昨日の名古屋高裁での美濃加茂市長の収賄事件の判決。無罪とした一審判決を破棄し「有罪」とした。
こういう時、応援した支持者の人たちは「信じられない」と思う。
私自身は、そもそもの事件発覚時、いろんな報道機関が周辺を独自に調べたことの内容なども見ていて、「金銭のやり取りがあったのは事実なんだろう、役務の供与もあるうえで、市の事業にその業者の事業を採り入れたのだからアウト」と思った。
周りの人が「信じられない」と思うのは当然。(信じたいとの期待感の現れともいえる)
私の住む町の例。二十数年前、当時の現職議員ら4人ほどが収賄事件で逮捕され有罪、その絡みで町長も100万円もらったことを認めたが「政治献金だ」と言い張って逮捕を免れた事件があった。信じられない思いを表す人が少なくなかった。
次の町長は、業者からの賄賂をもらったのがバレて逮捕、有罪。議員として向き合っていたから、そんな人物像は感じなかったけれど・・・
さらに、次の町長も賄賂をもらったのがバレて逮捕、有罪。議場で一緒に仕事をしていた同僚だから、見えることは少なくない。
結局、政治家は、「疑いをもたれるような行為は絶対にしないこと」とするしかない、という方針を通すしかない。飲酒運転だって、絶対にしない。その観点では、報道から見た美濃加茂市長の事件は「いけないことをやってしまった」と映る。
特に、県や市、権力相手にも市民運動をガンガンやっていたから、検察や警察に嫌われているわけで、いっそう気を付けてきた。
そんな意味で、判決は自然。一番の違和感は、担当弁護士の「こういうことが当たり前にあると、政治活動ができなくなってしまう」(弁護士ドットコム)という発言。
この「政治活動」には、喫茶店で業者と一緒に飲食する活動を指している、もしくは含んでいるわけで、政治家はそんなことをやってはいけないこと、その線引きをしないとズルズルとはまる。このことは、役所の不正の歴史、改善のための努力の歴史が示している。
ところで、先日11月10日、全国一斉の政務活動費の領収書などのネット公開の陳情書を提出した。こちらは岐阜県議会と岐阜市議会にだした。
その翌日の報道などを見て、他の自治体の市民団体からも「同じようにしたい」と相談があり、他の二つの団体も連名で、残る議会に出すことになった。
今日は、岐阜県内の残り自治体議会に同旨で陳情書を出す活動。それぞれの自治体の人には、それぞれ出す陳情書の筆頭団体となってもらい、他はこちら県民ネットが筆頭でそろって出す段取りにした。
●美濃加茂市長控訴審 贈賄証言の信用性焦点 28日判決/毎日 2016年11月27日
●美濃加茂市長、逆転有罪 収賄事件で名古屋高裁判決/中日 11月28日 夕刊
●美濃加茂市長に逆転有罪=贈賄供述「信用できる」-浄水設備汚職・名古屋高裁/時事 11/28
●【美濃加茂市長逆転有罪】主任弁護士、即日上告意向「不当きわまりない判決。徹底して戦う」/産経 11.28
●【美濃加茂市長逆転有罪】1審と正反対の結論 判断分かれたポイントは…/産経 11.28
●人気ブログランキング = 今、1位
人気ブログランキング参加中。気に入っていただけたら ↓1日1回クリックを↓
★携帯でも クリック可にしました →→ 携帯でまずここをクリックし、次に出てくる「リンク先に移動」をクリックして頂くだけで「10点」 ←←
★パソコンは こちらをクリックしてください →→←←このワン・クリックだけで10点
●美濃加茂市長控訴審 贈賄証言の信用性焦点 28日判決
毎日 2016年11月27日
岐阜県美濃加茂市の浄水プラント導入を巡って受託収賄罪や事前収賄罪などに問われ、1審・名古屋地裁で無罪判決を受けた同市長、藤井浩人(ひろと)被告(32)の控訴審判決が28日、名古屋高裁(村山浩昭裁判長)で言い渡される。1審に続き現金授受の有無が最大の争点で、賄賂として渡したとする贈賄側業者の供述・証言について、地裁が否定した信用性を高裁がどう判断するかが焦点になる。【金寿英】
浄水プラントを持ちかけた経営コンサルタント会社社長、中林正善受刑者(46)は「藤井市長に現金を渡した」と供述し、贈賄罪などで懲役4年が確定した。藤井市長の1審公判でも同様に証言したが、地裁判決は中林受刑者の供述が捜査段階で変遷しているなどとして「信用性に疑問があり、現金授受を認めるには合理的な疑いが残る」と判断した。
中林受刑者が供述当時、融資詐欺事件で起訴されていたことを挙げ、捜査機関の関心をそらして余罪の立件を免れるために虚偽の供述をした可能性があるとも言及した。
控訴審では改めて中林受刑者の証人尋問が行われ、検察側は現金授受の証言を得た。中林受刑者を取り調べた警察官も尋問し、証言や取り調べメモによって中林受刑者の証言は「裏付けがされ信用性が高い」と主張した。
さらに1審に続いて、藤井市長が浄水プラントの導入に積極的だったこと、市長との面会日に中林受刑者が預金を引き出していることなど「間接事実」を挙げ「これらから現金授受が推認され、中林証言も補強する。1審判決は評価を誤っている」と批判した。
これに対し弁護側は、検察側が主張する間接事実について「多くの『ごまかし』『すり替え』を行うなど、証拠や事実の評価が不当」と反論し、控訴棄却を求めた。中林受刑者が「1審同様に証言しなければ偽証による制裁の可能性が高まる」と恐れ、外部から1審の判決文を入手して控訴審の尋問項目に沿って証言内容を準備したとも主張し、「虚偽の証言を行っていることは明白」と訴えた。
藤井市長は2013年6月、28歳で全国最年少市長として当選した。14年6月に愛知、岐阜両県警に逮捕され、その後起訴された。同9月に裁判が始まり、検察側は懲役1年6月を求刑したが、名古屋地裁は15年3月に無罪を言い渡し、検察側が控訴した。藤井市長は一貫して無罪を主張している。
藤井市長起訴内容
美濃加茂市議だった13年3月、中林受刑者から、災害時の給水設備「自然循環型雨水浄水プラント」を同市の中学校に設置するよう持ちかけられ、導入を検討するよう市議会で発言したり市職員に促したりして便宜を図った見返りに同4月2日、現金10万円を受け取ったとされる。また、市長選に立候補しようとしていた同25日、市長就任後も便宜を図る見返りとして20万円を受け取ったとされる。
●美濃加茂市長、逆転有罪 収賄事件で名古屋高裁判決
中日 2016年11月28日 夕刊
岐阜県美濃加茂市のプール水浄化設備の導入をめぐり受託収賄や事前収賄などの罪に問われた市長藤井浩人被告(32)の控訴審判決が二十八日、名古屋高裁であり、村山浩昭裁判長は一審の無罪判決を破棄し、懲役一年六月、執行猶予三年、追徴金三十万円の逆転有罪判決を言い渡した。
控訴審では「証拠上、現金の授受が認められる」として無罪判決の破棄を求める検察側と「収賄はすべて虚構」と控訴棄却を求める弁護側が全面的に対立。一審に続き、「市長に現金を渡した」とする浄化設備業者の中林正善受刑者(46)=贈賄罪などで懲役四年確定=の証言の信用性が最大の争点となった。
検察側は受刑者が現金授受を自白した後、口座の出入金記録などによって内容が裏付けられたと指摘。「証言に虚偽はなく、高い信用性が認められる」と強調し、証言以外の状況証拠からも現金授受が認められると主張した。
一方、弁護側は受刑者が別の詐欺事件の追及や刑罰が軽くなるのを期待し、虚偽の供述をしたと主張。受刑者は控訴審の尋問前に市長の一審判決を入手し、証言内容を準備していたと指摘した。
藤井市長は現職の全国最年少市長。市議時代の二〇一三年四月、浄化設備の設置を市に働き掛ける見返りに、中林受刑者から美濃加茂市内の飲食店で十万円を、市長就任後も便宜を図るとした見返りに名古屋市内の居酒屋で二十万円を受け取ったとして起訴された。
検察側は懲役一年六月、追徴金三十万円を求刑したが、一審名古屋地裁は昨年三月、「中林受刑者の証言は不自然に変遷し信用できない。現金授受があったと認めるには疑いが残る」として無罪を言い渡した。
●美濃加茂市長に逆転有罪=贈賄供述「信用できる」-浄水設備汚職・名古屋高裁
時事 2016/11/28-20:01
岐阜県美濃加茂市の雨水浄化設備導入をめぐり現金30万円を受け取ったとして、受託収賄罪などに問われ一審名古屋地裁で無罪となった市長の藤井浩人被告(32)の控訴審判決が28日、名古屋高裁であった。村山浩昭裁判長は贈賄側供述について「客観的事実と符合し、相当に信用できると判断して差し支えない」と述べ、一審判決を破棄し、懲役1年6月、執行猶予3年、追徴金30万円(求刑懲役1年6月、追徴金30万円)を言い渡した。弁護側は即日上告した。
「市長に現金を渡した」とする設備会社社長、中林正善受刑者(46)=贈賄罪などで実刑確定=の供述の信用性が主な争点となった。
一審判決は捜査段階の供述の変遷を指摘し、信用性を否定。検察側が控訴し、控訴審では中林受刑者の証人尋問が改めて行われ、取り調べをした警察官が証人に立った。
村山裁判長は「一審指摘の供述経過に関する疑義は、通常の記憶の減退や記憶喚起の過程として十分説明できる」と判断。2回にわたる現金授受の供述に符合する預金の出入りの記録があるほか、藤井被告と中林受刑者のメールのやりとりの内容などから、同受刑者の供述は信用できると結論付けた。
●【美濃加茂市長逆転有罪】主任弁護士、即日上告意向「不当きわまりない判決。徹底して戦う」
産経 2016.11.28 17:58
受託収賄などの罪に問われた岐阜県美濃加茂市長、藤井浩人被告(32)の逆転有罪判決を受け、主任弁護人の郷原信郎弁護士は産経新聞の取材に「完全に結論ありきで、不当きわまりない判決だ」と語った。
郷原氏は「控訴審判決は1審判決レベルの証拠で贈賄側の証言は信用できると判断しており、控訴審で審理した内容をほとんど根拠にしていない」と批判。「徹底して戦っていく」と、即日上告する意向を示した。
●【美濃加茂市長逆転有罪】1審と正反対の結論 判断分かれたポイントは…
産経 2016.11.28 20:08
受託収賄などの罪に問われ1審で無罪判決を受けた岐阜県美濃加茂市長、藤井浩人被告に逆転有罪判決が言い渡された。賄賂の受け渡しは密室性が高く物証が得られにくいため汚職事件の捜査は供述が最大のカギを握る。今回は供述の信憑(しんぴょう)性をどう評価するかで判断が分かれ、正反対の結論が導き出された。
「証拠を見てもらえれば有罪になると思っていた」。法務・検察幹部の一人は淡々と判決を振り返った。1審は贈賄側と収賄側で事実認定が異なる“ねじれ”が生じていたが、検察内では「裁判官が変われば控訴審で然るべき判決が出る」(別の幹部)との見方が大勢を占めていた。
検察側立証の核となったのは、藤井被告への贈賄を認めた地下水供給設備会社社長、中林正善受刑者(46)=懲役4年の判決確定=の証言だ。
弁護側は「社長が余罪追及を免れるため検察と取引した」と主張。1審判決は贈賄側に虚偽供述の疑いがあるとまで言及していた。
控訴審でも中林受刑者の証言の信用性が争点となり、職権で証人尋問が行われた。藤井被告が受け取った賄賂は30万円だが、「額が少なく、(他の使途と)紛れてしまう」(別の検察幹部)という問題もあった。
検察側は控訴審で、賄賂の原資とされた金融機関の出金記録や現金授受後にメールが急に増えた点などを指摘し、供述を裏付けた。
元東京地検特捜部検事の高井康行弁護士は逆転有罪判決について、「控訴審で贈賄側から破綻のない証言が出たことと、検察側の裏付け立証もより緻密にされたのが主な理由だ」との見方を示した。今回の公判では、供述の信用性を慎重に吟味し、立証することの重要性があらためて示された形だ。
| Trackback ( )
|
|
|
|
|
|