ちゃ~すが・タマ(冷や汗日記)

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永井憲一編『子どもの権利条約の研究』(法政大学出版局、1992)

2009年05月18日 21時57分36秒 | 
国際的な人権条約の流れを詳細に示すために、子どもの権利条約について学び直す必要が出てきて、永井憲一編『子どもの権利条約の研究』(法政大学出版局、1992)に目を通す。
いまの障害者権利条約の批准前の状況と同じ状況の中で出版された本。
子どもの権利条約は、「前文」と「第1部」に具体的権利に関する実体規定をまとめている。第1部の内容wqお分類して整理すると以下のようになる(p.15-16)
1.総則
 ① 権利保障の原則(3条=子どもの最善の利益の条を含む)
 ② 条約の適用
2.国際的人格権と市民的自由
 ① 「国際的人格権」(第6条=生命への権利、生存と発達を確保する権利、12条=意見表明権を含む)
 ② 「精神的自由」
 ③ 「人身の自由」
3.こどもとして養育され、保護される権利と社会的経済的及び文化的権利
 ①「親による養育と国の援助」
 ②「健康と医療、生存・発達と社会保障への権利」(23条=障害児の権利、24条=健康と医療への権利、26条=社会保障への権利、27条=生存・発達に必要な生活条件を確保する権利など)
 ③ 「教育と文化に関する権利」(28条=教育に関する権利、31条=休息や余暇、遊び、文化的および芸術的生活に参加する権利)
 ④ 「子どもとして保護される権利」

特徴
1.人間の尊厳という人類の歴史的利編が全体を一貫している。
2.従来は保護する対象として見なされていた子ども権利の享有の主体そして権利行使の主体、つまり人権主体として保障しようとするものである。その上で、しかし子どもは大人とは違う存在であって説く月に穂顔がひるようなものとして、その権利を保障しようとしている(意見表明権=自己に影響を及ぼすすべての事項にてついて自由に見解を表明する権利(→自己決定権と同様な内容))。
3.子どもの権利のととらえ方として、この条約は発達という観点を重視している。その一方、子供の困難な状況を考慮して、子どもが特別な保護が予想される客体として、子どもの現実のニーズに対応しうるようにと多くの保護規定を設けている。
4.子どものケアや発達のために親及び家族(環境)を重視していること。
5.大人のみならず子どもにも、この条約の原則や規定を六知らせることを締約国に義務づけている。