タカ長のタカの渡り観察

タカが好き、山が好き、花が好き、心はいつも旅もよう。日々移ろいゆく心もようを綴るナチュラリストのつぶやきです。

石鎚山でニアミス??

2010年07月31日 | 山歩きから
ニアミス、と言っても何のことか分かりませんが、、、、、

 石鎚山に登りました。石鎚山の北面は、、、、、、



 このような巻き道を登るか、鎖場を登るか、、、、二つに一つの選択しかありません。私たちは前者、このような巻き道を登って弥山の山頂に立ちました。

 そのニアミスは下山途中のことです。



 巻き道の階段を下がっていたら、階段のそばの斜面でミソサザイの声が、、、、ファミリーがいるようでした。

 それらを注目していたら1羽の鳥が現われてすぐ近くまでやって来ました。手の届くような距離、と言って良いのでしょうか?あまりの近さに唖然、、、、。

 そのときカメラは「マクロ・モード」の広角。望遠側にズームする時間はありません。ファインダーを覗く時間もなくて、片手を伸ばしておおよその見当をつけて写したのがこの写真です。ワイドでノートリミングと言えばその近さを理解していただけるはずです。

 ミソサザイの幼鳥ですが、本当に幼鳥は人を恐れないのですね。そのことをあらためて知らされたニアミスでした。



同じ北斜面で写したアサギマダラです。距離はありましたが、長時止まってくれているので望遠側にズームする時間は十分ありました。あのミソサザイがもう少し動かないでいてくれたら、ミソサザイの「免許写真」が撮れていたはずなのに、、、、、。


 アサギマダラはよく見ました。

 今回買った「石鎚山系自然観察ガイド」(アトラス出版)によると、、、、

 「アサギマダラは渡りをする蝶で、夏の間、石鎚山系など標高1000m以上の山で繁殖し、
秋になると南に渡る」と紹介されています。



 今回の石鎚山は天気に恵まれていませんでした。

 梅雨が明けて、梅雨明け10日の好天が終わってからの山行きになったからです。しかし、いまの私たちは好天の日を狙って、天気予報と相談して山行きを決めることが出来ないのです。

 何ヶ月も前から計画して、老母をショートステイさせる予約を取ってから行動開始、、、、。ですから、決めた日には出発しなければならないのです。

 そのような状況下での登山でしたが、大きく予定を狂わせることもなく歩くことが出来たのですから、良かったと言わざるを得ないようです。

 山ではたくさんの写真を撮りました。

 その整理はこれからです。これから少しずつ紹介するつもりです。

 今日のところは帰宅のご挨拶、ということです。



 最後に写真を1枚。

 タマガワホトトギスです。別名キバナホトトギス。



暑中お見舞い

2010年07月26日 | 日々雑感
暑中お見舞い申し上げます



 昨年の夏、北アルプス大天井岳の小屋から写した日の出です。寒くて、、、横着者のタカ長は小屋の窓から撮影しました。真夏でも3000mの山の上は寒いくらいです。



 朝露に濡れたコマクサ。

 今年も明日から山に行きます。今年はアルプスまで遠征しないで四国の石鎚山。3泊4日の予定であのあたりの山を歩きます。

 コマクサこそありませんが、しかし、今回の山でも花を楽しむことは出来るはずです。それを楽しみに行きます。



 鳥で期待したいのはコマドリです。

 何年か前石鎚山に行ったとき、石鎚山の北面を巻く道筋で、10mくらい先の枝先に止まっているコマドリを見ました。長々と止まってくれていて、、、、最後には登山中の人を引き止めて「あれがコマドリですよ」と紹介したものです。肉眼で十分見える距離ですが、関心のない登山者は目も留めないで歩いていました。

 そのまた何年か前、野鳥の会の探鳥旅行で行ったときは声ばかり、、、、、。すぐ近くで声がしていてもその姿を見ることが出来なくてイライラしたものです。

 そしてやっと目にしたのは双眼鏡ではチョッと厳しい距離にいる遠くのコマドリ。見えるときは目の前で、苦労するときははるか先の小さな点のようなコマドリ。今年はどちらのパターンになるのでしょうか?

 と言うわけで、、、

   明日から土曜日までブログの更新が出来ません。次は土曜日に会いましょう。



タカの渡り情報交換会

2010年07月25日 | タカの渡り観察
突然ですがここはどこでしょうか???

 今日のタカ長、病気見舞いのため広島市内の病院に行きました。

 その病人はいつも人生を楽しんでいる人です。もちろん入院生活も楽しんでいます。病気も深刻なものではなりので、病人としばらく雑談をして、お互いが楽しい一時を過してきました。

 問題は暑さ。病院にしてもそのあと行った店にしても冷房しています。店によっては寒いくらいです。ビンボーで電気代が払えないので(?)昼間は35℃になってもエアコンを入れない生活をしているタカ長は、冷房のきいた部屋に長くいると体調がおかしくなりそうなのです。暑いのももちろん嫌、エアコンのきいた部屋もダメ、、、、、だとしたらどこへ行けば良いのでしょうか?

 そう、山があります。来週は石鎚山へ行きます。3泊4日の山旅、ここで体調を戻してきます。



 突然ですがここはどこでしょうか?と言っても何のことだか分かりませんが、、、、、。

 場所は別府市の南なのです。このグーグル画像を見てピンと来る人はおられませんでしょうか?

 台湾の研究チームがサシバの衛星追跡をしました。その中の1羽が4月29日間半島最南部を離れて九州に渡ったのです。そして5月3日、この画像のどこかに定着したのです。青い点とサシバとはまったく関係ありません。

 33゜13´20゛N   131゜26´42゛E  

 ここが定着点だと言うことですが、繁殖については???だと言うことでした。



 いま8月31日に予定している「タカの渡り情報交換会」の前宣伝をしているのです。

 当日はこのサシバについてもう少し詳しい話を聞くことが出来る、と言うわけです。

 タカ長たちが韓国で渡り調査をしていて、日本に向けて渡っていくサシバをたくさん記録しています。その意味では耳新しい情報ではないかも分かりませんが、それが「衛星追跡」と言う目に見えるかたちで見せられると新鮮な情報になります。

 そのサシバが別府市の南ではなく広島に来てくれていたら、、、、、タカ長としては泣いて喜びたい情報になるのですが、現実はタカ長の思い通りには動いてくれませんね。

 そのほかにも面白い情報が得られる「情報交換会」に是非おいで下さい。



 暑い日が続くので滝の写真を紹介します。

       三段峡の姉妹滝を見ていただいて今日のブログはしまい


裏山の花

2010年07月23日 | 山歩きから
何しろ暑くて、、、、、

 暑いですね。まさに夏本番。

 暑いのは苦手なタカ長ですが、今朝は仲間との裏山歩き。この暑さのためか参加者はいつもより少なくて6名でした。



 ふもとはガンガンに晴れていても山は雲の中、チョッとした山のようですね。今朝のB山です。

 いつもの駐車場から水苔池まで歩いてきました。

 山の上では涼しい風が吹いていたので、40分間その風に吹かれてきました。つかの間の避暑、と言うことでしょうか?

 山の中は小鳥の声も少なくて静かでした。夏鳥の声はオオルリとクロツグミくらいです。



 裏山で見たトンボソウ。いまが見ごろなのでしょうか?



 トンボソウは比較的よく目にする花ですが、花芽の先が虫に食われていることが多くて、このように咲ききることは少ないように感じています。



 林道で見たオカトラノオ。もう数も少なくなっているようです。



 今日のように直射日光が強くては花の写真撮影には適さないようです。それにこう暑くては集中力も途切れて、、、、、。

 とか何とか言いながら今日も元気に1万歩歩けたのですからヨシとします。

 あと1ヶ月辛い日が続きますが、皆さん元気でこの夏を乗り切りましょう。

 そのあとにはハチクマの季節が待っていますから、、、、。


バス遍路を終わって

2010年07月21日 | 日々雑感
健康は何事にもかえがたい宝物ですね。

 「山歩きが出来なくなったら寺まわりでもするか」と言うのが、このところ私たちの山グループで話題になっています。本気とも冗談ともとれるような話かたをしているのですが、今回のバス遍路ではお寺まわりも「楽勝」ではないことを痛感しました。

 今回は1泊2日で21番太龍寺(たいりゅうじ)から29番国分寺まで9ヶ寺をまわりました。日程的にもかなりハードなコースと言えそうです。



 行程上の都合で最初に訪れたのは22番白水山平等寺。いわゆる平地にあるお寺ですが、山門を入るとご覧のような階段が迎えてくれました。ここを上がらないと本堂に行くことが出来ません。

 結論的に言えば今回訪れた9ヶ寺のうち足腰に優しい階段の少ない寺は2ヶ寺のみでした。その他は足腰に優しいとは冗談にも言えないようです。



 25番宝珠山津照寺(しんしょうじ)



 23番医王山薬王寺



 21番舎心山太龍寺(たいりゅうじ)
 ここは標高600mの山の上にある寺です。バス遍路ではふもとからロープウエイで行くので簡単にここまでは行くことができます。しかし、ここでも階段を上がらないと本堂には行けません。階段のぼりが続くと、階段を前に気合を入れて上ることになります。



 26番龍頭山金剛頂寺(こんごうちょうじ)



 27番竹林山神峰寺(こうのみねじ)
 階段を下りるところを紹介しましたが、バスで本堂まで行ってどこかに向けて下りているのではありません。ここで紹介したすべての階段は、当然のことですが上ってお参りをした後は下りる必要があるのです。



 28番法界山大日寺(だいにちじ)山門。
 山門前の階段は少ないのですが、、、、、、、



 その前に行くためにはこの坂道を登らなければなりませんでした。マイカーやタクシーで行けば山門の前まで行くことが出来るので、この坂道を歩く必要はありません。



 24番室戸山最御崎寺(ほつみさきじ)本堂。

 バスで行けば簡単に行くことが出来る寺も階段がまったくない寺はないようです。この本堂くらいの階段なら問題はないでしょうが、いずれにしてもお寺まわりと階段歩きは切っても切れない関係があるようです。
 
 その階段ですが規格化された階段ではないのです。ほとんどが石段でしたがその高さもかたちもてんでバラバラ、ひざに優しいとか優しくないとか言う前に「危険な階段」と言いたいものもありました。

 そのような階段をクリアして初めて遍路旅を終えることが出来るのです。

 お大師さんの時代には「バリアフリー」と言う感覚はなかったはずです。また、さすがのお大師さんもいまのような「高齢化時代」が到来することを予測できなかったのでしょう。

 そのような遍路とは関係の無いつまらないことを考えながら帰ってきました。

 このようにお寺めぐりも「楽勝」ではないのです。今回は万歩計を持っていかなかったので歩数を計っていませんが、一緒に行っていた人の話によると二日間で1万数千歩になっていたようです。階段歩きを含めてこの数、決して足腰に優しいとは言えないようですね。

 平素から山を歩いているタカ長たちはなんなくこなしましたが、山を歩くことが出来なくなって行ったら音を上げることになりそうです。

 健康だから歩けるのです。寺まわりが出来るのです。何をするにも健康、健康に勝る宝物はないですね。


自主防災講習会

2010年07月18日 | 日々雑感
タカの渡りとはまったく関係ない話で失礼します

 このところのタカ長、何かと雑用はあるのですが、タカに関する話題はネタ切れの状態です。そのためまったく関係ない話をアップしてつながせていただきます。



 今日はタカ長団地の自主防災講習会の日でした。

 講師は広島市消防局のレスキュー隊の隊長さんと隊員1名です。梅雨明け前の豪雨があり何かとお忙しいはずですが、予定通り来ていただきました。

 屋内では防災に関するレクチャ。屋外では消火器の使い方の実習など、、、。



 ごめんなさい。アップする写真が間違っていました。講習には水消火器を使いますが、水が噴出しているところも撮っていたのです。それが手違いで紹介できませんでした。



 室内では救助法のレクチャー。

 救助する人が救助される人の手をもって引っ張っているところに注目してください。



 背負っていくときも、背負っている人が背負われている人の手をもっています。ここがポイントです。そのポイントを教えて頂きました。プロからのチョッとしたアドバイスですが、知ると知らないでは大違いですね。

 最後の今日習った救助用担架のつくり方を紹介します。



 準備するものは毛布1枚と棒2本。棒は物干し竿で大丈夫です。折れていないことを確認しましょう。

 毛布を広げて1/3位のところに棒をおきます。毛布の縦横と棒の関係にご注意下さい。

 そのほうの上に向こう側の毛布を折り返します。



 折り返した毛布の上にもう1本の棒を置きます。折り返した毛布からはずれてはいけません。

 棒と棒の幅は人の肩幅です。

 そのあと手前の毛布を2本の棒の上にかぶせます。これで完成です。

 紐で縛るとかいったことは一切不要です。

 たったこれだけのことで大人を運ぶことが出来ます。



 毛布が無いときは着ている衣類でも代用できます。この場合は2本の棒を持ったまま誰かに具が瀬手もらって棒の間まで引っ張れば、自然と衣類の袖の中に網が入った状態になります。衣類の場合は1枚では強度不足になりますから、何枚かを使用します。

 緊急事態で担架を準備する、と言うような事態には遭遇したくはありませんが、しかし、いつ何があるか分かりませんから、知っていて損はないですね。何かの参考にして下さい。

 タカ長は明日と明後日四国に行きます。

 そのためブログの更新が出来ません。ご容赦下さい。


キヌガサダケのスカート?

2010年07月16日 | 山歩きから
キヌガサダケが咲いちゃった???

 雨が上がりました。

 待ちかねたように裏山を歩きました。問答無用、とにかく歩きたかったと言うことです。

 いつものキヌガサダケを見に行きました。時期は過ぎたかも分からない、と思いながら、、、、。



 思ったとおり時期遅れでしたが、何本かはそれらしいものを見ることが出来ました。そのうちこのキヌガサダケはネットを伸ばしていることに気がつきました。上の写真はそのときの撮影。10時20分の撮影です。 



     10時21分撮影  



     10時25分撮影  



     10時26分撮影  



     10時30分撮影  



     10時33分撮影  



     10時36分撮影  

 16分、本当に目に見えるようにネットが伸びてくるのですね。花が咲くように、、、スカートが伸びてくるように、、、、。

 もう5分早く行けば良かった。

 三脚を持って、コマ撮りできる準備をして行けばよかった、、、、。

 自然を相手に「もし」とか「たら」とか言ってみ仕方ないのですが、考えてみれば今日は千載一遇のチャンスを逃したのかも分かりませんね。


 雨が降っている間にネジバナが咲いていました。最後にその写真を紹介します。



 今日の使用カメラ
         Nikon Coolpix P90

 マクロレンズではありません。私にとっては色々問題のあるカメラですが、あれこれご機嫌をとりながら使用しています。



アカハラダカの渡り

2010年07月14日 | タカの渡り観察
韓国・黒山島(フクサンド)におけるアカハラダカの渡り

 モンゴルで行われたARRCNで行われたシンポジュームのレジメの話です。

 韓国のあの朴眞永博士がポスター発表をされています。

 「韓国・フクサンドにおけるアカハラダカの春の渡り」と言うのがそのタイトルです。



 画像は良くありませんが、これでフクサンドの場所はイメージして頂けるでしょう。韓半島の南西端、モッポから高速船で2時間も離れた、黄海に浮かぶ離島です。

 タカ長はその島に2006年9月に行きました。秋の渡りの季節です。ハチクマの渡りを見に行くのが一つの目的でしたが、大きな渡りを見ることが出来ませんでした。そのときは連日快晴無風の好天が続き、そのことが一つの理由ではないかと考えています。その前年に行った仲間は一日に2百+の渡りを記録しています。

 このレジメでは朴眞永博士が観察されたところは書かれていません。そのため以下はタカ長の単なる推察に過ぎないことをお断りします。

 私たちが滞在したホテルから見える山のうえにタクシーで登ったことがあります。そこには「象羅亭」と書かれた展望がありました。展望台ですからもちろん抜群の展望が楽しめます。



 展望台から南西方向を見たところです。画面の右、海の近くに5階建てのビルが見えますが、ここがタカ長たちが滞在したホテルです。

 眼下の貯水池とその先の松林。松林のところがペナンギミの海水浴場で、左の尾根の影に国立公園の管理事務所などがあります。鳥類研究センターの職員もそこをフクサンドでの活動拠点にしています。

 

 島の中央には南北に伸びる尾根があります。もし、尾根の上をアカハラダカが渡ってくるとしたら、頂上にアンテナが立っているあの山あたりから飛んで来ることになります。あの山に行けば最高の展望が得られそうですが、韓国はどこも展望の良いところは軍が使用していますから一般の人は行くことができません。もちろんあの山も例外ではありません。

 そのような島で観察された記録です。



 調査は2003年5月と2004年5月に行われました。その記録は

    3031羽  (2003年)
    3053羽  (2004年)

 渡り羽4月下旬から始まり、5月中下旬にピークを迎える。渡り方向はほとんど北向き。

 その74%がNNWの風の日 25%がSEの風に日に渡り
              E や W の風の日には渡りは見られなかった。

 韓半島の南西の島々はアカハラダカの渡りを考えるときに重要なエリアである。

 秋はまとまった数の渡りは観察されていない。

 ここで記録されるアカハラダカの行き先も確認されていないので今後衛星追跡による研究が解決してくれることを期待されているようでした。

 アカハラダカの秋の渡りは日本でも観察されていて、対馬の内山峠では毎年まとまった数の渡りが記録されています。韓国でもタカ長の仲間が調査に出かけて行って渡りを記録していますが、それに比べると春の記録はほとんどありません。

 春と秋の渡りルートが違うことは十分想像されますが、それにしても秋は十万以上の渡り、秋の記録は3000くらい、このギャップの大きさには驚かされます。

ネットで公開された対馬・内山峠の記録は
                 29221(2003年)
                120916(2004年)

 まだまだ分からないことだらけのアカハラダカの渡り、と言うことでしょうか?


タイの渡り記録

2010年07月12日 | タカの渡り観察
RADAR HILL の記録を紹介します

 モンゴルで行われたARRCNのシンポジュームのレジメを読んでいます。と言っても気に入ったところだけを自分の読める範囲で読んでいるだけですが、、、、、、。

 

 タイ南部のチュンポン、その近くのRADAR HILLで連続調査が行われています。

 先ずその場所をイメージしてください。このグーグル画像に「チュンポン」と標記したところの左にマレー半島が入りこんだ湾になっているところが見えます。この入り江の西側にチュンポンの町があります。タカの渡り調査が行われているRADER HILLはその郊外にあるようですが、何しろタカ長は現地に行ったことがないので詳しく説明できません。

 そのRADAR HILLで行われた渡り調査の結果をChatuphon Sawasdee氏(タイ・ラプターグループ)とChaiyan Kasorndorkbua氏(Kasetsart大学)の両氏によって報告されています。レジメを読む以外には資料がないのでほんの概要だけしか分かりませんが、このレジメに書かれていることを紹介します。



 ネットで紹介されていた画像です。フラットな地形であることが分かります。この画像はおそらく観察地から撮影されたものでしょうが、あまり標高のない観察地であることが想像できます。

 この観察地が見つけられたのは2005年のことでした。

 2008年9月下旬から11月上旬にかけて37日間の調査が行われました。そのときの記録です。

 この期間中に記録されたタカは20種、129,123羽でした。

 一日の記録で一番多かったのは10月27日の28,354羽。

 この期間中に記録されたタカで一番多かったのがBlack Baza(クロカッコウハヤブサ)で81,315羽(63%)でした。その次がサシバで24,436羽(18.9%)そしてアカハラダカが10,130羽(7.8%)でした。

 気になるハチクマは8,049羽(6.2%)記録されています。タカ長の感覚的には数が少ないようですが、もともと渡り観察の結果を1年とか2年とか言う短い期間で判断するのは良くないと言えます。シンポジュームでの話をまったく聞かないで、レジ目だけを見てコメントするのは適切ではないので、ここは2008年秋の記録としてご覧下さい。



 ネットから借用したクロカッコウハヤブサの画像です。

 タカ長はこのクロカッコウハヤブサをマレーシアとベトナムで見たことがあります。

 マレーシアでは木に止まっているところ、ベトナムではクックフォン国立公園からの帰り道、車の中から見ました。100羽以上いたと思いますが帆翔していました。と言っても私たちがイメージする帆翔、タカ柱と言うよりミヤマガラスがウジャウジャ舞っているような感じでした。

 タカ長が持っている図鑑(RAPTORS of THE WORLD)によるとクロカッコウハヤブサの繁殖地はベトナム北部から中国南部にまたがっています。また、越冬地はマレー半島からインドネシアのスマトラ島にまたがっています。その間を移動しているクロカッコウハヤブサがRADER HILLでも記録されているのです。

 マレーシア・ネイチャー協会のキム・チャイさんの記録によると2002年秋、彼が住んでいるマレーシア北部のタイピンで18,068羽の渡りを記録されています。そのとき記録されたタカの総数30,206羽で、その59.81%がクロカッコウハヤブサであることが分かります。

 この二つの記録を見ると、マレー半島で記録されるタカの6割はクロカッコウハヤブサだと言えそうです。(秋の渡り)

 私たちは見ることが出来ないタカなのですが、タカの渡りを見る者として心のどこかに留めて置いて頂きたいと思って紹介させていただきました。

 いずれにしてもこのあたりの渡りについては観察が始められたばかり、日本より歴史が浅いので、詳しいことが分かってくるのはこれからだとタカ長は感じています。


モンゴルでのシンポジューム

2010年07月10日 | タカの渡り観察
ThE 6th INTERNATIONAL CONFERRENCE ON ASIAN RAPTORS

昨日紹介したモンゴルで行われたARRCNのシンポジューム。その詳細はまったく分かりません。先に紹介したタカの渡り情報交換会の場で、シンポジュームに参加した仲間から詳しい報告を聞くことになるはずです。その土産話を聞くためにも、その情報交換会には出席していただきたいものだと考えています。

 昨日紹介した報告書の目次だけ読みました。目次だけ読んだのではシンポジュームの様子を知ることが出来ませんが、しかし、何となくその雰囲気は分かるような気もします。



 今回の参加者はアジアだけでなく欧米からの参加者を加えて150名くらいだったようです。詳しい事情は分からないのですがインドネシアのチームがVISAの問題があってモンゴルに入国できなかった、と言うようなトラブルがあったようです。熱心な若者が多いチームだけにシンポジュームに参加できなかったことは残念でなりません。

  発表内容
      口頭発表         32
      ポスター発表       35
                      合計 67

 もう少し詳しく見ると、、、、、

      口頭発表          32
          日本人の発表      0
          韓国人の発表      2(6.3%)
          渡り関係の発表     6(18.8%)

      ポスター発表        35
          日本人の発表      6(17.1%)
          韓国人の発表      4(11.4%)
          渡り関係の発表     4(11.4%)

      発表全体から見た渡り関係の割合   14.9%

  上記の数字はプログラムを見て推察したもので発表内容を詳細に読んでからの集計ではありません。そのため多少の誤差があるかも分かりません。

  しかし、何となく全体の様子が見えるような気もします。 つまり

          日本・韓国の東アジアの数字が低い
          渡り関係の数字が低い

  東アジアを一つの区域として考えている(国が韓国・日本と分かれていることはタカには関係ないこと)タカ長としては日韓の数字が低いのは気になるところです。

  渡り関係の数字が低いのも気になるところですが、これは仕方ないのでしょうか?長大な時間を要する渡り調査は若い人には取り組むのが難しいのかも分かりませんから、、、、。



  目次だけ見るだけでも何かが見えてきます。次のシンポジュームに向けての期待、対応策なども頭の中だけですがあれこれ考えてしまいます。

  これからは目次の中で気になるところだけ読むことにします。語学力に問題のあるタカ長ですからどれだけ理解できるか分かりませんが、何か面白いことが見つかったら紹介させていただきます。



 次のシンポジュームを担当する韓国チームがどのようなプランをたて、どのような準備をされるか期待をもって見守りたいと考えています。