ミャンマーチーク屋さんのわが道を行く

日々の出来事と旅と愚痴と文句を勝手に語る日記。

初めての商売…

2008-11-14 17:50:10 | 旅行(海外)
明日と明後日は、毎年恒例の催事である。年に一度、友人らと
世界の雑貨店という名目で、何でも屋を出店している。
毎年いつも、学生時代の文化祭のようなのりで、わいわい楽しく
やっている。

思えば、私の生まれて初めての商売体験は、オランダ、アムステルダムの
路上であった。アムスに飛んでくる前、私は香港にいたのだが、確かその、
前日だったか、その日、街中をふらふらと歩いていると、路上にシートを
敷いてTシャツが山のように売られているのを発見した。近寄って見ると
1枚「10香港ドル」と書いてある。(確か当時150円くらいだったか?)
香港で1枚10香港ドルのTシャツが、安いのか妥当なのか、当時は全くわから
なかったが、おそらく安いと感じたのだろう。その時、ふと思いついてしまったのである。

「明日、オランダへ持っていって売ろう」と…

さっそく、店のおやじに、「これ100枚買ったらいくらですか?」と尋ねると、
すぐさま、「1枚5ドルでいいよ…」と即答であった。1枚およそ75円である。
それが100枚だから7,500円である。即決だ。
その前に大きなサイズの袋を買いに行き、早々戻ると、柄を選んでちょうど
100枚購入した。宿までの帰り道、想像以上の重さにちょっと後悔する。
後で知るがTシャツは4枚でおよそ1キロになる。100枚だとおよそ25キロだ。

宿に戻り、自分のバックパックに詰めるだけ詰め、後は2つのファスナー付き袋
に分散する。荷物の合計はおよそ30キロだったが、航空会社には何も言われず、
無事にアムスへ到着する。「あとは税関だけ…」と心配するが、結局何もなかった。

翌日の夕暮れ、街の中心ダム広場に面した通りの一角で、早々販売開始である。
ちょっと緊張するが、道路に上に一枚一枚袋に入ったTシャツを並べると
ダンボールの切れ端に1枚10ギルダーと書いた。当時1ギルダーが確か
78円くらいだったように記憶している。1枚およそ780円である。

1枚75円で買って780円で売れれば、1枚あたり700円ほどの儲けである。
これが100枚だとおよそ7万円だ。売れたこのお金を旅行の足しにしよう、などと
当時、頭の中でそろばんを弾いていた。

しかし、待つこと30分、誰も来ない。

そして、およそ1時間ほど経って、1台の車が目の前に止まった。

最初、警察かと思ったが、降りてきたのは中年の2人組みの男だった。
何やら、オランダ語かドイツ語で話しかけてくるのだが、さっぱりわからず、
そのうちに、ひとりが英語で、「荷物を袋に入れろと…」

なんだかわからなかったが、仕方なく荷物を袋にしまうと、男の一人が
「俺は○○、こいつは○○、ジューリッシュ(ユダヤ人だ)」と自己紹介された。
こちらも同じように自己紹介するやいなや、「これ全部買うよ、いくらだ」と
聞いてきた。

すると、さっそく電卓で交渉である。こちらは1000ギルダーを800ギルダーに
値下げするが、向うは500だという。しかも相当しつこい。それでは、「もういい
辞めよう…」といい荷物を持とうとすると、わかった「700だ…」と言い、こちらも、
めんどうなので、700で手を打つに至った。700ギルダー、およそ54、500円
である。仕入れの7,500円を引くと47,000円の儲けであった。

「これって卸売りか…」というような体験であったが、ユースホステルへの帰り道、
自分へのご褒美として、大きなえび入りのポテトサラダをテイクアウトで買って
食べたのを覚えている。それがとてもおいしかった。

20台前半の若かったあの頃、自分が将来、仕事として商売していくことに
なるなんて想像もできなかった。

できることならもう一度あの頃に戻って、人生リセットできたら…なんて
思わなくもないこの頃である。



コメント