武田じゅうめい 愛と誠と正義

色即是空とは、すべての存在は虚無であると知る。
旗印は日本愛、 日本人には日の丸が足りない

ジャニーズ帝国の影の実力者は、なぜ消えたのか。 文春と帝国の死闘。

2023年09月15日 | 事件

★ジャニーズの黒歴史を仕切った男

ジャニーズ事務所と故ジャニーを告発し、裁判で戦った元週刊文春の編集長・木俣正剛の発言は以下の通り。

 

今でも忘れられない。
「ジャニーズの女帝」の言葉、
ジャニーズ事務所の元副社長・メリー喜多川(ジャニーの姉)から聞いた、忘れられない言葉。

 

「木俣さん、私はね、タレントには手を上げませんよ。顔に傷つけたら、商品ですからね。だけど、スタッフには手を上げます。身体で覚えさせるしかないこともあるから」

このセリフ、それほど昔の話ではありません。2015年、SMAP解散の契機となった週刊文春でのインタビュー記事の直後、彼女が文春を訪れたときに言い放った言葉です。

「メリーさん、今の時代、体罰をやっているなんてことを言うもんじゃないですよ。しかも、あなたは副社長。私はマスコミですよ」
そう軽く言い返しながら横を見ると、同席していたジャニーズの女性弁護士が下を向いたまま、聞かなかったふりをしていた。

そのインタビューは、「SMAPは踊れない」「飯島(SMAPを育てた女性マネージャー)は踊れる子を育てられない」「だからジャニーズは任せられない」「出て行きたいならSMAPを連れて出て行きなさい」と、取材班の目の前で激しくSMAPと飯島マネージャーをこき下ろす内容だった。

「聞いたことは全部書いていい」と言われていたし、抗議を受ける立場でもないが、担当役員である私や新谷学編集長などが呼び出されて、延々と文春への長きにわたる恨みを聞かされた。数時間、長広舌をふるい、最後に一言。
「でも、おたくの編集長(ジャニーズとの裁判が起きたときの松井清人編集長)って、お子さんいらっしゃらなかったのよね。それじゃあ、子どものことなんかわからないかも。ごめんなさい、他人様のプライベートなことを言って…」
そう言い放つと、巨大なリムジンに乗って帰って行った。
探偵を雇って文春の編集長や記者の身辺を探っていたのだろう、その発言は「脅し」とも取れた。


もう80代というのに、黒い革ジャンに黒い革パンツを履いた女性だった、その一方で、この人の下で働くのは願い下げだと思ったことを、今回の9月7日に開催されたジャニーズ事務所の記者会見を見ながら、昨日のことのように思い出した。

相変わらずメディアも大マスコミも、問題の本質から目を背けているのではないか。
私はジャニーズと孤独な戦いを続けた週刊文春の当時の指揮官として、脱力感を覚えていた。

なぜ、会見場にいるべき人たちが出席していないのか。
最初に疑問を感じたのは、記者会見の出席メンバーだった。
東山紀之新社長、井ノ原快彦、そして藤島ジュリー景子前社長が出席しているのは妥当だと思う。
しかし、当然出席するべき「白波瀬傑・副社長」(故ジャニー社長の懐刀で影の実力者)が辞任したという理由で欠席。
そして、いつも記者会見に同席している凄腕の顧問弁護士も欠席。
代わりに、門外漢の西村あさひ法律事務所の木目田裕弁護士が同席していた。

つまり事件とは関係性の薄い人が出席していて、本来いるべき人たちがいないのだった。
「人類史上最も愚かな事件」の実態を解明し、補償することを宣言するのが会見の趣旨だったのではないのか。

ご存じのように、週刊文春はジャニー喜多川による性加害を裁判で認定させることに成功した。当時、ジャニー側の弁護士が詳細に彼の反論を聞き取って弁護をした以上、どういう風に言い訳をしていたかを証言できるのは、その顧問弁護士だけなのです。しかし、その顧問弁護士は会見に出なかった。

さらに、ジャニーズと対立するメディアに自社のタレントを出演させない、ジャニーズタレントの登場する広告を掲載させないといったジャニーズの裏を仕切っていた「白波瀬・副社長」も欠席。

このように、ジャニーズ事務所の内情をよく知る弁護士と役員が記者会見に出席しないのなら、マスコミがいくら質問したところで、補償の為の取り組みについて聞けることは限られている。

この時点で、ジャニーズ事務所の本音が透けて見えたと思ったのは私だけでしょうか。記者会見は、正直的を射ないものでした。私は、これからでもいいので、会見に出席しなかった関係者が記者会見を行い、被害者たちの前でジャニーやメリーが何を語り、何をしていたかを証言する義務があると思う。


21世紀に入っても、部下に手を上げるのが悪いことではないと思っている経営者の下で働いていたタレントたちが、二人のことを完全否定することなどできるはずはありません。たとえば今回の記者会見で、「噂は知っていたが相談されたことはなかった」などという逃げの言葉は、空疎にしか聞こえませんでした。

 

(元週刊文春の編集長・木俣正剛の発言)

明日に続く。

(じゅうめい)

 

 

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