光山鉄道管理局・アーカイブス

鉄道模型・レイアウトについて工作・増備・思うことなどをば。
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「残念な鉄道車両たち」

2024-04-16 05:42:23 | 書籍
 先日紹介した、近所の古本屋の閉店当日に拾えた本の中から。

 今回のキーワードは「ざんねん」です(笑)
 物はイカロス出版の「残念な鉄道車両たち」(池口英司 著)および講談社ビーシーの「ざんねんなクルマ事典」(片岡英明 監修)の2冊。

 近所の本屋の閉店で残念気分になっているわたしだというのに、そこで閉店当日に買う本まで「ざんねん」というのはなんだか因縁めいた気がしますが(笑)

 前者は主に国鉄時代からJR時代にかけて主に著者の視点から「設計当初の理念やコンセプトが貫徹できなかった残念な車両」を俯瞰した物です。
 なので一般的な知名度や人気の高いD51やキハ40系、185系なども含まれているのが面白いところでもあり、「はてな」と思いながら読み進めれば「なるほど」とうなずけるところもそれなりにある(一方で読む側の視点によって異論も出てきそうな内容でもありますが)ものです。

 鉄道車両の場合、設計に際して使われる環境に合わせて「どのような目的で、どのような用途で使われるか」が厳密に検討されるものですが、それでも実際に出てみるとその間の環境や社会情勢などの変化で期待された活躍が出来なかったりすることが往々にして見られます。

 また、従来になかった新機軸を取り入れようとする際には必ずと言って良いほど初期のトラブルが出てくるものですが、それが多発したり対応コストがかさむなどの要因でそれ以上の発展が出来なかったケースもあり、殊公共交通機関としての鉄道ではそれも致命的だったりもするものです(キハ81系とかDD54なんかが該当しますか)

 本書で取り上げられている車両の中にはファンの間で人気が高い車両も少なからずありますが、人気はあっても薄命に終わった物もまた多く、それが読む側にも「残念」として語り継がれる事にもなりましょう。
 (「不人気=マイナー」が直結しているクルマなんかと違って鉄道車両の場合は不思議と「判官贔屓」みたいに悲劇的な車両を推す向きが多い様な気もします。あ、わたしもそうかw)

 その点で本書の「残念な車両」にはどこか期待と挫折、という悲劇的な響きがノスタルジーと共に心に響きます。

 ところでもう一冊の「ざんねん」本についてはこのあとサブブログに上げる予定です。
 その際には以下のリンクをご参照ください(笑)

ホビーのごった煮「ざんねんなクルマ事典」