平成18年(行ウ)第29号 前知事個人秘書業務費返還請求事件
次回第11回 2008年10月29(水)10時00分~
原告 寺町知正 外11名
被告 岐阜県知事
2008年10月14日
岐阜地方裁判所民事2部御中
原告選定当事者 寺町知正
原告準備書面(8)
第1 出張先に関する調査について
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第7 D2類型 地方公共団体関係の講演など (甲第28号証-5参照)
1. 「財団法人 全国市町村振興協会 全国市町村国際文化研修所」と梶原の関係
財団法人 全国市町村振興協会 全国市町村国際文化研修所(滋賀県大津市)の主催において、2005年5月19日ころに「全国市町村国際文化研修所」とする旨の講演が開催され、梶原拓が出演したと岐阜県関係の文書に記録されている。
「『全国市町村国際文化研修所』の学長のあいさつ」(甲第41号証-1) 学長のあいさつ では、
「JIAMは、地域や自治体施策の国際化に的確に対応できる職員を養成するため、全国の市町村が共同して利用できる研修機関として、平成5年4月に開設されました。その後、研修分野を国際化対応以外の分野にも広げ、広く市町村の振興に必要な研修を総合的に実施してきており、開設以来これまでに35,000人を超える研修修了生を送り出すことができました。・・・」 とされている。
その具体的な活動については、講座の解説の中に「特別セミナー等」の解説がある(甲第41号証-2の2枚目)では、
「市町村長、市町村議会議員、幹部職員等を対象として、直面する市町村の重要課題や市町村の経営、組織の管理に必要な事項について理解を深めることを目的として実施する特別セミナー、市町村議会議員を対象として、より制度的、専門的な理解の上に、現実の問題について考えることを志向する市町村議会議員特別研修、市町村議会事務局職員、市町村振興協会職員を対象として実施するもの及び巡回研修会。」
とされる。
実際の「研修案内/特別セミナー 平成17年度第1回 市町村長等特別セミナー(対象:地方自治体の管理職以上の方)」」(甲第41号証-3) 研修案内/特別セミナー では、
「グローバル化、分権型社会が進展する中、地域が持続可能な発展を続けるためには、地方自治体は、自らが「真に元気で豊かな地域の将来像」について明確なビジョンを持つとともに、その実現のために、リーダーシップを発揮し、地域経営を行っていく必要があります。
本セミナーは、地域において、その人材が活躍し、新たな地域文化を創造し世界へ発信してくための方法や先進的な取り組みの紹介、それらをサポートし、実現してくためのリーダーシップ、組織マネジメント、人材育成等についてお考えいただくことを目的とし、各界を代表する講師の方々をお招きして、次のとおり開催いたします。
多くの関係者のご参加をお待ちいたしております。 」
とされ、
参加対象者を地方公共団体の「管理職から市区町村長」と限定し、梶原拓については
「 コースの内容及び日程/5月19日(木)13:15~14:45
『地方分権改革とこれからの地方自治』
前全国知事会会長・前岐阜県知事 梶原 拓 氏 」
としている。
当該研修所の母体である「全国市町村振興協会」について見ると、「全国市町村振興協会 寄附行為」(全9ページ中2ページを提出) (甲第41号証-4)
寄附行為
では、
「1 設立年月日 昭和54年(1979年)4月1日
2 設立目的 市町村の健全な発展を図るために必要な事業を積極的に行い、もって地方自治の振興に資することを目的とする。
3 事 業
(1)市町村の災害対策事業やまちづくり事業などへの低金利融資
(2)市町村振興事業への助成
(3)市町村職員に対する高度な研修の実施
【研修機関】●市町村職員中央研修所(市町村アカデミー/千葉市)
●全国市町村国際文化研修所(国際文化アカデミー/大津市)
(4)消防広域応援交付金、災害見舞金等の交付
(5)市町村の振興に関する調査研究及び資料等の収集
(6)前各号のほか協会の目的を達成するために必要な事業 」 とされている。
H19年度の事業報告の1.2ページと本件全国市町村国際文化研修所関連部を見ると、自治体の職員らの研修という活動の特徴が明らかである(甲第41号証-5)。
「財団法人 全国市町村振興協会 役員名簿」 役員名簿 を見ても、全国の自治体や議会、その他関係者が就いている(甲第41号証-6)。
そもそも、本件講演を含む他の講演などは、梶原の前全国知事会会長や前岐阜県知事として肩書きに期待する同旨の性格である。
梶原は、本件訴訟の当初において述べた日本再生研究会の「代表あいさつ」において、
「 ・・去る二月五日、岐阜県知事を退任してから半年近くを経過しました。その間、残務整理、挨拶回り、引越し等を経て新しい仕事に取り組める状況になりましたので、ご報告申し上げます。・・・」(甲第7号証-1の前段)
「知事退任後、各方面からのご要請に応じ、東京を中心に全国各地で「三位一体改革」「地方分権」「日本再生」などのテーマで数多く講演活動を実施し、また予定をいたしております。対象は、首長経験者国会議員研修会、都道府県議会議長会、中核市議会議長会、北海道町村会などをはじめ、各界代表、マスコミ関係、市町村長、地方議会議員、ロータリークラブ、ライオンズクラブ等から学生NPOグループなど幅広くわたっており、私自身の勉強にも大いに役立っております。
今後、引き続き地方分権等の諸活動を進め、新しい日本創生のため微力を尽くして参りたいと考えております。 」(甲第7号証-1の下段)
としている。
上記が記述された時期は「二月五日」から「半年近くを経過」とされることからすれば、2004年(平成16年)8月ごろと推測される。
結局、本件は、梶原の前全国知事会会長・前岐阜県知事という肩書きを有しているから講師に呼ばれたもので、知事を退職した梶原の経験談や主張の展開のためであるから、梶原個人の行為である。本件出張は、事業団の職員の公務ではない。
よって、上記の明らかな点以外の重要な事項については、別途、調査嘱託もしくは提出命令申し立て等を行う。 |