ミャンマーチーク屋さんのわが道を行く

日々の出来事と旅と愚痴と文句を勝手に語る日記。

論文

2008-11-11 13:59:24 | 時事(国内)
「退職金を返還しろ…」などと未だ尾を引く問題となっている
前自衛官高官の論文とやらを先日読んでみた。

彼の論文は、日中戦争も太平洋戦争も日本は戦争に引き込まれた
被害者だと論じ、現在では多くのアジア諸国が大東亜戦争を
肯定的に評価していると結論付けている。

しかし肝心の日本が戦争に引き込まれた被害者だとという根拠は、
対中、対米戦争のすべてが、共産党政党の国際組織(コミンテルン)
による陰謀だったと述べており、その多くが我々の知る一般的歴史
認識とは相当かけ離れているものであった。

おそらく彼のこのような認識は、数ある歴史書の中の一部から
拡大解釈したものだと思われるが、中には小説まがいのものも
多分に含まれており、その手の専門家の方々には失笑を買って
いるに違いない。

しかし、そもそもR35~R40に当たる私達の世代の多くの人々は、
学校教育の中で、明治から昭和初期にかけての現代の歴史をしっかり
学んでいないような気がしている。授業で習う歴史は縄文時代から
始まり、3学期の学期末になりやっと現代史に入る。それも駆け足で、
主な出来事の年表ばかりを暗記する為、「なぜ、戦争が起きたのか?」
などの詳細は、先生から教えてもらうことなく終了している。

藤原鎌足や小野妹子も大事なのだろうが、現代を生きる人々に
とって一番知らないといけない歴史は、そこまで遡ったものでは
なく、現在に通じる幕末から始まる明治、大正、そして昭和初期
と、この辺りのほうがよほど必要知識として重要なのではないだ
ろうか?

元自衛隊高官の話に戻ると、個人個人がどう考えようと本来は自由
である。しかし、あまりにも現実離れした思考や、偏った思想は、
時に、人格を疑われる要因にも成りかねない。
長年勤めて上げせっかく出世したのに、最後は降格して退職。
その原因が自分の思想を綴った一枚の論文だとは、なんとも
虚しい気がするが…。

まぁ、極左思想の自衛隊高官よりは、まだましだったのかも…
(そんな人はいないか…)


コメント