チョッとした必要があって三つの報告書を読んでいます。昨年3月に行ったマレーシアのTanjung Tuanでの観察記録ですからもちろん横文字、50年前の英語力で悪戦苦闘しながら読む努力だけはしているのです。しかし、なかなか読めません。
そのような状態の中から少しずつですが分かってきたこともあります。そのことの一部を紹介します。
1950年代からハチクマがインドネシアのスマトラ島からマラッカ海峡を横断してマレーシアの西海岸に渡って来ていることがしられていました。このことは3誌とも触れていますが、その後の継続的な調査は行われていないようです。
アメリカの研究者3人(うち一人は世界最初のサンクチャリー、ホークマウンテンのひと)が2000年と2001年3月に合わせて26日間の調査をしています。これが私の読んでいる報告書の一つです。
2000年から同所でマレーシア・ネイチャー協会(MNS)の手でラプター・ウォッチ・ウイーク(RWW)と言うイベントが行われるようになり、それに呼応してハチクマの観察も始まったようです。しかし、シッカリとした報告書の形で公表されたのは2006年と2007年の観察記録で、この二つも手に入れています。
以上3誌ともシッカリ書かれた報告書ですが、その内容にはばらつきが見られます。例えば観察されたハチクマの数です。
10648 2000年・2001年アメリカチームが観察して2年間の合計
18646 2006年のマレーシアネイチャー協会の記録
24407 2007年のマレーシアネイチャー協会の記録
たった一日ですが現地で観察した経験から言って、ハチクマを見落とすことは考えられません。すべてが8倍程度の双眼鏡での観察出来る距離ですから。つまり年によってこれだけの差があると言うことです。
次に渡り期間の問題です。
ここでは1月下旬から4月の第一週くらいまでタカの渡りが見られるようです。しかし、調査期間は3誌を総合しても
2月25日 2006年 マレーシアネイチャー協会
から
3月22日 2000年 アメリカチーム
つまり、65日間に及ぶ渡り期間のあいだのうち中間の1ヶ月間くらいしか調査がされていないと言うことです。ハチクマを主体にした調査だから仕方ないのでしょうが、これでは渡りの全容をつかむことは出来ません。
日本でもハチクマの渡りとノスリやサシバ、ハイタカ属の渡りシーズンは同じではありません。同じようにマレーシアでもハチクマの前や後に渡るタカがいるはずです。数的に一番多いクロカッコウハヤブサはハチクマの後にピークを迎えます。
それらを調べるためには長期間の調査が必要なのですが、長期調査をするためには多くのエネルギーが必要です。机上の空論だけでは解決できません。
現場で観察するにはまず人が要ります。MNSでは2006年には16名、2007年には21名の人が調査されています。しかし、暑いところで長期間調査するにはまだまだ観察者も必要でしょう。彼らとてタカ長のように自宅から歩いていける所に住んでいるわけではないでしょうから、長期調査のためにはクリアしなければならない問題は多々あるはずです。
しかし、何とか努力して調査をして欲しいのです。
間違っても誤解しないで下さい。タカ長はマレーシアネイチャー協会の取り組みを批判しているのではありません。彼らも長期調査の必要性は十分認識されているので、色々な問題がクリアされれば調査期間も広がるはずです。その日が待ち遠しいだけなのです。
半世紀も前からその存在が知られている渡り観察地ですが、その全容は未解明のまま残っていると言っても過言ではないようです。まさしく未開の観察地、その観察地の様子が明らかになる日が一日も早いことを願っています。
そのような状態の中から少しずつですが分かってきたこともあります。そのことの一部を紹介します。
1950年代からハチクマがインドネシアのスマトラ島からマラッカ海峡を横断してマレーシアの西海岸に渡って来ていることがしられていました。このことは3誌とも触れていますが、その後の継続的な調査は行われていないようです。
アメリカの研究者3人(うち一人は世界最初のサンクチャリー、ホークマウンテンのひと)が2000年と2001年3月に合わせて26日間の調査をしています。これが私の読んでいる報告書の一つです。
2000年から同所でマレーシア・ネイチャー協会(MNS)の手でラプター・ウォッチ・ウイーク(RWW)と言うイベントが行われるようになり、それに呼応してハチクマの観察も始まったようです。しかし、シッカリとした報告書の形で公表されたのは2006年と2007年の観察記録で、この二つも手に入れています。
以上3誌ともシッカリ書かれた報告書ですが、その内容にはばらつきが見られます。例えば観察されたハチクマの数です。
10648 2000年・2001年アメリカチームが観察して2年間の合計
18646 2006年のマレーシアネイチャー協会の記録
24407 2007年のマレーシアネイチャー協会の記録
たった一日ですが現地で観察した経験から言って、ハチクマを見落とすことは考えられません。すべてが8倍程度の双眼鏡での観察出来る距離ですから。つまり年によってこれだけの差があると言うことです。
次に渡り期間の問題です。
ここでは1月下旬から4月の第一週くらいまでタカの渡りが見られるようです。しかし、調査期間は3誌を総合しても
2月25日 2006年 マレーシアネイチャー協会
から
3月22日 2000年 アメリカチーム
つまり、65日間に及ぶ渡り期間のあいだのうち中間の1ヶ月間くらいしか調査がされていないと言うことです。ハチクマを主体にした調査だから仕方ないのでしょうが、これでは渡りの全容をつかむことは出来ません。
日本でもハチクマの渡りとノスリやサシバ、ハイタカ属の渡りシーズンは同じではありません。同じようにマレーシアでもハチクマの前や後に渡るタカがいるはずです。数的に一番多いクロカッコウハヤブサはハチクマの後にピークを迎えます。
それらを調べるためには長期間の調査が必要なのですが、長期調査をするためには多くのエネルギーが必要です。机上の空論だけでは解決できません。
現場で観察するにはまず人が要ります。MNSでは2006年には16名、2007年には21名の人が調査されています。しかし、暑いところで長期間調査するにはまだまだ観察者も必要でしょう。彼らとてタカ長のように自宅から歩いていける所に住んでいるわけではないでしょうから、長期調査のためにはクリアしなければならない問題は多々あるはずです。
しかし、何とか努力して調査をして欲しいのです。
間違っても誤解しないで下さい。タカ長はマレーシアネイチャー協会の取り組みを批判しているのではありません。彼らも長期調査の必要性は十分認識されているので、色々な問題がクリアされれば調査期間も広がるはずです。その日が待ち遠しいだけなのです。
半世紀も前からその存在が知られている渡り観察地ですが、その全容は未解明のまま残っていると言っても過言ではないようです。まさしく未開の観察地、その観察地の様子が明らかになる日が一日も早いことを願っています。