政権交代して、公務員給与の削減がサクサクとなされるかと思っていたら、遅々として進まなかった。
国民の批判に、各党が協議の結果、やっと進んだ。
その国家公務員給与削減法は、2月27日の衆議院に次いで、参議院でも29日に成立した。
浮いた財源は、「震災復興に」とされ、「2年」限定の時限立法。
しかし、与党幹部や財務大臣は「2年では国民が許さぬ」「民間給与が伸び悩む中で公務員給与を元に戻すことには否定的」の旨の見解。
今回、平均で約7.5%削減。総理大臣の給与を30%削減、ほか。
地方公務員の給与削減については「地方自治体が法案の趣旨などを踏まえて自主的かつ適切に対応する」と付則に明記。
官民格差が拡大しているのだから、国も自治体も、サクサクと改革してほしい。
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(関連) 2012年2月27日 ⇒ ◆国家公務員給与法案衆院通過/7.8%削減/2年間で5800億円/前原氏「2年限定は国民許さぬ」
●国家公務員給与削減法が成立
NHK 2月29日 11時5分
東日本大震災の復興財源を捻出するため、国家公務員の給与を新年度(平成24年度)から2年間、平均で7.8%削減するなどとした法律は、29日の参議院本会議で、議員立法として提出した民主・自民・公明の3党などの賛成多数で可決・成立しました。
この法律は、国家公務員の給与を平均で0.23%引き下げるよう求めた人事院勧告を去年4月にさかのぼって実施し、新年度から2年間に限っては、人事院勧告分を含めて平均で7.8%削減するとしています。また、総理大臣の給与を30%削減するほか、閣僚と副大臣は20%、政務官は10%、それぞれ削減することも盛り込まれています。
一方、地方公務員の給与削減については「地方自治体が法案の趣旨などを踏まえて自主的かつ適切に対応する」という文言が付則に明記されています。
この法律は、参議院本会議で採決が行われた結果、議員立法として提出した民主・自民・公明の3党などの賛成多数で可決・成立しました。
国家公務員の給与削減法が成立したことについて、川端総務大臣は、記者団に対し、「国家公務員にとって、今回の給与削減は大変厳しい内容であり、一生懸命頑張っている皆さんには申し訳ないが、国が大変な事態であることを理解し、国民の信頼と理解が増すよう頑張ってほしい」と述べました。
このほか、29日の本会議では、国会議員の秘書の給与を人事院勧告分のみ引き下げる法律も、賛成多数で可決・成立しました。
国家公務員の給与削減法の成立で捻出されるおよそ6000億円の財源は、東日本大震災の復興に充てられることになっています。
国家公務員の給与を平均で7.8%削減するなどとした法律について、自民党の西田昌司参議院議員は、参議院本会議での採決の際、反対しました。西田氏は、記者団に対し、「人事院勧告の実施には賛成だが、深掘りして削減する法的な根拠はなく、公務員に対する一方的な課税強化のようなもので、違法の可能性も高い。給与削減はデフレを推進するだけで加担できず、あえて反対した」と述べました。
また、国会議員の秘書給与を人事院勧告分、引き下げる法律について、自民党の礒崎陽輔参議院議員と石井みどり参議院議員が、採決の際、反対しました。
●公務員給与削減法案が成立 2年間平均7・8%カット
イザ 012/02/29 11:30
国家公務員の給与を平均7・8%削減する特例法案が29日午前、参院本会議で民主、自民、公明各党などの賛成多数で可決、成立した。野田佳彦政権は消費税増税の前提の一つとして同法案成立を位置付けていた。民主党は今後、国会議員歳費や衆院議員定数の削減を急ぐが、各党との協議は難航が予想される。
特例法は平成26年3月末までの時限立法で、人事院勧告(人勧)に基づき一般職の給与を23年4月までさかのぼって平均0・23%削減。その上で、24、25両年度は人勧実施分も含めて平均で7・8%減額する。首相も30%、閣僚や副大臣は20%、政務官は10%の削減も明記した。
年間約2900億円に上る削減分は東日本大震災の復興財源にあてる。自衛官については震災復旧などの貢献に配慮し削減開始時期を最大6カ月猶予する。
野党が求めていた地方公務員の給与への波及については、特例法の付則で「自治体が自主的かつ適切に対応する」と盛り込んだ。
政府・与党は、職員に労働協約締結権を与える国家公務員制度改革関連法案と特例法との同時成立を目指したが、野党の反対で給与削減を先行させた。
●社説:公務員給与削減 次は政治が身を切る番
魁(2012/03/04 付)
国家公務員の給与を削減する臨時特例法が成立した。官の「身を切る」姿勢を示し、消費税増税に対する国民の理解を得たい野田政権の地ならしともいえる。だが、増税に対する国民の反発はいまだに根強い。官だけでなく政治も身を切らねば、消費税増税を軸とした社会保障と税の一体改革もままならないことを、野田佳彦首相は銘記しなければならない。
特例法は2011年度人事院勧告に基づき、一般職給与を同年4月にさかのぼって平均0・23%減額。さらに12、13年度は平均7・8%引き下げる。約5800億円を捻出し、東日本大震災の復興に充てる。民主党が09年衆院選のマニフェスト(政権公約)で掲げた「国家公務員の人件費2割削減」には及ばないが、その第一歩にして、復興の一助となるよう期待したい。
民主党内には14年度以降も削減を継続すべきだとの声もある。だが、大幅な給与カットで、公務員の士気の低下や人材流出を招くことが懸念される。今回のような等級ごとの一律カットではなく、働きぶりに応じた給与の在り方を精査し、全体としての人件費削減につなげることも検討するべきではないか。
地方公務員の給与に関し、特例法の付則で「自主的かつ適切な対応」を自治体に求めたことにも留意しなければならない。
地方公務員への削減拡大を警戒する全国知事会など地方6団体は、特例法成立を受けて声明を発表。同会会長の山田啓二京都府知事は「地方は10年で2兆円分の職員給与を削減してきた」と述べた。国が地方の自主性を尊重するのは当然として、地方も地域の実情を十分考慮しながら給与水準を定めていくことが肝要だ。
本県の佐竹敬久知事は一昨日、県職員労働組合の会合であいさつし、県職員の給与削減の可能性に言及した。国家公務員に倣って機械的に削減するのではなく、厳しい雇用情勢や低迷する景気など県内の状況を勘案して判断してもらいたい。
国家公務員給与の削減が決まったのを受け、今後は政治がどう身を切るかに国民の関心が移っている。野田首相は議員歳費の10%以上の削減に意欲を示しており、民主党も今後2年間、年300万円の歳費削減を検討、各党に賛同を呼び掛けるという。国会議員の定数削減が進まない中、議員歳費の削減は直ちに具体化すべき課題であり、政党助成金の削減に関しても突っ込んだ議論が求められよう。
政府が国家公務員給与の削減法案を国会に提出したのは昨年6月だった。与野党が歩み寄れないでいたが、民主党が譲歩して自民、公明両党と合意。議員立法で法案を提出、成立させた。与野党は今回の経験を生かし、社会保障と税の一体改革や「1票の格差」問題などの重要課題で議論を加速させ、一刻も早く「決められない政治」から脱皮すべきである。
●公務員給与削減 議員も地方も足並みそろえよ(3月2日付・読売社説)
(2012年3月2日01時16分 読売新聞)
国家公務員給与削減特例法が、ようやく成立した。民主、自民、公明3党の合意に基づく議員立法が実を結んだ。
衆参ねじれ国会の下、与野党は相互に妥協して法案の成立を図るしかない。民自公3党は、社会保障と税の一体改革にも協議を広げて、政治を前に進めるべきである。
国家公務員給与は、人事院勧告に基づく平均0・23%の引き下げを4月にさかのぼって実施し、2012年度から2年間は人勧分を含めて平均7・8%削減される。首相や閣僚らの給与も大幅な削減となる。妥当な判断だ。
政府は、これで捻出する約5800億円を震災復興に充てる。
地方公務員の給与削減については、地方自治体の自主的判断に委ねると、法の付則に明記した。
地方からは「今回の給与削減は国の事情によるものであり、従わない」と反発も出ている。
だが、政府の財政事情だけでなく、公務にある者が震災復興に協力するという趣旨でもある。地方公務員も、国家公務員に準じた措置をとるのが筋だろう。
民主党が給与削減とセットで成立を求めていた国家公務員制度改革関連法案については、「審議入りと合意形成に向けての環境整備を図る」ことになった。給与削減とは事実上、切り離された。
制度改革関連法案の最大の眼目は、一般の国家公務員に労働基本権の一部である協約締結権を与え、労使交渉で賃金などを決定する仕組みを作ることにある。
人事院を廃止し、公務員庁を新設するなど、戦後の公務員制度を根底から見直す内容だ。新制度が十分機能するのか、逆に行政の混乱を招きはしないか、与野党は腰を据えて検討すべきだ。拙速な改革は避けねばならない。
国家公務員の給与削減を実現するまで、民自公が協議を開始してからほぼ3か月もかかった。
地方公務員への波及阻止と協約締結権の獲得を目指す支持団体の連合に対し、民主党が配慮し過ぎた。それが与野党合意を困難にした。こんなことで民主党は行革に取り組めるのか。政策決定過程に疑問符を付けざるを得ない。
公明党などが提起している国会議員の歳費削減も、与野党協議のテーブルに載せるべきだ。
震災復興を進め、社会保障制度を確かなものにするには、国民の負担増は避けられない。
その環境を整備するためにも、国会議員の歳費削減を早期に実現しなければなるまい。
●公務員 給与削減法が成立
東京 2012年2月29日
国家公務員の給与を平均7・8%削減する臨時特例法が二十九日、参院本会議で民主、自民、公明三党などの賛成多数で成立した。二〇一四年三月末まで二年間の時限立法。法の趣旨として「厳しい財政状況と東日本大震災に対処する必要性」を明記し、年間約二千九百億円の捻出財源は震災復興に充てる。
野田政権が消費税増税に国民理解を得る前提の一つに位置付けていた。政府、与党は、職員に協約締結権を与える国家公務員制度改革関連法との同時成立を目指したが、野党の反対で給与削減を先行させた。
一一年度人事院勧告(人勧)に基づき、一般職の給与を一一年四月までさかのぼって平均0・23%削減した上で、一二年四月から本省課長級以上で9・77%、課長補佐と係長は7・77%、係員4・77%を引き下げ、全体平均で計7・8%減とする。人勧分は今夏のボーナスから差し引いて調整する。首相も30%、閣僚や副大臣で20%、政務官で10%のカットも明記した。
地方公務員については、独自の給与削減を実施している自治体も多いため、付則による「自主的かつ適切な対応」の要請にとどめた。
自衛官に対しては、震災の復旧などの貢献にも配慮して、給与削減を最大で六カ月猶予する。
〇六~一〇年度の給与構造改革に伴う高齢職員らの経過措置分は一三年度末に支給を廃止。それまでの間、定年退職などで支給の必要がなくなる分を若手の昇給回復に充てる。
裁判官や検察官、国会議員の公設秘書の給与削減法も特例法に併せて成立した。
●公務員給与削減、継続示唆=安住財務相
時事 2012/03/03-20:03
安住淳財務相は3日、秋田市内で開かれた社会保障と税の一体改革に関する市民との対話集会で、国家公務員給与を2012年度から2年間、平均7.8%引き下げる特例法について、「その後また元に戻るということは、私の印象で言うとない」と述べた。14年度以降も給与削減を継続する可能性を示唆したものだ。
財務相は集会終了後、記者団に対し、「先のことは与野党で協議することになる」と前置きした上で、「経済がとても良くなって、みんなの給料が上がる時代になれば別だが、そうでない状況の中で、それを踏まえた対応をしなくてはいけない」と指摘。民間給与が伸び悩む中で公務員給与を元に戻すことには否定的な認識を示した。
●公務員給与引き下げ、2年後以降も 安住財務相が示唆
朝日 2012年3月3日19時47分
安住淳財務相は3日、2月末に成立した国家公務員の給与引き下げ法について、2年間の期限終了後も引き下げを続けることが必要になるとの意向を示唆した。秋田市内で記者団に答えた。
同法は新年度から2年間限定で、国家公務員の給与を平均7.8%減らすというもの。安住財務相は3日、消費増税と社会保障の一体改革について政府が理解を求める対話集会に出席。参加者に、給与引き下げ法について「みなさんの声はわかっている。2年先のこともいずれ、国会で議論になる」と語った。
集会後、記者団に「与野党で協議すること」と述べながらも、「個人的な考えを言えば、みんなの給料が上がる時代なら別だが、そうでない中では、それを踏まえた対応をしないといけない」とし、給与引き下げの継続に積極的な姿勢を示した。(牧内昇平)
●【主張】 公務員給与法成立 国会議員はさらに身削れ
産経 2012.3.5 03:05
国家公務員に給与削減を強いた以上、国会議員は自らを厳しく律しなければならない。与野党は、議員歳費や政党交付金の大幅削減を直ちに実行に移すべきだ。
国家公務員の給与を平均7・8%引き下げる特例法が成立した。2年間の時限立法措置だが、これによって浮く総額5530億円は、東日本大震災の復興財源に充てられる。
労働基本権が制約されている中で、人事院勧告以上に引き下げたことには批判も強い。だが、国家の非常事態を乗り切るために、公務に就く者が協力するのは当然だといえよう。
看過できないのは、国会議員が自らに甘すぎることだ。議員歳費を毎月50万円削減する措置は、昨年9月末までの半年間で打ち切ったままである。これでは、いくら身を切る覚悟を声高に叫んでも信用されまい。
議員歳費の削減は、与野党が合意さえすればできる。公務員に強いた痛み以上に身を削ってこそ、国民も納得しよう。議員定数の削減も含め、早急に結論を出さなければならない。
政党交付金も大きく切り込むべきだ。そもそも、政党交付金は使途の公開が不十分で、ずさんに使われているのではないかとの疑念が払拭できない。この際、支給額の大幅カットと合わせて、そのあり方を見直すよう求めたい。
例えば、民主党の小沢一郎元代表の資金管理団体に、政党交付金を含む旧政党の資金が迂回(うかい)して入れられていた疑惑がある。菅直人前首相が北朝鮮や拉致事件関係者と関係が深い政治団体に不適切な献金をしていた問題でも、その原資の多くは政党交付金だったと指摘されている。
公務員の給与削減も、今回だけで終わらせてはならない。野田佳彦政権は消費税増税の前提としても位置づけている。ならば、恒久的な措置を考える必要がある。
民主党は「国家公務員総人件費の2割削減」を掲げているが道筋はみえない。地方公務員を削減対象に含めなかったのもおかしい。地方公務員の給与は国家公務員に準拠しているのではないのか。
野田政権は公務員優遇批判の強い共済年金と厚生年金の一元化も先送りしようとしているが、支持団体の公務員労組などに過度の配慮をすることなく、「聖域なき改革」を進めてもらいたい。
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