光山鉄道管理局・アーカイブス

鉄道模型・レイアウトについて工作・増備・思うことなどをば。
こちらはメインブログのアーカイブとなります。

古本屋の閉店と「全国軽便鉄道」のはなし

2024-04-09 05:19:31 | 書籍
 先日、現住地の近所のブック〇フが閉店しました。
 自宅に近い事もあって時々覗きに行く店だったのですが、今年に入って暫く顔を出さずにいたら「久しぶりに出かけたその日が閉店当日だった」というショック!
 
 新刊本屋もそうなのですが、古本屋までなくなってしまったら本当に参ります。
 電子書籍やネットショップではこれまでの様なアナログな「足で探す本の探索」が出来ないですから(本を探すために汗をかくという行為は実は読書子には不可欠な要素のひとつと思います)

 などと文句ばかり書いても仕方ないですが。
 先述の通り「久しぶりに覗いたら閉店当日」だったブック〇フですが、不幸中の幸いと言いますか店内整理で在庫が少なかったにもかかわらずわたしの琴線に触れるような本が何冊か拾えたのは有難かったです。
 この店で「わたしが買おうと思う本がいちどきに5冊以上拾えた事」は滅多に無かったですから。

 という訳で今回は閉店当日に拾えた本の中から(まあ、そう自慢になる様な物でもありませんが)

 JTBキャンブックスの「全国軽便鉄道」(岡本憲之 著)をば。

 あおりに「失われたナローゲージ物語300選」とある様にかつて国内に存在したナローゲージの鉄道を俯瞰した「ナローゲージ資料集」とでも言う様な入門書です。
 現住地はおろか故郷の古本屋を回ってもナローゲージの古本に当たった事はありませんでしたから、これだけでも驚きではありました。
 (まあ、めぐりあわせというか運の要素も大きいのでしょうが)

 本のボリュームから言ってひとつの鉄道のスペースは多くても2ページが精々、1ページの半分とかしか書かれていないのもざらなのですが、これまで私の手持ちの中でこれくらい纏まった俯瞰本はなかったですから基礎文献としてはなかなか有用な一冊です。

 ナローと言ってもいわゆる軽便鉄道ばかりではなく馬車鉄道や人車鉄道、鉱山鉄道や森林軌道なども含まれているので扱いの範囲はかなり広いのですが鉱山鉄道はキャンブックスの中で独立した一冊になっていますから併せて読んでも楽しめそうです。
 それにしても「ナロー」とひとくくりにして軽便鉄道くらいしかイメージできなかった自分でしたが、本書を読んでそのバラエティが予想以上に広かった事には改めて驚かされました。

「富士山ビュー特急」のその後(笑)

2024-04-07 05:51:47 | 車両・私鉄/民鉄
昨年入線したマイクロの「富士山ビュー特急」にまつわるこぼれ話から

 これを入線させた直後に買ったショップからメールが届きまして「1号車と3号車の屋根が入れ替わるエラーがあった」との由。
 その時に交換用のパーツが2月に送付されると聞いていましたが、先日ようやく物が届きました。

 実はその話を聞いた時「屋根が入れ替わっていたエラー」という話だったので屋根板が来るものと思っていたのですが、
 実際に届いたパーツは「車体が2両分」だったりします。

 まあ、考えてみれば最近のモデルは屋根と車体が一体化した物も多いですからこれは当然予想しておくべきではありました(笑)

 ですが、車体が丸ごと交換となれば当然元々のボディが2両分余る訳でして。
 添付された説明書では「お客様自身にて処分をお願いいたします」とあります。

 エラー品とはいえ、買いたての新車のボディを捨てるなんてもったいない気もしますし、せっかく先頭車2両分の車体があるならこれで何かできないかとか考え始めたりします。

 例えば適当にカットして「Bトレインショーティ」の動力と組み合わせるとか、意匠を生かして「ビルの1階に組み込んでカフェやレストランに見立てる」とか。
 そのものずばりの「列車ホテルに化けさせる」というのもありかもしれません。
 こういうのは夢想している時が一番楽しいものですが、さてどうしましょうかw

KATOのEF58&スハ44系「青大将」(初代モデル)

2024-04-06 05:49:51 | 車両・客車・貨車
 今回は久しぶりに地元の中古ショップでの拾い物です。

 かつて人気のあったアイテムが、時を経てから手頃な価格に下がった中古としてショップに並ぶというのは一般的にもよくあるパターンなのですが、それでも手が出せない(あるいは出さない)モデルというのもわたしの場合結構あったりします。

 KATOが1980年代末頃にリリースしたスハ44系青大将なんかはその典型でした。
 別に青大将が嫌いだったとか言う訳ではなく、それどころかわたし自身が以前「青大将みたいなカラーリングのクルマを自家用車に使っていた」くらいですから適当な出物にでも当たればおそらく入線させていたであろうモデルです。

 ではなぜ今までそれが出来なかったかというと、これまでお目にかかっていた中古モデルというのが「機関車単体だけ」とか「客車編成だけ」という形でしか店頭に並ばなかったから(さりとて大枚はたいて新品を揃える程の甲斐性もなかった汗)です。
 編成によって牽引機が変わるブルトレとかと違い、スハ44系の青大将は同じカラーリングのEF58が牽いて初めて様になる(と私が勝手に思っている)訳でどちらか単体だけしか無かったらどうしても二の足を踏みます。

 そんな状態が20年くらい続いていたのですが、ようやく先日「機関車と客車両方が揃ったセット」の出物が店頭に並びました。
 物はKATOの初期モデルで、EF58はKATO独自のアンカプラー対応のアーノルドを装着しているのが特徴ですが、造形に関してはKATOらしい破綻のない造りで今のレイアウトで走らせても違和感はそれほど感じません。

 スハ44系の方は本来なら入っている筈のマイテがなく、代わりにスハ44が1両多い仕様の様ですが、偶然にも別のショップでマイテの単品を見つけたのでどうにか編成を組めます(とはいえ、実車準拠という訳にはいかず機関車を含めて7連ですが)

 これで機関車込み1両当たり3桁価格に近いならお買い得ではあります。

 ただ、前ユーザーは結構この編成を走らせ倒していた様で足回りの汚れは結構出ていますからクリーニングは必須。
 その一方で付属品のナンバープレートが未装着という微妙にちぐはぐなコンディションではあります。
 これについてはふと感じたこともあるので次の機会にでも書いてみようかと思います。

レイアウトの「模型屋さん」のはなし

2024-04-04 05:44:29 | ストラクチャー
 前回、ストラクチャーとしてのパン屋さんをネタに取り上げましたが、今回もその関連で。

 今回は「模型屋さん」を取り上げます。

 メーカーとしての遊び心として「模型屋さん」のステッカーが付属するというのは昔はよく見かけたものです。

 前回も取り上げたTOMIXの商店では「ユモト模型」というのがありましたが、やや遅れてリリースされたGMの商店にはそのものずばりの「グリーンマックス」のステッカーがあって当時は笑わせてもらいました。

 TOMIXの商店はわたしもかなり早い段階で購入していたので、ステッカーも「ユモト模型」を使ったものです(笑)
 グリーンマックスの方はごく最近、組み立て済みの中古モデルの中から見つけましたがメーカーらしい遊び心を感じたものです。

 わたし個人はレイアウトの中にGMの3階建てビルをベースにした「レンタルレイアウト付きの模型店ビル」なんかも組み込んだりして(笑)

 模型屋さんの建物はその構えが時計屋や眼鏡屋、洋品店などに似ているせいもあって既存の商店モデルを転用しやすい題材と思いますが、それでも店内やショーウィンドウの意匠にひと手間掛ければ模型屋さんらしさを倍増できる物です。
 (そういえばわたしもジオコレのビルをステッカーチューンで「MODELS I〇ONの光山店」に仕立てた事がありましたw)
 逆に言うならこれまで既存のストラクチャーで明確に模型屋さんとして製品化されたものは殆どなかったとも言えます。
 そんな中でみにちゅあーとが「TamTam岐阜店・仙台店」をペーパーキット化したのは面白い着眼だったと思います。


 特に岐阜店の構造は郊外型のホビーショップの外見を再現した物としては出色でした(これとよく似た構造の店としてわたしの知る範囲でも「新清〇鑑定団」や「ハード〇フ盛〇上堂店」なんかがあるのでそっちに転用するのも容易だと思います)ただ、出来は良いのに半ば限定品みたいな販売だったせいで今からだとなかなか入手しにくいですが。

 どちらかというと模型店に関しては製品の登場を待つよりも既存製品をユーザーレベルで改造して楽しむのが向いている様な気もします。

 今と違って昭和の頃までは模型屋さんと言えば「商店街の中にある物」というのが通り相場でしたが今では郊外の大型店のテナントになったり家電量販店の1コーナーとして出店している事が増え、一種の絶滅危惧種に近い存在ではないかと思います。その意味からすればレイアウトの中に「子供の頃の思い出のショップ」を出店させるというのもアリではないかなとも思います。

鉄道ミステリとテツドウモケイ・その39「恐風」と京王電車(?)

2024-04-03 05:40:31 | 小説
 先日「森林鉄道みやま号」を久しぶりにアップした「鉄道ミステリと鉄道模型」ネタ。

 この機会にと他の作品も久しぶりに読み返してみたら、このブログで書けそうなネタをいくつか再発掘できたので、久しぶりに再開してみようかと思います。

 今回取り上げるのは徳間書店版「殺しのダイヤグラム」所収の島田一男作「恐風」

 舞台は郊外電車KK線の中間駅S。
 ある夏の日の夕方手荷物扱い所のトランクから女性の全裸死体が発見された。
 たまたま現場に居合わせたS通信支局の新聞記者江上は、本社北崎部長の指揮の下、急遽召集されてきた記者たちと共に行きがかり上、事件の探索と取材に乗り出す事になる。

 死体を詰めたトランクは熱海から発送されたものだったが被害者が持っていたトランクとは異なる物だった事が判明。どこかで死体の詰め替えが行われた可能性が濃厚となったが熱海からSの間で少なくとも7回のチャンスがある事が示唆され、それらの探索に記者たちも捜査陣も振り回される。
 更に被害者の女性は代議士夫人の高利貸で性生活も奔放だったため容疑者の絞り込みもなかなか進まない・・・

 大雑把に書くとこういう流れのはなしです。
 本作は島田一男お得意の事件記者シリーズの初期に当たる作品ですが、作者自身が新聞記者出身だったこともあり取材関係の描写が生き生きしているのが特徴です。

 内容的にはダイヤグラムを駆使した列車の乗り継ぎに伴う死体の詰め替えが主眼に置かれた、今となっては古典的な鉄道ミステリなのですが、記者や警察はもとより容疑者や聞き込み先の女中やタクシー運転手に至るまで人物描写が生き生きしているので短編としては比較的長い作品にも拘らず最後までぐいぐい引き込んでゆく力があります。

(実は本作に限っては今回の鉄道ミステリを手にする以前に「事件記者シリーズ短編集」の一編として読んでいた作品でもありました)

 さて、作中に登場するKK線は新宿を起点に東京西部を走る私鉄という想定。おそらくモデルは京王線、あるいは小田急線ではないかと思われます。
 
 本作でもうひとつ印象に残っているのが北崎部長の「番線指揮所」という設定。

 部長自ら種取りに出動した場合には、よく連絡場所を国電のホームにもって行く。一番人目につかなくってもっとも機動力を発揮できるのは国電のホームである。
 ーよーし、じゃ俺は某某駅の何番線ホームにいるぞ・・・。
 北崎がこういう時は事件はいつも追い込みに入っていた。―編集ではこれを北崎の番線指揮と言っている。
 その北崎が、今日は新宿駅11番線におみこしを据えているのだ

(徳間書店刊「殺しのダイヤグラム」83Pより引用)
 携帯どころか普通の電話すら個人レベルで普及していないあの時代、新聞の取材班がターミナル駅のホームをハブとして使うのはありそうな事ですし、実際もこういう事が行われていたのだろうと思います。見るからに活気のありそうな場面でもあるので都会風のレイアウトなんかでホーム上に番線指揮所のミニシーンを入れてみたくなります。
 さて、作中での11番線はKK線のホームという事になっていますが、当時の新宿駅では国鉄のホームの隣に京王、小田急のホームも並ぶ配置だったそうなので今よりも見晴らしは良さそうです。

 本作が書かれたのは昭和26年の事ですが、Nゲージでそれに該当しそうな京王、小田急の車両というのは意外と少ない様です。

 京王なら鉄コレでリリースされたデハ2404くらい、小田急でも1800形程度〈1700が登場したのがこの年ですが、本作では優等列車の描写はありません)でしょうか。

 作中で登場人物の駅員が死体を運んできた電車について「あの車両には最後部に荷物室が付いている」と発言しているのですが、該当しそうなのは京王の旧玉南仕様のデハ2000(一般に知られているデハ2000系の前に存在した初代機種)の様です。流石に旧2000系はNゲージでも出ていない様なのでデハ2410で代用していますがw
 (実車は木造車体のダブルルーフでサイズ以外の共通点は殆どありません)

 まあ、架空の私鉄だから・・・と割り切っても差し支えはないですが(大汗)

3月13日なので313系のはなし

2024-04-02 05:33:00 | 車輌・電車
 以下の記事は去る3月13日にメインブログに上げたものです。
 時期外れも良いところですがご勘弁を。

 ネタに詰まった時の安直な「日付語呂合わせ」のはなし
 今日が3月13日なので313系のはなしとでも洒落込もうかと(笑)

 国鉄がJRになってから近郊型の代表格であった113系や115系、415系、そろそろ211系なんかも徐々に各地域のJRの仕様に置き換えられ、最近ではすっかり地域ごとに表情を変えている感があります(何をいまさら)
 その中でも313系は(わたし的に、ですが)最も113系の雰囲気を引き継いだ電車と思っていまして静岡や身延辺りで見かけてもなんとなくほっこりした気持ちにさせてくれる電車となっています。
 少なくとも同じ113系、或いは211系の後継でも東の不愛想さや西の垢抜け過ぎた雰囲気よりはわたしにはしっくりきます。

 ですから、趣味の再開時にJR時代の車両として真っ先に入線させたのも313系でしたし、その後も折に触れて中古モデルを入線させてきたので(それでいて仕様は微妙に異なる)いつの間にか313系は当鉄道でも大所帯の口になりつつあります。

 何しろKATOを筆頭にTOMIXやMODEMOの仕様まで入ってきましたから発売時期やブランド違いによる差異が意外に大きく実車の様に「どれも同じ顔に見える」のが少ないのが模型ならではの人徳とでも言いましょうか。
 (裏を返せば「あまり似ていないように見えるモデルもある」という事でもあるのですが、その辺はメーカー毎の造形のセンスの違いもあるでしょうからそこは「個性」と割り切れるかと思えます。わたしなんかは逆にその個性の違いを眺めるのが楽しい時もありますし)
 もちろん走行性も3者3様。最も古いMODEMOの仕様が一番くたびれた走りですが、さりとて不満もありません。

 また、短編成からある程度の長さにまで対応できる運用上のフレキシビリティの高さは113系にもなかったスペックと言え、小レイアウトで2連を走らせても違和感がないのも有難い点。入門セットに313系が選ばれるのもむべなるかなです。

 まあ、そこまでは良いとして313系のバリエーション(と言っても良いのかな?)には「外見がほぼ同じ気動車の仕様まである」のが面白い(勿論「JR東海のキハ25」の事ですがw)
 ここまでやると電化も非電化も関係なく東海では「同じ見た目の編成が管内津々浦々にまで走り回っている錯覚」すらしそうな勢いで怖いw

 ともあれ、その親しみやすさとフレキシビリティもあって313系一族は当鉄道でもいつの間にか「偉大なる凡庸」の仲間入りを果たしつつあります。