WESTWOOD -手作りビンボー暮らし-

持続可能な社会とは、必要なものはできる限り自分(達)で作る社会のことだ。衣食住なんでも自分で作れる人が偉いのだ。

「勘違いの日本語」

2021年10月13日 | 面白かった本

こんなことを書くと「自分も年寄りになったんだなあ」と、あらためて感慨深いものがあるのですが…、

近ごろの、とりわけ若い者の言葉遣いを聞くたびになんか違和感を覚えざるを得ません。例えば何でもかんでも「ヤバイ」「カワイイ」の一言で片づける風潮など。「別に通じてればいいじゃん、うっせーわ!」という声が飛んできそうですが、言葉の貧困は文化の貧困につながる気がしてしまうのです。

BookOffで見つけた。帯にあるようにまさに「目からウロコ」でした。
有為だったか無為だったかはおいといて、それなりに長い年月を生きて来た私のような年寄りでも、勘違いして使っていた日本語のいかに多いことか。生涯勉強ですね。

家族や親しい人同士ならば多少言葉遣いがおかしくても通じればそれでいいかもしれません。しかし、社会生活をおくる上では、時には親しくない他人や顧客、目上の人など気遣いの必要な場面も少なくありません。多少おかしくても時代の流れで慣用され、社会的にもある程度許容されている言葉であっても、本来の意味、使い方を知ったうえで使えれば、赤っ恥をかいたり無用な摩擦を生じさせることも防げるでしょう。

本の内容からいくつか例をあげてみます。

ーーーーーー ケース1 ーーーーーー
会社の受付で社長との面会を求めた来客にアポイントメントの有無を確かめる言葉として適切なのはどれですか。

1.失礼ですが、ご来社のお約束をなさっていますか。
2.失礼ですが、ご来社のお約束がございますか。
3.失礼ですが、ご来社のお約束をしていらっしゃいますか。
4.失礼ですが、ご来社のお約束をしていますか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

日本語において、言葉遣いでもっとも問題となることが多いのが「敬語・謙譲語」の使い方です。
正解は2.だそうです。
この例では、「相手がちゃんと面会の約束をして訪問してきたかどうか」をたずねる1.3.4.のニュアンスは、相手に不快感を抱かせかえって失礼になってしまう。そこで相手の行為には触れず「約束という非人格的なものだけを問う」2.が正解なのだとか。言われてみれば確かにそんな気はします。

ーーーーーー ケース2 ーーーーーー
お母さん同士の会話で、娘さんがコンクールで優勝したお母さんに向かって、
「お嬢さんがコンクルールで優勝なさったんですって?蛙の子は蛙ね。おめでとう。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
このお母さんは「優秀なお母さんのお嬢さんはやっぱり優秀なのね」とお世辞?を言いたかったのですが、「蛙の子は蛙」は「凡人の子は凡人」とのニュアンスだというのです。

ーーーーーー ケース3 ーーーーーー
スピーチの後に、
「ご静聴ありがとうございました」
これは発声上は問題ないのですが、大きな問題があるというのです。何が問題なのでしょうか?

「ご静聴ありがとうございました」=「静かに聴いていただいてありがとうございました」
の気持ちで言ってしまっているところに問題がある。聴衆にスピーチを聞いていただく立場の者が、聴衆の”聴く態度”を「静かに聴いていただきありがとう」などと評価するのは失礼にあたるということです。

正解は、「ご清聴ありがとうございました」。

「ご清聴」は「話をお聴きくださること」の意であり、そのことに「感謝する=ありがとうございます」が正解。気持ちとそれをあらわす漢字の使い方の問題で、発声上は同じですから実際の場面ではまず問題にはならないでしょうが、あいさつ文の下書きやアンチョコを準備するにあたっては知っておくべきでしょう。万一、知識のある方に下書きやアンチョコの間違った文字を見られてしまうと教養を疑われ、知らぬは本人のみということにもなりかねません。


おまけ
もう一冊買ったのですが、しおり代わりの売上票が挟まれていたページが笑えましたw。

 


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