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てらまち・ねっと



 先日、「水道水がセシウムで汚染されている」というニュースが流れた。
 関東では、水源地帯の山域の汚染が指摘されているから、その帰結と納得しやすい。
 ★≪東京都水道水のセシウム汚染…福島原発事故から5年後のナゼ/・・驚くのは、現在、福島県の水道水より東京都の水道水に含まれる放射性物質のほうが多いことだ。それにしても事故から5年半たったいまもなぜ水道水のセシウム汚染が続いているのだろうか?女性自身 2016年10月28日/≫

 ということで、関連を見たら、洗車場にも放射性汚泥、とされていた。
 ★≪洗車用浄化槽に放射性汚泥、福島 自動車整備工場、基準の7倍(共同 11/6)≫
 ★≪福島の整備工場 洗車汚泥に放射性物質(東京 11月6日)≫

 これも、当然といえば当然。しかし、行政や業界は、悪影響を心配して、内緒で対策を考えてきた。
 分かりやすいのは★≪<洗車汚泥>風評被害恐れ公表されず(河北新報 11月06日)≫
 
 これらを記録しておく。

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●東京都水道水のセシウム汚染…福島原発事故から5年後のナゼ
       女性自身 2016年10月28日
 11年の福島原発事故を受けて、原子力の安全確保のために環境省に新たに設置された原子力規制委員会。そのホームページ(HP)に「上水(蛇口水)モニタリング」というデータが公開されていることをご存じだろうか。ここには47都道府県の水道水の放射性物質の検出結果が一覧表になっている。その表を見てみると、なんと11の都県で’16年1~3月の時点で放射性セシウムが検出されているのだ。

【宮城県(仙台市)】放射性セシウム137・1.1ミリベクレル
【山形県(山形市)】放射性セシウム137・0.76ミリベクレル
【福島県(福島市)】放射性セシウム137・1.2ミリベクレル

【茨城県(ひたちなか市)】放射性セシウム137・0.8ミリベクレル
【栃木県(宇都宮市)】放射性セシウム137・1.7ミリベクレル
【群馬県(前橋市)】放射性セシウム137・1.3ミリベクレル

【埼玉県(比企郡)】放射性セシウム137・1.3ミリベクレル
【千葉県(市原市)】放射性セシウム137・0.57ミリベクレル
【東京都(新宿区)】放射性セシウム134・0.43ミリベクレル、放射性セシウム137・1.7ミリベクレル

【神奈川県(横浜市)】放射性セシウム137・0.4ミリベクレル
【新潟県(新潟市)】放射性セシウム137・0.38ミリベクレル

「東京都水道局のHPを見ると’11年4月4日に放射性ヨウ素131(8ベクレル)が検出されて以降、水道水から1回も放射性物質が検出された報告は載っていません。…
ところが原子力規制委員会のモニタリング結果では、いまだにセシウム134と137を合わせると約2ミリベクレルの放射性物質が含まれているんです」

こう解説するのは経産省の諮問機関・原子力小委員会委員である伴英幸さん(原子力資料情報室共同代表)。

「福島原発事故後、岩手県から首都圏、神奈川県や新潟県の一部まで非常に広範囲に、福島原発から放出された90京ベクレル(京は兆の1万倍)ともいわれる大量の放射性物質が降りました。’11年3月22日に、東京都の水道水からも210ベクレル/kgという放射性物質(ヨウ素131)が検出され、金町浄水場付近の住民に代替飲料として水のペットボトルが配られたことを記憶している人も多いはず。当時汚染されたエリアといま水道水から放射性物質が検出されているエリアはほぼ重なります」(伴さん・以下同)

驚くのは、現在、福島県の水道水より東京都の水道水に含まれる放射性物質のほうが多いことだ。それにしても事故から5年半たったいまもなぜ水道水のセシウム汚染が続いているのだろうか?

「現在観測されるセシウム134と137は半減期(放射線を出す量が半分になる期間)からいって(134と137が)1対4の比率ならば福島原発事故で出たものと特定されます。東京都の水道水の含有比率はまさに1対4なので、福島から飛来したものに間違いない。都の水道水は利根川水系、荒川水系、多摩川水系の水が混じっている。いずれかの水源の上流部から川底に沈殿しているセシウムが砂などといっしょにいまだに流れてきていると考えられます」

●洗車用浄化槽に放射性汚泥、福島 自動車整備工場、基準の7倍
        共同 2016/11/6 08:06
「洗車汚泥」で満杯になった自動車整備工場の油水分離槽=4月、福島県内
 福島県内の自動車整備工場にある洗車用の汚水浄化槽に汚泥がたまり、一部で国の指定廃棄物基準(1キログラム当たり8千ベクレル超)を7倍上回る最大5万7400ベクレルの放射性物質を検出していたことが5日、業界3団体への取材で分かった。東京電力福島第1原発事故当初に車に付着した物質とみられる。整備工場は県内に約1700カ所あり、「洗車汚泥」は団体側の推計で数千トン。国や東電は事故後5年半にわたって対策を先送り。住宅や公共施設に比べ遅れがちだった産業施設への除染対策が早急に求められる。

 団体側は、独自の中間処理場新設計画案をまとめ、環境省などと協議を急いでいる。

●福島の整備工場 洗車汚泥に放射性物質
        東京 2016年11月6日
 福島県内の自動車整備工場にある洗車用の汚水浄化槽に汚泥がたまり、一部で国の指定廃棄物基準(一キログラム当たり八〇〇〇ベクレル超)を七倍上回る最大五万七四〇〇ベクレルの放射性物質を検出していたことが、業界三団体への取材で分かった。東京電力福島第一原発事故当初に車に付着した物質とみられる。整備工場は県内に約千七百カ所あり、「洗車汚泥」は団体側の推計で数千トン。国や東電は事故後五年半にわたって対策を先送り。住宅や公共施設に比べ遅れがちだった産業施設への除染対策が早急に求められる。

 団体側は、県内全域をカバーする民間初となる独自の中間処理場新設計画案をまとめ、環境省などと協議を急いでいる。

 三団体は日本自動車販売協会連合会など。汚泥があふれないよう手作業でくみ上げる工場が続出し、団体側は「健康被害の恐れがある」と不安を訴えている。工場では汚泥の保管容器の置き場所も不足している。

 千七百カ所は国の認証工場。厳しい排水規制を受けており、洗車で生じた汚水を垂れ流さないよう一トン前後の容量がある浄化槽「油水分離槽」を工場の床下などに設置。汚水をためて有害物質を沈殿させ、残りを排水している。

 共同通信が入手した第三者機関によるサンプル検査結果(二〇一四年十一月)によると、浄化槽三十六基の汚泥から、四万三二〇〇ベクレルの放射性セシウム137(半減期三十年)を含む最大五万七四〇〇ベクレルを検出。国の指定基準を超えたのは十九基で半数超を占めた。

●<洗車汚泥>風評被害恐れ公表されず
      河北新報 2016年11月06日
 工場内にたまり続ける放射性物質濃度の高い「洗車汚泥」。福島県の自動車整備業界はその処理に長年悩みながら、風評被害を恐れ、公表を控えてきた。現場保管以外に手だてのない国や東京電力の姿勢にたまりかね、自ら対策に乗り出すところまで事態は緊迫している。

◎整備業界苦悩、自ら対策
<人目を忍び除去>
 「油水分離槽がもう限界だ」。住宅街の一角にある整備工場の緊急連絡。驚いた業界関係者が駆け付けると、床下の分離槽に流れ込んだ汚水が逆流し、工場内に噴き出す光景を目の当たりにした。昨年1月のことだ。
 「恐れたことが現実に起きてしまい“第2の汚染水”とパニックになった」と業界幹部。その2カ月前、汚泥のサンプル検査から国の指定廃棄物基準(1キログラム当たり8千ベクレル超)を大きく上回る値を検出、国や東電に対応を急ぐよう求めたばかりだった。
 今も洗車の汚水は日常的に分離槽へ流れ込み、底には汚泥がたまるばかり。人目を忍ぶ除去作業を強いられる。
 「深夜にふたを開け、ひしゃくで汚泥をくみ上げている。飛散しないかと心配で。社員にはさせられない」と工場主の一人。分離槽の汚泥を移し替えたドラム缶に次々と保管場所をとられ、車検に来た客の車が止められない工場まで出てきた。
 福島労働局に放射線対策を相談すると「1万ベクレルを超える汚泥だと厳重な防護対策が必要」と手作業を問題視された。八方ふさがりの状況だ。

<話し合い平行線>
 「被害は顕在化していませんよね」。昨年7月。東電福島復興本社(福島市)での話し合いで飛び出した担当者の発言に、業界側はがくぜんとした。社会問題化しなければ取り合わない-そう言っているように受け止めた業界側は、担当者に食ってかかった。「工場に濃度の高い放射性物質があると知れたら客が来なくなるじゃないか」。以後、東電とは平行線のままだ。
 環境省は約2年前、業界側から「原発周辺にある閉鎖中の整備工場を汚泥の処理用地に充ててはどうか」と提案され、容認する構えを見せた。しかし、同じエリアで並行していた、福島県内の除染で出た汚染土などを保管する国の中間貯蔵施設を巡る交渉を優先したい担当部署からストップがかかり、頓挫。「省内事情で二転三転し、対策が後手に回ったと言われたらその通りかもしれない」と幹部は悔やむ。

<資金面など課題>
 対応を迫られた整備業界は現在、県内全域の「洗車汚泥」を一括して扱う本格的な中間処理計画を立ち上げ、環境省などと再び協議に入っている。例を見ない民間主導の試みで、県内の用地確保も独自に進行中だ。
 業界幹部は「万が一、処理業者に頼んだ汚泥が処分に困って不法投棄でもされたら、工場は排出責任を問われて認証を取り消されてしまう。確かな処理先を確保したい」と決意は固い。
 だが、当面の資金調達をはじめ課題は尽きない。除染費用を事後賠償することになる東電との話し合いも先行きは見通せていないという。



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