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☆患者のTリンパ球を体外に取り出す
☆Tリンパ球を、試験管内でがん細胞、又はがんのネオ抗原で刺激する
☆がんに対するキラーTリンパ球を作る
☆それを患者に戻し、がん細胞を殺す治療法
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☆体内に戻したキラーTリンパ球ががんの病巣に入っていかず
*がん細胞にに出会う前に死んでしまうと思われていた
☆最近、もう一つの理由があることがわかってきた
*がん細胞が免疫細胞にブレーキをかける
*結果として、T細胞療法の効果が出ない
☆京都大学の河本宏氏のグループ
*iPS細胞からがん特異的なキラーTリンパ球を作る試み
*ヒトでの治療実験結果は、まだ報告されていない
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☆患者の血液から樹状細胞になる前の未熟な細胞を取り出す
☆試験管内でがん細胞又はそのネオ抗原で刺激する
☆刺激した樹状細胞を患者の体内に戻して、患者のTリンパ球を刺激する
*がんを排除する力を呼び起す
*樹状細胞は短命なので、体内ではあまり長く生きず、血中に戻しても
*がんの組織やがんに付属するリンパ節に移動していかない
*Tリンパ球の刺激も期待するほどにはうまく起こらない
☆最近、免疫チエックポイント療法を併用する
*治療効果が上がる可能性が指摘されている
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☆NKT細胞は、NK細胞とTリンパ球の両方の働きを併せ持つ細胞
☆血中には全体の0.1%以下と非常に少数しかない
*この細胞にがん細胞を殺す能力がある
☆ヒトのiPS細胞からNKT細胞を大量に作る
*iPS由来NKT細胞をヒトがん移植マウスに移入する
*がん細胞が縮小した
☆ヒトでの治療実験結果については報告がない
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☆CARとは、キメラ(雑種)抗原レセプターの略
☆CARとは、がん細胞を捕捉するアンテナ
*がん細胞に結合した後のTリンパ球レセプター、 1つで2役を果たす
*人工的にキメラ抗原レセプターを作成する
☆CARを患者の普通のTリンパ球に導入する方法
*がんに対する攻撃細胞(キラーTリンパ球)を作る
*それを十分に増やしてから、患者に戻して、がんを退治する
☆アメリカでは白血病や悪性リンパ腫の治療に使われ始めている
☆Bリンパ球由来の腫瘍疾患
☆ノバルティス社から「キムリア」の名前で発売されている
*CARーT細胞を1回投与しただけで約8割の例で腫瘍細胞が消えた
*化学療法ではとても得られなかったような非常に良い成績
☆日本では、厚生労働省が「キムリア」の使用を認可
*1患者あたりの薬価が約3000万円
☆CARーT療法は、白血病や悪性リンパ腫に使われている
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☆がん細胞の表面にあるネオ抗原に
*モノクローナ抗体に特殊な色素に化学的に結合さる
☆モノクローナル抗体
*試験管内で人工的に作製した抗体で、特定の抗原だけに反応する
☆この色素結合抗体を生体内に投与する
☆この抗体は、がん組織に入り、がん細胞表面に結合する
☆抗体に結合している特殊な色素は、近赤外線照射を受ける
*活性化されて、抗体が結合している細胞を破壊する
☆がん組織に対して近赤外線照射を行う
*がん細胞だけが選択的に死ぬ
☆治療は、抗体投与と近赤外線照射だけ、患者の負担が小さい
☆治療での問題点
*治療とともに、がん細胞が変異する
*抗体が結合しないがん細胞が出現してくる可能性がある
*がん組織を直接に照射しないといけない
(光照射が届かないところにあるがんへの対応)
*多数の転移巣があるような場合には、この治療は使えない
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☆免疫力を高める食品やサプリメントなどの広告をよく見る
☆学問的なレベルでは、免疫の力を上げることが確認されているものは皆無
☆キノコや海藻に豊富に含まれる多糖成分の一つにβ‐グルカン
*サルノコシカケにもβーグルカンが多く含まれている
*β‐グルカンに抗がん能力があるかのように書いている広告
☆β‐グルカンの免疫刺激能力を報告する論文
*マウスの実験がほとんど
*経口的に摂取できないほど大量投与しているものがほとんど
☆βーグルカンは多糖類の一種で、さまざまな種類のものがある
*βーグルカンが多いから、免疫カアップになるとは簡単にはいえない
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☆記事内容ご指摘あれば、訂正・削除します
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がん免疫療法5(細胞療法・免疫増強食品)
(『免疫力を強くする』記事、ネットより画像引用)