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てらまち・ねっと



 しばらく前、役所に情報公開請求したけど「その文書は存在しない」と非開示にされた、なんとかしたいと相談を受けた。
 役所が「無い」と言い続けると、ハードルが高いと説明した。

 同種の問題は、時々起きる。
 先日、東京高裁の判決も同様と受け止めた。
 事件は「沖縄密約文書開示訴訟」。
 報道では、判決は、「廃棄されたとすれば行政組織の在り方として極めて問題が大きい」と指摘したとされている。
 裁判所も、今は存在しない、という行政の言い分に悔しい思いをしている。
 そのあたりのこと、当事者の三木さんのブログの冒頭を引用し、リンクしておく。

 なお、「この文書」をめぐっては、毎日新聞記者の「沖縄返還密約情報公開訴訟」が先行している。
 そのあたりも再確認。

 そのある種当事者の「毎日新聞」は、今の政権の危うさについて、「秘密保全法案:知る権利侵害」ときちっと報道している。
 これも記録。
 さかのぼれば、85年に自民党が「スパイ防止法案」を提出している。最高刑は死刑で、民間人も処罰対象だったが、強い批判を受け、廃案となった。
 今回の有識者会議報告書は、罰則ではこの法案に比べれば軽いものの、同法案よりも対象範囲が広がっている。
 それだけに、国民の「知る権利」が侵害される懸念も強い


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 沖縄返還密約訴訟 控訴審判決
    情報公開にまつわる日々の出来事-情報公開クリアリングハウス理事長日誌
 今日、私が原告で提訴していた沖縄返還密約情報公開訴訟の控訴審判決。

 もう一つの沖縄返還密約訴訟は、先に一審も二審も判決が出ていて、現在上告受理申し立てをしているところだと思います。この訴訟では、一審は原告が勝訴も、二審は敗訴しています。

 私の方は、一審原告敗訴、控訴をしていましたが、今日、控訴棄却の判決となりました。要は、ないものはないんだ、ということであります。が、裁判所の「本件の結論」で述べられていることは、裁判所の限界と、それを踏まえた裁判官の本音が垣間見えるような内容です。

 私が情報公開請求をしたのは、2006年3月のこと。政権交代はまだはるかかなたで、自公政権時代のことでした。その後の政権交代、外務省内での文書捜索と調査は、2009年9月以降で、その間、3年以上のタイムラグがあります。沖縄返還密約文書の不存在決定が出て間もなく、不服申し立てをしていましたが、結局ずっと諮問もされずにつるされていました。

 この3年以上の間があったことを、判決では念頭においてもらえたようです。請求文書について、

・・・・・・・(略)・・・
   控訴審判決全文  控訴審判決全文


●沖縄密約文書開示訴訟、東京高裁も開示認めず
        (2012年3月15日20時55分 読売新聞)
 1972年の沖縄返還に伴う日米間の「密約」を示す文書を開示しないのは不当だとして、NPO法人「情報公開クリアリングハウス」の理事長が国に不開示決定の取り消しを求めた訴訟で、東京高裁(三輪和雄裁判長)は15日、1審に続き決定は適法と判断し、控訴を棄却する判決を言い渡した。

 判決は「文書は正規の手続きを経ないで隠匿・廃棄された可能性が高く、決定の時点で外務省が文書を保有していたとは認められない」と、不開示を妥当とした理由を述べた。一方、この廃棄について「『法の支配』の下における行政組織の在り方としては極めて問題が大きい」と批判した。

●二審も密約文書開示認めず 沖縄返還 「廃棄なら問題」と指摘
       時事(03/15 23:27)
 沖縄返還(1972年)の密約文書をめぐり、NPO法人「情報公開クリアリングハウス」(東京)の三木由希子理事長(39)が国の不開示決定取り消しを求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は15日、一審東京地裁判決に続き請求を退けた。

 三輪和雄裁判長は、文書は71年6月ごろには外務省にあったが、2006年4月の不開示決定時点では存在が確認されなかったと認定。決定自体は適法としたが「廃棄されたとすれば行政組織の在り方として極めて問題が大きい」と指摘した。


 ●別の密約訴訟
 このブログの2010.4.10のエントリー ⇒ ◆密約文書、開示命令/情報公開における 「不存在」 という不思議/都合悪いときに使われる

 同じく、2011.9.30 ⇒ ◆沖縄返還密約文書開示訴訟 文書開示などを命じた1審判決を取り消す逆転判決 東京高裁/裁判は不条理

●【裁判】沖縄密約訴訟で原告上告…元毎日新聞記者・西山太吉氏ら、二審の逆転敗訴に不服・最高裁
     時事 2011/10/12-18:13
沖縄返還に伴う日本の財政負担をめぐり、元毎日新聞記者・西山太吉氏らが国に日米両政府間の密約文書の開示などを求めた訴訟で、原告側は12日、逆転敗訴を言い渡した二審東京高裁判決を不服とし、最高裁に上告した。

 二審判決は、国が過去に密約文書を保有していたと認定。その上で「秘密裏に廃棄したか、保管外に置いた可能性がある」と判断し、不開示決定時に保有していたとは認められないとして、開示を命じた一審東京地裁判決を取り消し、請求を退けた。



西山事件(にしやまじけん)/ウィキペディア
    西山事件(にしやまじけん)は、1971年の沖縄返還協定にからみ、取材上知り得た機密情報を国会議員に漏洩した毎日新聞社政治部の西山太吉記者らが国家公務員法違反で有罪となった事件。別名、沖縄密約事件(おきなわみつやくじけん)、外務省機密漏洩事件(がいむしょうきみつろうえいじけん)。

概要 [編集]第3次佐藤内閣当時、米リチャード・ニクソン政権との沖縄返還協定に際し、公式発表では米国が支払うことになっていた地権者に対する土地原状回復費400万ドルを、実際には日本政府が肩代わりして米国に支払うという密約をしているとの情報をつかみ、毎日新聞社政治部の西山が日本社会党議員に漏洩した。

政府は密約を否定。東京地方検察庁特別捜査部は、西山が情報目当てに既婚の外務省事務官に近づき酒を飲ませ泥酔させた上で性交渉を結んだとして、情報源の事務官を国家公務員法(機密漏洩の罪)、西山を国家公務員法(教唆の罪)で逮捕した。これにより、報道の自由を盾に取材活動の正当性を主張していた毎日新聞は、かえって世論から一斉に倫理的非難を浴びることになった。

裁判においても、起訴理由は「国家機密の漏洩行為」であるため、審理は当然にその手段である機密資料の入手方法に終始し、密約の真相究明は検察側からは行われなかった。西山が逮捕され、社会的に注目される中、密約自体の追及は完全に色褪せてしまった。また、取材で得た情報をニュースソースを秘匿しないまま国会議員に流して公開し、情報提供者の逮捕を招いたことも、ジャーナリズムの上で問題となった。

・・・・(略)・・・

米国の公文書公開以降 [編集]沖縄返還協定の密約のもう片方の当事者であるアメリカ合衆国では、密約の存在を示す文書は既に機密解除され、アメリカ国立公文書記録管理局にて公文書として閲覧可能であるが、日本政府(自民党政権)は2010年まで文書の存在を否定し続けて来た[12]。

2005年4月25日に西山は「密約の存在を知りながら違法に起訴された」として国家賠償請求訴訟を提起したが、2007年3月27日の東京地方裁判所で加藤謙一裁判長は、「損害賠償請求の20年の除斥期間を過ぎ、請求の権利がない」とし訴えを棄却、密約の存在には全く触れなかった。

原告側は「20年経過で請求権なし」という判決に対し「2000年の米公文書公開で初めて密約が立証され、提訴可能になった。25年経って公文書が公開されたのに、それ以前の20年の除斥期間で請求権消滅は不当」として控訴した。密約の存在を認めた当時の外務省アメリカ局長・吉野文六を証人申請したが、東京高等裁判所は「必要なし」と却下した。

2008年2月20日、東京高裁での控訴審(大坪丘裁判長)も「20年の除斥期間で請求権は消滅」と、一審の東京地裁判決を支持し、控訴を棄却した。ここでも密約の有無についての言及はなかった。判決後の会見で西山は、「司法が完全に行政の中に組み込まれてしまっている。日本が法治国家の基礎的要件を喪失している」と語った。

原告側は上告したが、2008年9月2日に最高裁第三小法廷(藤田宙靖裁判長)は上告を棄却し、一審・二審の判決が確定した[13]。

2008年9月、西山を支持するジャーナリスト有志が外交文書の情報公開を外務省と財務省に求めたが、10月2日「不存在」とされた。これにより、西山側は提訴[14][15]。2010年4月、文書開示と損害賠償を命じる一審判決が下った。

さらに、アメリカの公文書公開によって、400万ドルのうち300万ドルは地権者に渡らず、米軍経費などに流用されたことや、この密約以外に、日本が米国に合計1億8700万ドルを提供する密約、日本政府が米国に西山のスクープに対する口止めを要求した記録文書などが明らかになっている[16]。

2009年9月16日、民主党主導の鳩山由紀夫内閣が成立した。外務大臣となった岡田克也は外務省に、かねて計画していた情報公開の一環として、密約関連文書を全て調査の上で公開するよう命じた。これにより設置された調査委員会が2010年3月、全てについて密約及び密約に類するものが存在していた事を認めた。また岡田は同年5月、作成後30年を経過した公文書については全て開示すべき事を定めた。

・・・・・・・・(略)・・・

2011年1月30日 - 沖縄密約情報開示訴訟原告団、「市民による沖縄密約調査チーム」を結成。日本側に残っている文書とアメリカ国立公文書記録管理局保管の文書を突き合わせて、欠落・廃棄部分は何か究明を目指す。
2011年5月17日 - 密約情報開示訴訟控訴審結審。判決言い渡しは9月28日予定。
2011年9月29日 - 密約情報開示訴訟控訴審判決。「政府が文書はあったが廃棄済みで存在しないと言っているからそれを信じるしかない」との趣旨で原告逆転敗訴。原告側は上告。


 ● 日曜劇場『運命の人』 | TBSテレビ
 ● 運命の人 (小説)  / ウィキペディア
       「この作品は事実を取材し、小説的に構築したフィクションである」と冒頭に記載された小説。実際にあった西山事件を想起させる内容である。

●秘密保全法案:知る権利侵害、懸念強く 民主党内にも異論
          毎日新聞 2012年3月4日 
 政府が策定作業を進めている秘密保全法案は、たたき台となる政府が設置した有識者会議の報告書でも、運用次第で国民の重要な権利を侵害しかねないと指摘している。しかし、報告書の検討過程を示す議事録が作成されていないことが明らかになり、制定過程の透明性に疑問が残る。
法案提出に向けては、民主党内にも異論があり、政府の目指す通り今国会に提出されるか予断を許さない状況だ。
【臺宏士、青島顕】

 ◇有識者「運用注視を」
 秘密保全法案では、たたき台である政府の有識者会議報告書が「運用を誤れば、国民の重要な権利利益を侵害するおそれがないとはいえない。国民においてはその運用を注視していくことが求められる制度であることは、特に強調しておきたい」と指摘している。

 国民の「知る権利」を侵害しかねない法制度であることを認めているものの、ある委員は「なぜ入ったのかの理由はわからない」と明かす。
 作成された議事要旨によると、会議は、「特別秘密」の範囲や罰則などあらかじめ内閣官房内閣情報調査室の事務局が準備した論点を担当者が説明し、委員が意見を述べるという形で進められた。簡単な発言内容は記載されているものの、発言者は匿名にされており、公文書管理法の求める法制定に向けた経緯などを検証するにはほど遠い内容だ。

 有識者会議が設置されたきっかけは、10年にあった沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件のビデオ映像流出や、警視庁などの内部資料とみられる国際テロ情報が漏れたことだ。しかし、法制自体は、08年に設置された政府の「秘密保全法制の在り方に関する検討チーム」に続き、「情報保全の在り方に関する有識者会議」(座長・西修駒沢大教授)が09年7月に設けられ、同年9月の政権交代直前まで検討されてきた。

 さかのぼれば、85年に自民党が「スパイ防止法案」を提出している。最高刑は死刑で、民間人も処罰対象だったが、強い批判を受け、廃案となった。
 今回の有識者会議報告書は、罰則ではこの法案に比べれば軽いものの、同法案よりも対象範囲が広がっている。それだけに、国民の「知る権利」が侵害される懸念も強いが、法整備に向けての検討過程が明確だったとは言い難い状況だ。


 ◇明確な公開規定なし
 東京・永田町の参院議員会館で、法案をテーマにした日本弁護士連合会主催の院内集会が開かれたのは2月8日。民主党からも国会議員本人4人を含め計8人が参加した。
 今野東参院議員は「こういうことをやりたくて政権与党になったのではない。提出せずに済むよう行動したい」と明言した。集会に参加した辻恵(めぐむ)衆院議員は取材に対し「民主党は市民や消費者の立場だったのに、国民の権利を制限する法案づくりをしている。秘密を扱う公務員らへの威嚇的効果で、国民への情報提供の範囲が狭められ、憲法の保障する『知る権利』の趣旨に反する」と述べた。

 集会に参加しなかった沖縄選出の玉城デニー衆院議員も「なぜ必要なのか党内議論がもっと必要だ」と話す。「現行の自衛隊法、国家公務員法なども守秘義務を課している。秘密保全法案は屋上屋を架すことにならないか」
 玉城議員は、72年の沖縄返還に伴う密約を政府が隠していたのを念頭に「(指定する)秘密の範囲を第三者が議論して決め、議事録を残すべきだ。開示のルールを明確にしないと隠蔽(いんぺい)の恐れが出てくる」と懸念する。

 制定後に情報隠しが進まないか、心配する意見もある。長島一由衆院議員は「明確な秘密解除のルールがないと、いつまでも情報が隠される」と主張、指定した秘密について年限を決めて自動的に公開するルールがなければ、賛成できないとする立場だ。

 有識者会議の報告書が、一定の年限ごとに秘密の指定をし直す「更新制の検討」に言及していることも、「情報がいつまでも出てこない」と批判する。
 一方、後藤祐一衆院議員は昨年11月の党内閣部門会議で、報告書が特別秘密を三つの分野としている点に「国の安全に大事なことはこれだけではない。ある程度広げる必要がある」と述べた。
 政府は今国会に法案を提出する意向だが、岡田克也副総理は準備状況について、2日の記者会見で「まだ煮詰まっておらず、いろんな検討をしなければならない」と述べた。


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