今度の衆議院選は右翼系の躍進でつまらないのではないか、そんなことを感じてうんざりしていた。
でも未来の党の発足ですっきりとし、面白くなった。
昨日、正式に公約を発表したらしい。
同党の公式Webページを初めて見てみた。
合わせて、報道から、未来の公約や他党の政策の違いの要点などを記録しておく。
ところで、今日の12時が、明後日5日の本会議質疑の通告期限。
ちょっと頭をひねるタイム。
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日本未来の党オフィシャルサイト 日本未来の党オフィシャルサイト

だれもが希望をもてる未来を。
いま、日本中に将来への不安や、政治への不信、失望がうずまいています。
この不安を安心に、不信を信頼に、失望を希望にかえなければ。
わたしたちは、国民のみなさんの「今のままでは選ぶ政党がない」「本当の第三極を作ってほしい」という声に応え、新しい党をつくりました。
わたしたちの名前は「未来の党」(日本未来の党(にっぽんみらいのとう))です。
このままでは、わたしたちの日本は、国としての品格を失います。
世界は我々の動きを見ています。
そう、あの福島の原子力発電所の事故です。終わっていません。
これを確実に終わらせて、着実に原発から卒業できる道を示さなければならないのです。
わたしたちは、世界に、地球に、未来を希望を発信しなければなりません。
そう考えて、わたしたちは、この理念の下に、多くの仲間たちと新しい党をつくりました。
国民のみなさんの政治への信頼を取り戻すためです。
未来をつくる政治、希望を見いだすためです。
政治には未来をつくる力があります。政治は未来をつくるものです。
ご一緒に未来をつくっていきましょう。
● 政策
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●“卒原発、増税凍結”未来の党が選挙公約発表
テレビ朝日 (12/02 17:59)
滋賀県の嘉田知事が代表を務める日本未来の党が、選挙公約と「卒原発」に向けた工程表の骨子を発表しました。
未来の党・嘉田代表:「卒原発、消費税増税は凍結、脱増税、そして誰もが希望の持てる未来へ。未来への約束、公表させて頂きます」
公約では、先に明らかにした中学卒業までの子どもに年間31万2000円分の手当を支給することや、消費税増税の凍結、TPP=環太平洋経済連携協定の交渉入り反対を明記しています。
また、同時に発表した卒原発の工程表では、最初の3年間を助走期間として、発電と送電の事業者を分ける発送電分離など、電力システムの改革を行うとしています。電気料金の値上げを抑制するため、電力会社には「交付国債」を給付するとしています。嘉田代表はこの後、最初の街頭演説を行い、政策への理解を訴えました。
●2012衆院選:未来公約、全原発10年で廃炉 子ども「手当」2.6万円
毎日新聞 2012年12月03日
日本未来の党の嘉田(かだ)由紀子代表(滋賀県知事)は2日、東京都内で記者会見し、衆院選(12月4日公示、同16日投開票)の公約「未来への約束」を発表した。
10年以内に全原発の廃炉を決める工程表を盛り込んだ「卒(そつ)原発カリキュラム」の骨子を発表。消費増税法を凍結するとし、子ども1人あたり年間31万2000円(月額2万6000円)の手当を支給するとした。
嘉田氏は会見で「(民主党が訴える)2030年では遅すぎる」と述べ、積極的な「原発ゼロ」を強調した。
目玉となる「卒原発カリキュラム」では、原発の再稼働を認めず、関西電力大飯(おおい)原発(福井県おおい町)を即時停止し、Jパワー(電源開発)大間(おおま)原発(青森県大間町)の建設を中止。高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)や青森県六ケ所村の使用済み核燃料再処理施設も即時廃止する。
当初の3年間を「原発ゼロ」の環境整備を行う「助走期」と位置づけ、その後の7年間を「離陸期」とした。
助走期には、原発停止に伴う電気料金の値上げ抑制のため、政府が電力会社に、必要なときに現金化できる「交付国債」を給付▽「発送電分離」など電力システム改革の断行▽東京電力の法的整理−−を行うとした。
公約は環太平洋パートナーシップ協定は交渉入りに反対を明記。税を財源とする最低保障年金を創設するとした。子どもへの手当については一部を「子育て応援券」として現物支給する。高校授業料無償化、農業の戸別所得補償は維持する。
また同党は、衆院選の第1次公認候補109人(前職53、元職4、新人52)を発表した。前職のうち、合流する「国民の生活が第一」(小沢一郎代表)が45人を占めた。また、飯田哲也(てつなり)代表代行は山口1区からの出馬を表明した。【横田愛、杉本修作】
●未来の党、公認109人 10年で「卒原発」公約発表
読売 12月2日
日本未来の党の嘉田由紀子代表(62)=滋賀県知事=は2日、都内で会見し、衆院選公約を発表した。公約を「未来への約束」として〈1〉10年後の原発ゼロ〈2〉ムダ排除による消費増税の凍結〈3〉中学卒業まで子供1人に年間31万円の手当ての支給(一部を子育て応援券)―などを盛り込んだ。
公認候補109人も発表。飯田哲也代表代行(53)=環境エネルギー政策研究所=を山口1区、小沢一郎氏(70)を岩手4区、亀井静香氏(76)を広島6区とした。3日に2次公認、比例代表候補を発表予定。4日の公示日まで擁立作業を進めていくという。
公約ではほかに、環太平洋連携協定(TPP)の交渉参加反対、天下りの全面禁止、政府関係法人の廃止を明記。「卒原発」に向けた工程表の骨子も発表した。
●「未来の党」100議席が安倍タカ派政権の抑止力になる(藤本順一)
News Log - 2012年11月30日 2012年12月1日 藤本 順一
既報どおり、嘉田由紀子滋賀県知事が27日、「卒原発」を掲げて新党「日本未来の党」の結成を表明した。これを受けて「国民の生活が第一」(小沢一郎代表)がその日のうちに同党への合流を決めている。さ
らに「減税日本・反TPP・脱原発を実現する党」(河村たかし・山田正彦両共同代表)ら非維新の第3極新党が「日本未来の党」の下に結集する予定だ。
加えて「日本維新の会」との合流話が不調に終わった「みんなの党」の渡辺善美代表とも政策協議中とのこと。
うまく行けば、選挙戦の構図をガラリと変える「台風の目」になるかもしれない。
嘉田知事は同日の記者会見で「未来をつくる結集軸」、いわゆる選挙公約として原発稼働ゼロから全原発廃炉の道筋をつくる「卒原発」に加え、「女性の活用」「安心・安全社会の実現」「消費税増税の前に徹底した無駄削除」「脱官僚」「品格のある外交」を政策の柱に掲げている。特に「卒原発」については「ドイツ並みに10年。政権を取ったら実現する」とし、隣接する福井県敦賀市の高速増殖炉「もんじゅ」の即刻廃止を訴えている。
一方、「卒原発」以外の政策については安保防衛政策を含めて政党として確たるものがあるとも思えないが、次期衆院選で原発政策が争点の一つになることを歓迎したい。何より、新党乱立に困惑していた国民有権者もこれで頭の整理ができたのではなかろうか。
大まかに言えば、次期政権の絵柄は民主、自民、日本維新、未来の四つの政党の組み合わせで決まるわけだ。
もっとも、第3極の維新と未来がどんなに議席を伸ばしたとしても比較第一党にはなれない。基本は各種世論調査で優位に立つ自民党と公明党で安定多数の議席を得るかどうかだ。これに維新が補完勢力として加わればより保守色の強い政権が誕生することになる。また、政権転落が必至の野田民主党は先の3党合意もあり、これも自公との連携に前のめりである。
そうであればタカ派の安倍自民党中心の政権を望まないリベラル層や前回、非自民政権を期待して民主党に一票を投じた無党層が未来に向かうことになるはずだ。あるいは100議席を超える勢力を確保することができれば、再び非自民政権を誕生させることができるかもしれない。世論調査が楽しみだ。
●原発10年以内に廃炉=予算組み替えで財源捻出―未来公約【12衆院選】
ウォール・ストリート・ジャーナル日本版 2012年 12月 2日
日本未来の党の嘉田由紀子代表(滋賀県知事)は2日、都内のホテルで記者会見し、遅くとも10年以内の原発完全廃炉や消費増税法の凍結、年間31万2000円の児童手当支給などを柱とする衆院選公約を発表した。嘉田氏は「未来への安心を埋め込む政治をつくりだしていく」と強調。新規政策実現の財源は、予算の組み替えで捻出するとした。
公約では、党の看板政策である「卒原発」に向け、10年間の工程を「卒原発カリキュラム」として策定。
最初の3年間を「助走期」、その後の7年間を「離陸期」とし、助走期には、再稼働した関西電力大飯原発(福井県おおい町)を停止させるほか、原発新増設を禁止する。
各原子炉の廃炉計画を定め、高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)や青森県六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場も即時に廃止する。
原発廃止に伴う電気料金の値上げを抑制するため、値上げ相当分を交付国債で給付。その償還に関しては「送電料に上乗せして回収する」とした。
廃炉・廃止に伴い財政支援措置も実施する一方、「再生可能エネルギーの普及、新しいエネルギー産業の創造の基盤をつくる」としている。 [時事通信社]
●未来の党が即、原発停止の公約を発表
日刊ゲンダイ 12年12月02日
日本未来の党の嘉田由紀子代表(滋賀県知事)が2日、卒原発にただちに取り組む公約を発表した。10年以内の原発完全廃炉や消費増税法の凍結、年間31万2000円の子ども手当支給などが盛り込まれた。
原発については最初の3年間を「助走期」、その後の7年間を「離陸期」と位置付け、助走期には、再稼働した関西電力大飯原発を停止させるほか、高速増殖炉「もんじゅ」や青森県六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場も即時に廃止するとした。
● 原発・金融政策に差 衆院選、各党の公約出そろう 未来が公約発表
日経 2012/12/2
4日の衆院選公示を控え、主要政党の公約が出そろった。新党「日本未来の党」は2日、国内全原発の10年内の廃炉や、中学卒業までの子どもへの1人当たり年間31万2千円の手当支給を柱とした衆院選公約を発表した。原発の是非やデフレ脱却に向けた金融政策などをめぐって、各党の違いが鮮明になってきた。
未来は公約で全原発の廃炉に向けた10年間の行程表「卒原発カリキュラム」を明記。原発稼働ゼロから3年間の「助走期」に電力システムの改革や東京電力の法的整理に取り組む。その後7年間の「離陸期」は再生可能エネルギーの普及などを進め廃炉を実現する。
年31万2千円の子ども手当は一部をバウチャー(利用券)の「子育て応援券」にする。
各党の公約を比べると、原発政策では民主党が2030年代の原発ゼロを目指し、自民党は「10年以内に持続可能で最適な電源構成を確立する」として原発を事実上、容認した。
日本維新の会はルール厳格化などによる脱原発依存体制の構築を主張し、公約に付属する「政策実例」で「結果として30年代までにフェードアウト(消えていく)する」とした。
公明党は「可能な限り速やかに原発ゼロを目指す」と明記。みんなの党は20年代の原発ゼロ、共産党は即時ゼロ、社民党は順次、廃炉を掲げた。
金融政策では、自民党が2%の物価目標と日銀法改正も視野に入れた政府・日銀の連携強化を柱とする大胆な金融緩和をうたったのに対し、民主党は「目標は1%が現実的だ」(野田佳彦首相)と批判。維新とみんなも日銀法改正と物価目標などに関する政府・日銀の協定締結を盛った。新党改革は1~2%の物価上昇目標を主張した。
●衆院選:どこが違う、主要政党が描く未来像 政権公約、実現性は?
毎日 2012年12月02日
衆院選は4日の公示に向け、各党の政権公約・マニフェストがほぼ出そろった。民主党、自民党、日本維新の会、日本未来の党を中心に、(1)原発・エネルギー(2)経済・財政(3)社会保障(4)子育て・教育(5)外交・安全保障(6)憲法−−のテーマ別に、実現可能性や具体性を含めて政策を徹底比較した。
◆原発・エネルギー
◇「ゼロ」VS数値回避
東京電力福島第1原発事故後初めて迎える衆院選。
各党とも原発依存度を下げていく方向に大きな違いはないが、政権公約や政策要綱に将来の「原発ゼロ」目標を掲げた民主、未来などと、数値目標を避けた自民とに大別できる。
自民は「原子力に依存しなくてもよい経済・社会構造の確立」を掲げた。「3年間、再生可能エネルギーを最大限導入」「全原発の再稼働の可否は3年以内の結論を目指す」という。だが、将来の原発比率は「10年以内に電源構成のベストミックスを確立する」との表記にとどまり、現時点の数値目標を示さなかった。野田佳彦首相は「惰性で原発に依存する『続原発』の国をつくるのか」と批判を強める。
民主は、原発の40年運転制限や新設・増設なしの原則を守り「30年代の原発稼働ゼロを目指す」と目標を示した。9月に政府でまとめた革新的エネルギー・環境戦略を踏襲した内容だ。しかし、同戦略は着工済み原発の建設を認めるなど、30年代ゼロ目標との矛盾が既に露呈している。自民の安倍晋三総裁は「代替エネルギーを確保せず原発ゼロを言うのはあまりに無責任」と応酬する。
「卒原発」が旗印の未来の方針は明快だ。嘉田由紀子代表は22年をめどに段階的に全50基をなくすと主張し、官邸前デモなどに表れた脱原発世論の受け皿を目指す。
ただし、経済影響や立地自治体との調整をどう図るのか実現性や手腕に疑問符が付きまとう。
一方、維新は脱原発を唱えていた橋下徹代表代行と脱・脱原発が持論の石原慎太郎代表が合流し、政策が曖昧になった。
「脱原発依存体制の構築」と打ち出したものの「既設炉による発電は30年代までにフェードアウトすることになる」と主体的な目標設定に踏み込めず、新設炉は認めるのかも不明。30日の党首討論会では石原代表がフェードアウトを「知らない」「直させる」と述べるなど迷走している。
原発の使用済み核燃料を再処理する核燃料サイクルをどうするかも大きな問題だ。
エネルギー政策の中核として長年巨費を投じながら実現の見通しが立たない事業について、民主は「必要性などの観点から見直す」、自民は「エネルギー政策の議論を踏まえ慎重に見極める」と大差はない。
選挙戦を通して核のごみ問題で議論が深まる見込みは薄そうだ。【阿部周一】
◆経済・財政
◇成長へ道筋見えず
景気後退局面入りが確実になった日本経済。
長引くデフレや産業の国際競争力低下など課題が山積する中、自民と維新が「名目3%以上」、民主が「20年度までの平均で名目3%程度、実質2%程度」など、主要政党は高い成長率目標を掲げた。
民間エコノミストの多くは13年度の名目成長率を1%前後と予測しており、成長戦略が問われる。
各党とも規制緩和により民間が成長を主導するシナリオを描くが、具体策は明確でない。規制緩和に加え、自民は防災対策の公共事業を促進する「国土強靱(きょうじん)化計画」で需要創出を図るが、規模や財源は公約に明記していない。
高成長実現のため、政府がお金を支出して政策を打つことは、財政状況が厳しく限界がある。そこで各党は日銀がお金を刷って、市中への資金供給量を増やして景気刺激を図る金融緩和政策に期待を寄せている。自民、維新、みんなの党が政府・日銀の政策協定(アコード)締結や日銀法改正に言及し、政府の日銀に対する発言力を強めようとする。自民は2%の物価目標を設けて、日銀に緩和を求める。
民主も日銀に金融緩和を求める方向性は同じだが、日銀が政府に押し切られて金融緩和を進めれば過度なインフレを招き、経済が混乱に陥るとの懸念から、日銀の独立性は担保する考え。日銀自ら設定した当面の物価上昇目標1%を尊重する。
民主、自民が経済政策を重視するのは、足元の景気浮揚に加え、消費増税法に税率8%への引き上げを判断する13年秋に経済状況を好転させる条件を付けたからだ。民主と自民は公約に13年冒頭の大型補正予算の編成を明記した。一方、未来、みんなは消費増税の凍結を主張し、賛否は二分。維新は消費税を地方税化して11%とし、このうち6%を自治体間の税収格差を調整する地方共有税にあてる。
環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉参加の是非は、民主、自民、維新ともに党内に賛否両論あり、歯切れが悪い。民主は交渉参加に踏み込めず「政府が判断する」との表現にとどめた。自民は「『聖域なき関税撤廃』を前提にする限り、交渉参加に反対」と、参加国との事前協議次第で交渉参加に道を残した。維新は「国益に反する場合は反対」との条件付きで交渉参加を表明した。対極は、未来の「交渉入りに反対」と、みんなの「速やかな交渉参加」となっている。【久田宏】
◆外交・安全保障
◇集団的自衛権で差
民主、自民、維新3党はいずれも日米同盟の「深化」「強化」を明記した。ただし自民と維新が「集団的自衛権の行使」を可能にすると打ち出したのに対し、民主は党内に賛否両論あることから言及せず、違いが鮮明だ。
自民は、同盟強化で日本の存在感を高めた上で、中国、韓国、ロシアとの関係を改善する戦略を描く。
「自由・公正・法の支配など普遍的な価値観に基づく戦略的外交」は、安倍政権(06〜07年)にならい中国包囲網を意識したとみられる。
集団的自衛権の行使容認は、安倍政権で有識者懇談会が報告書をまとめており、政権獲得すれば政府の解釈変更で実現は可能だ。また領土を守るため、自衛隊、海上保安庁の人数・装備・予算の拡充を掲げる。しかし、これらの政策を実行した場合、中韓が反発し緊張が高まるのは必至。特に「尖閣諸島に公務員の常駐」をすれば、中国と武力衝突に発展する懸念もあり、実現性は低いとみられる。
民主は09年マニフェストで「緊密で対等な日米関係」「東アジア共同体」を掲げ、アジア重視の自立志向で政権交代をアピールしたが、沖縄県・米軍普天間飛行場の移設問題の失敗を教訓に転換した。「平和国家」「冷静な外交」をうたい、右傾化が指摘される自民との違いを強調する。
ただ具体策は、民主党政権が10年にまとめた防衛大綱に基づき、中国の海洋進出に対処する「動的防衛力」「南西重視」の防衛力整備推進をあげるなど、3年余の政権実績を示すにとどまる。
維新の政策は自民に近いとみられるが、基本方針を箇条書きで9項目列挙しただけで、体系だった戦略は見えない。防衛費の国内総生産(GDP)比1%枠撤廃という数値を掲げたが、限られた予算の中で防衛大綱では自衛隊の「効率化」「合理化」を目指しており、財源が問題だ。尖閣問題は「領土問題は存在しない」とする政府方針と異なり、中国に国際司法裁判所(ICJ)への提訴を促す。
未来は、TPP反対を外交の中心に据え、戦略や方向性が不透明だ。東アジア重視を掲げるが、具体策には触れていない。【野口武則】
◆社会保障
◇国民会議の結論待ち
年金と高齢者医療制度は、民主、自民、公明3党が社会保障制度改革国民会議の「結論待ち」の状態で、各党とも具体性に乏しい。
民主は最低保障年金を柱とする新年金制度創設と後期高齢者医療制度廃止を盛り込んだものの、「社会保障制度改革国民会議の議論を経た上で、実現を目指す」との表現にとどめた。いずれも自公両党が反対しており実現は絶望的だ。
自民も年金は税と社会保障の一体改革で実施が決まっているものが大半。医療では「医学部定員の確保」「保険料率上昇の抑制」などさまざまな案を掲げるが、数値目標などはなく、「課題の列挙」との印象はぬぐえない。
生活保護では、自民は国庫負担(今年度約2兆8000億円)の8000億円減や、受給期間を制限する「有期制導入の検討」を盛り込むなど「自助努力」を強調することで独自色を出している。
ただ、いずれも生活保護のセーフティーネット機能を損なう恐れが強いだけに実現へのハードルは極めて高い。
公明は年間所得300万円以下世帯の高額医療費の自己負担の軽減を盛り込んだ。民主党政権も試みたが、財源の壁に阻まれている。
これに対し、維新は「受益と負担の均衡」などの基本方針を打ち出し、具体例として年金支給開始年齢引き上げなど高齢者の負担増に踏み込んだ。いずれ議論を避けられない論点だが、理解を得るのは容易ではない。
未来は民主の09年マニフェストを踏襲しているが、いずれも難題であることは民主党政権が示している。新年金制度は財源の膨張や中高所得層の年金減が難点。後期医療廃止も代わる制度の妙案が見当たらない状況だ。【鈴木直】
◆子育て・教育
◇支援、社会か家庭か
子育ては、民主が「社会全体で子どもの育ちを支援」、自民が「第一義的には家庭で育てる」をそれぞれ基本方針として主張する。子どもを育てる場が主に「社会」なのか「家庭」なのか、方向性の違いが鮮明だ。
民主が政策の柱に据えるのが、都市部の0〜2歳児が大半を占めている保育所の待機児童の解消だ。定員の増加や財政支援の充実により、幼稚園や保育所などの利用児童を5年間で36万人増やすと明記した。
一方、自民は待機児童解消に言及しつつ、0歳児に対しては「育休を取りやすくし、親が寄り添って育てられる社会の推進」を提案した。3歳以上の幼児教育の無償化も盛り込んだが、家庭での子育てを重視する立場から「多世代同居の促進」などを掲げている。子ども手当実施に伴い廃止された年少扶養控除の復活も約束した。
維新は数値目標や具体策には触れず、民間企業の参入促進などを意味するとみられる「保育の成長産業化」とだけ記載している。未来は民主の09年マニフェストと同じ「子ども1人当たり中学卒業まで年間31万2000円の手当を支給」を打ち出したが、財源について詳しい言及は避けている。
教育では、自民が「歴史や文化を尊重する国民の育成」や「(中国や韓国などへの配慮を定めた)教科書検定の近隣諸国条項見直し」などを主張しており、保守志向が際立つ。
いじめ問題で機能不全が指摘された教育委員会を巡っては、民主、自民、維新3党がそろって制度の見直しを書き込んだが、「常勤の教育長を委員会の責任者とする」と具体策を挙げたのは自民だけだった。【青木純】
◆憲法
◇改憲派、重点に違い
自民、維新が憲法改正で足並みをそろえ、改憲要件を現在の衆参3分の2から過半数に緩和するよう主張する。ただ衆院選後に両党で3分の2を占めても、参院は過半数にも届かないため、すぐに実現する見通しはない。
自民は4月、憲法草案をまとめ、これに基づき公約に「元首である天皇」「国旗は日章旗、国歌は君が代」「国防軍を保持」「家族の尊重」など保守色の強い条項を示した。
維新は「憲法破棄」が持論で理念重視の石原慎太郎代表の意向で、「自主憲法の制定」を公約「骨太」の冒頭に明記した。だが実務重視の橋下徹代表代行は「統治機構改革のための憲法改正」にこだわりがあり、重点に違いがある。具体例の「政策実例」で首相公選制、参議院廃止、地方自治体の条例で国の法令を修正できる「条例の上書き権」を挙げた。
民主は「憲法をいかし、国民主権・基本的人権の尊重・平和主義を徹底」と一文を記しただけ。「自由闊達(かったつ)な憲法議論」の項目を設けた09年に比べ護憲色が強い。未来の政策要綱には、憲法に関する記述はない。【野口武則】
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