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てらまち・ねっと



 年末年始の会社の休み時期は仕事のない人たちやホームレスの人たちへの炊き出しが話題になる。
 以前は、岐阜や名古屋で手伝っていたこともある。

 ともかく、それらとは別に、制度としての「生活保護」は社会的必要性が増している。
 対象者は、もともと高齢者に多かったけど、最近は若者の受給者が増えているとのデータが明確。

 一部に不正受給者がいるからと言って、真に必要としている人のための予算を削減することはあってはならないこと。
 しかし、民主党政権の末期、ここに手を付け始めた。

 これが、自民党政権になったこれから、もっと削減が進むことは確実とみられ、懸念が強まっている。

 まず、全国のランキングなどを見てから、現状や課題などの一部を確認する。

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    生活保護受給世帯 [ 2008年第一位 大阪府 ]
2010-1-26 | 社会 | スマートフォン版

 厚生労働省の社会福祉行政業務報告から各都道府県の生活保護受給世帯数を調べた。統計ではひと月ごとに各都道府県の生活保護受給世帯が集計されており、今回は2008年12ヶ月間の平均値を使った。また、統計では各都道府県と指定都市、中核都市で別統計になっていたので、同一都道府県の数値を合算した。
難しい説明になったが、各都道府県の生活保護受給世帯を集計したと考えて差し支えない。

また、この統計は昨年の不況の影響を受ける前の2008年のデータであり、2009年に数値は急増していると思われるので注意が必要だ。
厚生労働省から2009年の正式データが発表されるのは2010年秋の予定。

100世帯あたり受給世帯数が一番多いのは大阪府で4.35世帯。これは全国平均の2.14世帯の2倍だ。続いて高知県(3.75世帯)、北海道(3.70世帯)、青森県(3.36世帯)、福岡県(3.24世帯)と続いている。地域的に見ると東北北部と北海道、西日本の各県が上位に入っている。

相関ランキングを見ると完全失業率と正の相関を示しており、失業率が高い地域は生活保護受給率が高いという、ある意味、当たり前の結果となっている。
また、負の相関ランキングでは製造業従業者数や工業生産額との関連が高く、製造業が少ない地域は失業者が多く、生活保護受給率が高いということが言える。ただし、これは製造業が好調だった2008年上半期も含んでおり、2009年ではもう少し違ったデータになることも考えられる。

また、独居老人率とも高い相関関係を示しており、生活保護受給世帯の多くが高齢者世帯であることがデータでも裏付けられている。

興味深い相関としてビール消費量との相関も高い。失業などの生活不安がビール消費量を押し上げているのだろうか。


    生活保護費割合ランキング /  暮らしのランキング&口コミ【となりの芝生】




●生活保護、受給前にも就労支援 厚労省、申請抑制狙う
        中国 21012年10月27日
 厚生労働省は26日、生活保護受給前の申請者や相談者に、2013年度から本格的な就労支援を実施する方針を固めた。
申請が多い自治体の福祉事務所に求人事情に詳しい専門相談員を常駐させ、働く場の提供に乗り出す。


 就労支援はこれまで保護受給者に実施していたが対象を拡大し、増えている若者の受給の抑制を目指す。生活困窮者の自立支援策を柱とする「生活支援戦略」の一環で、来年度予算の概算要求に関連経費100億円を盛り込んだ。
 生活保護受給者には現在、自治体職員がハローワークに同行して職探しを後押ししたり、履歴書の書き方を助言したりする支援事業があり、これを受給前の人にも行う。

 また全国に約1250カ所ある福祉事務所のうち、生活保護の受給申請数が多い約100カ所にハローワークから専門相談員「就職支援ナビゲーター」を派遣。常設窓口を設け、就職相談や職業紹介を行う。相談員が常駐しない自治体は、週2回をめどにナビゲーターが巡回して対応する。

 仕事に就いた後の支援も強化。ナビゲーターに仕事をする上での課題や悩みなどを相談し、アドバイスを受けられるようにする。
 生活保護の受給者数は1996年度以降、増え続け、12年7月時点で212万4669人。
生活保護費も12年度当初予算ベースで3兆7千億円と、いずれも過去最多を更新した。


●命の風景:生活保護を歩く/3 受けない、苦しくても /奈良
           毎日新聞 2012年10月30日
 ◇「世間は理解してくれない」  ◇娘のための「不正」
 「働いていましたね」。電話越しのケースワーカーの声に、セイイチさん=仮名、50代=は思わず受話器を握りしめた。「この時が来たか」。生活保護を受けながら、11年度にアルバイトなどで20万円以上稼いでいたことが発覚したのだ。

 4生活保護世帯が収入を得た場合、行政に申告しなければならない。申告せずに保護費を満額受け取ると不正受給になるが、このことを知らない受給者による申告漏れも多い。
 ただ、セイイチさんは確信犯だった。目的は、同居する娘の高校進学費用の捻出だ。生活保護制度には、子どもの進学費を支給する「生業扶助」という仕組みがある。でも、「利用しない」と心に決めている。なぜなのか。
 保護を受け始めたのは約2年前。交通事故で大けがをし、派遣の仕事をやめて約1カ月半の入院を強いられた。退院後に就職先を探したが見つからず、保護申請を決めた。

 支給されるのは家賃を除くと月額約7万円。求職活動を続けながら細々と暮らす中、約1年がたったころだった。離婚した妻が引き取った娘が訪ねてきて言った。「お父さんと一緒に住みたい」
 同居を知ったケースワーカーは、娘を同一世帯に入れて扶養するよう勧めた。「(保護費が増えて)楽になるんですよ」。しかし、かたくなに拒んだ。娘が保険証を失うことを恐れたからだ。学校生活では、保険証の持参を求められることもある。「持っていないことで、先生や同級生に保護世帯だと知られたらどうなるか」。娘が肩身の狭い思いをすることだけは、絶対に避けたかった。
 市に返還を求められた金額は、少しずつ返していきたいと思う。一方で「不正」を後悔してはいないし、今後も娘の分を受給するつもりはない。「生活保護を恥じる必要はないと俺は思う。でも、そう理解している人は、世間では少数派やないか」

 ◇「カネじゃない」
 早朝から飲食店のアルバイトに精を出し、午後は図書館で勉強する。司法書士の資格取得を目指すマナブさん(40)=仮名=の日常だ。奈良市内のアパートで一人暮らしをする身だが、半年前までは約1年間のホームレス生活をしていた。

 8年前に医療事務職を辞め、アルバイトをしながら、法曹関係の資格取得を目指して勉強を続けてきた。しかし、自立を求める父親との関係がぎくしゃくし、昨春に家を出た。
マイカーで寝泊まりし、公共施設の水道を風呂代わりに使った。資金が底をつきかけると、短期のアルバイトで食いつないだ。だが、冬の明け方の寒さに耐えられなくなり、家探しを決意。無料求人雑誌でいまの仕事を見つけ、アパートで一人暮らしを始めた。
 
現在の月収は10万円〜12万円。家賃や国民年金保険料などを差し引くと、生活保護水準を下回っているのではないかと思う。ただ、保護を受けようとは思わない。理由は明快だ。「カネじゃないんですよね。働くって本質的には面白いことだと思うんです」

 では、生活保護で暮らす人々をうらやましいと思ったことはないのか−−。意地の悪い質問に対し、即座に首を横に振った。
「非正規の立場では、上司に意見を言うことも許されない。若い人にとって『面白い』と思える働き方が難しい世の中だから、生活保護が増えてるんじゃないですか」【大久保昂】

●関係の困窮:生活支援の現場から/4 若者に感じる「打たれ弱さ」 相談相手少なく /熊本
        毎日新聞 2012年11月01日
 「なんでね?」。熊本市中央区役所保護課の相談室。就労支援相談員、下田恒雄(71)が無念の表情を浮かべると、向かいに座った30代の男性は「仕事がきついから」とぽつりと答えた。

 下田も支援し、やっと入社した清掃会社をわずか1週間で退職していた。偶然通りかかったビルの前で、汗びっしょりになりながら窓ガラスを拭く男性を見つけて「頑張っとんね」と声をかけたばかりだった。

 男性は以前、派遣労働などで生活していたが、仕事内容や職場の人間関係を理由にどれも長続きしなかった。失業で生活が苦しくなったが、県内にいる母とは交流がほとんど無いため頼れない。友人もなく、自宅アパートに引きこもったが、食費も無くなってホームレス化する一歩手前で生活保護を申請したという。

 厳しい雇用情勢で、全国の生活保護受給者は7月時点で212万4669人と過去最多を更新。
リーマン・ショック以降は若年の受給者が急増し、市でも20〜30代の受給者が7月31日現在で1554人と08年(767人)から倍増した。このため市は、ハローワークなどで就労相談業務をした経験がある10人を就労支援相談員として各区保護課に配置。10月からボランティア活動や就業体験を通じて就労意欲を喚起する事業を始めた。

 下田は特に若者を支援する際、仕事がきつかったり上司に怒られるなど職場で嫌なことがあると退職する「打たれ弱さ」を感じるという。
短期間で転職を繰り返すため技術が身につかず、就職に有利な資格も無い場合が多く、年齢を経るごとに再就職が難しくなる。
普段の生活を聞くと友人もおらず、家族との交流がないなど人間関係の希薄さも目立つという。


 「愚痴や相談できる相手がいれば、すぐに退職しなかったかもしれない」。そうした思いから、初めて会う受給者には「あなたと僕はペアだ」と説明する。一人で就職活動するのではない、とのメッセージで安心感を与え、コミュニケーションを重ねて信頼関係を築く。就職が決まっても「辞めたくなったら、連絡ちょうだい」とフォローする。

 実際は連絡がないまま退職する場合がほとんどだ。しかし、求人情報があれば電話で「出てこんね?」と呼びかけるなど関わり続ける。
「彼らにとって私は数少ない話せる存在。やり直せるチャンスがある彼らを見捨てるわけにはいかない」と表情を引き締めた。=文中敬称略【松田栄二郎】

  ●明るい正月を!年越し電話相談会~生活保護・労働・多重債務・住まい 何でも相談会
        明るい正月を!年越し電話相談会/

2012/12/26 明るい正月を!年越し電話相談会~生活保護・労働・多重債務・住まい 何でも相談会
12月26日、27日の2日間、全国で年越し電話相談会を実施します。

各方面への広報にご協力ください。

詳細はこちら→http://seikatuhogotaisaku.blog.fc2.com/blog-entry-91.html

「明るい正月を!年越し電話相談会~生活保護・労働・多重債務・住まい 何でも相談会~」

生活の厳しさが増す年末です。

派遣切りの嵐が吹き荒れた2008年12月24日、全国で「明るいクリスマスと正月を!年越し電話相談会」を実施し、全国から相談が殺到しました。
4年が経ち、先般実施された日弁連の全国一斉生活保護ホットラインには、生活の苦しさを訴える相談が、1日で全国から約1万2000コール、朝から晩まで電話が鳴り続けました。

振り返れば、この4年、貧困率は過去最悪、世帯所得の低下が続き貯蓄ゼロ世帯も3割近くまで増加、生活の苦しさを訴える世帯も6割と過去最悪、生活保護も就学援助も過去最多、貧困の要因である労働分野での非正規雇用への置き換えの流れは変わらず、失業給付の利用率も2割程度でセーフティネットの穴は塞がらず、残念ながら、貧困拡大の大きな流れは変わりませんでした。その一方で、東日本大震災・原発事故による社会の危機と「がんばろう!日本!」キャンペーン、生活保護バッシングなどの中で、生きづらさを抱える人の声が封じられ、派遣村の取組等で一度は顕在化した貧困が、再び潜在化し、見えにくい状況が生まれています。

そして、年末のこの大事な時期に、政治は、生活保護基準の引下げや最低賃金の引き下げなど、生きづらい人を一層追い込む政策を公約に打ち出しながら、総選挙へと進みました。
選挙の結果、政権は2008年当時に逆戻りし、生活の困難を抱えた人の年末対策は置き去りになっています。

年末、私たちは、全国で、年越し電話相談会を実施します。
相談は無料ですので、お気軽に、ご相談ください。

【開催日時】
12月26日(水)午前10時~午後10時
    27日(木)午前10時~午後10時

*開催日時は地域によって異なります。
*愛知県では、12月25日(火)13時~20時 
電話052-911-9290
 で開催します。

【電話番号】
全国共通・通話料無料
0120-757192(貧困ないくに)

【主催】
年越し電話相談会実行委員会(代表 宇都宮健児)

仕事がなくなり、役所も閉まる、年始年末の時期。
でも、あなたは一人ではありません。

生活保護・労働・借金・住まいの問題の専門家が、
一緒に、あなたの生活債権のお手伝いをします。

こんなご相談をお受けします。

*自分の今の状況で、生活保護って受けられるの?
*親族がいるから生活保護を受けられないと言われた
*生活保護を打ち切ると、役所に言われている
*テレビを見ていると、生活保護を受けていいいのか不安
*働いても働いても、生活が楽にならない
*会社から突然「もう来なくてイイよ」と言われた
*働いているのに雇用保険に入れてもらえない
*残業代を出してもらえない。給料を一方的に減らされた
*借金の返済に追われて、どうにもならない
*もう返済できない!夜逃げか自殺しかないの?
*家賃が一日遅れただけで、鍵を代えられた
*大家が勝手に家具や荷物を処分した


●自民圧勝で生活保護受給者は絶望の淵に
 元公務員ワーキングプアが語る貧困世帯の悲惨な現場 ――政策ウォッチ編・第7回

               週刊ダイヤモンド 【政策ウォッチ編・第7回】 2012年12月21日
12345政権がどうなろうが、変わりようのないことがある。日本に、生活保護水準以下の生活をしている貧困層の人々が、今、この瞬間も、数多く存在していること。人が生存し、生活を営むためには、一定の資源が必要であること。

今回は、長年、公務員として教育に携わってきた1人の生活保護当事者の経験を紹介する。「貧困」とは、いったいどのような問題なのだろうか?

自民党政権は「終わりです」
生活保護当事者の絶望と希望

平田さんの住む町の12月の風景。厳冬期には、最低気温がマイナス25度に達する 12月16日の衆議院議員選挙は、自民党の圧勝となった。

 北海道、札幌から高速バスで2時間程度の場所にある、人口2万人ほどの町に住む平田明子さん(仮名・43歳)は、選挙結果を受けて、「終わりです」と語る。

 平田さんの住む町には、産業らしい産業がない。約2万人の町民の15%程度が、生活保護を利用している。平田さんも、生活保護を利用している1人だ。その平田さんの自民党への視線は、どのようなものだろうか。

「自民党、気持ち悪いです。今の自民党は、戦争やりたがっている人たちの集団だと思います。もう、保守でさえありません。自分たちが生き残りたいだけなんでしょう」(平田さん)

 自民党が考えている生活保護政策については、どうだろうか。

「頼むから、生活保護への締め付けや基準切り下げは、やめてくれ、と言いたいです。生活保護基準での生活が、どれだけ苦しいか、たぶんわかっていないでしょう。本当に実行したいんだったら、実際に生活保護基準の生活をしてみてほしいです。寒いところ、それも生活扶助が最低額の『三級地の二』の地域で、1ヵ月、車なしで、公営住宅にでも住んで、生活保護基準の生活をしてみてください。その生活ができるかどうか。できないでしょうけど」(平田さん)

 現在、平田さんは、生活保護を利用して、精神疾患の治療に専念している。しかし、働く能力や意欲がないわけではない。短大を卒業した後、公立小学校の教員となった平田さんは、結婚や離婚を経て紆余曲折はあったものの、教育委員会の非常勤職員など、教育に関連する仕事を長年続けてきた。しかし、職場の人事異動をきっかけとして、平田さんはパワー・ハラスメントのターゲットとなった。抑うつ状態となり、休職して回復を図ったものの、回復しないまま、2011年3月に失職。傷病手当金の支給を受けつつ治療を続けてきたが、再度の就労が可能なほどの回復は見られなかった。傷病手当金が支給されなくなった2012年8月からは、生活保護を利用している。

・・・・・
その平田さん自身の身分は、非常勤職員だった。ほぼフルタイムに近い労働時間、正規雇用されている職員と同じ内容の業務に従事しているにもかかわらず、収入は同世代の正職員の半分以下。手取り月収は、1ヵ月に約12万円だったという。大人1人の生活を支えるのに充分な収入とは、到底考えがたい。

 それでも、

「天引きで、協会けんぽや介護保険に入れたし、交通費も出るから、まだ条件が良いほう」(平田さん)

 だったという。さらに報酬が低く、交通費も支給されず、健康保険は自分で国民健康保険に入るしかない労働条件の職員が存在した。「臨時職員」と呼ばれる人々である。それでも、ワーキングマザーや、親元を離れられない単身者など、そのような雇用条件の仕事を選択するしかない人々が存在する。

生活保護をはじめとする社会保障を削減する理由として、しばしば挙げられるのは「国庫に資金がない」「財源がない」である。公務員の世界も例外ではない。いったん終身雇用という条件で雇用した正職員の雇用条件は、容易には変えられない。人件費を削減するとすれば、正職員を非正規雇用の職員に置き換える以外に方法はない。その非正規職員は、不安定な身分ゆえに、ちょっとしたきっかけで、生活保護以外の選択肢がない状況に直面する。結局のところ、自治体の人件費削減は、生活保護利用者の増大に結びついてしまっているのだ。まことに、救いのない構造である。

「貧困の連鎖」が続く
困窮家庭支援の難しさ
 平田さんはかつて、「適応指導教室」の指導員として、数多くの生活保護世帯・貧困世帯に接してきた。

 学校に行きたいけれども「遠慮しとく」と、不登校を続けている児童がいた。両親は、どちらもアルバイトを続けていた。生活保護水準以下の生活なのだが、生活保護は申請していなかった。両親は、貧困世帯向けの教育支援制度も知らず、給食費を支払うこともできなかったので、子どもは、小学校に通うことを遠慮していたのだった。

 直接、担当していた世帯ではなかったが、家庭に大きな問題があると考えられるケースがあった。生活保護世帯であった。指導員たちは、ぜひ家庭訪問をして、母親に面談したいと考えていた。ところが、その家庭訪問と面談が、なかなか実現しない。電話で、面談の日時を事前に打ち合わせることは可能なのだが、当日になると、住まいには誰もいない。なぜか自動車を保有している母親が、車にのって出かけてしまい、留守にしてしまうからである。

 また、入退院を繰り返している母親がいた。若干の体調不良程度はあるものの、深刻な病気を抱えているわけではない。就労はしておらず、生活保護以外には生計の道がないのだが、ときどき生活保護を廃止する。そして、生命保険に加入し、入院する。その後はしばらく、支払われた保険金で、生活保護水準以上の生活をする。保険金を使い果たしたら、また生活保護を申請する。平田さんは「生活の悪知恵」という。

 親たちとの間に、尋常な会話が可能であるとも限らない。精神疾患を抱えている親が、処方された向精神薬を大量に服用して「ラリって」いることもある。かと思えば、電話で話していて、突然、理由なく怒り始めたりすることもある。精神状態が不安定なのだ。何をしゃべっているのか良くわからないような話しかできない親もいる。知的障害児の親が、また知的障害者である場合もある。

・・・・・・・
政治がどうなろうが、政権党がどの党になろうが、福祉が必要でなくなることはない。より良く機能し、福祉を必要とする人々の多様なニーズを満たし、多様な形の「自立」を実現するための福祉が、これからも、より一層求められることだけは間違いない。

 次回は、学術研究の立場から見た現在の生活保護制度とその問題点について、若い研究者の意見を中心に紹介する。生活保護費とは、いったい何なのだろうか?





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