★中学教師の凶悪犯罪、悪鬼の所業か。
尾本幸祐、36歳
日本大学卒
江戸川区立松江第五中学校教諭
東京都江東区大島の一軒家に住む
妻と子供三人、長男は小一年生、他に5歳の次男と3歳の長女がいる。
なぜ幸福そうな家庭の大黒柱で中学教師の男が、人の家に忍び込み、住人男性(63歳)をメッタ刺しにして殺害したのか。
その被害男性との接点は、そして殺人の動機は何だったのか。
犯行日時は今年の2月24日、暗くなった午後6時半頃。
被害男性は1階玄関付近で倒れていた、顔や首に刃物による20か所の刺し傷があり、出血多量で死亡した。
63歳の被害男性は派遣仕事で生計を立てており、80歳代の母親と二人暮らしだった。
実は桜田門の初動捜査では早くから尾本が犯人ではないかと浮上していたのだ。
ただ、一家5人の家庭持ちで現役の中学教師を簡単に逮捕する訳にはいかない。
逮捕するには300%の証拠固めをしなければならない。
周辺の防犯カメラ、靴痕、尾本のアリバイ、当日の尾本の行動調査、金銭関係の身辺調査を入念にやった結果、犯人は尾本と断定し、3カ月近く経った5月11日に殺人罪で逮捕、公判を300%維持できると判断した。
逮捕直後の尾本は、「関与していないニダ」と否認したが、今は黙秘に転じたという。
東京地検に送られた時、マスクはしていたが顔は隠さず堂々としていた、あのふてぶてしさはどこから来るのか。
開き直りか、それとも悪魔の正体がバレたからか。
被害者宅は3階建て、尾本の勤務先の中学校から170メートルという近い場所にある。殺された男性は1階で血を流して倒れていたという。
そして、2階と3階にも犯人が物色して土足で歩いた靴の痕があり、尾本が履いていたスニーカーと一致した。
逮捕前の任意の事情聴取に尾本は、「学校から駅に向かう途中、男性から『荷物を運ぶのを手伝ってほしい』と言われ、土足で家の中に入った」と説明したというが、面識のない男に「荷物を運んでくれ」などと頼む人はいないし、また強盗でもない限り土足で家の中を歩き回ることは絶対にない。
桜田門は尾本の身辺調査を入念にやった結果、尾本は家族と暮らす一軒家の住宅ローンのほか、ギャンブルで数百万円の借金を抱えていたという。
動機はカネ目当ての強盗だったのか。
近所に住む女性は被害男性について、「高齢のお母さんを献身的に支えていて優しい人だなと思っていた。穏やかに暮らしていたのに、なぜ殺されたのか」
さて、尾本は強盗殺人罪で無期懲役だろう、最低でも20年以上の刑務所暮らし。
問題は、残された4人の家族はどうなるのか。
このままでは住宅ローンを払えないどころか生活すらできない。
新築の一軒家を手放し、どこかに引っ越しするしかない。
そして妻と3人の子供たちはショックで生きた心地もしないだろう。
一方、殺された男性の母親は80歳代という高齢な訳で、息子が殺されて半狂乱になっているのではないのか。
この尾本幸祐という中学教師は悪魔からでも生まれて来たのか。
人の世を恐れぬ悪鬼としか言いようがない。
(じゅうめい)