージで心拍を再開させた
 *その後、ステロイドや強心剤を投与して
 *翌日の午後8時に、無事、家族に見守られて永眠した
 *家族が、死に目に会うことを実現させられたと
 *いささか誇らしげに書いてあった
 ☆家族は喜び感謝したでしょう
 *亡くなった患者さん本人はどうだったでしょうか
 ☆実態を知る私としては、なんという無茶なことをとあきれた

 ①人工呼吸のための気管内挿管
 *口から人差し指ほどのチューブを気管に挿入する
 *意識がない状態でも、反射でむせる
 *歯が折れたりして、場合によっては、口は血だらけになる
 ➁カウンターショック
 *裸の胸に電極を当てて電流を流す
 *往々にして皮膚に火傷を引き起こします
 ③心臓マッサージ
 *肋骨や胸骨を骨折させる危険性が高い
 ☆寿命に従ってせっかく静かに亡くなっていた患者さんに
 *のどに太いチューブを差し込んで、機械で息をさせ
 *火傷を起こす可能性のある、電気ショックを与え
 *肋骨や胸骨がバキバキ折れる心臓マッサージをする
 ☆心臓を無理やり動かしてまで
 *家族が死に目に会えるようにすることが
 *果たして人の道に沿ったものでしょうか

⛳非道な蘇生処置の理由
 ☆患者さんに非道な蘇生処置をした当直医
 ①まだ経験の浅い若い医者か
 ②医療に前向きな信念しか持たない医者か
 ③あとで遺族から非難されることを恐れる保身の医者
 ☆①未熟な医者
 *心肺停止という状況で反射的に教えられた通りの処置を行つたケース
 *経験を積めばそんな無駄で残酷なことはしなくなる可能性があります
 ☆②医療の善なる面のみに目を向ける医者
 *医療の弊害や矛盾、あるいは限界から目を背ける医者です
 *むずかしい状況の患者さんを積極的な治療で救うこともありますが
 *無理な治療で患者さんを苦しめ、逆に命を縮めたりする危険性もある
 *純粋、努力家である反面、己の非はぜったいに認めないタイプ
 ☆保身の医者
 *厄介なケースで、患者さんのためにならないことを知りつつ
 *言わばアリバイ作りのために蘇生処置を行う医者
 *何もしないで静かに看取ると
 *よからぬ噂を立てる人がいるからです
 ☆看護師が巡回したら
 *心肺停止になっていましたなどと告げたら
 *遺族によっては、激昂する人も出かねません

⛳死に対して医療は無力
 ☆世間の人は医療は無力と思っていないので
 *医者はベストを尽くすフリをせぎるを得ない
 ☆それが患者さん本人にとって
 *どれほどの害を与えていることか
 ☆死を受け入れたくない気持ち理解できますが
 *何としても死に目に会うとか
 *最後の最後まで医療に死を押しとどめてもらおうとか思っていると
 ☆死にゆく人を穏やかに見送ることは、とてもむずかしくなる
                       (敬称略)
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『死に目に会う為の処置の意味?』『死に対して医療は無力』
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『ウイッチドクター』『ブラックマジック』『人の死に時期』

2024年09月10日 | 医療
🌸海外の“死''見聞録5

 ☆文字ばかりで恐縮ですが
 *医師側から見た『看取り』の内容なので
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⛳呪術医が知る死に時

 ☆医療が十分に行き渡っていないパプアニューギニアの地方
 *ウイッチドクターと呼ばれる呪術医が現場の医療を担っていた
 ☆ウイッチドクターの治療
 *その病気がブラックマジックによるものかを見分ける
 *ブラックマジックは広く信じられている
 *ブラックマジックは、人を呪い殺したり、病気にさせたりする
 ☆例、だれかが破傷風になったとき
 *原因が破傷風菌であることを知らずに
 *彼らは破傷風菌の存在を知った上でそう言う
 *破傷風菌のいるような場所に相手を行かせ
 *そこで怪我をさせるように仕向けたのがブラックマジックだという
 ☆我々だって得体の知れない
 *何かに操られているかのように行動することもある
 *フロイトはそれを無意識、ドーキンスは利己的遺伝子だと言う
 *それを、多くの人は単に”偶然″と呼んでいるだけではなのでは

⛳筆者はウイッチドクターの治療を見学させてもらう
 ☆患者は打撲による肘の痛みがずっと取れない青年
 *青年の肘を診察したあと、ウイッチドクタ先祖伝来の本片を取り出し
 *その上にカップに入れた水を載せ、手振りを加えて水と対話する
 *痛みの原因はブラックマジックによるものではなく
 *悪い血が溜まっているせいだから、それを吸い出せばよいとの診断
 *ドクターは青年の肘に口を当て
 *強烈に皮膚を吸い赤い液体を吐き出しました
 *周囲に集まっていた村人たちが、「おおっ」と声をあげた
 *赤い液は、おそらくそれまで口に含んでいた
 *ビンロウジユの実で色づいた唾液だと思う
 *明日には痛みは消えているはずだとドクターは言う
 *実際、青年は翌朝、痛みが消えたと言う

ウイッチドクターの治療
 ☆まやかしかプラセボ効果高いと思われる
 *患者さんにすれば症状が改善すれば文句はないでしょう
 ☆ウイッチドクターは、さまざまな小道具とパフォーマンスで
 *村人の信頼を勝ち得ていたようでした
 ☆その信頼は、日本人の患者さんが現代医療に寄せる信頼と
 *心理的なメカニズムは同じでは
 *日本の患者さんが聴診器の診察を信じたり
 *作用機序を知らず、ワクチンをありがたがったりするのと大差無い
 ☆筆者は、ウィッチドクターに帰る間際の訊ねた
 *①自分が病気になったら、誰にもらうのですか
 *このあたりにはロクな医者がいないから、病気になったら死ぬまでだ
 *②自分が死ぬときはわかりますか
 *それはわかる。歯が抜け、目が見えなくなって
 *脚が弱って歩けなくなったら、それが死ぬときだ
 ☆ウィッチドクターのなんと自然で当たり前な答え
 *筆者はある種の感動さえ覚えました
 *日本人で歯が抜けたり、目が見えなくなったり
 *脚が弱ったら死ぬときだなどと考える人がいるでしょうか
 *歯が抜ければ入れ歯、白内障になれば人工レンズ
 *脚が弱ったらリハビリと、老いや死をどこまでも拒み続けることに
 *根本的な疑問を突きつけられたような気がしました
                       (敬称略)
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                  (ウイッチドクター)
                 (ブラックマジック)
『ウイッチドクター』『ブラックマジック』『人の死に時期』
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『パプアニューギニア・死を受け入れやすい国民性』『先進国医療がもたらす不安』

2024年09月09日 | 医療
🌸海外の“死''見聞録4

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パプアニューギニアの終末医療の環境
 ☆ウイーンとは比べものにならない生活環境
 *首都のポートモレスビーでさえ裸足で歩く人が多い
 *ギャングが横行していて、夜間外出禁止令が出ていたり
 *夜中に銃声が聞こえたりという物騒な状況でもありました
 ☆現地の医療事情を調査するため、保健省に問い合わせると
 *事務次官が直々に会ってくれることになった
 *筆者の肩書は一等書記官、先進国ではあり得ない厚遇です
 ☆事務次官に、がんの終末期医療について訊ねると
 *我が国では、がんで亡くなる患者はそれほど多くはない
 *死因の上位は肺炎とマラリアとの答え
 *当時、パプアニューギニアは平均寿命が五十歳代後半
 *日本の状況とはかなりちがっていた

⛳パプアニューギニア「死を受け入れやすい国民性」
 ☆筆者が、ガンの患者の治療を聞くと、次官は穏やかに答えた
 *がんと診断された患者は、入院せずに故郷の村に帰る
 *そこで人生の最後の時間を家族とともにすごす
 ☆先進国に行けば、進んだ治療が受けれること、みんな知っている
 *しかし、外国で治療を受けるというのは
 *経済的にも手続き的にも、自分たちの選択肢ではない点も理解している
 ☆再度次官に聞く
 *進んだ治療を受ければ、助かる見込みがあるじゃないですか
 *筆者は、治療を放棄するような判断が理解できませんでした
 ☆次官はこう言った
 *「我々は比較的、死を受け入れやすい国民性なのです」
 *その答えに私は衝撃を受け、ただ感心するばかりでした
 *どうやつたらそんなふうに達観できるのか
 *日本人はわずかでも助かる見込みがあれば
 *全力でその治療にすがるのではないか
 ☆次官は、パプアニューギニアの医療の遅れ知っている
 *彼の答えは、その問題を改善するより
 *現状を受け入れることに傾いている

⛳進んだ医療がもたらす不安
 ☆イエメン、パブアニューギニアでも感じた事
 *現地の人は日本人よりはるかに不安を感じずに生活している
 ☆現地の日本人は、衛生状態や医療状況が不安で
 *病気になったらどうしよう
 *マラリアなどの風土病に罹ったらどうなるのか
 *常に緊張した顔付きをしていた
 ☆外国人の医者にも不信感があり
 *日本人の医者(筆者)「いてくれるだけで安心」と話す
 *お守りのような存在でもあった
 ☆マラリアなどは、現地の医者のほうがよほど詳しい
 *日本人が恐れるマラリアも、現地の人間は風邪程度に感じている
 *死ぬ原因はほかにも肺炎や下痢、破傷風などがあり
 *都会では交通事故、地方ではワニに襲われるとか
 *ヤシの本から落ちるとか、病気以外にもいろいろあるので
 *特にマラリアを恐れるということもないようでした
 ☆日本を含む先進国の医療と国民生活
 *医療と医学が進んだせいで、発がん物質や放射線の危険
 *認知症やうつ病の心配等、人々を悩ませ
 *自分の健康状態を常に把握しておかなければ
 *いつ手遅れの病気になるかしれないという
 *不安を押しつけられています
 ☆健康で長生きを求める人のニーズに応え
 *テレビや新聞、週刊誌には玉石混滑の医療方法が横溢し
 *あれをしろ、これをするなと人々を振りまわしている
 ☆パプアニューギニアは現在でも平均寿命が65歳前後
 *彼の国の生活状況がよいとは言えませんが
 *先進国では医療が進めば進むほど不安も増える
                       (敬称略)
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⛳出典、『人はどう死ぬのか』




                     (パプアニューギニア)
『パプアニューギニア・死を受け入れやすい国民性』
『先進国医療がもたらす不安』
(ネットより画像引用)
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『オーストリアのがん告知』『ハンガリーの終末期医療』

2024年09月08日 | 医療
🌸海外の“死''見聞録3

 ☆文字ばかりで恐縮ですが
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 ☆何か『人間のライフクロック』を感じさせられます

⛳オーストリアのがん告知
 ☆筆者は、オーストリアの終末期医療について話を聞く
 *医療の先進国であるオーストリア
 *日本の状況とさほどのちがいはありません
 *大いに異なったのは、患者さんへのがん告知
 ☆今でこそ日本でも告知はふつうに行われます
 *当時はまだまだがん告知はタブーでした
 ☆「がんの告知で悲観し、自殺する患者さんはいませんか」と訊ねると
 *「そうならないよう、しつかりと説明をする」との答えでした
 ☆「進行がんで治癒の見込みがないときも話すのですか」と聞くと
 *「もちろんそうだ」と事実を隠さず、ありのままを受け入れる強さ
 *医師の側にも患者さんの側にもあるのだなと感じた
 *結果が悪いときに事実を告げないのなら
 *検査をする意味がないというのは、合理的な判断です
 ☆日本人は合理性より、感情を重んじる
 *それを改めて感じたのは、人間ドック
 *筆者在勤時、ウイーンに人間ドックをする施設がありませんでした
 ☆日本には人間ドックというシステムがあるらしいが
 *どんな検査をするのか、そのメニューを教えてくれ」と言ってきました
 ☆事務長は満面の笑みで教えてくれました
 *日本人はほんとうにありがたいお客だよ
 *何しろ、どこも悪くないのに検査を受けてくれるんだから
 ☆欧米人の合理性では、検査の無駄ということ
 *検査は悪いから受けると理解されている
 *どこも悪くないのに検査を受けて
 *どこも悪くないと判定されるのは当たり前
 ☆人間ドックを受ける日本人
 *症状が出てからでは手遅れになる危険性があると思っている
 *心配や不安はキリがないし
 *いくら熱心に人間ドックを受けていても
 *調べない臓器や病気もある
 *100%安心というわけにはいかない
 ☆日本人、それでも人間ドックを受ける人が多いのは
 *合理性より心配という感情を優先する人が多いからでしょう

ハンガリーの終末期医療(後進国)
 ☆ブダペストの日本大使館から相談が持ち込まれた
 *参事官の秘書ハンガリー人の女性が肺がんになった
 *日本で治療を受けさせられないかという
 ☆送られてきた胸部のⅩ線写真を見ると
 *がんはすでに両側の肺に広がっていたので
 *日本で治療しても治癒はむずかしいと答えぎるを得ませんでした
 ☆参事官は、 ハンガリーの医療事情の悪さを罵る
 *進行したがんの患者は、治療せずに家に帰らせる
 *治療の余地がないからと、患者を見捨てて病院から追い出す
 ☆参事官は続けてこう言いました
 *家に帰らせたあとは、痛みが出たときだけ
 *医者がモルヒネの注射をしに行くそうです
 *当時のハンガリーは、民主化からまだ間もなく、医療も停滞気味でした
 *病院でも高度ながん治療ができず、患者さんを自宅に帰らせていた
 ☆それ、今日本で注目されている在宅医療、在宅での看取りそのもの
 *医療が進みすぎて、患者さんにつらい検査や治療を受けさせ
 *それが無駄だとわかって緩和治療や待機療法を取り入れた
 *日本の医療を、 ハンガリーは遅れていたからこそ先取りしていた
                       (敬称略)
⛳知識の向上目指し、記事を参考に自分のノートとしてブログに記載
⛳出典内容の共有、出典の購読、視聴に繋がればと思いブログで紹介
 ☆記事内容ご指摘あれば、訂正・削除します
⛳私の知識不足の為、記述に誤り不明点あると思います
⛳投資は、自己責任、自己満足、自己判断で
⛳詳細は、出典原書・記事・番組・画像でご確認ください
⛳出典、『人はどう死ぬのか』

                    映画(フェアウェル)
                         フェアウェル


『オーストリアのがん告知』『ハンガリーの終末期医療』
(ネットより画像引用)
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『イエメンの葬儀』『ウイーンの街死の受け入れ』『デスマスク展示』

2024年09月07日 | 医療
🌸海外の“死''見聞録2

 ☆文字ばかりで恐縮ですが
 *医師側から見た『看取り』の内容なので
 ☆何か『人間のライフクロック』を感じさせられます

⛳イエメンの死の悼み方
 ☆医務官は世界中の日本大使館に配置されていない
 *医務官のいない大使館や総領事館も多数ある
 *筆者は、担当は北イエメン、南イエメンと、ジェッダの総領事館です
 ☆南イエメンに進出していた日本企業の所長に聞いた話
 *雇っていた五十代のイエメン人の技師が
 *ある日の午後、心臓発作で急死した
 *救急車を呼んだけれど、その場で死亡が確認され
 *遺体は自宅に運ばれました
 *所長は技師が亡くなった場所で、花束を用意して待っていた
 *妻や息子が、技師が倒れたときのことを聞きに来るだろうと思ったので
 *日が暮れてもだれも来ません
 ☆スタッフに問い合わさせると
 *遺体はすでに埋葬され、遺族は葬儀も終えたと知らされました
 *その日の朝、父であり夫である技師を
 *家族はいつもの通り家から送り出したのです
 *それが突然、亡くなってしまった
 *日本人なら、驚き、悲しみ、亡くなったときのことを
 *詳しく知るために、状況を知る人に話を聞こうとするでしょう
 *大事な家族の死を受け入れるために
 *仮通夜をし、通夜、告別式、長い時間をかけてから火葬場に運ぶ
 ☆イエメンの人は思いがけず亡くなった親族を
 *その日のうちに埋葬した
 *「やっばり日本人とはちがいますわ」と、所長は話してくれた
 ☆石油の出ない南イエメンは貧しく
 *海辺のアデンは高温多湿のため、遺体の保存がむずかしいという
 *状況もあったのかもしれません
 ☆イスラム教では亡くなるとすぐに埋葬するのが通例
 ☆サウジアラビアの第二代ファイサル国王が暗殺されたときも
 *突然の訃報にもかかわらず、すぐに埋葬するというので
 *各国の首脳が慌てて弔問に向かったという話も聞きました

⛳ウィーン「死の肖像展」

 ☆オーストリアのウイーンに配属されました
 *医務官は基本的には医療事情の悪い途上国に配置されていますが
 *広域担当として、ロンドン、パリ、ワシントンなどの
 *先進国にもポストがありました
 *ウイーンもその一つ、東欧6ヵ国から患者さんを受け入れた
 *現地の病院では十分な医療が受けられませんでした
 ☆ウィーンは音楽の都
 *公園を散策すれば音楽学生の練習が聞こえ
 *路上でもセミプロの音楽家が見事な演奏を披露していました
 *美術や建築、文学、演劇にも歴史があり
 *さながら街中に芸術があふれているという感じです
 ☆ウイーンの特徴は、街全体が死を拒んでいない
 *人間が死ぬのは当たり前、死は忌み嫌うばかりでなく
 *興味の対象とも捉えられている
 ☆ウィーンの市立博物館で、「死の肖像展」が開催されました
 *死に関するあらゆるものが集められている
 *正面の壁に90個ほどのデスマスクが展示してある
 *ベートーヴェン、 ハイドン、ヨハン・シュトラウス等
 ☆ベートーヴェンのデスマスク
 *彼は肝硬変で亡くなっていますから
 *デスマスクは頼がこけ、目は落ち込んでいた
 *解剖の所見ではかなりの量の腹水もあったとのことです
 ☆ヨハン・シュトラウスのデスマスク
 *顔は全体的に浮腫んで、ワルツの作曲家と思えない風貌
 ☆胸元から象られたマーラー
 *やせ衰えた首を捻じり、切ないポーズで息絶えた状態が写され
 *思わず眉をひそめさせられました
 ☆デスマスクはリアルな死に顔
 *90個ほど、それぞれが死の直後の無力さをたたえていている
 *不気味な静けさを感じさせました
 *どんな偉人も有名人も、死んだらこんな顔になるのかと
 *死の平等性を強く印象づけられた

死に親しむ街ウィーン
 ☆ウイーンの観光案内の本に出ている名所
 *死にまつわる場所は多数ある
 ☆「葬儀博物館」
 *葬儀に関わるあらゆるものが展示されていている
 *さまざまな棺桶を見るだけでも退屈しない
 *映画『アマデウス』にも登場した、使いまわし用の柩もある
 ☆「病理・解剖学博物館」
 *さまざまな病気で亡くなった人の臓器の標本
 *精巧な嘘細工で再現されて展示されている
 *最初の部屋が「性病」の展示で、グロテスクに変形した外性器から
 *梅毒による軟骨炎で鼻がなくなってしまった女性の顔など
 *気の弱い人にはとても勧められない
 ☆埋葬
 *高貴な方の埋葬は簡単ではない
 *ハプスブルク家の皇帝、王妃たちは
 *心臓は銀の壺に入れてアウグステイーナ教会に納められ
 *内臓はシュテフアン大聖堂の地下に保管され
 *遺体はカプツイーナ教会の地下にある納骨堂に安置されている
 ☆カプツイーナ教会の納骨堂
 *女帝マリア・テレジアや息子のヨーゼフ2世
 *悲劇の皇女エリザベートなどの柩を見ることができる
 ☆ウイーンの聖ミヒャエル教会の地下
 *広いカタコンベ(地下墓所)があり
 *当時の服装のままの市民が、ミイラになって多数並んでいる
 ☆ふつうの墓地はまるで公園のように美しい緑に囲まれ
 *花も咲き乱れて、昼休みなどよく散歩に訪れました
 *ウィーンの墓地には有名人が多く埋葬されていた
 ☆ウイーン中央墓地が有名人の墓が多い墓地で有名
 *ベートーヴェン、ブラームス、シューベルト、シュトラウスなど
 *音楽史に燦然と名を刻む作曲家の墓碑が集められています
 *一般市民海外の“死''見聞録2を含め、約3百万人が葬られている
 ☆ウィーンに住んでいると
 *死にまつわる場所があちこちにあって
 *死がタブーでないことが感じられる
 ☆クリスタルで有名なスワロフスキーの本店の玄関の上に
 *クリスタル製の巨大なドクロが飾られていて驚いた
 *店内にも色ちがいの拳大のドクロの置物が売られていました
 *ウィーンは死を嫌っていないのだなと思った次第です
                       (敬称略)
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                     (葬儀館)
                          (解剖館)

『イエメンの葬儀』『ウイーンの街死の受け入れ』
『デスマスク展示』
(ネットより画像引用)
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『海外の終末医療の“死''』『アッラーが永遠の魂を保証』『宗教』

2024年09月06日 | 医療
🌸海外の“死''見聞録1

 ☆文字ばかりで恐縮ですが
 *医師側から見た『看取り』の内容なので
 ☆何か『人間のライフクロック』を感じさせられます

人生における偶然
 ☆筆者が海外に行くきっかけとなったのも
 *神戸の病院でがんの終末期医療に取り組んで、悪戦苦闘していた
 *医者が、完治の見込みのない患者さんの治療に
 *熱心に取り組まないことへの反発からでした
 ☆医者は患者さんの命を救ってナンボという側面がある
 *助かる見込みのある患者さんに熱意を傾ける気持ちはわかります
 *治らないと決まった患者さんにも、医療は必要なはずです
 ☆筆者は助かる見込み少ない、患者さんにこそ向き合う必要性を感じて
 *終末期医療を学ぶ気持ちになった
 ☆当時はターミナルケアという言葉も一般的ではなく
 *論文もほとんどなく、教科書や参考書もありませんでした
 *唯一、「日本死の臨床研究会」という組織があって
 *私はそこに入会し、シンポジウムなどを聴きに行きました
 ☆患者さんは当然のことながら
 *病気を治してほしいと望んでいます
 *がんの告知もしていない時代、死の受容はむずかしく
 *筆者は、容態が悪化する患者さんに向き合い、苦しい日々を送っていた
 ☆終末期の患者さんを受け持つと
 *いつ急変してポケットベルが鳴るかもしれず
 *心の休まるときがありませんでした
 *無念の思いで亡くなっていく患者さんを看取りながら
 *筆者は自分の無力と、終末期医療の困難さに
 *ほとんどノイローゼになりかけていた
 ☆以前から海外の生活に憧れる気持ちはありましたが
 *大学で博士課程も終えていない筆者には
 *医局からの留学など端から可能性がありません
 *海外生活など夢物語とあきらめかけていたときに
 *外務省の医務官募集の記事を見つけた

⛳筆者は、外務省の医務官に転職した(サウジアラビアへ赴任)
 ☆外務省も大使館も、筆者にとっては未知の世界でした
 *幸い、欠員状態だったのでスムーズに採用され
 *最初の任地としてサウジアラビアが提示されました
 ☆サウジアラビアについては、殆ど予備知識しかなかった
 *最初単身で赴任し、3ヵ月後に家族を呼び寄せました
 ☆昼間の気温は日向で摂氏50度を超え、湿度も一桁の乾燥
 *祈りの時間には、レストランはじめすべての店が開められ
 ☆女性は外国人も軍の運転を禁じられ
 *外出時はアバヤという黒いベールで顔以外
 *全身を覆わなければならないなどの厳しい決まりもありました

⛳サウジアラビア人外科部長との対話
 ☆サウジアラビアの病院は、オイルマネーの恩恵で
 *建物も設備も超・近代的で
 *日本の大学病院にも引けを取らない充実ぶりでした
 *手術室や集中治療室なども立派で
 *緊急の患者が出ても任せられると感じました
 ☆筆者は海外の終末期医療にも興味を持っていたので
 *自己紹介がてら話を聞かせてもらうようにしていました
 *外科部長が「おまえは大使館なんかで働いているんだ」と聞いてきた
 *日本では外科医で、がんの終末期医療に疲れて
 *現場から逃げ出してきたと答えた
 ☆外科部長は深くうなずき
 *「サウジアラビアでもがんの末期患者の治療に苦慮している」と
 *がん告知の問題、抗がん剤の副作用
 *手術による合併症や延命治療の弊害など
 *サウジアラビアと日本は自然も文化もまるで異なるのに
 *がん患者への治療のむずかしさは同じ
 ☆筆者はアラビア服姿の外科部長に親しみと共感を覚えた
 *筆者は、がんの治療は終末期医療に関し質問した
 *ある時点を超えたら何もしないほうがいい状況になるのに
 *患者さんは最後の最後まで治療を求めてきます
 *そんなとき、医者は何と言えばいいのでしょう
 ☆外科部長は自信満々に答えた
 *そういうときはこう言えばいい。死を恐れるな
 *アッラーが永遠の魂を保証してくれる
 ☆筆者は、外科部長への親しみは一挙に霧散
 *『十戒』でモーセが断ち割った紅海ほどの隔絶を感じた
 ☆宗教のある国は強いなと、彼我の差に愕然とした
                       (敬称略)
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 ☆記事内容ご指摘あれば、訂正・削除します
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⛳出典、『人はどう死ぬのか』


『海外の終末医療の“死''』『アッラーが永遠の魂を保証』『宗教』
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⑦望ましい看取り⑧在宅看取りの不安⑨筆者の在宅医療での父の死

2024年09月05日 | 医療
🌸きまざまな死のパターン4

 ☆文字ばかりで恐縮ですが
 *医師側から見た『看取り』の内容なので
 ☆何か『人間のライフクロック』を感じさせられます

⛳⑦望ましい看取り
 ☆在宅で筆者が看取った患者さん、ほぼ例外なく穏やかな最期を迎えた
 *最期を迎えることを受け入れ
 *無意味な医療行為をしないほうが
 *死にゆく当人のためであることを
 *事前に十分、理解していたからだと思われます
 ☆死の直前には点滴も酸素マスクも効果がなく
 *むしろ当人の負担になるだけで
 *当人が楽になったり、寿命が延びたりすることはあり得ない
 *それをわかっているから、静かに見送ることができるのです
 ☆家族の多くは、死にゆく人に何かしてあげたい
 *少しでも死を押しとどめ
 *死の苦しみから救ってあげたいと思います
 *その気持ちはわかりますが
 *点滴や酸素マスクがその助けになるという根拠はどこにもない
 ☆有効な医療行為は
 *痛みを抑える医療用麻薬の投与や
 *呼吸困難に苦しむときにする鎮静剤の投与がある
 *モルヒネをはじめとする医療用麻薬の投与については
 *麻薬は恐い、麻薬中毒になったらどうするのかなどの心配ですが
 *死に向かいつつある人に、麻薬中毒を心配するのはナンセンス
 ☆日本人には辛抱が好きな人が多い
 *辛抱すれば何かいいことがあると思い込んでいる人もいて
 *がんの末期でも麻薬の使用をできるだけ我慢して
 *そのせいで逆に体力を失い
 *死期を早めるケースもあります
 *人生の最後の時間を、辛抱で無駄にするのはもったいない
 ☆大切な家族が亡くなるとき
 *何もしないで見守るのはたいへんつらいことでしょう
 *命を縮めるような致死量を超える鎮痛剤を投与するのはなおさらです
 ☆筆者が看取りをした患者さんの家族が
 *それを受け入れてくれたのは
 *事前にていねいに説明しておいたからだと思います
 ☆最期を迎えるときは点滴などせず
 *乾いて死ぬのがいちばん楽そうなこととか
 *がんの痛みにはできるだけ早く麻薬を使ったほうがいいとか
 *苦痛が強いときには、命を縮める危険を冒してでも
 *意識を取ってあげたほうがよいことなどです
 *心の準備さえできていれば
 *穏やかな看取りができることは、まずまちがいありません

在宅での看取りに対する不安とハードル
 ☆人を看取った経験などない人がほとん
 *最後までうまく世話ができるだろうかとか
 *途中で苦しんだりしないだろうかとか
 *思いがけないことが起きたらどうしようか等
 ☆不安を解消するために、今は在宅医療の主治医や
 *訪問看護師、ケアマネジャー、ヘルパーなどがいます
 *ケアマネジャーは介護プランの作成のほか
 *コーディネーターとして医療と介護の調整役をして
 *ヘルパーは介護面でのお手伝いをしてくれます
 *心配なことや不安があれば、だれかに相談することができます
 *突発事でも、医療・介護の両面でだれかが対応してくれます
 ☆万一のことを考えすぎると、不安ばかりが増大して
 *在宅での看取りのハードルがどんどん高くなってしまう
 ☆江戸時代とか、昭和のはじめごろでも
 *多くの人が自宅で亡くなっていた
 *かってできていたことが、今逆にできなくなるというのはおかしい
 ☆今は医療と介護の態勢が整っています
 *自宅での看取りは、ある程度の覚悟さえあれば
 *老老介護や独り暮らしの高齢者を含め
 *たいていの家で可能だと思う

⛳⑨死を受け入れることの効用
 ☆私事ながら筆者の父の最期を紹介します
 *父は医者の不養生を地で行く人で、糖尿病でありながら
 *食事療法などはいっさいせず
 *70歳で倒れたときには血糖値が7百を超えていた
 *今度は無謀な長生きを恐れるようになりました
 ☆86歳のときに腰椎の圧迫骨折を起こし
 *食欲をなくして水分もほとんど摂らなくなりました
 *見舞いに来た孫に、「あと、十日ほどで楽になるわ」と言い
 *自ら死を受け入れる気持ちになったようでした
 *父は入院はもちろん、検査や治療も無用と言い
 *「いい人生やったわ。みんな、ありがとう」と笑いながら
 *介護用のベッドで横になっていました
 ☆重症なら病院に連れて行くべきだと言う人もいるかもしれませんが
 *連れて行ったらただでさえ圧迫骨折で痛いのに
 *Ⅹ線検査のために身体をあちこち向けさせられ
 *CTスキャンなども撮られて、「圧迫骨折です」と診断名を告げられ
 *湿布と安静を指示されるだけです
 *家で湿布を貼って安静にしているほうがよほど合理的です
 ☆父の場合は、本人・家族全員が父の死を受け入れていたので
 *穏やかに看取れたのだと思います
 *父の年齢で気持ちが死に向いたなら、受け入れたほうがいいことを
 *家族のみんなが理解していました
 ☆死を受け入れると
 *食事や水分を摂らないからと心配することもなく
 *血尿が出ても検査や治療の必要はなく
 *便秘が続いても浣腸さえしませんでした
 *床づれの予防もしませんし、寝たきりになる心配も不要です
 *苦痛があれば取り除く用意はしていました
 *安静にしているとそれもなかったので
 *ただ静かに父の最期を待っていました
 ☆父の食欲不振の原因は、圧迫骨折による痛みでしたから
 *日時がすぎると徐々に回復してきて
 *少しずつ食べるようになりました
 *とても命をつなげる量ではありませんでしたが
 *必要なカロリーなどはいっさい考えませんでした
 ☆徐々に弱ってきて、圧迫骨折から1年3ヵ月後
 *父は誤嚥性肺炎で87年の生涯を開じました
 *自然に任せていたので、あまり苦しむことなく
 *発症から一日で亡くなりました
 ☆ある程度の年になれば、死を受け入れるほうが上手に死ねます
 *そのためには、どこかで覚悟する必要があります
 *父が比較的、抵抗なくそれを受け入れたのは
 *医者という職業柄、超高齢になって生きることのつらさを
 *熟知していたからでしょう
 ☆仏教や道教的な素養も影響していたかもしれません
 ー足るを知るー
 *筆者が父から受け継いだ上手に死ぬための秘訣です
                       (敬称略)
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⑦望ましい看取り⑧在宅看取りの不安⑨筆者の在宅医療での父の死
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⑤江戸時代のような看取り⑥在宅での看取りの失敗例

2024年09月04日 | 医療
🌸きまざまな死のパターン3

 ☆文字ばかりで恐縮ですが
 *医師側から見た『看取り』の内容なので
 ☆何か『人間のライフクロック』を感じさせられます

⑤江戸時代のような看取り
 ☆在宅医療は継続的な訪問で、症状がなくても診察に行く
 *高齢、麻痺があったりで、医療機関に行けない患者さんが大半
 *がんの末期で自宅で最期を迎え在宅医療を選ぶ患者さんもいる
 ☆病院や外来で治療を受けている患者さん
 *治りたいと思っていますから
 *当然のことながら治療にこだわる
 ☆がんはある時期を超えると
 *治療しないほうが生活の質を保てるようになる
 *治療の副作用で苦しんだり、体力を落としたりして
 *せっかくの残り時間を有意義にすごせなかったり
 *場合によっては寿命を縮めてしまったりすることがある
 ☆治ることをあきらめていない患者さん
 *この説明をなかなか受け入れてくれない
 *治療をしないということは、死に直結すると考え
 *医者から見捨てられたように感じるからでしょう
 ☆筆者は、治ることにのみ執着して
 *人生の貴重な残り時間を無駄にしてきた患者さんを
 *若いころからイヤというほど見てきた
 ☆自宅で最期を迎えるために在宅医療を選んだ患者さん
 *ある種、達観したところがあります
 *病院で処方された抗がん剤などはやめたほうがいいと言えば
 *素直に応じてくれます
 ☆治療をやめることで
 *副作用で落ちていた食欲が回復し食べる量が増え
 *身体のだるさが消えたとか、よく眠れるようになった人もいる
 ☆治療をしなければがんは進行し
 *人生の最期の日が近づいてきます
 *本人はもちろん、家族にとってもはじめてのことが多いのです
 ☆筆者は何度も死を看取っていますから
 *病院での死に比べて、在宅での死が
 *いかに穏やかかつ自然かということを知っています
 ☆筆者が受け持った肺がんの男性Tさん
 *60歳の後半でしたが、病院での治療があまりに効果がないので
 *最期を自宅で迎える決意をし、退院して、抗がん剤の治療中止した
 *奥さんは、病院にいたほうが安心だったのでしょう
 *筆者は彼女の不安を取り除くため
 *在宅での看取りについて少しずつ説明しました
 *最期が近づくと、食欲がなくなり、次第に水分も摂らなくなりますが
 *それは自然な経過であること
 *点滴などすると却って血液が薄まり、内臓にも負担をかけること
 *酸素マスクなどもほとんど意味がないことなどです
 *Tさんは自宅にもどって、1月半ほどで寝たきりになりました
 *ついに意識を失って昏睡状態になりました
 *連絡を受けて駆けつけるとTさんは下顎呼吸になっていました
 *周囲には、家族が集まり、心配そうに男性を見守っています
 ☆筆者は奥さんに導かれて、Tさんの枕元に座りました
 *下顎呼吸は喘いでいるように見えますが、本人の苦痛がないことは
 *前もって奥さんには説明しておきました
 *家族はみんなTさんの死を受け入れているようす
 ☆筆者は医者としては何の働きもせず
 *ただその場に控えているだけで、江戸時代の看取りのようだなと
 *筆者はあきれながらも、これでいいと納得する気分でいました
 *最後は、研修医時代の先輩の教えに従って
 *十分な時間を取ってから、Tさんの枕元に座り直し
 *瞳孔散大と、呼吸音、及び心音の停止を確認して、臨終を告げました
 *奥さんはじめ、家族はみなさん、落ち着いていました
 *これが在宅での看取りです
 *白い壁に囲まれて、不可避な死に抵抗して
 *さまざまな医療機器が無駄なことをする病院の看取りより
 *はるかに好ましいことはだれの目にも明らかだと思います

⛳⑥在宅での看取りの失敗例
 ☆在宅での看取りも常にうまくいくわけではありません
 *失敗しないコツは、まず本人と家族に
 *前もって十分に納得してもらうことです
 ☆がんの患者さんの場合
 *自分の身体のことをある程度わかっているので
 *本人は病院でつらい検査や治療を受けるより
 *家で穏やかに亡くなりたいと思っている人が少なくありません
 ☆しかし、家族は不安だったり
 *病院での治療をあきらめきれなかったりで、気持ちが揺らいでいます
 *その状態で一方的に話を進めても十分な納得は得られません
 ☆患者さんの死をどの程度受け入れているのか
 *どこに不安があるのかを汲み取り
 *病院での治療は効果が期待できないばかりか
 *本人を苦しめ、残された時間を無駄にする危険性が高いことを説明し
 *自宅でなら自由に暮らせて、自分らしい時間がすごせますよと
 *在宅で最期を迎えることのメリットをお話しします
 ☆ある程度、受け入れが進めば
 *次はいよいよ最期が近づいてきたときのことを説明します
 *最後の段階では、病院での点滴は効果がないだけでなく
 *心臓と腎臓に負担をかけ、患者さんを苦しめるだけです
 *あらかじめそう説明しておきます
 *酸素マスクも同じで、死ぬ前にあんなものを口にかぶせられたら
 *うっとうしいだけで、ほとんど意味はなく
 *単に家族を安心させるためだけのパフォーマンスです
 ☆70代半ばのMさんは、前立腺がんで入院治療を受けていました
 *転移が悪化して、家で最期を迎えるため、退院してきました
 *奥さんには在宅での看取りについて説明しました
 *はじめは不安なようでしたが、徐々に現実を受け入れ
 *熱心にご主人の看病をするようになりました
 *最後の段階になって、誤嚥性肺炎を起こし、呼吸困難になりました
 *聴診器をはずしたくなるほど、強い湿性ラッセル音が聞こえました
 *このまま下顎呼吸に移行して、臨終になる可能性がありました
 ☆筆者ができることは、強い鎮静剤を注射して苦痛を取ることくらい
 *苦痛を取るには、通常量の鎮静剤では意識が消えず
 *致死量に近い、それ以上の鎮静剤を使う必要があるやもしれません
 *それは実質的には安楽死です
 *家族に状況を説明して、決断してもらうことにしました
 ☆このときは息子さんが駆けつけていました
 *奥さんには在宅での看取りのことを十分説明してあったのですが
 *息子さんとは初対面です
 *息子さんは、「早く病院へ連れて行ってください」
 *息子さんとしては、当然の思いかもしれません
 *しかし、それは決して賢明な選択ではないのです
 *筆者はそのことを説明し、奥さんも止めようとしましたが
 *目の前で苦しむ父親を見ている息子さんは、聞く耳を持ちませんでした
 *仕方なく救急車を呼び、Mさんを病院に運んでもらいました
 *2週間後、奥さんからMさんが亡くなったという連絡がありました
 ☆奥さんによると、Mさんは病院到着後
 *肺炎の治療のために胸部Ⅹ線写真やCTスキャンを撮られ
 *血液検査、点滴、喀痰吸引など受けたそうです。
 *「そっとしておいてほしかったんですけど、そうも言えなくて」
 *奥さんはやつれたようすでつぶやきました
 *瀕死のMさんを、レントゲン室に運んで検査台に寝かせたり
 *点滴の針を刺したり、喀痰吸引を繰り返したり
 ☆やっているほうは医療でも、されているほうには拷問です
 *主人は酸素マスクをいやがって、朦朧としながらでも何度も取る
 *看護師さん元通りにして、主人が首を振ってもはずさせてくれない
 ☆病院から見れば論理矛盾です
 *来たからには治療せぎるを得ず
 *治療するためには検査もしなければなりません
 *亡くなる危険性が高いとわかっていながら
 *退院させれば、あとで″遠くの親戚″が現れ
 *「患者を見捨てた、追い出した」等、何を言うかわからない
 *だから酷い処置をした病院も、 一概に批判することはできません
 ☆Mさんが病院で生き延びた2週間弱の日々
 *いったいどんな意味があったのでしょうか
                       (敬称略)
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⑤江戸時代のような看取り⑥在宅での看取りの失敗例
『人はどう死ぬのか』ネットより画像引用)
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『③延命治療不要(安楽死・尊厳死)』『④延命治療で助かった人』

2024年09月03日 | 医療
🌸きまざまな死のパターン2

 ☆文字ばかりで恐縮ですが
 *医師側から見た『看取り』の内容なので
 ☆何か『人間のライフクロック』を感じさせられます

⛳③延命治療はいらないと言う人
 ☆医療は、所詮は人間の営で、神の所業ではない
 ☆病気は自然の現象で、医療で治る病気も増えたが
 *すべての病気が治せるわけではない
 ☆治る病気は治せばいいけれど
 *治らない病気を無理に治そうとすると、悲惨な状況になる
 *これは医療の進歩が原因です
 ☆高度な医療がなかった時代は
 *死を受け入れぎるを得ないので、人は比較的きれいに死んでいた
 ☆医療が進んで、死を押しとどめる治療で。助かる人も増えたが
 *助からない場合は悲惨な延命治療になる
 ☆死を押しとどめる医療
 *いかに悲惨な状況を作り出すかが、徐々に世間に伝えられる
 *無駄な延命治療に対する否定的な印象が広がる
 ☆「私は延命治療を拒否します」という人がいる
 *それで悲惨な状況が避けられると思っていたら大まちがい
 ☆医者ははじめから無駄な延命治療はしない
 *治療をするのは、わずかでも助かる見込みがあるから
 *やるだけやった結果、助からない場合に、悲惨な延命治療になる
 ☆自宅にいれば悲惨な延命治療を受ける心配はありません
 *悲惨な延命治療を受けたくないと言うのであれば
 *助かる見込みがあっても、病院に行かない覚悟が必要です
 ☆好ましい状況を実現するには、尊厳死しかありません
 *悲惨な状況になりかけたら、治療を中止して死なせるのが尊厳死
 *現在、日本では気管チューブを抜く等の尊厳死は合法化されいませんが
 *水面下では行われているようですが、違法なので公にはできません
 *しかし、患者さん本人と家族のためにすることですから
 *当然、許されてしかるべきだと思います
 ☆実際に尊厳死をするとなると
 *家族も医療者も大変なストレスを感じる
 *いつ人工呼吸器をはずすか、強心剤や中心静脈栄養をやめるのか
 *決めるのは、簡単なことではない
 *一人の命が失われるわけですから、決断に迷うのは当然
 ☆尊厳死や治療の中止は、本人のためになること
 *ふだんから死に直面したときのことを考え
 *しっかりと考えておく必要があると思う

⛳④延命治療で助かることもある
 ☆延命治療、筆者はずっと否定的な意見でした、思いが揺らぐ経験をした

 *妻の叔母の夫が、延命治療で命拾いをした
 ☆妻の叔母から筆者に治療の方法の相談がありました
 *がんを完治させるためには手術が必要です
 *その場合は胃を全摘しなければならならず、負担の大きな手術になる
 *叔父は、慢性気管支炎の基礎疾患があり
 *全身麻酔の手術では術後肺炎で命を落とす危険もありました
 ☆手術をしなければ、がんを取り除くことはできませんが
 *今すぐ死ぬことはなく
 *上手に治療すれば二、三年は生きる見込みがありました
 *筆者は手術をせずに抗がん剤も強いものは使わないようにして
 *穏やかにようすを見るのがよいのではと答えました
 ☆叔母もそれがいいと思うと同意しました
 *ある程度、自然に任せるという治療の選択です
 *義理の叔父もそれを受け入れ
 *入院せずに自宅での療養を続けることになりました
 ☆叔母は夫の死を覚悟し、延命治療は受けないと決めました
 *二年半後のある早朝、叔父が突然、吐血したため
 *叔母は動転して救急車を呼んでしまったのです
 *叔父は総合病院に運ばれ、集中治療室での治療がはじまりました
 *病院では、心電計や酸素モニターを装着されて
 *叔父は人工呼吸器につながれ、延命治療のフルセット状態になっていた
 *あんなに延命治療は受けないと言っていたのに
 *救急車を呼んでしまってと、叔母は悔やんでいました
 ☆集中治療室の部長が叔母と私を別室に呼んで、状況を説明してくれた
 *吐血は胃がんからの出血で、胃カメラで止血を試みたけれど
 *出血量が多くて止めることができなかった
 *今は止血剤を点滴で投与しているが
 *それで出血が収まる見込みはほとんどない
 *出血を補うために輸血をしているが、このままではキリがなく
 *貴重な輸血パックを使い続けるわけにもいかない
 *あと三パックで終えることを了承してほしいことなどが告げられた
 ☆ベッドの横に行くと、叔父は鎮静剤が切れてきたのか
 *意識朦朧のまま起き上がろうとした
 *叔父は翌日、意識がもどると自分で気管チューブを抜き
 *激しく咳き込んだものの、自力で呼吸をはじめた
 ☆点滴で投与された止血剤が、奇跡的に効いたようでした
 *それで叔父は徐々に元気を取りもどし、 一般病棟に移ってからは
 *重湯から五分粥、全粥と食事も進み、ついには無事に退院した
 ☆ダメ元のように行われた治療で命が助かった
 *延命治療がうまくいくこともあるのだと
 *喜ぶと同時に大いに戸惑ったのも事実です
 ☆叔父はその後、半年ほど生きて。孫の誕生も見ることができた
 *そして、最後は自宅で、78年の生涯を穏やかに閉じた
                       (敬称略)
⛳知識の向上目指し、記事を参考に自分のノートとしてブログに記載
⛳出典内容の共有、出典の購読、視聴に繋がればと思いブログで紹介
 ☆記事内容ご指摘あれば、訂正・削除します
⛳私の知識不足の為、記述に誤り不明点あると思います
⛳投資は、自己責任、自己満足、自己判断で
⛳詳細は、出典原書・記事・番組・画像でご確認ください
⛳出典、『人はどう死ぬのか』




『③延命治療不要(安楽死・尊厳死)』『④延命治療で助かった人』
(ネットより画像引用)
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『医師として初めての看取り』『①孤独死の患者』『➁悲惨な延命治療』

2024年09月02日 | 医療
🌸きまざまな死のパターン1

 ☆文字ばかりで恐縮ですが
 *医師側から見た『看取り』の内容なので
 ☆何か『人間のライフクロック』を感じさせられます

医師としてはじめての看取り
 ☆筆者が、はじめて患者さんの死を看取ったのは
 *アルバイトに行っていた当直先の病院
 *勤務していた大学病院では、あまり患者さんは亡くなりません
 *大学病院が治癒の見込みのある患者さんにベッドを確保するため
 *死ぬとわかっている患者さんを積極的に受け入れない
 ☆看取りを経験すると、何となく医者として箔がついたような気がした
 *看取りの場数を踏めば踏むほど、興奮も収まり
 *人の死に対して余裕を持った態度が取れるようになる
 ☆初看取りをしたのは、臨時で頼まれて行った病院
 *「急変です」という看護師の声に私は緊張した
 *自分なりにシミュレーションをしつつ病室に向かう
 *白衣のボタンを留め、看取りの″儀式”を思い浮かべつつ
 *指示された病室をさがすと、そこは個室ではなく大部屋でした
 ☆深刻な面持ちで部屋に入ると
 *ベテランの看護師がベッドの横に控えていて
 *患者さんはすでに下顎呼吸になっていた
 *「ご家族は」と聞くと、看護師が黙って首を振ります
 *カルテを見ると、医療保険は生活保護でした
 *患者さんの女性はがんの末期でしたがまだ六十代半
 ☆「儀式は」と上目遣いに聞くと
 *看護師は「身寄りもないので」と小さく答えました
 *″儀式”は家族の納得のためにするものですから、必要ない
 *筆者は患者さんの胸に聴診器を当てました
 *雑音の交じった弱々しい呼吸音が途切れ途切れに聞こえました
 *心音はすでに途絶えていて、最後の息はほどなく来ました
 ☆「確認してください」看護師に言われて
 *筆者は瞳孔の散大と呼吸停止、心停止を確認し、時間を告げました
 *家族もおらず、″儀式″もなく、筆者は臨終は告げました
 *聞く人も看護師以外にいなく、身寄りもなく、たった一人で
 *見も知らない若造の医者に看取られた、あの患者さんの一生とは
 *あまりに淋しい人生の終わりではないのか
 *いろいろな思いが浮かび、その夜は安眠できませんでした

悲惨な延命治療
 ☆他科研修して、外科にもどって驚いたのは
 *先輩の医師たちが死にゆく患者さんをあまり熱心に治療しないこと
 ☆ある先輩が主治医だった患者さん
 *手術後に重症になり、人工呼吸器をつけていたが、肝機能が落ちてきた
 *先輩は積極的な治療をしなくなった
 *肝機能が落ちても、血漿交換という治療法があります
 *なぜベストを尽くさないのか
 *外科医としての経験の浅い筆者
 *先輩に、義憤のようなものを感じました
 ☆筆者担当の患者さんが、手術後、重症になりました
 *手術操作に落ち度はなかった
 *手術後に原因不明のけいれんが起こり、肺炎を併発した
 *手術後も人工呼吸器をつけたまま術後管理をしていた
 *手術の翌日、肺炎を起こすと呼吸機能が急速に低下しました
 *それは人工呼吸を続けることで凌げます
 *抗生物質の多剤併用等できるかぎりの治療を試みました
 *それでも状況は改善せず、次第に腎機能も低下してきた
 ☆治療方針を決めるカンファレンスで内容を報告すると
 *部長をはじめ、先輩の医師たちは眉をひそめ、むずかしい顔になった
 *治療の中止を勧める雰囲気でした
 *筆者は、腎機能の低下を補うため、人工透析をしたいと副院長に直訴
 *副院長はいい顔をしませんでしたが、許可してくれた
 *透析はポータブルの透析器を病室に持ち込んで
 *透析はじめると、 血液中の老廃物の値が下がり、効果が見られた
 *しかし、肺炎は改善せず、全身状態も徐々に悪化した
 *DICという全身の出血傾向が出る状態になった
 ☆その段階でも、筆者は治療をあきらめず
 *患者さんは、顔もむくんで手術前の面影を失い
 *胃や腸からの出血による下血は、輸血で入れた分出るような状況
 *それでも強心剤と人工呼吸のせいで心臓は止まらず
 *身体は膨れ上がって生きたまま腐っていくような状態になった
 *家族はその間、ずっと不安と絶望に打ちひしがれていたと思う
 ☆手術から2週間あまり、筆者はずっと病院に泊まり込み
 *夜中も寝ずに治療を続けましたが
 *患者さんを救うことはできませんでした
 ☆最初は患者さんを死なせまいと
 *懸命にはじめた術後管理でしたが
 *途中から先輩の医師たちが徹底的な治療をしない意味を
 *徐々に理解しはじめていました
 ☆医療はやりすぎると恐ろしいことになる
 *身をもって体験しました
                       (敬称略)
⛳知識の向上目指し、記事を参考に自分のノートとしてブログに記載
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 ☆記事内容ご指摘あれば、訂正・削除します
⛳私の知識不足の為、記述に誤り不明点あると思います
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『医師として初めての看取り』『①孤独死の患者』『➁悲惨な延命治療』
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『昏睡』『下顎呼吸』『医者の看取りの作法』

2024年08月31日 | 医療
🌸心にゆとりを持って、死の実際を見る1

⛳死を見る機会
 ☆ふつうの人が人の死を直接見る機会は、多くはない

 *見るとすれば、多くは家族の死で病院で見る
 *家族の死だから、複雑な思いがあったりして、冷静には見られない
 ☆死は忌むべきものという頑強な刷り込みもあり
 *じっくり見たり、ましてや観察などはまず行われない
 ☆自宅での看取りでも
 *医療機器などがなく、場所が見慣れた空間であるというだけで
 *看取る家族の動揺はほとんど変わりがないでしょう
 ☆稀なケースとして、目の前で突然だれかが死ぬこと
 *交通事故や水難事故、飛びこみ自殺などのを目撃
 ☆ 一般の人は平常心で死を見る機会が少ない
 *死を大袈裟に捉え、死者に過剰に反応しがち
 *死が人生の重大事であることはまちがいありませんが
 ☆死は、心にゆとりを持って見れば
 *特別な不幸でも不運でもないことがわかる
 *だれにでも起こり、恐ろしいことでもいやなことでもない
 *ごく当たり前のことだと感じられる、感覚を理解してもらいたい

死の判定で、医者は「死の三徴候」を確認する
 ☆「呼吸停止」「心停止」「瞳孔の散大」
 *3つが揃うと、人は死んだと判定される
 ☆心臓と肺にしても、同時に機能を止めるわけではない
 *心音が聞こえなくなっても、心臓の細胞がすべて機能を停止してない
 *呼吸が止まっても、肺の細胞が死に絶えていない
 ☆心臓・肺の停止は、徐々に機能を停止し
 *細胞レベルでは順に死滅していく
 *最後の細胞が死んだときなどは判定できない

⛳死のポイント・オブ・ノーリターン
 ☆ふつうの死はまず昏睡状態からはじまる
 *完全に意識がなくなって
 *呼びかけにも痛みの刺激にも反応しない状態
 *唸り声やうめき声を発していたり
 *顔を歪めていたりする間は、昏睡とは言わない
 ☆昏睡のときは、エンドルフインやエンケフアリンなど
 *脳内モルヒネが分泌される
 *本人は心地よい状況にあるなどと言われます
 *これは仮説で、確かめようがありません
 ☆昏睡状態になれば、いっさいの表情は消える
 *昏睡に陥ると、間もなく下顎呼吸がはじまる
 *これが死のポイント・オブ・ノーリターンとなる
 *呼吸中枢の機能低下なので、酸素を吸わせても意味がない
 ☆下顎呼吸がはじまると回復の見込みがゼロになる
 *蘇生処置をほどこしても元にもどることはない
 *仮にもどったとしてもすぐまた下顎呼吸になる
 ☆生き物として寿命を迎えている
 *抗わずに穏やかに見守るのが、周囲の人間のとるべき態度
 *下顎呼吸は、数分から1時間前後で終わる
 *やがて最後の一息を吐いて、ご臨終となる

⛳看取りの作法
 ☆看取りのコツ、医者として教えられたこと
 *「慌てず、騒がず、落ち着かず」と伝授された
 *あまり早くに臨終を告げないこととも
 ☆当直の夜、看護師から危篤の連絡を受けて病室に行くと
 *患者さんはたいてい下顎呼吸になっている
 *間隔がだんだん間遠になって、最後の息を吐き終わったとき
 *腕時計で時刻を確認してご臨終ですと、殊勝な顔で一礼する
 ☆この判断が早すぎると、思いがけない最後の一呼吸が起こる
 *すると、家族は「あ―つ、まだ生きてる!」と混乱する
 *下顎呼吸が二度と起こらないと確信してから
 *おもむろに時刻を確認し、臨終を告げる
 *心電図にオマケのスパイクが出てもわからないように
 *スイッチはすぐに切るべしと教えられた
 ☆実際、患者さんは医者が告げる時刻より、少し前に亡くなっている
                       (敬称略)
⛳知識の向上目指し、記事を参考に自分のノートとしてブログに記載
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⛳私の知識不足の為、記述に誤り不明点あると思います
⛳投資は、自己責任、自己満足、自己判断で
⛳詳細は、出典原書・記事・番組・画像でご確認ください
⛳出典、『人はどう死ぬのか』





『昏睡』『下顎呼吸』『医者の看取りの作法』
(ネットより画像引用)
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