ちゃ~すが・タマ(冷や汗日記)

冷や汗かきかきの挨拶などを順次掲載

岡田尊司『アスペルガー症候群』(幻冬舎新書)

2010年10月27日 22時58分49秒 | 
岡田尊司『アスペルガー症候群』(幻冬舎新書)を読んだ。コンパクトによくまとまった本となっている。著者は、ペンネームで推理小説なども書いているようだ。
この中で環境的要因の関与についての言及が興味深いものがあった。
遺伝的な要因があるとしても、その発現を左右するもの、一つには、胎児期での環境的な影響(中枢神経系の成長への物質的な影響をおよぼす男性ホルモン・環境ホルモンなどなど)、今ひとつは心理的社会的要因(家族の関心や世話、社会的な刺激、家庭内のストレス、不安や離別経験などなど)も指摘される。障害なのか環境なのかがよく問題になるが、その相互関係のありようが検討の課題となる。これは、「氏か育ちか」といった古くから議論になっているものの、今日的な展開の一つではないかなと思う。

構成は以下の通り。
はじめに
第1章 アスペルガー症候群とはどんあんものか
 1.ハンス・アスペルガーが出会った子ども達
 2.ケースは語る
第2章 アスペルガー症候群の症状はどのようなものか
 1.社会性の障害
 2.コミュニケーションの障害
 3.反復的行動と狭い意味-一つのことんい囚われ続ける
 4.その他の特性や伴いやすい問題とは
第3章 アスペルガー症候群を診断する
 1.いかに診断するのか
 2.併用される検査とは
 3.診断に際して注意すること
第4章 アスペルガー症候群の脳で何が起きているのか
第5章 アスペルガー症候群が増えている原因は何か
第6章 アスペルガー症候群と7つのパーソナリティ・タイプ
第7章 アスペルガー症候群とうまく付き合う
 1.枠組みをしっかり作り、ルールをはっきり示す
 2.過敏性に配慮する
 3.本人の特性を活かす
 4.弱い部分を上手にフォローする
 5.トラブルを力に変える
第8章 学校や家庭で、学力と自立能力を伸ばすには
 1.日常生活の問題にどう対処するか
 2.勉強好きにするコツ
 3.安心して学校生活を送らせるにはどうすればよいか?
第9章 進路や職業、恋愛でどのように特性を活かせるのか
 1.アスペルガー症候群の強みとなる特性とは
 2.アスペルガー症候群の人に会った友情、恋愛、家庭生活
第10章 アスペルガー症候群を改善する
おわりに-適切な理解と支えが、可能性を広げる