注目の小沢一郎氏の初公判が今日10月6日の10時から東京地裁で開かれる。
先月9月26日の秘書3人の判決で、多くの予想に反して「全員有罪」となったので、なお一層、注目度が高まっている。
(判決のことは、9月27日ブログ ⇒ ◆初公判に暗雲…「天の声」小沢事務所から 水谷マネー認定
そこで、論点などを報道で確認した。
信頼性が疑われて秘書事件では採用されなかった秘書らの「供述調書」については、
地裁は証拠調べを終えた後の来年2月に調書の採否を決定し、3月の論告・弁論を経て4月中に判決を言い渡す見通し。 (毎日新聞)
という。裁判所も慎重。
報道を見ていて、ふむふむとおもった 部分の一つは次。
一連の事件の発端となった西松建設の元社長(72)は裁判の結末には興味を示さず「有力政治家に企業が金を出す状況は変わらない」と語る。 「受注を(小沢事務所に)邪魔されたくなかっただけ。献金が違法という認識はなかった。我々が政治家を敵に回せますか?」 元代表側への多額献金の狙いは、小沢事務所に「西松はダメ」という反対意見をさせないためだった、という。 (毎日新聞)
業者が政治家に金を渡す動機の一つが語られている。
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●小沢元代表、法廷へ:国会議員で初の強制起訴 陸山会土地購入、あす初公判
毎日新聞 2011年10月5日
◇元秘書との共謀、最大の争点
資金管理団体「陸山会」の土地購入を巡り、政治資金規正法違反(虚偽記載)で強制起訴された民主党元代表、小沢一郎被告(69)の初公判が6日、東京地裁(大善文男裁判長)で開かれる。元代表は無罪を主張する方針だが、検察に逮捕・起訴された元秘書3人に対しては9月26日に有罪判決(全員控訴)が言い渡された。元代表は事件について国会で説明をしておらず、公判で疑惑を払拭(ふっしょく)できるかが注目されるとともに、国会議員に初めて適用された強制起訴制度の是非も問う裁判になりそうだ。【和田武士】
公判での最大の争点は、陸山会元事務担当者の衆院議員、石川知裕被告(38)=1審・禁錮2年、執行猶予3年=ら元秘書3人との共謀の有無。
検察官役の指定弁護士は、元代表から土地購入のために提供された4億円を政治資金収支報告書に記載しなかったことについて「表に出せない金と考え、元代表に報告し、了承を得た」とする石川議員の捜査段階の供述調書を柱に、共謀の立証を図る。この調書に加え▽同会の過去の不動産購入はほぼ正確に政治資金収支報告書に記載されていた▽元代表本人が世田谷区の物件を気に入って購入を指示し、同会の当時の残余資金で購入が難しいと分かると自己資金を提供した--などの状況証拠でも補強する。
これに対し、共謀を否定する弁護側は石川議員らの調書を証拠採用しないよう求めている。元代表提供の4億円については、土地購入の際に同会が銀行融資を受けるための担保であり、石川議員が一時的に預かっていた金に過ぎないとして「そもそも陸山会の収支報告書に記載する必要はなかった」と主張するとみられる。強制起訴に導いた東京第5検察審査会による2度の議決についても「4億円を記載しなかったことは告発対象ではなく、1度目の議決には含まれていない。2度の議決を経ていないため無効」などとして起訴の有効性を争う構えだ。
地裁は証拠調べを終えた後の来年2月に調書の採否を決定し、3月の論告・弁論を経て4月中に判決を言い渡す見通し。
なお、元秘書3人の1審判決で認定され、虚偽記載の背景事情とされる中堅ゼネコン「水谷建設」提供の裏献金1億円については、指定弁護士が立証対象としていないため、元代表の公判では争点とならない。
●検察官役主張の全容判明=「状況証拠」多数積み上げ―小沢元代表公判
朝日 2011年10月2日3時5分
資金管理団体「陸山会」の土地取引をめぐり、政治資金規正法違反(虚偽記載)罪で強制的に起訴された小沢一郎民主党元代表(69)の公判で、最大の争点となる石川知裕衆院議員(38)ら元秘書との共謀について、検察官役の指定弁護士側の主張の全容が1日、明らかになった。「虚偽記載を小沢元代表に報告し、了承された」などとする元秘書3人の供述を「直接証拠」として挙げるとともに、多数の「状況証拠」を積み上げて立証を図る。
指定弁護士は、「共謀を推認させる事実」として、(1)陸山会の過去の不動産購入で小沢元代表が自己資金を提供したことはなく、過去の購入費は正確に記載されている(2)虚偽記載に問われた土地取引は、小沢元代表の利害と深く関わっている(3)虚偽記載のつじつま合わせに関与した(4)資産公開でも陸山会への貸付金4億円を隠した(5)4億円の授受は簿外で行われた―の5項目を掲げる。
公判では、土地を気に入った小沢元代表が購入を指示し、4億円の自己資金を提供した事実などの状況証拠から、取引への深い関与を立証する。秘書には虚偽記載の動機がなく、重要な問題で秘書が独断で行動することはなかったことも証拠として示す 。[時事通信社]
●小沢被告、「4億円原資」どう説明?
産経 2011.10.5 21:20
検察が2度にわたって不起訴としながら、刑事被告人として法廷に立つことになった民主党元代表、小沢一郎被告(69)。6日に東京地裁(大善文男裁判長)で始まる公判では、資金管理団体「陸山会」側へ提供された4億円についての小沢被告の説明の変遷をめぐり、検察官役の指定弁護士と弁護側が激しい火花を散らす展開が予想される。
「著しく不合理で信用できない」。昨年10月に公表された東京第5検察審査会の「起訴議決」からは、土地購入の原資として自ら用意した4億円について、明確な説明を行わない小沢被告への不信感がにじみ出る。事実、これまで小沢被告は、原資の説明をたびたび変遷させてきた。
陸山会が多数の不動産を所有していることが問題となり、平成19年2月に開いた記者会見では「献金してくれた皆さまのお金」と弁明。だが、政治資金収支報告書の記載が問題となった21年10月には、「銀行融資」と、事務所を通じて説明した。
さらに昨年1月、「個人事務所の金庫で保管していた個人資産」だったと会見。その内訳は「湯島の自宅を売却し、深沢の自宅の土地を購入するなどした際の差額を銀行に積み立て、平成元年に引き出した2億円」「9年に家族名義の口座から引き出した3億円」などと説明した。
そして、その後に行われた東京地検特捜部の聴取には「帳簿などの記憶も記録もない」と話したという。
石川知裕衆院議員(38)ら元秘書3人を有罪とした先月26日の東京地裁判決も、「4億円を用立てた小沢氏自身ですら明快な説明ができていない」と疑問符を付けた。
指定弁護士は公判で、虚偽記載の動機について、会計事務担当だった石川議員が原資を「表に出せない金」と考え、記載を避けた-と立証する方針だ。法廷重視の流れの中、小沢被告が法廷でも4億円の原資について曖昧な説明を続ければ、指定弁護士の立証に有利に働く可能性がある。
弁護団は検察官作成の調書すべてに同意しておらず、序盤は10期日をかけて行われる予定の証人尋問を軸に、双方が立証を進めることになる。計9人の証人には石川議員のほか、陸山会への融資にかかわった銀行関係者なども含まれ、土地購入の経緯などについて証言するとみられる。
そして、最大のヤマ場となるのが、来年1月10、11日に予定される被告人質問だ。小沢被告自身が、4億円の原資について改めて語る可能性も残されている。
元秘書らの公判でも、原資の解明には至らなかった。原資について小沢被告がどう説明するかが、公判の行方にも影響しそうだ。
●不透明な資金、どう語る…小沢氏きょう初公判
(2011年10月6日07時21分 読売新聞)
小沢一郎民主党元代表(69)の資金管理団体「陸山会」の土地取引を巡り、東京第5検察審査会の起訴議決に基づき政治資金規正法違反(虚偽記入)で起訴された小沢元代表の初公判が6日午前、東京地裁(大善文男裁判長)で開かれる。
小沢元代表は「虚偽記入には当たらず、元秘書らとの共謀もなかった」として全面無罪を主張する一方、検察官役の指定弁護士は客観的な証拠を列挙して立証する方針だ。
元秘書3人を有罪とした9月26日の同地裁判決では、小沢事務所が東北地方の公共工事を巡る談合に「決定的な影響力を持つ」とされ、中堅ゼネコン「水谷建設」からの1億円の裏金提供も認定された。自身への司法判断が出ていないことを理由に国会での説明を拒んできた元代表が、不透明な資金の流れについて法廷でどう語るか注目される。
事件の発端となったのは、2004年10月29日、陸山会が東京都世田谷区の秘書寮建設用地を約3億5200万円で購入した土地取引。同年分の政治資金収支報告書には、土地取引と同じ日付で同会が受けた銀行融資を指す「4億円」の記載があるが、その2週間余り前に元代表が元秘書の石川知裕衆院議員(38)に手渡した現金4億円の記載はない。
指定弁護士は「現金4億円の由来を表に出せないと考えた石川被告らが意図的に記載しなかった」とし、銀行融資は土地購入の原資を装うための偽装工作だったと主張。融資書類に元代表が自ら署名したことなどを「共謀を推認させる事実」として挙げる。
一方、小沢元代表側は、現金4億円について、銀行融資の担保として定期預金を組ませるため、石川被告に一時的に預けた金で、「陸山会に渡したわけではないので記載の必要はない」と主張。「収支報告書の作成は秘書に任せていた」として共謀も否定する。
元秘書らの公判では、小沢元代表の関与を認めた石川被告らの供述調書が違法な取り調べを理由に証拠から排除されたが、今回の裁判でこの点がどう判断されるかも焦点となる。
●4度聴取に全面否認=原資説明に矛盾も―小沢元代表
朝日 2011年10月6日6時6分
小沢一郎元代表は、昨年2月に不起訴処分とされる前に2回、検察審査会の議決後にも2回、東京地検特捜部の事情聴取を受けた。計4回の聴取に、虚偽記載への関与を全面否認。強制起訴前の今年1月には指定弁護士から聴取を要請されたが、拒否した。
特捜部の聴取に小沢元代表は、収支報告書の記載内容について、「相談や報告は受けていない。帳簿や報告書を見たことはなく、内容を一つ一つ確認したことはない」と供述。石川知裕衆院議員ら元秘書との共謀を否定した。
昨年1月の最初の事情聴取では、土地購入代金となった4億円の原資について、過去に本人や家族名義の銀行口座から引き出した資金だったとしたが、その後、「はっきり覚えていない」などと変遷した。「水谷建設」などゼネコンからの資金が原資となったことは一貫して否定した。
聴取後に記者会見した際、小沢元代表は「秘書から資金調達を頼まれ、4億円を陸山会に貸し付けた」と説明した。一方、公判前整理手続きでは「陸山会に貸し付けたのではなく、購入費として石川議員に渡しただけだ」と主張しており、過去の説明と矛盾が生じている。
[時事通信社]
●陸山会事件:西松元社長「政治家を敵に回せぬ」
毎日 2011年10月2日 11時34分 更新:10月2日 12時7分
小沢一郎・民主党元代表の資金管理団体「陸山会」を巡る政治資金規正法違反事件で元秘書3人を有罪とした東京地裁判決(9月26日)は、小沢事務所が企業と長年癒着し、公共工事を差配する「天の声」を出していたと厳しく指摘した。だが、一連の事件の発端となった西松建設の元社長(72)は裁判の結末には興味を示さず「有力政治家に企業が金を出す状況は変わらない」と語る。
「受注を(小沢事務所に)邪魔されたくなかっただけ。献金が違法という認識はなかった。我々が政治家を敵に回せますか?」。二つのダミー団体を使った陸山会などへの違法献金事件で禁錮1年4月、執行猶予3年が確定した元社長は、元秘書3人の判決前の9月中旬、重い口を開いた。元社長や元秘書3人の判決の認定によると、業界の「談合決別宣言」(05年)まで、東北地方の談合の「元締め」とされる大手ゼネコンと小沢事務所は強固に結びついていた。元社長によると、元代表側への多額献金の狙いは、小沢事務所に「西松はダメ」という反対意見をさせないためだった。「小沢さん本人より秘書があれこれ口出ししてきたから」という。
献金の窓口役だった元公設第1秘書の大久保隆規被告(50)は、3月の被告人質問で、建設業者数社から公共事業受注の陳情を受けたことや、元締めの大手ゼネコンに仲介したことは認めた。大久保被告は「(各社が)何かを期待して私のところに来たが、実際に決める権限はない」と釈明したが、今回の判決は「岩手県や秋田県では公共工事の談合で、小沢事務所の了解がなければ本命業者にはなれない。献金は受注獲得のため」と認定。大久保被告を「天の声を発出する役割」と指摘した。
献金が浄財でなかった実態が改めて浮かんだものの、小沢元代表の政治団体に献金したことがある別のゼネコン幹部は「メリットがあれば合法的範囲で献金は続ける」と話す。
西松事件後、民主党は企業・団体献金を禁じる政治資金規正法改正案を国会に提出したが、ほとんど審議されずに廃案。昨年の参院選マニフェストにも同じ条文が盛り込まれたが、改正に向けた具体的な動きはない。
09年衆院選のマニフェストで「企業献金の脱法行為を防ぐ対策は、1年以内に結論を出す」と記した自民党も、翌年の参院選では「政治家の責任を明確に規定する」と記しただけだ。事件は与野党間の駆け引きに利用され、政治資金制度の抜本改正にはつながっていない。元社長は淡々と話した。「『献金が駄目』なんて建前論。民主も自民も、多くの秘書を食わせるんだから、献金を手放すはずがない」【杉本修作】
●小沢氏元秘書に有罪 議員辞職…分かれる各紙の論評
朝日 2011.10.3 11:30
「議員辞職」を強める産経 朝日は隔靴掻痒の感あり
小沢一郎元民主党代表の資金管理団体「陸山会」をめぐる政治資金規正法違反事件は各紙がたびたび社説で論じてきたテーマである。
衆院議員の石川知裕被告ら元秘書3人全員を有罪とした東京地裁の判決についての6紙の社説では、日経が判決の意義を噛(か)み砕いて論じた。
「検察の強引な取り調べは信用しきれないが、政治資金をめぐる小沢一郎・民主党元代表の秘書らの弁明は、さらに信用できない。一言で言えば、こういうことであろうか」</font>
検察官による威圧や誘導をうかがわせるとして供述調書の多くを却下した裁判官が、それでも政治資金規正法の趣旨にもとる犯罪は立証された、と断罪したことをさす。
判決は、小沢氏からの借入金4億円をめぐる虚偽記入は被告らが隠蔽工作のために故意に行い、動機には中堅ゼネコン水谷建設からの裏献金1億円の存在がある-などと認定した。
各紙の筆鋒は当然ながら、3被告の背後にいる小沢氏本人に向けられている。
産経「被告全員が有罪と認定されたことは、『小沢氏的な金権体質』が厳しく断罪されたことにほかならない」
読売「小沢氏が主張してきた『形式的なミス』ではなく、明確な故意に基づく極めて悪質な犯罪であることを示す」
毎日「注目されるのは、判決が小沢事務所とゼネコンの長年の関係にまで踏み込んだことだ」
とすれば、「小沢氏の責任は、元秘書3人の誰よりも重いはず」(産経)である。東京は「元秘書の有罪判決を受けて、どう反論するのか」と、自身も検察審査会に強制起訴された小沢氏を糾問している。
ところが、小沢氏に対し具体的な責任の取り方を求めたのは6紙の中で産経だけである。
産経はこれまで、一貫してはっきりと議員辞職を求めてきた。今回の大型主張では、いまだに説明責任すら果たしていない小沢氏に対し、「潔く政治的、道義的責任を取り、今すぐ議員辞職すべきである」と論調を強めた。
さらに「小沢氏側は虚偽記入の成立自体を否定していたが、石川被告らの公判で明確に認定された。この事実だけでも、自身の判決を待たず議員辞職する理由に値する」と駄目押ししている。
朝日は昨年10月に小沢氏の強制起訴が決まった際の社説で「自ら議員辞職の決断を」と迫ったことがあり、今回の社説でも「秘書にそろって有罪が宣告されたいま、改めて身の処し方を考えるのが筋だろう」などと論述したが、やや隔靴掻痒(そうよう)の感がある。
党内最大勢力を擁する小沢氏を党員資格停止処分にとどめている民主党の甘い体質を突いたのは産経と読売だった。
「民主党は、小沢氏が疑問に答える場を党内や国会に設けるべきだ。それができないなら、民主党には自浄作用が働かないことになる」と論評する読売に対し、産経は野田佳彦首相にも「いま党代表として求められているのは、小沢氏を除籍処分とし、辞職勧告する決断である」と厳しく迫った。
産経は9月28日付では国会に対し、小沢氏への辞職勧告決議案を「なぜ躊躇(ちゅうちょ)するのか」と問うた。朝日も29日付で民主党に矛先を向け「陸山会をめぐる有罪判決への腰が引けた態度は許し難い」と叱責した。
この問題ではメディア側の腹の据え方も問われている。(鳥海美朗)
◇ 小沢氏元秘書への有罪判決を受けた社説
産経 ・小沢氏は即刻議員辞職を/「悪質な犯行」に自ら答えよ
朝日 ・小沢氏の責任は明白だ
毎日 ・小沢元代表の責任重い
読売 ・小沢氏は「天の声」も説明せよ
日経 ・陸山会判決で問われる小沢元代表の責任
東京 ・古い裏金政治の根絶を
<注>いずれも9月27日付
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