政府の原発の将来のあり方についての方針が出された。
「30年代ゼロ目標」
しかし、その中を見ると、国民には「ゼロ」を強調したい、
が原発推進をやめたくはないから再処理は続ける、もんじゅも動かす
何か、そのうち、ほとぼりが冷めたら、その時の政権がまたどうにかするだろう、
そんな雰囲気を感じる。
新聞を見ると、東京・中日新聞が明確。中日の紙面も大特集なみ。
たとえば、
使用済み核燃料から新たな核燃料をつくる再処理事業は不要になるにもかかわらず、続けることを決めた。
原発の稼働は原則四十年に制限するが、安全が確認されれば期間内は「重要電源」として再稼働を認め、三〇年時点での原発依存度は実質的に15%になる。
多くの国民が求めたすべての原発からの脱却を含め、三〇年までの稼働ゼロから大きく後退した。
ただ、ネットでみると、河北新報が現地として厳しく指摘しているほか
毎日新聞が詳しく乗せているので、興味深く、記録した、。
たとえば、
国内50基のうち、稼働しているのは関電大飯原発3、4号機のみ。
28基はストレステスト1次評価が国に提出されているが、審査は完了していない。
この日決まった戦略によると、政府は今後20年前後は原発に一定程度依存し、
19日に発足する原子力規制委員会の安全確認を得たもののみ再稼働する方針だ。
だが、再稼働は自治体の理解を得にくく、安定電源にならない可能性がある。
ところで、一昨日、16時55分に議会の委員会が終わって、東京へ向かった。
昨日は、夜9時過ぎに家に戻った。
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●脱原発 国民意思から後退 「30年代ゼロ目標」決定
(東京新聞)2012年9月15日
政府は十四日、今後の原子力政策をめぐり、関係閣僚らによるエネルギー・環境会議を開き、二〇三〇年代の原発ゼロを明記した「革新的エネルギー・環境戦略」を決定した。
使用済み核燃料から新たな核燃料をつくる再処理事業は不要になるにもかかわらず、続けることを決めた。
原発の稼働は原則四十年に制限するが、安全が確認されれば期間内は「重要電源」として再稼働を認め、三〇年時点での原発依存度は実質的に15%になる。
多くの国民が求めたすべての原発からの脱却を含め、三〇年までの稼働ゼロから大きく後退した。
戦略には判断の先送りや矛盾を抱える内容が多い。だが、野田佳彦首相は会議後、「見通せない将来について確定的なことを決めるのはむしろ無責任だ」と説明した。戦略は、近く国家戦略会議に報告し、閣議決定する。
戦略は「原発に依存しない社会の一日も早い実現」を目指し「三〇年代にゼロを可能とするよう、あらゆる政策資源を投入する」と表現した。
原発の運用は▽四十年運転制限を厳格に適用▽原子力規制委員会で安全が確認されたものは「重要電源」として再稼働▽新設や増設はしない-ことを原則とした。
二〇〇〇年代に入り運転を始めた中部電力浜岡5号機(静岡県)や北陸電力志賀2号機(石川県)など五基は、三九年時点で稼働四十年を迎えない。
エネ環会議議長の古川元久国家戦略担当相は「ゼロにする努力をする」と述べるにとどめ、廃炉の明言を避けた。中国電力島根3号機など建設中の原発も「個別のものは決めてない」と稼働に含みを残した。
また、核燃料サイクル政策自体の判断も先送りにした。サイクルの中核となる高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県)は、「年限を区切り使用済み核燃料処理の研究に使う」としたが、終了時期を定めなかった。
使用済み核燃料再処理工場などサイクル関連施設を受け入れてきた青森県を「最終処分地にしないとの約束は厳守する」と強調。一〇年時点で発電電力量が千百億キロワット時だった再生可能エネルギーは、設置手続きの簡素化や送電網の強化などで三〇年までに三倍に拡大する計画を盛り込んだ。
<革新的エネルギー・環境戦略> 東京電力福島第一原発事故を教訓に、原発に依存しない社会に向けた目標や方策をまとめた中長期的な指針。
今後のエネルギー、環境政策の柱となる。
政府はこの戦略をもとに電力システム改革戦略や、再生可能エネルギーの拡大策などを盛りこんだ「グリーン政策大綱」、新たな地球温暖化対策や、原子力関連の人材・技術の維持策を年末までにまとめる方針だ。
●政府、新エネ戦略決定 福島県民、本気度に疑問
河北新報 2012年09月15日土曜日
脱原発の未来は玉虫色だった。政府の新たなエネルギー戦略は原発ゼロを掲げる一方、実現時期は2030年代とあいまいな表現にとどまった。福島第1原発事故の被害を受けた福島県の人々は政府の「本気度」を疑っている。
「次世代に負の遺産となる原発は不要だ」。政府が新戦略決定のプロセスとして8月に福島市で開いた意見聴取会で、30人の意見表明者のうち28人が早期の原発ゼロを求めた。その1人、同市の中野節夫さん(70)は新戦略を「原発ゼロのやる気と自信は本当にあるのか」といぶかる。
政府はもともと「30年」の原発依存度として0%、15%、20~25%の3選択肢を示していた。「『30年代』は39年までで後退した印象だ。衆院選が近いから『原発ゼロ』を入れたかったのだろう」と中野さんは見る。
3歳の時に長崎で被爆した体験を踏まえ、聴取会で「原爆被害は戦争だが、原発事故は電力事業が国民を苦しめる」と訴えた。今となっては「政府は聞く耳を持っていたのか」と思う。
新戦略の議論過程で高レベル放射性廃棄物の最終処分問題や原子力をめぐる米国、英仏との関係に国民の理解が深まった。原発事故がなければ新戦略を描くことはあり得ず、中野さんは「事故の唯一の効能」と語った。
政治色の強い「原発ゼロ」に事故被害者の思いは複雑だ。富岡町から大玉村の仮設住宅に避難する建設業山田久夫さん(64)は「政権交代したら原発推進に戻るのでないか」と不安を隠さない。
「家族が散り散りになり、故郷で老後を過ごす夢も奪われた。原発ゼロは当然だ。私たち以外に犠牲者を出してならない」と語った。
今も避難区域指定が解けず、住民が帰還できない原発立地町も「脱原発は当然」と受け止める。全町避難の続く大熊町の渡辺利綱町長は「使用済み燃料をどうするのか、廃炉ロードマップをどう作るのかの不安材料もある。政府は方向性を出してほしい」と要望した。
政府は原発に代わる電力の安定供給源を確保する責任を担う。県商工会議所連合会の瀬谷俊雄会長は「再生可能エネルギーの導入時期や実現可能性、電気料金の増大による産業への影響など現実的な課題への対応が必要だ」と注文を付けた。
◎東北電運転制限を懸念/燃料費の負担増必至
政府が新たなエネルギー戦略として「2030年代の原発ゼロ」を決めた14日、東北電力は「極めて大きな課題があり、大変憂慮すべきものと受け止めている」と強い懸念を示した。新戦略には「40年の運転制限の厳格適用」や「新設・増設を行わない」ことも盛り込まれた。代替電源となる火力発電の燃料費など経営面での負担増は必至で、東北電は戦略見直しを求めていく方針だ。
40年の運転制限による東北の原発の停止時期は図の通り。30年代の原発ゼロが実行されれば、東北電の女川3号機(宮城県女川町、石巻市)と東通1号機(青森県東通村)は稼働40年を待たずに廃炉となる。
東北電と東京電力が予定する計3カ所の新設計画も実現不可能となり、既に着工した東京電力の東通1号機も建設中止に追い込まれる可能性がある。
東北電の海輪誠社長は同日発表したコメントで、燃料費増大のほか電気料金上昇の可能性や原子力の人材確保などを「原発ゼロ」の課題に挙げた。政府には「燃料調達の安定性に優れ、発電で二酸化炭素を出さない原発は、安全確保を大前提に今後も活用することが必要」と戦略見直しを訴えた。
◎女川町長「混乱いつも地方に」/山形知事「卒原発の方向評価」
政府が14日決めた将来の「原発ゼロ」政策について、東北電力女川原発(宮城県女川町、石巻市)の地元首長らは実現性を疑問視するなど批判的な見方を示した。一方、同原発の再稼働に否定的な吉村美栄子山形県知事は決定を評価した。
女川町の須田善明町長は「実現までの具体的なプロセスが示されていない。選挙目当ての政策にも映る」と強調した。将来の地元経済や雇用への影響も懸念されることから「都市部に電気を供給してきたのに、混乱に巻き込まれるのはいつも地方の側だ」と苦言を呈した。
女川原発については「まだ再稼働を議論する段階にない」と説明。ただ化石燃料への依存が不可欠となるとして「エネルギー小国の日本が、本当にゼロにできるだろうか」と、原発の必要性にも言及した。
村井嘉浩宮城県知事も「安価で安定的、持続的な電力供給は重要」と指摘した。その上で政府には「原発をゼロにするのが本当に国民のためになるのか、しっかり検証を重ねながら慎重に進める必要がある」と求めた。
隣の山形県のトップとして「卒原発」を提唱する吉村知事は「原発依存から卒業し、安心して暮らせる持続可能な社会をつくり上げていくべきだという、卒原発と同じ方向性を目指すもの」と政府決定を評価した。その上で再生可能エネルギー導入拡大に向け「具体的な政策を着実に推進してほしい」と期待した。
【解説】政府が14日決定した新エネルギー戦略は、世論に後押しされる形で一応は「原発ゼロ」を盛り込んだものの、原発稼働が前提の核燃料サイクル政策は維持した。建設中の原発をどうするかなど解決の先送りも目立つ。説明し難い矛盾を内包したままでは単なる努力目標に終わりかねず、原発ゼロへの道は開けない。
政府が当初示した原発ゼロ案は、使用済み核燃料を再処理するサイクル政策をやめ、地中廃棄に転換するとしていた。
しかし、再処理を前提に各原発から使用済み燃料を受け入れている青森県や六ケ所村は猛反発。返送も辞さない構えで、そうなれば前倒しの原発停止は避けられない。サイクル維持は青森側が求めた「現実的な対応」に配慮した苦肉の策だが、本末転倒で無理がある。
再処理して取り出すプルトニウムを消費する原発や高速増殖炉「もんじゅ」がなくなるのに、使い道のない核兵器の原料を生産し続ければ国際的な批判を招く。原発ゼロによる電力料金高騰が懸念される中で、地中廃棄よりも割高な再処理費用をさらに上乗せするのも不可解だ。
「核のごみ」を青森だけに押しつけ、課題解決を先送りしてきたツケでもある。本気で原発ゼロを目指すなら、使用済み燃料や高レベル放射性廃棄物の処分問題は避けて通れず、全国各地で受け入れを促す覚悟が問われている。
青森の問題もそうだが、原子力事故で最大の被害を受ける立地地域が原子力施設の維持を望み、恩恵を受ける電力消費地が「NO」を声高に叫ぶ構図が浮き彫りになっている。こうした逆転現象はやるせなく、異様でもある。
原子力政策は、経済的利益と引き換えに迷惑施設を過疎地に押しやって成り立ってきた。その根幹にある地域格差に真剣に向き合う時だ。
原子力に依存せざるをえない地域の構造転換策を示すのは、エネルギー安定供給や環境対策などと等しく、原発ゼロへの不可欠な道筋と言える。国策として原子力を進めた以上、それは国の責務だ。(東京支社・石川威一郎)
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●クローズアップ2012:原発ゼロ決定 核燃処理、重い課題
毎日新聞 2012年09月15日
東京電力福島第1原発事故から1年半。政府は14日、エネルギー政策のかじを切り、「2030年代の原発稼働ゼロ」という目標を打ち出した。
ただ、実現の道筋が明確に描けているわけではない。課題も次々に浮かび上がる。
「脱原発」を望む国民の声と、原発立地県などに広がる不安。そして日本の原発に深く関与してきた米国の懸念−−。目標を達成するため、政府は難題を解く責任を負っている。
◇矛盾露呈に内外反発
戦略の取りまとめが迫っていた11日、枝野幸男経済産業相、古川元久国家戦略担当相、細野豪志原発事故担当相、民主党の仙谷由人政調会長代行、斎藤勁官房副長官が東京都内のホテルに集まった。
3閣僚に2人が加わる、この会合は「3プラス2」と呼ばれ、関西電力大飯原発の再稼働問題など原子力政策を実質的に仕切ってきた。11日は大詰めの協議だったが、原発活用派の仙谷氏は不満そうにほとんど発言しなかった。政府方針は既に決まっていたからだ。
野田佳彦首相が「原発ゼロ」にかじを切ったのは8月6日。広島原爆の日だった。首相は、原発依存ゼロの場合の課題を整理するよう枝野氏らに指示。政府関係者は「この時点で首相の気持ちは固まっていた」と明かす。
首相周辺によると、首相は早い段階から「将来的なゼロは言わないとな」と周囲に漏らしていたが、国民向け意見聴取会などで支持を集めた「30年の原発ゼロ」には、「本当に大丈夫なのか」と懐疑的だった。
広島原爆の日の直前、首相公邸を繰り返し訪れて首相を説得したのが「原発ゼロ」が持論の枝野氏だった。
古川氏も決断を促し、最終的に、ゼロを打ち出しつつ首相の懸念に応えて「30年代」と時期に幅を持たせることで歩み寄った。
ただ、難題は残っていた。13日夜には枝野、古川両氏らが都内のホテルで2時間以上にわたって協議。最終的な取りまとめは14日午前までずれ込んだ。
新たな戦略は30年代に「原発ゼロ」としつつ、使用済み核燃料を再処理して再び利用する核燃料サイクルの継続を打ち出した。
再処理を前提に使用済み燃料を受け入れている青森県側への配慮だ。
一方、再処理で発生するプルトニウムは核兵器に転用できることから、米国は「原発ゼロ」でプルトニウムが蓄積されていくことを問題視した。政府は、この矛盾にどう向き合うかに直面した。
政府は12日、急きょ、長島昭久首相補佐官と大串博志内閣府政務官を米国に派遣。2人は複数の政府関係者らと接触したが、米国側の納得は得られなかった。14日午後に帰国した長島補佐官は記者団に「1回で済む話ではない。専門家を含めて議論を深めていくことになった」と問題解消の難しさを認めた。
米側は、原発の燃料とする前提で日本がプルトニウムを取り出すことを認めた「日米原子力協定」に反し、これを認めれば、イランなどにプルトニウム生産の口実を与えてしまうとの懸念を持っている。東芝が米ウェスチングハウスを傘下に収めるなど日米の原発メーカーは密接に結びついており、日本が「原発ゼロ」を選択すれば、米国の原子力産業にも影響を与えかねない。
米国に配慮して再処理を断念すれば、青森県側は、保管している使用済み燃料を各原発に返す構え。青森と米国の意向を両立させる妙案はない。
「関係自治体や国際社会とコミュニケーションを図りつつ、責任を持って議論する」。政府は、戦略にこう書くのが精いっぱいだった。【丸山進、笈田直樹、小山由宇】
◇再稼働、八方ふさがり もんじゅ「高速増殖」実質断念
「莫大(ばくだい)な金をかけて安全評価(ストレステスト)をしたのに、はしごを外された」。原発ゼロ明記に、関西電力の関係者は怒りを隠さない。
国内50基のうち、稼働しているのは関電大飯原発3、4号機のみ。28基はストレステスト1次評価が国に提出されているが、審査は完了していない。
この日決まった戦略によると、政府は今後20年前後は原発に一定程度依存し、19日に発足する原子力規制委員会の安全確認を得たもののみ再稼働する方針だ。だが、再稼働は自治体の理解を得にくく、安定電源にならない可能性がある。
規制委では、ストレステストの扱いを含め、再稼働の可否を判断する仕組みを見直す。
根拠となる安全基準の法制化は発足から10カ月程度かかるとみられる。
原発の直下や周辺にある断層の問題も浮上。北陸電力志賀原発など6施設は再調査を求められている。事業者の調査結果が出るのは11〜3月になる。
さらに焦点となるのが、プルトニウムを混ぜたMOX燃料を一部使うプルサーマル炉だ。戦略では、核燃料サイクルについて、使用済み核燃料の再処理を堅持
。再処理で出るプルトニウムをプルサーマル炉で消費しなければ、プルトニウムを無用に増やしてしまう。
プルサーマル炉は現在、九州電力玄海原発3号機など3基のみ。
全燃料をMOX燃料とするJパワー(電源開発)の大間原発が建設中だが、「新増設しない」との原則に適用されるかは「検討課題」(内閣官房)という。
使用済みMOX燃料の実用的な処理方法は未開発で、立地自治体の理解を得るのは難しいとみられる。
核燃料サイクルのもう一つの要の高速増殖原型炉「もんじゅ」は、燃料となるプルトニウムを生み出しながら発電する本来の目的は事実上、断念。
プルトニウムなど寿命の長い放射性物質を、寿命の短い放射性物質や放射線を出さない物質に変えて、廃棄物を減らす研究に、期間限定で使う。
運営する日本原子力研究開発機構によると、この研究は高速中性子を利用するもんじゅの特徴を生かし、震災前から米仏と計画。
もんじゅの中島文明副所長は「放射性廃棄物の減量は国際的に求められており、もんじゅは有力な手段」と話す。【岡田英、西川拓】
エ●ネルギー・環境戦略:「30年代に原発ゼロ」目標決定(その1) 再生エネ普及カギ
毎日新聞 2012年09月15日
◇太陽光、風力、送電網 投資122兆円、大幅省エネと併用
政府は14日、エネルギー・環境会議を開き、「30年代の原発稼働ゼロ」目標を決定。国内で原発が営業発電を開始した1966年以来、46年間続いてきた原発依存型のエネルギー政策の転換を初めて宣言した。「脱原発依存」を求める世論に背中を押された形だが、政府目標の達成までには多くの難題が立ちはだかる。国民の生活水準とのバランスを取りながら、いかに代替エネルギーを確立していくのか。経済活動への影響をどう緩和するのか。新エネルギー政策の課題を検証した。
将来の原発ゼロ実現の最大のカギを握るのが、太陽光、風力など再生可能エネルギー発電と省エネの促進だ。ただ、送電網の整備や用地確保、強制的な規制の実施など、実現に向けたハードルは低くない。関連ビジネスの成長は期待できるものの、必要投資額は30年までに122兆円程度に上るとされ、電気料金などのコスト上昇で、家計や中小を含めた企業経営を圧迫することは避けられない。
国内の総発電量に占める再生エネ発電の割合比率は10年で約10%だが、原発を代替するには30年時点で30%程度に高める必要がある。現在の再生エネは多額の建設費や工事期間がかかる大型水力発電が9割近くを占めており、これを除くと1%程度に過ぎない。政府案では、太陽光は30年までに10年実績の38億キロワット時(原発0・5基分に相当)から、17倍の666億キロワット時、風力は同様に43億キロワット時から15倍にそれぞれ増やす必要がある。
具体的には、住宅用太陽光なら最大1000万戸程度への設置が必要だ。1戸あたりの標準的な設置費用は約200万円だが、現在は購入時に約15万円の補助金や余剰電力を電力会社が買い取る制度があるため、10年程度で費用回収が可能とされる。現在太陽光を導入している家庭は約100万戸ある。毎年約40万戸ある新築一戸建てと古い耐震基準の住宅の建て替え需要を考慮すれば、まったく実現不可能とは言えないが、設置を義務づける必要がありそうだ。
一方、風力の場合は、東京都の1・6倍の面積に発電施設を設置することが求められる。ただ、風力は発電に適した地域が北海道や東北の一部に限られる。東北・北海道では電力需要が少ないため、需要の多い首都圏などに電気を送る必要があり、送電網の整備や用地買収、環境面への配慮が不可欠だ。また、欧州に比べて導入が遅れている洋上風力は10年代半ばから本格的に実用化を開始するが、漁業権の調整も課題となる。太陽光、風力とも天候や季節に左右されがちで、電気をためておく蓄電池の大幅な性能向上も必須だ。
省エネは10年比で19%の電力消費量の削減が求められている。
電力を効率的に利用する次世代送電網(スマートグリッド)の普及が前提となるほか、現行の省エネ基準以上の断熱を新築住宅では100%(現状約40%)、既存ビルでは8割(同20%)導入するほか、▽LEDなど高効率照明の100%導入(同20%)▽家庭用燃料電池530万台を含む高効率給湯器を9割導入(同10%)−−など、家庭・企業両部門での抜本的な取り組みが不可欠。政府による支援強化や強制的な規制措置は避けられない見通しだ。
政府は今年7月1日から、電力会社に再生エネ発電の全量購入を義務づける「固定価格買い取り制度」をスタートさせた。太陽光の買い取り価格は1キロワット時あたり42円で、専門家の間では「30円台でも事業者の採算は合う」との声もあったが、導入促進のため高めに設定。このため、利益を見込んだ新規参入が相次いでいる。
全国で大規模太陽光発電(メガソーラー)の建設計画を進めるソフトバンクの孫正義社長は「日本は自然エネルギーの宝庫。技術的能力も十分ある」と意気揚々だ。
ただ、買い取り費用は電気料金に上乗せされ、家庭や企業などが負担することになる。電気料金7000円の標準的な家庭の場合、12年度は月平均で87円上乗せされる。買い取り条件に変更がなければ17年度には400円まで上昇するとの試算もある。
しかも、これには、電力会社が自身で負担する送電網の整備費や税金でまかなう国の補助金などは含まれていない。政府によると30年までの投資額は再生エネは38兆円、省エネは84兆円で、電気料金や税金などを通じたトータルの国民負担は大幅に増えそうだ。
また、仮に、再生エネが想定通り導入できなければ、電力不足を補うために割高な火力発電を増やさざるを得なくなる。今後、国民生活や経済活動への影響を抑えながら、再生エネの大幅導入をいかに現実的なものにしていくか。消費増税などで国民負担が増す中、実現可能な制度設計が求められる。
◇温室ガス、削減目標引き下げへ
政府の「原発ゼロ」の方針決定で、日本の国際公約「温室効果ガスを20年に90年比25%削減」は達成不可能となった。
国際社会は昨年末、国連気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)で12年に終わる京都議定書後の新枠組みを15年までに採択し、20年以降に発効することを合意した。年末のCOP18に向け、新枠組みに向けた議論が始まったが、各国の削減目標の引き上げを巡り、先進国と途上国の間で意見の対立は深刻化するばかりだ。
そんな中で日本は削減目標の引き上げという新枠組みの全体的な議論は支持しながら、自身の削減目標は引き下げようとしている。9月にバンコクで開かれた締約国の会合に参加した世界自然保護基金(WWF)ジャパンの小西雅子気候変動プロジェクトリーダーは、「(国際公約撤回は)国際社会から受け入れられる雰囲気ではない。新枠組みの議論を前進させるためには、先進国が責任をきちんと果たすことが求められる。日本が目標を大幅に引き下げれば、世界が協力しての温暖化交渉に著しく悪影響を及ぼし、発言力も失う」と指摘する。
一方、細野豪志環境相は「COP18までには考え方をまとめる」と述べるだけで、戦略は全く見えない。
◇LNG依存、コスト高 割安シェールガスに期待
政府の「原発ゼロ」シナリオで、発電量の多くを依存することになるのが火力発電だ。電力各社は割高な液化天然ガス(LNG)による発電を強いられ、燃料費の増加をコスト削減で補えなければ、東京電力以外の電力会社にも電気料金値上げが波及することは避けられない。家計や企業の負担は一段と重くなる。
資源エネルギー庁によると、10年度の国内発電電力量全体に占める火力の比率は約62%。内訳は▽LNG29・3%▽石炭25・0%▽石油7・5%だ。石油は割高な上に9割近くを政情不安定な中東に依存するなど調達リスクが高く、石炭は安価だが発電時のCO2排出量が多い。このため、調達先が分散しCO2排出量も少ないLNGが主流となっており、20年度までに新設される火力発電所の9割はLNG火力だ。「原発ゼロ」の下、LNG依存はさらに強まるとみられる。
問題は割高な燃料価格だ。近隣に大規模ガス田がなく、天然ガス調達を輸入に頼る日本は、パイプラインが整った米国などに比べて液化と輸送のコストが余計にかかる。その上、原油価格と連動した長期契約が中心で「調達価格の大幅な低下は当面見込みづらい」(エネ庁幹部)のが実情。国際エネルギー機関(IEA)の予測では、日本向けLNG価格は、10年の百万BTU(英国熱量単位)あたり11ドルから30年代にかけ14〜15ドル程度まで右肩上がりが続く見通しだ。
日本は既に世界のLNG輸入量の3割超を占める世界最大の輸入国。東日本大震災後、原発停止で火力の比率が高まり、11年の輸入量は前年比12%増の7850万トンに拡大した。価格は今年5月ごろに18ドル前後と震災前の最大1・6倍に跳ね上がった。12年1〜6月のLNG輸入総額は前年同期比約1・5倍に増え、貿易収支は半期ベースで過去最悪の赤字を計上。恒常的な貿易赤字に落ち込む主因となっている。
一方、電力10社のLNG消費量は11年度に5289万トンで、過去最多だった07年度(4192万トン)を大幅に上回った。燃料費増加が直撃し、中国電力と沖縄電力を除く8社が12年3月期連結決算で最終(当期)赤字を計上。「原発がなければ産ガス国に足元を見られ、調達価格はさらに上がる」(電力大手首脳)との見方もあり、電力各社の一斉値上げが現実味を帯びてくる。
こうした中、注目を集めるのが米国産の割安な「シェールガス」だ。頁岩(けつがん)層と呼ばれる岩盤に含まれ、採掘技術が確立した00年代半ば以降に生産が拡大。現在の技術で東京ドーム約1800万個分の採掘が可能とされる。豊富な生産量を背景に米国内の天然ガス価格は現在2ドル台と日本の5分の1程度。米国からLNGを輸入できれば電気料金の値下げも期待される。
既に日本の商社や電力、ガス会社などは米国産シェールガスの獲得に動いている。
ただ、米国は「エネルギー安全保障上、重要な安定調達先になりうる」(経済産業省幹部)半面、天然ガスの輸出を原則として自由貿易協定(FTA)締結国に限定。非締結国の日本への輸出は現時点でハードルが高く、日本が実際にどの程度輸入できるかは未知数だ。
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この特集は、藤野基文、篠田航一、久田宏、種市房子、宮島寛、小倉祥徳、和田憲二、杣谷健太が担当しました。
●エネルギー・環境戦略:「30年代に原発ゼロ」目標決定(その2止) 新産業創出に期待
毎日新聞 2012年09月15日
◇HV、EVなど柱 空洞化加速に対処
「原発ゼロ」を目指す中で、政府は電力供給の不足を火力や再生可能エネルギーの比率を増やすことで補おうとしている。火力発電に必要な燃料費の増加や再生エネの固定価格買い取り制度への負担は、電気料金の値上げを招くことになり、電力を大量に消費する製造業には強い逆風となる。長引く円高や経済のグローバル化で製造業の海外移転が進んでいるが、一層の空洞化を招きかねない。「制約を逆に成長のバネに変える」(古川元久国家戦略担当相)と政府は原発ゼロを踏まえた成長戦略を描くが、実現はまだ見通せない。
「電気料金の値上げが全国に波及すれば、鉄鋼業界全体への影響は甚大だ。鋳造業や電炉業にとって廃業勧告に等しい」。鉄鋼関連の業界団体の代表者が先月29日、経済産業省を訪れて窮状を訴えた。金属や鉄スクラップを電気で生じた熱によって溶解する鋳造業や電炉業は、生産コストに占める電気料金の比率が高く、これ以上の料金の上昇は「日本での事業継続が困難になる」と警鐘を鳴らす。
それ以外の製造業でも影響は避けられない。
日本総合研究所の藤波匠主任研究員は「製造業は設備投資を国内で行うかどうかを判断する際、電気料金の違いで海外を選びかねない」と、国内産業の空洞化進展の可能性を指摘する。経団連が今年4月に一部の会員会社を対象に実施したアンケート調査でも、「電気料金の上昇によって3分の1の製造業が海外設備への投資を増加させる」と回答した。
国内の産業空洞化にどう立ち向かうか。政府が用意している処方箋は、電力制約を逆手に取った省エネルギー分野で新産業を起こすとの内容。産業転換で国内に新たな雇用を生み出し、製品や技術を輸出することで海外からも収益を上げるというものだ。
政府が「重要プロジェクト」と位置付けているのは、電気だけでなく石油なども含めた総合的な省エネルギーの推進だ。ハイブリッド自動車(HV)や電気自動車(EV)などの次世代自動車のさらなる性能向上と電力需給ピークの抑制に貢献する蓄電池の大型化・高性能化が大きな二つの柱となる。新興国も含めて、世界市場はいずれも拡大しており、蓄電池では「20年の世界シェアで5割を日本勢が獲得する」との意欲的な目標を掲げ、日本の存在感を再び高めようともくろむ。
ただ、いずれの分野も海外勢の追い上げは激しい。世界で普及させるには規格の統一が必要だが、EV向けの急速充電規格は、日本勢と米独8社の2陣営が主導権争いをしており、中国も独自規格の採用に踏み切っている。蓄電池でも国際的な規格作りが進んでおり、国際標準がどう決まり、それにどう対応するかがカギになる。
◇技術継承に工夫を 「廃炉」ビジネス、どう確立
政府は「原発ゼロ」の方針を決めたが、54基ある既存原発(福島第1原発を含む)を全基解体するには最低でも数十年の長い年月が必要だ。廃炉を着実に進めるためには原発技術の維持・継承が不可欠で、先細りする業界に若い世代を集める工夫が課題となる。
「原子力がゼロになるとして、どうやって技術を残すのか。福島第1原発を40年近くかけて廃炉にするための技術者確保は極めて重要。認識が甘すぎる」。エネルギー政策論議が佳境を迎えた8月21日、細野豪志原発事故担当相は会見で語気を強めてそう言った。
福島第1原発は炉心溶融(メルトダウン)の結果、核燃料が原子炉圧力容器外の物体と混ざり合ったまま固まっている状態とみられ、それらを取り出す技術は現状では確立できていない。政府と東京電力は取り出し技術などの確立を急ぎ、最大40年かけて廃炉を終える目標だが、廃炉には事故を起こしていない原発でも1基20〜30年程度かかるとされるだけに「40年での廃炉完了は希望的観測」(原子力損害賠償支援機構幹部)というのが実態だ。現役技術者だけで完結できる作業ではなく、数世代にわたる技術の継承が必要になる。
しかし足元では既に原子力からの学生離れが起き始めている。文部科学省によると全国に11ある大学・大学院の原子力関係学科・専攻への志願者数は12年度、前年度比1割減の733人に。11年度開催された原子力関係企業の合同就職説明会に至っては、就職難にもかかわらず来場者数が前年度約4分の1の496人に激減した。説明会に参加した原子炉メーカー幹部は「廃炉しか仕事のない、夢のない業界に好んで進もうとする学生なんていない」と断じた。
震災当時は定期検査中で発電していなかった福島第1原発4号機まで水素爆発を起こしたように、原発は止めるだけで危険をなくせるわけではない。使用済み核燃料の半永久的な管理も必要で、「廃炉」をいかにして新ビジネスモデルとして確立させるかが焦点になりそうだ。
◇歳入減に募る危機感 立地自治体、支援要請活発化も
東京電力福島第1原発事故後、村長自らが村内にある日本原子力発電東海第2原発の廃炉を訴えた茨城県東海村。立地自治体にもかかわらず脱原発を訴えた自治体として注目されたが、実際には脱原発への道のりは容易ではない。
10年度の村の歳入170億円(一般会計決算ベース)のうち、電源立地地域対策交付金は11億9500万円を占め、村民の3分の1は原子力関連の仕事に携わっているとされる。村上達也村長は廃炉による経済的影響について「電源交付金がなくなれば、ぐんと(歳入は)減る」と認める。また従来「国が『脱原発依存』を打ち出している以上、激変緩和策として財政支援をすべきだ」として、原子力からのエネルギー転換を支援する新法制定を国に求めてきた。
村上村長の念頭にあるのは、1961年に制定された「産炭地域振興臨時措置法」。主要エネルギー源が石炭から石油に移行して閉山が相次いだ産炭地に、税制優遇・財政支援する仕組みを作った。
09年度に原子力や水力など発電所の立地する道府県と市町村に対して支払われた電源立地地域対策交付金は約937億円。資源エネルギー庁は「発電所立地への理解を図るため」として、使途を「公共施設や住民福祉に資する事業」と幅広く認める。立地自治体では、道路整備や企業誘致広報費に充当するなど貴重な財源になってきた。原発ゼロへの転換で、立地自治体では「歳入源は確保されるのか」という強い危機感が広がっている。
エネルギー政策の転換による自治体の財政悪化では、破綻した北海道夕張市の記憶が生々しい。衰退した炭鉱に代わる新たな歳入源を見いだせなかったことが財政悪化の主な原因だった。
国の方針が定まらない中、これまで静観していた立地自治体。今後は、東海村同様「国の責任においてエネルギー政策を転換した」として新たな仕組みの財政支援を求める動きが活発化することが予想される。しかし、1000兆円近い累積債務を抱える政府が、新たな税源を捻出するのは難しいのが実情。
東海村の財政担当者は「うちは違うが、原発のみに財政を依存する立地自治体もある。エネルギー政策転換後も立地自治体が自立できるよう国が支援する制度設計をしないと第二の夕張が生まれる」と懸念を示す。
◇「2022年、脱原発」 送電網整備立ち往生/料金値上げ 試行錯誤続くドイツ
ドイツは福島第1原発の事故後、国内17基の原発を2022年までに順次停止する「脱原発」を決めた。その代替措置として、電力消費量の20%を占める再生可能エネルギーの普及を急ぎ、50年までに割合を80%まで高める方針だ。
特に現在8%を占める「風力」への期待は大きいが、約2万基の風車が回る陸上は既に満杯のため、北海・バルト海の6カ所で洋上風力発電所を稼働させ、さらに27カ所の建設を急ぐ。
課題は送電網の整備だ。海がある北部から産業拠点が集中する南部まで、20年ごろまでに国内全土で全長約3600キロの送電網を急ピッチで増設しなくてはならない。だが現在、東部ウッカーマルクなどドイツ各地で反対運動が起き、年間わずか20〜35キロ程度しか進んでいない。残り10年で「原発ゼロ」を達成するには、課題は山積だ。
ウッカーマルク地方の丘陵地帯には、のんびり草をはむ放牧牛の背後に、旧東独時代に建設された高圧送電線の鉄塔が立つ。送電会社は、現在27メートルの鉄塔を今後2倍の高さにし、新たな高圧線を増設する計画だが、反対運動で建設事業は立ち往生している。
「電磁波による健康被害も懸念され、自然破壊も進む。高圧線は地下に埋めるべきだ」。反対運動のリーダーで元教師のハルトムート・リントナーさん(66)は訴える。送電会社側はコスト増を理由に「埋設」を拒否し、住民側との対立が続いている。
ドイツでは、消費者の負担増も問題になっている。政府は太陽光などで発電した電気を電力会社が固定価格で買い取る制度を00年に導入。一般家庭などで発電パネルの取り付けが進み、11年の新規導入量は7500メガワットと06年の9倍に達した。だが、買い取り費用は電気料金値上げの形で消費者の負担増につながり、00年には1世帯で月平均42ユーロ(約4200円)だった電気料金が、今年は75ユーロ(約7500円)まで上昇。このため政府は今年、買い取り価格の引き下げを決めた。
「脱原発は未来への大きなチャンス」。昨年5月、高らかにこう宣言したメルケル首相は、1年後の今年5月、ギリシャ神話の英雄があまりに多くの難題に直面した故事に例え、「(脱原発は)まるでヘラクレスの課題だ」とその困難さを嘆いた。「原発ゼロ」を選択したドイツの試行錯誤は続く。
●エネルギー・環境戦略:「30年代原発ゼロ」決定 識者の話
毎日新聞 2012年09月15日
◇状況に応じて柔軟に見直しを−−井熊均・日本総研創発戦略センター所長
「原発ゼロ」という言葉が独り歩きしているが、「40年運転制限の厳格適用」「原子力規制委員会の安全確認を得たもののみ再稼働」「原発の新増設はしない」の3原則は国民的議論を反映した成果と言え、評価できる。
新戦略が想定する再生可能エネルギーの大量導入や、IT(情報技術)を用いたエネルギーの効率的な制御による省エネといった方向性も決して間違っていない。この分野は新興国などでもニーズが高く、原発など既存の大規模電源を推進するよりも新たな産業が生まれる余地は大きい。
2030年のエネルギー社会を現時点で描くのは限界がある。状況変化に応じて柔軟に見直していけばいい。
◇廃炉に必要な技術、維持できず−−澤昭裕・21世紀政策研究所研究主幹
選挙を意識したのだろうが、あまりに拙速な判断だ。原発ゼロになるのは30年代だといっても、技術は急速に失われる。夢のない業界に進んで就職する若者はおらず、現役の技術者にも転職先を探す人が出てくるだろう。廃炉に必要な技術の維持もままならなくなる心配がある。
近い将来停止する原発のために、電力会社は数千億円もの巨額な安全対策費用を調達できるだろうか。電気代は大幅に上昇し、電力不足も解消されず、生産拠点の海外流出が加速することになりかねない。せめて今後国会に提出する関連法案には、数年後の見直し規定を盛り込み、原発ゼロの弊害が顕在化した時に備えるべきだ。
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●エネルギー・環境戦略:「30年代、原発ゼロ」 デモ参加者「遅い」 官邸前、不信感あらわ
毎日新聞 2012年09月15日
政府の「30年代原発ゼロ」戦略を、金曜日恒例となった反原発行動の参加者たちはどう見たのか。東京・首相官邸前などで14日夜、感想を尋ねると「だまされるな」「今すぐ原発をなくせ」という答えが返ってきた。【川崎桂吾、馬場直子、春増翔太】
「市民の力で政府から『原発ゼロ』という言葉を引き出すことができたことは大きい」。抗議行動のリーダーの一人でイラストレーターのミサオ・レッドウルフさん(ペンネーム)はこう評価しながらも「(国内で唯一稼働中の)大飯原発の即時停止を求めている私たちにとって本当の勝利には遠い」と話した。
この日の行動は午後6時にスタート。「原発いらない」「原発やめろ」のシュプレヒコールが続く。「一時期より人が減った」(参加者)とはいえ、この日も家族連れや会社帰りのサラリーマンらの姿が目立つ。
「ごまかされているように思えてならない」と話すのは千葉市の男性会社員(36)。3回目のこの日、初めて妻(38)と娘(4)を伴った。男性は「本当に実現できるのか。脱原発の声を鎮めるためのその場しのぎで、選挙対策に思える」と政府への不信感をあらわにした。
官邸前から霞が関への歩道では、参加者がプラカードや旗を持ってアピール。東京都杉並区の大学2年の鈴木裕輝さん(21)は「今すぐ原発を止めてほしいというのが自分の思い」ときっぱり。
東京都中野区のフリーの編集者、阿部進さん(60)は「首相はとりあえず脱原発を言おうという程度では。今すぐ原発から脱却すると言うのが次世代への責務だ」と語った。
行動は再稼働を巡る閣僚会合を前にした3月下旬、市民団体「首都圏反原発連合」の呼び掛けで始まった。
官邸に向かってひたすら「再稼働反対」「原発いらない」と声を上げるスタイル。ツ
イッターなどで広まり、参加者は当初の約300人から最大約20万人(主催者発表)に激増し、全国30以上の都道府県にも飛び火した。
7月から仙台市中心部でデモを続けている「脱原発みやぎ金曜デモ」事務局の館脇章宏さん(47)は「脱原発を政府が明確に打ち出した意味は大きいが、30年代の設定は遅すぎる」との見方。甲府市内であった抗議行動「甲府でもやるじゃん」に参加した約70人の一人、佐藤袿子さん(64)=山梨県甲斐市=は「政府は核燃料再処理事業も維持すると言っており、信用できない。本気ならもっと早く廃止を」と話した。
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◆原発を巡る市民の動き◆
3月29日 反原発市民団体「首都圏反原発連合」の呼び掛けで官邸前で抗議行動を初開催
5月 5日 国内で稼働する原発がゼロに
6月29日 首相官邸前での抗議行動に過去最多の約20万人(主催者発表)が参加。抗議に集まった市民のどよめきを聞いた野田佳彦首相が「大きな音だね」と話したと伝わり、反発も
7月 1日 関西電力大飯原発3号機が再稼働。各地で反対運動
16日 東京・代々木公園で「さようなら原発10万人集会」。大江健三郎さんや坂本龍一さんが呼び掛け、主催者発表で約17万人(警察調べ約7万5000人)が参加
20日 官邸前抗議行動に鳩山由紀夫元首相が参加。党内から批判も
29日 東京都内で大規模デモ行進。参加者が国会議事堂周辺約1.3キロを取り囲んだ
8月22日 野田首相が官邸で市民団体代表者11人と面会。議論は平行線に
9月14日 政府が「30年代の原発ゼロ」の目標を決定
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数日前の10日、現職閣僚が自殺し、政界に衝撃が走った。
何かあったとしても、なぜこの切り替わりの時期に、と不思議に思う人は少なくない。
そんなことで、いろいろとニュースを見てみた。
過去に自殺した国会議員について、時事通信は、
松下氏の死の真相は不明だが、過去に自殺した国会議員は、捜査機関による逮捕が迫っていたり、法案への態度で悩んだりしていた。
としている。しかし、今回は、そんな事態ではなさそう。
さらに、時事通信は、
死亡前日の9日には川内事務所で会議を開き、次期衆院選のポスターなどについて協議していた。
永吉さんは「『国と鹿児島に私は責任がある』と選挙にかなり前向きだった」と振り返り、肩を落とした。
松下金融相は、8日には同県霧島市で講演し、改正郵政民営化法の成立に伴う郵便局と事業会社の合併などについて語った。
という。落ち込んだ雰囲気はなかったらしい。
次に出てきたのが、12日発売の週刊誌で記事を書かれるという話。
産経ビズには、
一方、女性の問題について報じる予定の週刊誌は12日発売号の「週刊新潮」。
記事では、約20年間交際していた女性の存在を指摘する予定で、最近、松下氏と女性の間で別れ話が持ち上がり、こじれていたという。
ということで、その雑誌の目次の告知ページにはブログの後の方でリンクしておく。
12日発売が前提、当然、本人も取材を受けているから、承知。
そんな時系列の「10日」の自殺は、ありうべきことか。
ともかく真相はそのうちに明らかになるのだろう。
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●松下金融相、首つり自殺か…妻・首相らに遺書
(2012年9月10日23時42分 読売新聞)
10日午後4時45分頃、松下忠洋郵政改革・金融相(73)が東京都江東区東雲しののめの自宅マンションで首をつっているのを、外出先から帰宅した妻が発見した。
松下金融相は港区の病院に搬送されたが、死亡が確認された。関係者によると、自宅からは野田首相、官房長官、妻宛ての遺書が見つかったという。警視庁東京湾岸署は、松下金融相が自殺を図ったとみて、詳しい状況を調べている。
松下金融相が金融庁での会議に出かける時間になっても家から出て来なかったため、警視庁の警護官(SP)と秘書官が自宅を訪れたところ、妻が外出先から帰宅。先に入った妻が、室内で首をつっている松下金融相を発見した。松下金融相はふだん一人暮らしだったが、この日は妻が訪れていたという。
●「なぜだ」国民新党や金融庁に衝撃
産経 2012.9.10 21:44
松下忠洋金融・郵政民営化担当相の自殺の報を受け、国民新党や金融庁から驚きの声が上がった。同党の自見庄三郎代表は10日夜、党本部で緊急会見し「突然のことで驚いている。心からご冥福をお祈りしたい」と悼んだ。
自見氏によると、松下氏とは7日夕、国会閉会の打ち上げを党本部で行った。「乾杯の音頭を取っていただき、サンドイッチやビールで乾杯した。大好きな焼酎を飲み元気な様子だったのに…」。前立腺の病気で通院したこともあったが、「完治したと聞いている」と述べた。
金融庁も自殺の報に騒然となった。幹部は「信じられない。なぜだ」と絶句。同庁によると、松下氏は予定されていた午後の会議前に「行けない」と連絡があった。
幹部は「先週の金曜も元気に記者会見されていたのに」と、事実を受け止めきれない様子。松下氏は11日は午前の閣議に出席後、記者会見を行う予定だった。
松下氏の自殺は連立与党の民主党にも波紋を広げた。代表選に名乗りを上げた鹿野道彦氏の会合に出席した議員らは一様に「びっくりした」「なぜこんなことに…」と、驚きの声を上げていた。
●松岡元農水相は「無二の親友」=農林族からTPP推進へ-松下金融相
時事 2012/09/10-21:59
松下忠洋金融・郵政民営化担当相は、建設官僚出身ながら自民党時代から「筋金入りの農林族」を自任してきた。
同じく閣僚在任中に死去した松岡利勝元農林水産相は「無二の親友」と呼ぶ関係だった。
ただ、国民新党に移り民主党政権下で経済産業副大臣に就任してからは、環太平洋連携協定(TPP)交渉への参加を推進する立場に転じ、農業の輸出拡大などを訴える一面も見せた。
松下氏が松岡元農水相を「無二の親友」と呼んだのは、今年2月の都内での講演。
その場では、耕作条件が不利な中山間地域に対する支援制度を「松下と松岡の作品だ」と胸を張り、努力だけでは埋められない競争力の差を政策で補う姿勢を強調した。
しかし、農業の競争力向上が急務であることも理解していた。
経済産業副大臣として、国内農業の強化や農産品の輸出促進策を検討する作業グループを設置し、自らトップに就任。「これからの農業政策は産業政策」を口ぐせに、改革に取り組んだ。経産省でも、強行日程の海外出張もいとわない行動力を評価する声が多い。
訃報を聞いた同省幹部は「金融担当相になられて、張り切っていると思っていた」と惜しんだ。
●関係者ショック…松下金融相 前日に地元・鹿児島帰省
スポニチ [ 2012年9月11日 06:00 ]
地元、鹿児島でも関係者の間に動揺が広がった。国民新党鹿児島県支部の愛甲勝副代表は9日午前、薩摩川内市議の後援会事務所開きであいさつする松下氏を見たばかりだったといい「元気な様子で、何があったのか理由が分からない。ショックどころではない。毎週地元に帰ってきていたので、疲れはあったはずだが…」と言葉を詰まらせた。
●「考えられない」地元鹿児島に衝撃=ポスター協議、選挙前向き―松下金融相死去
ウォールストリートジャーナル 2012年 9月 11日
突然の悲報を受け、松下忠洋金融相の地元・鹿児島県薩摩川内市では10日夜、支援者らの間に衝撃が走った。市内の後援会事務所では「信じられない」「なぜ」といった声が上がり、集まった人たちは戸惑いの表情を浮かべた。
川内事務所所長代理の永吉一男さん(76)は「責任感の強い人。(自殺は)ちょっと考えられない」と当惑した様子で話した。
死亡前日の9日には川内事務所で会議を開き、次期衆院選のポスターなどについて協議していた。永吉さんは「『国と鹿児島に私は責任がある』と選挙にかなり前向きだった」と振り返り、肩を落とした。
松下金融相は、8日には同県霧島市で講演し、改正郵政民営化法の成立に伴う郵便局と事業会社の合併などについて語った。国民新党鹿児島県支部の吉原範雄幹事長(75)によると、「責任者は私。しっかり仕事できるような組織づくりを頑張る」と張り切っていたという。[時事通信社]
●松下金融相死亡で来月28日に衆院鹿児島3区補選へ
(2012 09/10 23:15)
松下忠洋金融・郵政民営化担当相の死去に伴い、衆院鹿児島3区の補欠選挙は、10月16日告示、同28日に投開票が実施される見込みだ。投開票日までに衆院解散があれば、補選はない。
次期衆院選には、自民元職の宮路和明氏(71)と共産新人の大倉野由美子氏(62)が立候補を表明している
●過去には松岡農水相や柴野元議員らも 主な国会議員の自殺
産経 2012.9.10 23:00
現役閣僚の自殺は平成19年5月、事務所経費問題などで追及を受けていた松岡利勝農林水産相=当時(62)=が首つり自殺を図って以来。
国会議員が自殺した例としては、利益供与事件で逮捕許諾請求が出ていた新井将敬衆院議員=同(50)=が10年2月、都内のホテルで自殺。13年1月には受託収賄罪などで実刑判決を受けた中島洋次郎元衆院議員=同(41)=が自宅で自殺した。いずれも首をつって死亡していた。
未公開株をめぐる事件で詐欺罪に問われた柴野多伊三元衆院議員=同(60)=は23年9月、判決当日に東京都港区の会社事務所で首つり自殺した。
昭和58年1月には中川一郎衆院議員(57)が札幌のホテルで首つり自殺。長男の中川昭一元衆院議員=同(56)=も平成21年10月、急死。G7のもうろう会見で財務相を辞任後の総選挙で落選し、再起を目指していたが睡眠薬を服用するなど体調が優れなかったとされる。
●現職閣僚で2人目=議員自殺、捜査や法案悩み-松下金融相死去
時事 (2012/09/10-22:15)
死亡した松下忠洋金融相は自殺とみられる。
現職閣僚の自殺は2007年の松岡利勝農林水産相以来2人目。
松下氏の死の真相は不明だが、過去に自殺した国会議員は、捜査機関による逮捕が迫っていたり、法案への態度で悩んだりしていた。
松岡農水相は07年5月、東京都港区の議員宿舎で自殺した。
事務所の光熱費をめぐる政治資金収支報告書への不透明な記載を野党が追及。献金元の関係先を東京地検特捜部が捜査中だった。
1998年2月には新井将敬衆院議員が港区のホテルで自殺した。日興証券の利益提供事件で特捜部が逮捕状を請求し、衆院で逮捕許諾請求手続きが進められていた。
永岡洋治衆院議員は05年8月、世田谷区の自宅で死亡。郵政民営化法案への賛否をめぐり悩んだ末とみられる。
他にも、名尾良孝参院議員が91年に議員宿舎から飛び降り自殺。83年には中川一郎元農水相が札幌市のホテルで死亡し、松本幸男衆院議員も自殺している。
一方、元国会議員では、中島洋次郎元衆院議員が01年に目黒区の自宅で自殺。海上自衛隊の飛行艇開発をめぐる受託収賄罪などで実刑判決を受け、最高裁に上告中だった。
09年には偽メールに基づく国会質問が問題化して辞職した永田寿康元衆院議員が北九州市のマンションから飛び降り自殺した。
未公開株をめぐる詐欺罪に問われた柴野多伊三元衆院議員は11年、判決言い渡しの日に東京都港区の会社内で死亡しているのが見つかった。
●松下金融相、首つり自殺 12日発売週刊新潮が女性関係報道
スポニチ[ 2012年9月11日 06:00 ]
松下忠洋金融担当相(73)が10日午後、東京都江東区内の自宅で首をつった状態で見つかり、搬送先の病院で死亡が確認された。
自宅には遺書とみられる書き置きがあった。警視庁は自殺を図ったとみて調べている。同日は、政府が定める「自殺予防週間」の初日だった。現職閣僚自殺のニュースに、政界は衝撃が走った。
金融庁などによると、松下氏は午後に登庁する予定だったが、本人から「行けない」と連絡があった。午後5時から6時の間に入っていた公務が迫っても姿を見せず、秘書や警視庁の警護担当者が呼び鈴を押したり携帯電話を鳴らしても応答がなかった。上京中の妻が鍵を開け、一緒に中に入って発見、午後4時45分ごろに119番した。
普段はマンション27階の自室で一人暮らしをしており、室内から遺書とみられる書き置きが見つかった。野田佳彦首相、妻、閣僚あての計3通あり、「密葬にしてくれ」などと書かれていた。
現職閣僚の死亡は自民党政権下の07年、安倍内閣(当時)の農相だった松岡利勝氏の自殺以来。
長年親交がある新党大地・真民主の鈴木宗男代表は、8月30日に都内の和食店で2人で食事をしたばかりで「悩んでいる様子はなく、食事もバクバク食べて酒も飲んでいた。昔の思い出話や“小泉改革はやはりよくなかった”と言って怒ったりしていた」と説明。今年春に検査入院し、肺のポリープを切除する手術を受けたと聞いていたといい、「簡単な手術で、病気を気にしている様子はなかった」と話した。
一方、関係者によると、週刊新潮が12日発売号で松下氏の女性関係に関する記事を掲載するという。
同誌編集部は記事の内容は答えられないとした上で「亡くなられたと聞いて驚いています。心よりお悔やみ申し上げます」とのコメントを出した。
10日は世界保健機関(WHO)が定める「世界自殺予防デー」で、政府は07年に、16日までの1週間を「自殺予防週間」と定め、国民への啓蒙(けいもう)活動を推進している。初日に現職閣僚が自殺する事態となり、松下氏が所属する国民新党の自見庄三郎代表は「落胆しているし、驚いている」と話し、衝撃を隠しきれない様子だった。
松下氏は鹿児島県薩摩川内市出身。衆院鹿児島3区選出、衆院当選5回。93年、衆院選に自民党から出馬し初当選。農水族の有力議員として活躍し、普段の温厚な人柄とは別に、コメの輸入自由化阻止を訴え国会前に座り込む熱血漢の一面もあった。
05年に郵政民営化法案の採決で造反し、無所属で戦った郵政選挙で落選。政権交代が起きた09年衆院選で国民新党から返り咲いた。
経済産業副大臣などを経て、今年6月の内閣改造で金融相として初入閣。連立与党に加わった国民新党が担い続けてきた郵政担当閣僚の「3代目」として、郵便局ネットワークの維持に尽力している最中だった。
≪金融庁幹部、絶句「なぜ」≫急逝の一報が流れた10日夕、霞が関の金融庁では「信じられない。なぜだ」と幹部が絶句、事実を受け止められない様子だった。大臣室のある17階には複数の幹部が集まり、駆けつけた報道陣で騒然とした雰囲気に。広報担当者は「まだ何も確認できていない」と対応に追われ、夜の予定を切り上げ、庁舎に慌てて戻る職員の姿もみられた。
◆松下 忠洋(まつした・ただひろ)1939年(昭14)2月9日生まれ。62年に京大農学部を卒業し、建設省(現国土交通省)に入省。92年に同省退官。今年2月の復興庁発足に伴い、復興副大臣に起用された。
● 週刊新潮 トップページ
2012年9月12日発売分 の 記録↓
73歳「松下忠洋」金融担当大臣 痴情果てなき電話と閨房
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●現職大臣の死 今週発売週刊誌で女性問題報道も
産経ビズ 2012.9.10
民主党代表選が10日、告示され、自民党総裁選もせまり政局が混迷を深めるなか、国民新党の松下忠洋金融・郵政民営化担当相(73)の自殺の報が駆け巡った。郵政民営化法案に反対した熱血漢の一面もあった松下氏。今週発売の週刊誌に約20年交際していたとされる女性の記事が掲載される予定だったという。現職大臣の突然の死と関係はあるのか。各方面に動揺が走った。
「しっかりやっていくからな」。松下氏は8、9日に地元の鹿児島県に戻り、懸案の日本郵政の幹部人事について、こう意気込みを語っていたという。
国民新党鹿児島県支部の吉原範雄幹事長(75)によると、妻とともに地元入りし、薩摩川内(せんだい)、霧島両市で郵便局関係者のソフトボール大会などに顔を出した。吉原さんは「自殺するようなそぶりはまったくなかった。どういうことなのか…」と驚いていた。
松下氏は旧建設省出身。自民党時代は農水族議員として温厚な人柄で知られたが、コメの輸入自由化や郵政民営化法案に反対する熱血漢の一面もあった。
一度は引退表明したが、国民新党に入党し21年の衆院選で返り咲く。今年6月、野田第2次改造内閣で金融・郵政民営化担当相となってからは、野村証券などの証券会社が絡むインサイダー取引問題やAIJ投資顧問の年金資産消失事件を受けた再発防止策などの策定に尽力。6月、消費税増税法案で造反が相次いだ際には「政権与党として責任を果たさなければいけない」と話していた。
一方、女性の問題について報じる予定の週刊誌は12日発売号の「週刊新潮」。
記事では、約20年間交際していた女性の存在を指摘する予定で、最近、松下氏と女性の間で別れ話が持ち上がり、こじれていたという。
同誌編集部は「亡くなられたと聞いて驚いています。お悔やみ申し上げます」とコメントした。
松下氏の自宅がある東京都江東区東雲(しののめ)の54階建てマンション前には、警察車両が相次いで駆けつけた。28階に住む男性(55)は「あいさつすると丁寧に返してくれる腰の低い方だった」と話した。マンションのロビーには、松下氏が大臣就任記念に贈られたとみられるコチョウランが飾られていたという。
松下忠洋金融・郵政民営化担当相(73)=衆院鹿児島3区、国民新党=が10日午後、東京都江東区東雲(しののめ)1丁目の自宅で首をつった状態で見つかり、病院に搬送されたが死亡が確認された。室内から計3通の遺書が見つかり、警視庁は自殺を図ったとみて調べている。現職閣僚の悲報は政界や関係者らに衝撃を与えた。
●松下金融相、自宅で首つり自殺…女性問題原因か
サンスポ 2012.9.11 (2/3ページ)
政界が民主党代表選&自民党総裁選で「選挙」一色となる中、松下氏が突然世を去った。
警視庁東京湾岸署によると、松下氏は午後5時から6時の間の公務が迫っても姿を見せず、秘書や警視庁の警護担当者が呼び鈴を押したり携帯電話を鳴らしたりしても応答がなかった。上京中の妻が鍵を開け、一緒に中に入って発見、午後4時45分ごろ119番した。金融庁によると、午後の登庁予定もキャンセルの連絡があった。
松下氏は普段はマンション27階の自室で一人暮らし。室内から「密葬にしてくれ」との野田佳彦首相(55)や閣僚、妻宛ての計3通の遺書が見つかり、警視庁は自殺とみて調べている。
自殺だったとすれば、現職大臣の自殺は第二次大戦後の現憲法下では、自民党政権下の2007年に安倍内閣(当時)の農相だった松岡利勝氏以来、2人目となる。
野田首相は官邸で「大変驚いている。苦しい時にいつも励ましてくれた。言葉が見つからない」と沈痛な表情で語り、同日夜、搬送先の病院を訪問。国民新党の自見庄三郎代表(66)は記者会見で「体調を崩しているという話は聞いていない。前立腺の治療をしていたが、完治していた」と話し、東京・霞が関の金融庁では「信じられない。なぜだ」と幹部が絶句した。
一方、松下氏に関する記事を12日発売号に掲載するとしている週刊新潮編集部は10日、「亡くなられたと聞いて驚いています。心よりお悔やみ申し上げます」とのコメントを出した。同誌の記事では、約20年間交際していた女性の存在を指摘する予定で、最近、松下氏と女性との間で別れ話が持ち上がり、こじれていたという。
松下氏は、旧建設省職員を経て1993年に自民党から衆院に初当選し政界入り。農水族の有力議員として活躍した。普段の温厚な人柄とは別に、コメの輸入自由化阻止を訴え、国会前に座り込んだ熱血漢の一面も。
連立与党に加わった国民新党が担い続けてきた郵政担当閣僚の「3代目」としては、郵便局ネットワークの維持に尽力している最中だった。
松下忠洋(まつした・ただひろ)
1939年2月9日、鹿児島県川内市(現薩摩川内市)生まれ。1962年、京都大学農学部卒業後に建設省(現国交省)入省。93年の衆院選に自民党公認で出馬し初当選。2005年9月、郵政民営化に反対し自民党を離党、無所属で出馬し落選。09年8月の衆院選に国民新党公認で当選。今年6月、第2次野田内閣において金融・郵政民営化担当相に就任。国民新党副代表。衆院鹿児島3区選出。当選5回
■現職中に自殺した主な国会議員
★中川一郎氏(1983年1月) 元農相の自民党衆院議員。札幌市内の宿泊先のホテル浴室で首つり自殺。享年57
★新井将敬氏(98年2月) 自民党衆院議員。日興証券への利益要求事件で証券取引法違反容疑の逮捕許諾請求をされ、衆院で議決が行われる直前、東京都港区のホテル客室で首つり自殺。享年50
★永岡洋司氏(2005年8月) 自民党衆院議員。東京都世田谷区の自宅で首つり自殺。郵政民営化法案で、賛否の板挟みになったとみられている。享年54
★松岡利勝氏(07年5月) 自民党衆院議員で現職の農相。東京都港区の議員宿舎で首つり自殺。事務所経費の不明朗支出問題などの追及を受けていた。享年62
●松下金融相の女性問題、週刊誌が報道予定!自殺との関係は?
zakzak 012.09.10.
民主党代表選が10日、告示され、自民党総裁選もせまり政局が混迷を深めるなか、国民新党の松下忠洋金融・郵政民営化担当相(73)の自殺の報が駆け巡った。郵政民営化法案に反対した熱血漢の一面もあった松下氏。今週発売の週刊誌に約20年交際していたとされる女性の記事が掲載される予定だったという。現職大臣の突然の死と関係はあるのか。各方面に動揺が走った。
「しっかりやっていくからな」。松下氏は8、9日に地元の鹿児島県に戻り、懸案の日本郵政の幹部人事について、こう意気込みを語っていたという。
国民新党鹿児島県支部の吉原範雄幹事長(75)によると、妻とともに地元入りし、薩摩川内(せんだい)、霧島両市で郵便局関係者のソフトボール大会などに顔を出した。吉原さんは「自殺するようなそぶりはまったくなかった。どういうことなのか…」と驚いていた。
松下氏は旧建設省出身。自民党時代は農水族議員として温厚な人柄で知られたが、コメの輸入自由化や郵政民営化法案に反対する熱血漢の一面もあった。
一度は引退表明したが、国民新党に入党し21年の衆院選で返り咲く。今年6月、野田第2次改造内閣で金融・郵政民営化担当相となってからは、野村証券などの証券会社が絡むインサイダー取引問題やAIJ投資顧問の年金資産消失事件を受けた再発防止策などの策定に尽力。6月、消費税増税法案で造反が相次いだ際には「政権与党として責任を果たさなければいけない」と話していた。
一方、女性の問題について報じる予定の週刊誌は12日発売号の「週刊新潮」。記事では、約20年間交際していた女性の存在を指摘する予定で、最近、松下氏と女性の間で別れ話が持ち上がり、こじれていたという。同誌編集部は「亡くなられたと聞いて驚いています。お悔やみ申し上げます」とコメントした。
松下氏の自宅がある東京都江東区東雲(しののめ)の54階建てマンション前には、警察車両が相次いで駆けつけた。28階に住む男性(55)は「あいさつすると丁寧に返してくれる腰の低い方だった」と話した。マンションのロビーには、松下氏が大臣就任記念に贈られたとみられるコチョウランが飾られていたという。
●文春、新潮が「GACKT自宅にマルサ強制捜査」を報じる【文春vs新潮 vol.56】
サーチナ 【コラム】 2012/09/07(金) 12:07
今週号の週刊文春と週刊新潮は、不思議なくらいネタがかぶっている。
記者クラブ制度に依存する新聞は、ネタ元が同じであるため、各紙には似たようなニュースが並ぶことが多い。結果として、「どれを読んでも金太郎」のような状態となり、読者の新聞離れを加速させている。
他方、「新聞と同じ事をしていては売れない」という危機感を持つ週刊誌は、なるべく他誌とネタがかぶらないように配慮するのが通例となっている。
とりわけ、発売日が同じ文春と新潮は、編集方針なのかどうかは不明だが、ネタがかぶることは少なかった。
だが、今週号の両誌は違う。
見方を変えれば、かぶってでも掲載する価値のあるネタが多かった、と言えるのかもしれない。では、どんなネタがかぶっているのか見ていこう。
[かぶりネタその1]GACKTの自宅でマルサが強制捜査
文春の見出しは「GACKTの愛人・隠し子・黒いカネ」、新潮は「格付けでは一流芸能人『GACKT』を襲った修羅」である。
ヴィジュアル系バンド「マリスミゼル」のボーカルを経て独立したマルチタレントのGACKT。8月28日の朝、彼の自宅兼事務所に国税局が査察に入った。
内容は、文春が愛人と隠し子に関する情報を中心に報じ、新潮が彼の竹島に関する発言とそれに対する右翼の抗議について報じている。マルサが強制捜査に入ったという事実は、あくまでも世間の目を引くための「きっかけ」である。両誌が書いているのは、主に彼の女とカネ、そして思想に関するスキャンダルだ。
ファンにとっては(ネガティブな意味での)注目の記事なのかもしれないが、筆者が興味を抱いたのは「整形を繰り返したせいか、今の顔はもともとの顔とぜんぜん違う」という文春の一文くらいであった。このネタ、両誌がかぶってでも掲載する価値のあるものだとは思えない。
[かぶりネタその2]自民党総裁選
「踊る自民党大総裁選 安倍晋三に小泉進次郎が引導を渡す」が文春の見出し、「新聞が書かない『金とポストと悪口』怪情報」が新潮の見出しである。民主党がじり貧となった今、選挙後には次の自民党総裁が首相の座につく可能性が「極めて高くなっている」(文春)のだと言う。
お腹が痛くて首相を辞めた安倍氏や石破茂氏、石原伸晃氏、そして小泉氏らの名前が挙がっているものの、記事を読めばよむほど、その人材不足ぶりには夢と希望が失われていく。この人がいいのではと思う政治家は、石破氏のみ。思想的には気に入らないが、政治家としては信用できそうな人物だと筆者は思っている。
いずれにせよ、次期首相を出す可能性があるとはいえ、自民党総裁選に対する世間の注目度はかなり低いと言わざるをえない。このネタに、かぶってでも報じる価値はあるのだろうか。
[かぶりネタその3]高飛び込みにトライして全治3カ月のケガをしたスギちゃん
お笑いタレントのスギちゃんが、「Qさま!!特番」の収録で高さ10メートルの飛び込み台からプールに飛び込み、「全治三ヶ月。うち入院4~6週間」(新潮)のケガを負った。文春は、番組打ち切りを恐れるテレ朝の現状を報じ、新潮は、休業補償がどうなるのかを報じている。
「一発屋」と呼ばれる芸人がケガをしたというネタが、両誌がかぶってでも掲載する価値のあるものだとはまったく思えない。
[かぶりネタその4]日本IBMの元社長がスカート内を盗撮
1999年から9年ほど日本IBMの社長を務め、最近まで最高顧問であった大歳卓麻氏が、JR四ッ谷駅のエスカレーターで女性のスカート内を盗撮し、警察に取り押さえられた。犯行の理由は「盗撮に興味があった」。
順風満帆な人生を送っていた大企業の元社長さんも、警察官も、裁判官も、教師も、盗撮をしている。もはや盗撮する人物の社会的な地位など、どうでもいい時代に突入した。つまり、社会的な地位が「のぞき」という性癖の抑止力にはならないことが実証されてきたと言うことだ。
金持ちの人生が軽犯罪でつまづく姿は、読者の「ざまあみろ」感を充足させるのかもしれない。だが、両誌がかぶってでも載せるようなものではない。このネタは、新聞ならベタ記事であろう。
寸評
文春と新潮のかぶりネタを紹介してきた。一応、「かぶってでも掲載する価値のあるネタが多かった」ことを予想したが、読後の感想は「どの記事も、かぶってまでも載せる必要のないもの」であった。
新聞や雑誌のネタがかぶってしまうと、比べ読みする意味がなくなる。特に雑誌は、記者クラブに依存しているわけではないのだから、他誌とはかぶらないような独自取材の独自ネタでがんがん攻めていってほしい。
[今週の軍配]引き分け。
【これまでの取り組み結果】
文春:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
新潮:☆☆☆☆☆☆☆☆☆
(谷川茂)(情報提供:夕刊ガジェット通信)
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昨日のブログで要点を記録した、
岐阜県の発表した原発事故の時の被害予測。
日本の原発銀座と言われて、もっとも原発が密集する北陸・若狭あたり。
ここからさほど離れていない岐阜県内各地は、その認識をと訴えてきた。
今回、福島の事故による周辺の居住困難地域が浮き彫りになってくることで、
多くの人が「危険」を認識したようだ。
それをさらに具体化させる岐阜県の調査結果のデータ。
その要点をまとめた昨日2012年9月12日のブログ
⇒ ◆岐阜県発表・「放射性物質拡散シミュレーション結果」 /岐阜県は原発事故の時の風下地帯
今日は、新聞各紙の報道を記録。この方が、ずっわ分かりやすいかもしれない。
一例。朝日の記事。
◆立地県並み対策を…名大・井口教授
県震災対策検証委員会原子力分科会の座長を務める名古屋大の井口哲夫教授(放射線工学)は
「(原発立地県でだけでなく)隣接県にもどれだけ影響があるかが明らかになった。
県も立地県並みの対策をとらなくてはいけない」と指摘。「結果を国に認識してもらい、
近隣自治体とどう連携して対策をとるか、検討する必要がある」と述べた。
また、国は原発から30キロ圏内を「緊急時防護措置準備区域(UPZ)」として位置づけたが、
井口教授は「今回の結果は、原発事故の影響を同心円的にとらえる考え方が少し単純すぎることを表している。
地形や地域に応じた防災対策を立てていくべきだ」と話した。
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●100キロ超でも高濃度汚染 原発事故被害予測 岐阜
2012年9月11日 中日新聞
敦賀原発(福井県敦賀市)の大事故を想定した岐阜県独自の被害予測調査で、県が十日に正式発表した調査結果によると、最悪の場合、原発から百キロ以上離れた地域まで高濃度の放射性物質に汚染される恐れがある。
影響の可能性がある自治体の人口は計百五十七万人。政府は原発から三十キロ圏内を事故対策の重点地域の目安としているが、県は今後、いっそう広範囲の対策が求められる。
正式な調査結果によると、敦賀原発から放出されて地表に沈着した年間の外部被ばく線量が福島第一原発事故の「計画的避難区域」と同じ二〇ミリシーベルト超となるのは、県内の二十五市町。
岐阜、大垣、多治見市のほか海津市もこの区域に含まれることが判明した。
県原子力防災室の大脇哲也室長は記者会見で調査結果を発表し「影響が広範囲に出るケースもある。市町村としっかり連携をとって対策をとっていきたい」と話した。
県によると、地表に沈着した放射性物質による年間の外部被ばく線量が一〇〇ミリシーベルト超となった三市町のうち、最も敦賀原発からの距離が遠いのは大垣市で七十二キロ。二〇ミリシーベルト超の可能性が指摘された市町のうち、最も遠かったのは可児市で百七キロだった。
今回の調査結果を受け、県は地域防災計画の中の原発事故対策の見直しと、ヨウ素剤の配備など重点的に対策を取る地域(UPZ)の指定に着手する。UPZは一〇〇ミリシーベルト超となった地域を中心に検討する。
◆影響自治体 対策強化へ
「県内でもこれだけ広い範囲に影響する可能性があるのか」。揖斐川町の宗宮孝生町長は驚きを隠さない。敦賀原発までわずか二十五キロ。県内で最も近い自治体で、大事故が起きれば年間の外部被ばく線量が一〇〇ミリシーベルト以上となる可能性を指摘されただけに「町民の不安解消につながる対策をできる限り講じたい」と力を込めた。
一方「十分に考えられる」と一〇〇ミリシーベルト超を静かに受け止めたのは、関ケ原町の浅井健太郎町長。「この町は若狭から吹いてくる風の通り道。事故を想定した防災計画を作りたい」と話した。市中心部が一〇〇ミリシーベルト以上になる可能性が指摘された大垣市の小川敏市長も「国に原子力災害対策を強く要請していく」としている。
原発から百キロ離れた下呂市の野村誠市長も「こんな調査結果が出た以上、(放射性物質の飛来が)想定外とは言ってられない」。郡上市の日置敏明市長も「市民の退避などどんな対策が必要なのか、専門家の意見も聞きながら詰めていきたい」と気を引き締めた。
多治見市の古川雅典市長は今回と同様の被害想定調査を繰り返すことや、敦賀原発だけでなく浜岡原発の事故も想定するべきだと提言。ヨウ素剤や防護服の備蓄など「県と市の役割分担」を明確にした上での対策強化が必要と話した。
◇
敦賀原発で大事故が起きた際、地表に沈着する放射性物質で、年間の外部被ばく線量が二〇ミリシーベルト超となる可能性がある市町は、次の通り。
【岐阜地区】岐阜市、羽島市、各務原市、山県市、瑞穂市、本巣市、岐南町、笠松町、北方町
【西濃地区】大垣市、関ケ原町、揖斐川町、海津市、垂井町、輪之内町、安八町、養老町、大野町、池田町、神戸町
【中濃地区】関市、可児市、郡上市
【東濃地区】多治見市
【飛騨地区】下呂市
●敦賀原発事故最悪ケース 尾張北部も20ミリシーベルト超
2012年9月9日) 【中日新聞】
岐阜県、放射性物質の拡散予測
岐阜県は、日本原子力発電敦賀原発(福井県敦賀市)の大事故を想定した独自の被害予測をまとめた。事故の状況と気象条件で最悪の条件がそろうと、敦賀原発から100キロ離れた愛知県にも、高濃度の放射性物質が拡散する恐れがあると試算している。
岐阜県は、県内の少なくとも24市町と愛知県の5市町、三重県の1市で、地表に沈着した放射性物質による年間の外部被ばく量が20ミリシーベルト超のケースがあると予測。東京電力福島第1原発事故の計画的避難区域に相当する放射線量で、100万人以上が影響を受ける可能性がある。東海3県全体で防災対策の見直しが迫られそうだ。
岐阜県の内部資料によると、「福島の原発事故と同じ規模の事故が敦賀原発で発生」との前提で、季節や風向き、気温、降雨量などから20のケースを想定。拡散した放射性物質によって各地の住民が被ばくする量を専門機関に試算させた。
最も被害が広がったのが、弱い北西の風と雨が重なったケース。年間の外部被ばく量20ミリシーベルト超の地域が、大垣市や岐阜市など岐阜県の少なくとも18市町と愛知県の一宮市や江南市など4市町に及んだ。
放射性物質がいったん福井県北部に滞留した後、弱い西風で岐阜県に流入したケースなどでは、下呂市や郡上市など岐阜県の別の6市と愛知県犬山市でも20ミリシーベルト超になる。
ただ、試算した20ケースのうち、13ケースでは東海3県で20ミリシーベルト超の自治体は現れなかった。
岐阜県は今回の被害予測をもとに、ヨウ素剤の配備など重点的に防護対策を講じる地域を決める。
中部地方では滋賀県も昨年9月、美浜原発と大飯原発での事故を想定した内部被ばくの被害予測を公表。岐阜県では揖斐川町など4市町が、内部被ばくが深刻になる恐れのある地域に含まれていた。
山間部抜け東海流入
岐阜県の被害予測で、岐阜県から愛知県にかけて被害が最も広がる可能性が指摘されたのは、放射性物質が福井県から滋賀県を経て、山脈の間を縫うようにして東海地方に流入するケースだ。
それには2つの条件がある。まず、夏場に弱い北西の風が吹くこと。敦賀原発から放出された放射性物質はこの風に乗り、岐阜、滋賀県境の伊吹山地にぶつかって山沿いに南下する。
さらに伊吹山地と鈴鹿山脈の間を抜けて岐阜県周辺に達したころに雨が降ると、放射性物質の拡散が鈍化。岐阜県美濃地方と愛知県尾張北部に落下し、地表に沈着する可能性が高くなる。
「夏は南風の日が多いため、そういった気象状況は頻繁に起きるわけではないが、最悪に備えることが必要」と語るのは岐阜大の吉野純准教授(気象学)。
今回の予測で被害の広がりが比較的小さかった「冬の北西の風」(伊吹おろし)も警戒するべきだと指摘する。この季節の北西の風は吹く頻度が高い上、威力が強いため、放射性物質が伊吹山地を乗り越えて直接、岐阜、愛知両県に達する恐れがあるという。
20ミリシーベルト超の自治体
岐阜県による被害予測で、敦賀原発で大事故が起きた場合に年間の外部被ばく量が20ミリシーベルト超になる恐れが指摘された自治体は、次の通り。
【岐阜県】岐阜市、各務原市、本巣市、瑞穂市、羽島市、山県市、大垣市、多治見市、可児市、関市、郡上市、下呂市、揖斐川町、関ケ原町、垂井町、池田町、大野町、神戸町、安八町、養老町、輪之内町、笠松町、岐南町、北方町
【愛知県】一宮市、犬山市、江南市、大口町、扶桑町
【三重県】いなべ市
●原発事故被害予測に戸惑い 尾張北部自治体
中日 2012年9月11日
日本原子力発電敦賀原発(福井県敦賀市)の大事故を想定して岐阜県が独自にまとめた被害予測を受け、高濃度の放射性物質が拡散する恐れがあるとされた尾張北部の三市二町からは戸惑いの声が相次いだ。年間の外部被ばく量はそれぞれ二〇ミリシーベルトを超えると予測され、各自治体は愛知県の対応を注視している。
「寝耳に水だ」。予測結果を受けた江南市の担当者は、驚きを隠さない。これまで原発事故の被害予測の範囲に含まれたことがなく、市の防災計画にも原発事故の具体的な対策はない。
担当者は「愛知県がどう受け止め、県の防災計画に反映させるか。それに連動させて、市も計画を見直したい」と話す。
県を通してメールで岐阜県の拡散予測を受け取った一宮市危機管理室の長谷川武室長は「滋賀県の予測などを踏まえ、最悪のケースを考えれば一宮に届くことも当然ある」と受け止める。
市の防災計画に原子力防災を盛り込むかどうかや、放射性セシウムによる土壌汚染や農林水産業への対策は「愛知県と相談しながら考える」と述べ、情報収集に努める考え。
犬山市は、県から四日に「岐阜県の被害予測では、犬山に放射性物質が届く恐れがある」と連絡を受けた。しかし具体的な資料を入手したのは十日。防災安全課の三輪雅仁課長は「まだ対策は取っていない。広域的な話なので、市単独ではなく、愛知県と協議していきたい」。
扶桑町や大口町も、県や近隣自治体と意見交換して対策を考える構え。必要なら町の防災計画に反映させる方向だ。
岐阜県の予測では、弱い北西の風と雨が重なった場合、一宮市、江南市、大口町、扶桑町が高濃度の放射性物質による被害を受けるとされる。放射性物質が福井県北部に滞留した後、弱い西風で飛散した場合には犬山市も被害区域に入るともされている。
年間の外部被ばく量二〇ミリシーベルトは、東京電力福島第一原発事故で住民を避難させた計画的避難区域の放射線量に相当する。
(安福晋一郎、添田隆典、金森篤史)
● 敦賀原発事故で放射性物質 県想定/岐阜
2012年09月11日 朝日新聞
◆県境越え大量に飛散…監視態勢強化を検討
25市町で年間被曝(ひ・ばく)量が20ミリシーベルト、とくに大垣市は100ミリシーベルト以上になる――。県が10日発表した放射性物質の拡散想定では、福井県の敦賀原発(日本原子力発電)の事故でも、季節や天候次第では、県境を越えて大量の放射性物質が飛来することが明らかになった。
県は2010年の気象データをもとに、福島第一原発の事故と同程度の放射性物質が飛散したとして、季節ごとに14ケースを想定した。
国際原子力機関(IAEA)や政府の基準をもとに、地表に沈着した放射性物質による年間被曝量が20ミリシーベルト以上となった7ケースを公表した。
いずれかのケースで基準を超えたのは25市町。
このうち大垣、関ケ原、揖斐川の3市町は、IAEAが「数日から1週間程度の間の避難」を求める年間100ミリシーベルト以上のケースが想定された。
国は原発から30キロ圏内を緊急時防護措置準備区域(UPZ)と定めているため、県はこの3市町について弾力的な設定を国に要請することを検討する。また、20ミリシーベルト以上となった市町については、監視態勢の強化を検討する。
14ケースのうち、最も多い19市町が基準を超えたのは、北西からの風が岐阜・滋賀県境の伊吹山地にぶつかって滋賀県を南東に進み、そこから関ケ原町に吹き込むケース。広範囲で雨が降り、関ケ原町と大垣市で年間100ミリシーベルト以上となる予測だ。
また、県は内部被曝についても14ケースを調査。1週間の被曝量が50ミリシーベルト以上となった3ケースを公表した。
大垣、垂井、関ケ原、揖斐川、池田の5市町で基準を超え、ヨウ素剤備蓄の議論に役立てる。
大垣市の小川敏市長は今回の結果について、「重く受け止めている。県とともに、国に対して科学的知見による安全基準の策定や、原子力災害対策を強く要請していく」とコメント。敦賀原発の再稼働についても「万全の安全対策がない限り市民の理解は得られない」と指摘した。(増田勇介)
◆立地県並み対策を…名大・井口教授
県震災対策検証委員会原子力分科会の座長を務める名古屋大の井口哲夫教授(放射線工学)は「(原発立地県でだけでなく)隣接県にもどれだけ影響があるかが明らかになった。県も立地県並みの対策をとらなくてはいけない」と指摘。「結果を国に認識してもらい、近隣自治体とどう連携して対策をとるか、検討する必要がある」と述べた。
また、国は原発から30キロ圏内を「緊急時防護措置準備区域(UPZ)」として位置づけたが、井口教授は「今回の結果は、原発事故の影響を同心円的にとらえる考え方が少し単純すぎることを表している。地形や地域に応じた防災対策を立てていくべきだ」と話した。
■県の拡散想定で、被曝量が年間20ミリシーベルト以上となった25市町
【岐阜圏域】岐阜市、羽島市、各務原市、山県市、瑞穂市、本巣市、岐南町、笠松町、北方町
【西濃圏域】※大垣市、海津市、※関ケ原町、※揖斐川町、垂井町、神戸町、輪之内町、安八町、養老町、大野町、池田町
【中濃圏域】関市、可児市、郡上市
【東濃圏域】多治見市
【飛騨圏域】下呂市
(地表に沈着したセシウムなどの放射性物質による外部被曝。※の3市町は、100ミリシーベルト以上)
●岐阜県:敦賀原発からの放射性物質拡散予測
毎日新聞 2012年09月11日
岐阜県は10日、日本原子力発電敦賀原発(福井県)で東京電力福島第1原発事故と同規模の事故が発生した場合を想定した放射性物質の拡散シミュレーション結果を発表した。県内25市町(人口約157万人)で外部被ばく量が年間20ミリシーベルトを超える可能性があると試算。うち大垣市、関ケ原町、揖斐川町では同100ミリシーベルト超になる場合もあるという。放射性ヨウ素の甲状腺蓄積による内部被ばく量が7日間で50ミリシーベルト超とされたのは5市町だった。
外部被ばくの影響を最も受けるのは、夏に放射性物質が滋賀県から関ケ原町に飛散し、大雨で地表に沈着するケース。西濃地域の大垣市や関ケ原町を中心に19市町(人口約115万人)で、「計画的避難区域」の目安となる年間20ミリシーベルトを超える。気象条件次第では、敦賀原発から約100キロ離れた可児市でも20ミリシーベルトを超えるという。
隣接県への飛散量は明らかにしなかったが、愛知県によると、一宮市や江南市などが20ミリシーベルト超のエリアに含まれているという。また、岐阜県が発表した飛散想定図では、三重県いなべ市が20ミリシーベルト超のエリアに含まれているとみられる。
調査は、事故発生時に放出されるセシウムやヨウ素など10種類の放射性物質量をシミュレーション。季節ごとの風向きや降雨量などを考慮した18通りの気象条件で外部被ばく量と内部被ばく量を算出した。
県原子力防災室は「典型的な天候では影響は小さいが、大雨などの悪条件が重なると被害が広がる。想定を参考に年度内にも地域防災計画を修正したい」としている。【三上剛輝】
◇高濃度放射性物質飛来予想の自治体
《外部被ばく・年間20ミリシーベルト超》大垣市、関ケ原町、揖斐川町、岐阜市、羽島市、各務原市、山県市、瑞穂市、本巣市、岐南町、笠松町、北方町、海津市、垂井町、神戸町、輪之内町、安八町、養老町、大野町、池田町、関市、可児市、郡上市、多治見市、下呂市
《内部被ばく・7日間で50ミリシーベルト超》大垣市(旧上石津町)、垂井町、関ケ原町、揖斐川町、池田町
●岐阜の25市町で20ミリSv 県、敦賀原発事故で拡散予測
2012年09月11日 岐阜新聞
岐阜県は10日、県境から約25キロの日本原子力発電敦賀原発(福井県敦賀市)で、福島第1原発と同程度の放射性物質が放出される事故を想定した放射性物質の拡散シミュレーション結果を公表した。
地表に沈着した放射性物質による外部被ばく線量が、国が計画的避難区域の目安とした年間20ミリシーベルト以上となるのは5圏域の25市町に及んだ。
このうち大垣市と揖斐川町、関ケ原町は1週間以内の避難が必要とされるIAEA(国際原子力機関)基準の同100ミリシーベルト以上に達した。
空気中の放射性ヨウ素の吸入による事故初期の内部被ばく線量も予測、安定ヨウ素剤の服用が必要となるIAEA基準の週50ミリシーベルト以上となるのは大垣市(旧上石津町)、垂井町、関ケ原町、揖斐川町、池田町の計5市町。
シミュレーションは、2010年の気象条件をもとに各季節の18ケースで想定。
県は結果を踏まえ、本年度中に地域防災計画を修正し、緊急時のモニタリングや避難、ヨウ素剤の配備などの対応手順を定めるほか、防災体制を検証するために市町村と連携した原子力防災訓練も行う予定。
●岐阜の25市町で20ミリSv 敦賀原発事故で拡散予測
河北 2012年09月10日
岐阜県は10日、日本原子力発電敦賀原発(福井県敦賀市)で、東京電力福島第1原発事故と同規模の事故が起きた場合を想定した放射性物質の拡散予測を発表した。
岐阜市や下呂市など県内25市町で、地表に沈着した放射性物質による外部被ばく量が年間20ミリシーベルトを超える可能性があると試算。うち大垣市と関ケ原町、揖斐川町では年間100ミリシーベルト超になる場合もあるとしている。
20ミリシーベルトは、福島原発事故後の「計画的避難区域」に相当する放射線量。
国は、原発から30キロ圏内を「緊急防護措置区域(UPZ)」とする方向で検討中。
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今日は所用で早く出かけていた。
途中に、東京の近い親戚の人の訃報。
・・・帰ってから、ばたばた。
そんなで、今日のブログをまだ出していない。
ブログを始めて7年半、毎日欠かさず出してきた。
だから、飛ばしたくはない。
・・・が、時間もないので、今日は、こんなことで、
ここまでで「ごめんなさい」、することにした。
そういえば、母が夜明け前に亡くなった日は最高裁の弁論の日だったので、
日中、段取りをみんな任せて、東京に行ってしまい、夕方前に帰ってた。
そんなことがあった。 (ブーイングたっだ)
・・・ま、いろいろと仕方ないさ。
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橋本氏の引っ張る地域政党「大阪維新の会」の討論会が昨日あった、と報道されている。
公開討論会と銘打つものの、公開は「報道陣」だけ。
ネットには流されたらしい。
国会議員7人のほか、現知事や市長、前市長も参加という顔ぶれ。
みな、「私も一緒に入れてくれ」のラブコールの思いなのだろう。
新党の基本政策となる「維新八策」に賛同するか否か、そんな踏絵の場。
というより、そんな演出を極めることでマスコミの注目を集めて宣伝効果を狙う、か。
毎日放送は、そんな視点のようだ。
「9日は教育や経済政策などのテーマについて各出席者がそれぞれの考えを述べましたが、基本的に維新八策に賛同しているメンバーばかりで、議論は盛り上がりに欠けました。
経済政策についても大きな意見対立、異論などは出ていません。
集まったマスコミは100社400人に上り、非常に注目度は高かったのですが、結果的に討論会は維新八策のアピールの場となっています。
しかも、彼らは、
こうやって他人がブログ等ネットで話題にされること自体が期待するところであり、
内容が自分たちに好意的であろうと、批判的であろうと注目されること穂期待しているのだろう。
だから、しゃくな気もするけど、様子は記録しておく。
もう一つ気になるのは、橋本氏、原発の再稼働に関して、当初は認めないとしながら、節電すると影響が大変だからと容認姿勢に急転した。
「認めない」としたときまでに、節電の影響は十分に検討したはずなのに、すり替えることがうまい、というか、何とも思わないようだ。
「維新八策」とかも、その場になったら、さらっと変わるのだろう。
ところで、今日は、ここの議会は12日水曜日に本会議で質疑がある。
その質問要点の通告期限が今日の12時。
(通告しない質問は、「通告者全員」が終わってから、その場でできる)
今朝から議案書などの点検と文案作成。
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●橋下「維新」が討論会、参加7議員の合流確実に
次期衆院選に向け、新党「日本維新の会」の設立を目指す地域政党・大阪維新の会(代表・橋下徹大阪市長)は9日、大阪市内で、新党の基本政策となる「維新八策」に関する公開討論会を開いた。
参加した民主、自民、みんなの党の衆参両院の国会議員7人について、いずれも考えが一致することを確認し、新党への合流が確実となった。
参加した国会議員は、民主党の松野頼久元官房副長官(熊本1区)、石関貴史衆院議員(群馬2区)、水戸将史参院議員(神奈川選挙区)、自民党の松浪健太衆院議員(比例近畿)と、みんなの党の小熊慎司、上野宏史、桜内文城各参院議員(いずれも比例)。維新が次期衆院選で擁立を検討している東国原英夫・前宮崎県知事や中田宏・前横浜市長ら首長経験者6人も参加した。
橋下氏は終了後の記者会見で、国会議員7人について、「基本的には同じ考えだ」と述べ、新党に合流する見通しを示した。
●討論会で維新八策「価値観一致」
日刊スポーツ[2012年9月9日17時16分]
新党を結成し国政に進出する方針を決めた大阪維新の会は9日、民主、自民、みんな各党の衆参両院議員7人と首長らを集め、大阪市で公開討論会を開いた。同会が公表した「維新八策」に基づき教育改革などを議論、政策的な方向性や価値観がほぼ一致することを確認した。
維新の会は討論会の結果を踏まえ新党「日本維新の会」のメンバーを選定する方針だ。
維新の会代表の橋下徹大阪市長は討論会で政策理念が一致した政治家集団を形成する重要性を指摘。「価値観が一緒だと確認できた」などと述べた。
討論は教育問題から開始。維新八策で打ち出した教育委員会制度の廃止や学校選択制、教育バウチャー制導入などについて「方向性は正しい」(松野頼久元官房副長官)、「バウチャー制は大賛成」(みんなの党の桜内文城参院議員)などと賛成意見が相次いだ。
討論会は報道関係者向けとされ、一般市民は会場に入れなかった。インターネット動画中継サイト「ニコニコ動画」が生放送した。
議員、首長らのほか、堺屋太一元経済企画庁長官、上山信一慶応大教授らが審査員役を務め、論点などについて問題提起した。討論会は今後、複数回開催する。(共同)
●大阪維新の会 公開討論会 続く白熱議論
テレ朝 (09/09 17:30)
国政への進出を決めた橋下徹大阪市長率いる大阪維新の会は、合流を希望する国会議員らと公開討論会を9日午後現在も行っています。
(高橋大作記者報告)
注目の討論会は午後1時すぎから始まりました。
橋下代表は冒頭のあいさつで、この討論会は「お見合いのようなものだ」と位置づけました。
参加しているメンバーは、現職の国会議員7人と地方自治体の首長ら6人、これに八策の作成に関わった有識者らが意見を添えていきました。
討論会は「維新八策」に沿って進められました。教育委員会制度のあり方からスタートし、経済、そして外交といった国全体の課題についても話し合われ、4時間半以上経った午後5時半現在も議論が続いています。
●維新討論会、議論は盛り上がり欠く
毎日放送 09日17:35
8日に新党旗揚げを正式決定した大阪維新の会。9日は公開討論会が開かれ、新党の中核を担うとみられる国会議員7人と自治体トップの経験者らが出席しました。
討論会は午後1時から始まりました。しかし、討論会に集まった国会議員はそもそも維新の会が打ち出している方向性と一致していて、激しい議論とはならず、淡々と進んでいます。
Q.討論会で一致すれば、すぐに合流する?
「戻って相談してから決めます」(民主党 松野頼久元官房副長官)
討論会には民主党の松野頼久元官房副長官、自民党の松浪健太衆院議員ら国会議員7人と、東国原前宮崎県知事など自治体トップやその経験者ら6人が出席しました。
冒頭、橋下代表は、新党には維新の会が綱領として掲げる「維新八策」の価値観について同じ考えのメンバーが集まるべきだと強調しました。
「果たしてこのメンバーは価値観が一致しているのか。予想だにしていなかった問題に遭遇したときに方向性を1つに固めることができるのか、そういう人間の集団なのかというところを見ていただきたい」(大阪維新の会 橋下徹代表)
「ここに来られた方というのは、おそらくもう、維新の皆さんと価値観とかはある程度共有(しているはず)。いまさら『同意しますか』とか、そういうのはどうなんですかね」(東国原英夫前宮崎県知事)
9日は教育や経済政策などのテーマについて各出席者がそれぞれの考えを述べましたが、基本的に維新八策に賛同しているメンバーばかりで、議論は盛り上がりに欠けました。経済政策についても大きな意見対立、異論などは出ていません。
集まったマスコミは100社400人に上り、非常に注目度は高かったのですが、結果的に討論会は維新八策のアピールの場となっています。
●クローズアップ2012:維新国政進出 やはり「橋下頼み」 発言ぶれ、組織動揺
毎日新聞 2012年09月09日
橋下徹大阪市長率いる地域政党「大阪維新の会」は8日、新党「日本維新の会」を結成し、国政に進出する方針を正式に決めた。
10年4月の結成から約2年半−−発信力の高い橋下氏の個人的人気で勢力を伸ばし、いよいよ国政をうかがう。
しかし、橋下氏ら一部幹部だけが意思決定に関わる運営には、内部に不満もくすぶる。
橋下氏頼みの政治集団から脱皮できるか、組織のあり方も転換期にさしかかっている。【堀文彦、田所柳子、木下訓明】
「執行部の今のところの方針です。皆さんの意見をもって決定させてもらいたい。忌憚(きたん)のない意見をうかがいたい」。
橋下氏は8日、大阪維新の会の全体会議で、約100人の所属地方議員を前に国政進出について意見を求めた。
普段、強気の橋下氏が低姿勢で臨んだのには理由がある。
3日に開かれた維新の大阪府議団の総会で、国政進出を目指す執行部への批判が相次いだからだ。
口火を切ったのは、大阪維新設立メンバーでもある中堅大阪府議。
「新聞に出ている国政に関することは、府議団で決めたことではない。決まったことを、ここで後から『理解してくれ』となるのか」と、維新の組織運営に不満をぶつけた。
維新に所属する地方議員の大半は事実上、意思決定に参加していない。
次々と発信される橋下氏の見解を報道で知るのが実情だった。
ある議員は「これまでテニスボールぐらいの大きさだった組織が、サッカーボールぐらいまで膨らんで問題が出てきた」ともらす。
批判を浴びた執行部は5日、非公開の意見交換会を緊急で開き、説明に追われた。
通常参加しない維新幹事長の松井一郎・大阪府知事も出席。
終了後、批判の急先鋒(せんぽう)だった中堅府議は一転、記者団に「しこりは全くない。大きな戦に向けての準備が整った」と結束ぶりを強調した。
いったん混乱を収拾したものの、維新の抱える構造的な問題が解決したわけではない。
維新躍進のカギが、これまでと同様、橋下氏の発信力に頼る構図は変わっていないからだ。
その分、橋下氏の発言がぶれると、党全体の信頼感を低下させる可能性はなお残っている。
国政進出や主要政策課題を巡る橋下氏の発言は二転三転してきた。
昨春の統一地方選ごろまでは国政への関与自体を明確に否定していたが、大阪府知事・市長のダブル選が迫っていた昨年9月26日、一転して国政進出の可能性に言及。
橋下氏は持論の大阪都構想の実現に向け、「既成政党がつぶそうとするなら、(国政選挙への取り組みを)大阪・近畿圏でやる」と発言した。
今年4月、政府が関西電力大飯原発3、4号機の再稼働を妥当と判断すると、「民主党政権は国民をばかにしている。国民が倒すしかない」と発言。
しかし、電力不足問題が浮上し、節電期間を控えた5月末には「事実上容認する」として前言を翻した。
野田政権に対しても消費増税への手続きを批判する一方で、7月には「すごい。確実に決める政治をしている」と評価した。
地方選挙で勝利を重ねてきた維新は、次期衆院選でも台風の目になるのは確実。
しかし、肥大化する組織で党方針を決めるのは、事実上、橋下氏ら限られた幹部だけだ。ある議員はこう言う。
「いつまでも『橋下オーナーの中小企業』ではいけない。本当に怖い存在になるには、組織力が必要だ」
◇合流見送り議員続出
大阪維新の会は9日、地元・大阪で、政権公約「維新八策」を巡り、現職国会議員との公開意見交換会を予定している。
しかし、議員の出席者は、想定したほど広がっていない。
当初は「選挙に不安な議員が殺到する」(自民党幹部)との見方もあったものの、参加予定者は今のところ、民主党の松野頼久元官房副長官ら超党派議員でつくる「道州制型統治機構研究会」の7人にとどまっている。
維新側にとって意見交換会は、合流を目指す現職国会議員への「公開面接」にあたる。
次期衆院選に向け、知名度のある橋下徹大阪市長と連携はしたいが、維新に一方的にすり寄れば政治家としてマイナス−−そんな国会議員側のプライドもあり、意見交換会への参加を見送る議員が続出した。
意見交換会への申し込みルートも複雑だった。
維新側は参加を希望する国会議員の「窓口」として、主に4ルートを設定。
松野氏ら道州制型統治機構研究会▽大阪府市の特別顧問を務める中田宏・前横浜市長と山田宏・前東京都杉並区長▽大村秀章愛知県知事▽東国原英夫・前宮崎県知事らを通じ、参加を呼びかけてきた。
申し込みルートが限られたことで、結果的に窓口役の国会議員や首長経験者が、参加議員を事前に「選別」することになった。
民主党を離党し、衆院会派「改革無所属の会」に所属する横粂勝仁衆院議員は参加を希望。
しかし、道州制型統治機構研究会の議員が「横粂氏には自前の後援会もない。そんな議員は入れないでくれ」と維新側に申し入れ、横やりが入った。
松野氏らは新党の「創設メンバー」となる見通しで、新党内の主導権争いをにらみ、早くも国会議員同士のさや当てが始まっている。
「後から加われば、一段下にみられかねない」(衆院当選1回議員)との心理も働き、様子見の議員が増加。
維新合流を目指してきた議員は「参加議員に大物はおらず、維新もその程度かと冷めている議員は少なくない」と語った。
●大村氏そつなく、河村氏も安全運転 維新討論会
日経 2012/9/9 22:34
「大阪維新の会」(代表・橋下徹大阪市長)が9日、大阪市内で開いた公開討論会に大村秀章愛知県知事、河村たかし名古屋市長という2人の地方自治体トップも出席した。
既に大阪維新の会に沿った政策を発表した大村知事は、討論会でもそつなく答えた。
一方で河村氏は複数の政策で維新と異なる主張を持っており、その発言は討論会前に関係者の注目を集めていた。
約5時間30分に及んだ討論会は、維新の会が打ち出したばかりの「維新八策」に同意できるかを聞く、いわば「踏み絵」(維新の会ブレーンの堺屋太一・元経済企画庁長官)。ずらりと並んだ顧問の有識者に維新の会幹部が厳しい質問をするよう呼びかけ、国会議員と首長、元首長が質問に答えるというスタイルで大半は進んだ。
例えば維新の掲げる国民総背番号制。
河村氏はこれに異を唱え、有識者と白熱の議論を戦わせた。この光景に東国原英夫・前宮崎県知事は「維新の会はこれでいくと言っている。同意できるかどうかだ」と冷ややかに言い放った。
一方で、河村氏にとっての懸案だった減税政策。これについては維新の会が一律の減税に懐疑的とあって、河村氏もさすがに真っ向からの主張は避けた。
普段なら「日本で唯一ですよ」と胸を張る名古屋の市民税減税は話題にもせず、企業向けの設備投資減税の効用を説くにとどめた。
この姿勢を意中の人、維新の会の橋下代表も高く評価。
終了後の記者会見で「河村さん、主張の仕方が変わったな、と。これまではとにかく減税だったけど、国政レベルになるとそういう考え方じゃないとよくわかりました」と話した。
次期衆院選で「第三極」の中心にいたい大村、河村両氏にとって、国政政党化する「日本維新の会」との選挙協力はどうしても欲しい“飛び道具”。
大きなミスなく乗り切った長丁場を終え、多数のテレビカメラに囲まれた両氏は一様に安堵の表情を浮かべた。
「全体的な価値観が一緒だから集まっている。ベクトルは一緒」と大村知事が言えば、河村氏も「大体いいのではないですかね」と話した。
盟友だった河村氏と大村知事は、知事が独自に「中京維新の会」を設立したことを巡って“冷戦中”。この状況を心配して、休憩時間中には維新の会の橋下代表や松井一郎幹事長(大阪府知事)から仲直りを促される場面もあったという。大阪維新の会は大村・河村両氏の和解を連携の条件に掲げている。近くじっくりと話し合うことを約束して握手を交わし、2人は会場を去った。
●維新、衆院で単独過半数めざす 橋下氏会見詳報
日経 2012/9/8 23:59
地域政党「大阪維新の会」代表の橋下徹・大阪市長は8日の記者会見で国政進出の狙いなどを語った。質疑の概要は以下の通り。
■今の国家運営に嫌気さした
――全体会合で何が決まったのか?
「国政政党を目指すという方向性が一番の決定事項。次の衆院選までは僕が代表をし、新しい国会議員が誕生したら代表選もやる。党の名称は『日本維新の会(にっぽんいしんのかい)』に決まった」
――今後のスケジュールは?
「まだ国会議員ゼロ。大阪維新の会の内部手続きで国政政党『日本維新の会』を作ると決めたところです。政党要件を満たしていない」
――維新八策の最終案も了承されたのか?
「最終案はまだ議論して修正するかもしれないが、維新八策は党の綱領にした」
――目標は第1党か?
「政治的な決定をやる以上は過半数だ。ただほかの党と選挙後に連携、協議して政策実現する、という意味での過半数を含む。基本的に過半数を目標にするが、過半数絶対主義も改めるべき大きなテーマだ。過半数をめざすが、絶対目標ではないと思っている」
――衆院で過半数とっても、参議院で議席がない。
「衆院、参院それぞれ多数をとったところが与党の責任を負わないといけない。衆参のねじれがあるのに、民主党だけに与党の責任を負わす考え方がおかしい。参院で過半数がないから何も決められないという考え方は、もうおかしいと思う」
――地域政党「大阪維新の会」の地方議員も新党の党員になるのか?
「日本維新の会のもとに大阪維新の会もある。できればいろいろな地方でも同じような地域政党が形成され、日本維新の会のもとに入ってくれれば」
――地域政党が国政に進出する理由は何か?
「国政へ働き掛けないと大阪都構想は完成できない。実際に大阪都をつくろうと思えば、いくつも法律の壁にぶつかる。霞が関や永田町で決めたルールで地方は縛られていて、大阪都構想を実現しようと思っても今回の法案だけでは足りない。これからも国会議員が動いてくれるとは限らない。ならば自分たちでやろうというのが1点。それとつくづく、今の国家運営の仕組み、統治機構に嫌気がさした。永田町や霞が関のドタバタ劇でも地方交付税が影響を受けている。自治体が自立するためには、国会の、統治機構の根っこを変えないといけない。国の根っこの部分を変える、国の統治機構を変える、国と地方のあり方を変える、ということで国政に挑戦することになった」
――自ら国政進出しないといけないと考えた理由は?
「国会議員は地方行政の現場を知っている人が少ない。ありとあらゆるところに法律の問題があり、生活保護も教育行政でも、すべて法律の壁にぶちあたる。自治体によって国民の生活が支えられている面も大きい。地方の現場の実情、細かな現実の問題を知らず、国政を運営するのは違うと思う」
■大阪にいても全く問題ない
――国政進出はいつごろから考えていたのか?
「大阪府知事就任直後から思いはどんどん強まっていた。永田町や霞が関が全然現場を知らない。国は国の役割に集中すればいい。国の形を変えないと大変なことになる。日本の政治行政が機能していない、疲弊しきっていると知事就任直後から感じた」
――大阪の有権者から理解は得られるか?
「僕や松井一郎・大阪府知事は市政、府政を引き続きしっかりやる。その点は市民のみなさんにしっかり評価してもらおうと思う」
――党首と首長の兼任は、どのような仕事の仕方になるか?
「全力でやるしかない。与えられた時間は1日24時間を使って全力でやる。できるかどうかはやってみないとわからない。国民の皆さんにできていないと思われれば、審判が下されるんじゃないか」
――東京と大阪のバランスは?
「東京にいないといけないのか。今は通信手段も発達している。いくらでもやりようがある。組織で役割分担をすれば、大阪にいてもまったく問題ない」
――大阪にいることが多いのか?
「大阪市長ですし、なかなか妻のもとを離れるわけにはいかない。お泊まりは厳禁です」
――大阪都構想法案が通ったが、名称が府のまま。都じゃないとだめか?
「名は体を表す。今までの大阪府とは変わっているから、府のままではだめ。それだったら自分たちで変えればいい。だから国政進出を決めた。国会議員の皆さんや永田町、霞が関にお願いばかりの地方行政は嫌だ」
――大阪以外の他の地域の理解は得られないのではないか?
「地方でものごとが決まる仕組みは大阪だけに適用されるものではない。大阪都の実現はすなわち地方の自立なので、大阪だけの問題じゃなくて、日本全国の統治機構にかかわる問題だ」
――衆院選候補者の公募スケジュールは?
「公募の準備は始める。公募(対象)は維新政治塾の塾生、政治行政の経験者。まずは第一候補はここからスタートする。広く誰でも応募を受け付けることにはしない」
――参院選については今の時点でどう考えているか?
「現時点では何も考えていない」
■家族は猛反対、話さず決めた
――市長の任期満了までは国政に転じることはないのか?
「僕は大阪市長として都構想を実現しないといけないから。それは大阪市役所でしっかりやる」
――公募では選考委員会を立ち上げるのか?そのトップは誰か?
「立ち上げる。最後の公認権は僕が持つが、準備は選考委員でやる」
――公募は今月中にも始めるのか?
「今月中にやらないと間に合わない」
――いつもと髪形が違うが?
「散髪に行ってから会合に来た。失敗しちゃって。ちょっとまじめにしてと言ったら……」
――髪形は新党結成に向けての気合の現れではないのか?
「全然違う」
――衆院選で過半数取った場合、内閣総理大臣の上に大阪市長がいることになる。
「過半数は目指すけれど……。(記者に対し)どれぐらい本気で言っています?」
――結構、本気ではないのか?
「実際にどこまでやれるか分からないが、今のままじゃだめだ。財源確保にしても消費税の問題にしても、永田町が決めないかぎり地方が決められない。いろんな法律で縛られている。変えようと思ったら永田町、霞が関にお願いしないといけない。僕はこういう日本の国の仕組みにはうんざりだ。もうお願いするぐらいなら自分でやったらいいと思った。人生は1回ぽっきり。命まではとられないでしょうから、1回はやってみる。文句ばかり言わずに、不平不満ばかり言わずに、自分でやってみるということで、今回こういう行動を起こした。実際どうなるかは分からない。あとは国民の皆さんに判断してもらうしかない」
――家族は何と言っているのか?
「猛反対。大反対ですよ。いいかげんにしてと思っているでしょうね」
――話し合いはしたのか?
「何もせずに決めちゃいました。大変です。これからまた説明します」
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この地域にもやっと「フレッツ光」が通った。
9月1日から。
私のところも、昨日から使えていて、とても快調。
スピードを測ってみると、下記の記録。
◎ 「Blog時代のスピードテスト」FLASH版でテスト・・・おおよそ 40Mpbs
◎ 速度.jp スピードテスト 高機能版でテスト・・・・70~110Mpbs
「速度.jp 」の「診断コメント」は
「フレッツ光ネクスト エクスプレスの下り平均速度は43Mbpsなので、あなたの速度はかなり速い方です!おめでとうございます。
電話も「2回線」を払っていたけど、「光」は電話回線の概念なく、電話が使える。
従来の電話回線の基本料も不要。2回線だから、それだけでも割安。
併せてテレビの契約もした。
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うちのパソコンの今朝の計測結果 ↓
● 「Blog時代のスピードテスト」FLASH版
2012/ 9/ 9
「Blog時代のスピードテスト」FLASH版 http://www.oak.dti.ne.jp/~flash/
ご来場頂きまして誠に有難うございます。
------- 06:55:01 -------
DL先 : Server A
レスポンス: 54 ms ※カット
DLデータ: 3303785 byte
読込時間 : 565 msec
読込速度 : 44.61 Mbps
------- 06:55:22 -------
DL先 : Server A
レスポンス: 35 ms ※カット
DLデータ: 3303785 byte
読込時間 : 568 msec
読込速度 : 44.38 Mbps
------- 06:55:35 -------
DL先 : Server A
レスポンス: 35 ms ※カット
DLデータ: 3303785 byte
読込時間 : 571 msec
読込速度 : 44.14 Mbps
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● 速度.jp スピードテスト 高機能版
このサイトでは、ご利用のインターネット回線の回線速度を正確に測定できます。上り速度の測定にも対応しています。
測定結果の診断とアドバイスを行いますので、ご利用環境を選択してください。
■速度.jp スピードテスト 高機能版 回線速度測定結果
サーバ1[NTTPC(WebArena)] 112Mbps
サーバ2[ さくらインターネット ] 77.5Mbps
下り受信速度: 112Mbps(14.0MByte/s)
上り送信速度: 4.0Mbps(4.03Mbps,504kByte/s)
診断コメント: フレッツ光ネクスト エクスプレスの下り平均速度は43Mbpsなので、あなたの速度はかなり速い方です!おめでとうございます。(下位から95%tile)
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各省庁の来年度予算の概算要求がまめられた。
初めて100兆円を突破した、という。
それも一気に120兆円。
震災の関係で、
福島県での企業立地補助金、被災者の健康管理や長期避難者支援、中間貯蔵施設の用地買収などは必要額を計算中で、総額はさらに増える見通し、とも。
公共施設耐震工事などの全国防災事業については12年度当初予算から倍増の9412億円が要求された。
財務省は震災と直接関係の無い“便乗要求”がないか厳しく査定する、という。
金がないというのに、やりたいことはたくさん。
ということで、各省庁の傾向などの記事も見た。
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●概算要求 過去最大102兆円台
東京 2012年9月8日
財務省は七日、二〇一三年度予算の概算要求を締め切った。一般会計の要求額は九十八兆円程度となり、東日本大震災の特別会計に計上する復興予算四兆四千七百九十四億円を合わせた要求総額は、一二年度の九十八兆四千六百八十六億円を上回る百二兆円台と過去最大に膨らむ。高齢化に伴う社会保障費の増加に加え「日本再生戦略」に絡む要求が約二兆円となり、総額を押し上げた。
安住淳財務相は七日の閣議後の記者会見で「これはあくまで要求。財務省がばっさり切る」と述べた。政府は、国の借金返済に充てる国債費を除いた一般会計の歳出を一二年度と同水準の約七十一兆円以下に抑える方針。これには予算査定で二兆円以上を削減する必要がある。
復興予算は要求額に上限を設けなかったため、一二年度の要求額を一兆円近く上回った。国債発行残高の増加や金利上昇への備えで国債費も過去最大の二十四兆六千四百五十五億円となり、要求が膨らむ要因となった。
社会保障費の自然増は、一三年度は八千四百億円となる見通し。政府は自然増の計上を認めたため、厚生労働省の要求額は初めて三十兆円を突破し、省庁別で最大となった。
経済再生に向けた日本再生戦略を実現する環境、医療、農林漁業の重点三分野では、経済産業省が工場などに省エネ設備を導入する際の補助金として三百億円を要求。農林水産省は若者の新規就農支援に三百四十九億円を求めた。
◆特別3分野 押し上げ
政府が七日締め切った二〇一三年度予算の概算要求が百兆円規模に膨らんだ背景には、政府の「日本再生戦略」に沿った要求を事実上の青天井にしたことがある。歳出全般にわたって「聖域なく効率化を図る」と掲げた方針は、今のところ有名無実。各省庁の都合で予算額を奪い合うだけでは、国民生活の改善にはつながらない。
「10%カット後に四倍で要求できたので、金額が膨らんだ。年末にこの額の仕上がりになるとは思えない」。ある省庁の担当者は、こう明かした。
予算編成を担当する財務省は今回、各省庁に対し、経費を一律10%削減することを原則に掲げた。さらに日本再生戦略の方針に絡む環境・エネルギー、医療、農林漁業の三分野は、各省庁が歳出を削減した額の二~四倍増額できる「特別重点要求」という仕組みを新たに導入した。
この結果、概算要求で再生戦略にまつわる事業の要求額は、全省庁の合計で二兆円規模まで膨らみ、全体額を膨らませる一因となった。
たとえば、重点三分野に該当する事業を多く所管する経産省は、要求倍率の高い再生エネルギー関連の事業などを並べた結果、全体の要求額は一二年度当初予算額と比較して三割増になった。同じく、農林水産省も約一割膨らんだ。
三分野にまつわる事業を直接所管しない他省庁でも、重点分野に関連づけした例が目立つ。国土交通省は、海上保安庁の巡視艇整備事業を、「環境」として約八十三億円要求。海底資源を守ることが、環境エネルギーに資するとの論法だ。
安住淳財務相は同日の会見で、今回の概算要求について「あくまで要求。あれもこれもついでにというのは却下する」と強調する。今後、財政当局が膨らんだ要求をどう整理するかが問われる。 (石川智規、木村留美)
●4年連続の過去最大=復興含め102兆円台-来年度予算概算要求
時事 (2012/09/07-21:15)
財務省は7日、各省庁による2013年度予算の概算要求を締め切った。一般会計の要求額は97兆円台後半に上る。さらに特別会計で別途管理している東日本大震災の復興費を合わせた総額は12年度要求の98兆4686億円を上回り、102兆円台に膨らむ見通しだ。
事実上、4年連続の過去最大となる。
限られた財源の中で歳出の膨張を防ぐため、厳しい予算編成作業が迫られる。
野田佳彦首相は自民、公明両党党首と「近いうち」の衆院解散で合意している。年内に解散・総選挙が行われて政権の枠組みが変わる事態になれば、予算編成の方針が大きく転換され、概算要求は白紙状態に戻る可能性もある。
政府が先月17日に決定した概算要求基準では、公共事業費など政策的経費を12年度比1割削減する代わりに、日本再生戦略の最重要分野「エネルギー・環境」「健康」「農林漁業」などの関連施策は各省庁が削減額の1.5~4倍を要求できる仕組みにした。
この結果、重点要求が2兆円程度に達し、一般会計の要求総額を押し上げた。
●予算概算要求締め切り…過去最高の102兆円
(2012年9月7日20時10分 読売新聞)
財務省は7日、2013年度予算の各省庁からの概算要求を締め切った。
一般会計予算と東日本大震災の復興関連予算を合わせた要求総額は約102兆円と、4年連続で過去最高を更新し、初めて100兆円を突破した。
財務省は年末に向けて厳しく査定し、無駄な事業を削っていく方針だ。
一般会計は98兆円弱で、このうち「環境・エネルギー」「健康」「農林漁業」の3分野を含めて成長が期待できる分野への重点要求は約1・8兆円だった。
上限を設けなかった復興関連は4・5兆円で、前年度を1兆円上回った。ほぼ満額認められる公算が大きい。政府は、復興関連予算を「11~15年度で計19兆円」としていたが、13年度までの累計額が20兆円を超えるのはほぼ確実だ。
●過去最大の102兆円台 13年度予算の概算要求
中国 12/09/07
財務省は7日、2013年度予算の概算要求を締め切った。一般会計の要求額は98兆円程度となり、東日本大震災の特別会計に計上する復興予算4兆4794億円を合わせた要求総額は、12年度の98兆4686億円を上回る102兆円台と過去最大に膨らむ。高齢化に伴う社会保障費の増加に加え「日本再生戦略」に絡む要求が約2兆円となり、総額を押し上げた。
安住淳財務相は7日の閣議後の記者会見で「これはあくまで要求。財務省がばっさり切る」と述べた。政府は、国の借金返済に充てる国債費を除いた一般会計の歳出を12年度と同水準の約71兆円以下に抑える方針。これには予算査定で2兆円以上を削減する必要があり、財務省と各省庁で激しい攻防が繰り広げられそうだ。
野田佳彦首相は「近いうち」の衆院解散・総選挙を確約している。政権交代があれば、予算案づくりの方針が見直される可能性もあり、不確定要因を抱えながら予算編成作業がスタートする。
●概算要求:復興費、財源確保に課題
毎日新聞 2012年09月07日
東日本大震災からの復興費などを管理する復興特別会計には、13年度分として4兆4794億円(12年度当初予算比19%増)の要求があった。11年度補正や12年度当初で既に18兆円超の予算が計上されており、13年度要求分を加えると約23兆円に膨れ上がる。財源が確保されている19兆円の枠を超えるのは確実で、年末の予算編成に向け、新たな財源探しが課題になる。
概算要求では、東京電力福島第1原発事故の除染費4996億円▽原発事故の汚染土などを一時的に保管する中間貯蔵施設の設計費139億円▽災害復旧費6897億円▽復興交付金5827億円−−など、被災地の復旧復興に計2兆8230億円(同38%増)を計上。
このほか、福島県での企業立地補助金、被災者の健康管理や長期避難者支援、中間貯蔵施設の用地買収などは必要額を計算中で、総額はさらに増える見通しだ。
一方、公共施設耐震工事などの全国防災事業について、12年度当初予算から倍増の9412億円が要求された。
財務省は震災と直接関係の無い“便乗要求”がないか厳しく査定するが、不要な歳出が膨らめば、財政悪化に拍車がかかる。
●概算要求、省益優先・バラマキの芽目立つ
日経 2012/9/8
2013年度予算の各省庁からの概算要求と、13年度税制改正要望が7日、出そろった。政府がまとめた「日本再生戦略」の実施に向け、環境・エネルギーなど重点3分野に予算の増額要求が集中。要求総額は、政策経費の上限である71兆円を2兆~3兆円規模で上回る。増額分野では既存の政策の寄せ集めや省益優先で事業の重複も目立つ。公共事業費が増額要求となるなど、バラマキの芽も見え隠れする。
「再生エネルギーを日本の産業の柱にする」。細野豪志環境相は7日の閣議後の記者会見で、環境・エネルギー分野に重点を置く13年度予算をこう位置づけた。
■省庁間で主導権争い
環境省の概算要求は復興特別会計を含めて1兆1177億円。過去最大だった12年度当初予算を9%も上回る。増額要求の背景にあるのは、政府が8月に閣議決定した概算要求基準で設けた「特別重点要求」だ。
特別重点政策と位置づけられた「環境・エネルギー」「健康」「農林漁業」の3分野は、手厚い予算要求ができる。エネルギー行政を担当する経済産業省は、蓄電池の開発などエネルギー関連の特別要求だけで2095億円を盛り込んだ。
各省がこぞって増額をめざしたため、事業の重複がみられる。たとえば再生エネ分野では、バイオマスや洋上風力発電の開発にかかわる予算を経産省と環境省がそれぞれ要望。事業内容に差はほぼなく、エネルギー政策をめぐる省庁間の主導権争いが要求額の膨張につながった面もある。
農林水産省は特別重点要求として、新規就農者が農業から安定収入を得られるまで、最長7年にわたり年150万円を支給する制度で今年度当初予算に比べて2.4倍の予算を要求。支給対象を林業と漁業にも広げるよう求めた。
政策の新味は乏しい。多くの政策は昨年10月にまとめた「農林漁業再生の基本方針」の具体化に向け12年度に新設した制度の拡充だ。特別重点要求の積み上げにはバラマキの要素も潜む。
■従来型事業が復活
7日締め切った概算要求では、一般会計ベースでの要求総額が98兆円に達する見通し。国・地方の借金が膨らみ続ける中で歳出抑制は大きな課題だが、国土交通省が要求した公共事業費は今年度当初予算比で5%増えた。震災をきっかけに強気の要求姿勢を貫く。「整備新幹線事業も防災・減災対策」(国交省幹部)。次なる危機への対応に名を借りた従来型事業が復活し始めている。
税制改正要望でもエネルギー分野の減税措置が並んだ。経産省などは環境に優しい設備投資への減税制度で新たに蓄電池を対象にし、企業が自家発電に使うコージェネレーション(熱電併給)設備の減税を拡大するよう求めた。
BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストは「エネルギー・環境や健康、農林水産業は成長分野だが、予算をつけるだけでは高コストの構造が温存される。規制緩和も進めなければならない」と指摘する。
●厚労省概算要求、初の30兆円超 在宅医療充実など重点要望
日経 2012/9/5
厚生労働省は5日、2013年度の概算要求をまとめた。高齢化に伴う年金や医療費の自然増は今年度比27%減の約8400億円。
一般予算総額は自然増の全額計上が認められたため、今年度比2.9%増の30兆266億円となり、初めて30兆円を超えた。政府が重点配分する枠には、革新的な医療機器の開発支援や在宅医療の充実を要望する。
例年、社会保障の自然増は1兆円前後だが、13年度は8412億円となる。来年75歳になる世代の出生率が日中戦争の影響などで低いのが理由。75歳以上の高齢者に適用される医療費の自己負担は1割で、厚労省は医療費に絡んだ予算を抑制できると説明している。例年であれば要求額の伸び率は2.9%を上回っているが、13年度は伸び率が抑えられた。
ただ、厚労省の概算要求は「予算編成過程で検討する」とした調整項目も多く、実際の要求額はさらに膨らむ可能性がある。
70~74歳の医療費自己負担は原則2割だが、これまでは予算措置で1割に抑えてきた。今回の要求額は2割負担を前提に策定した。1割負担を維持することになれば、予算額はさらに2000億円程度増える。
生活保護の支給基準額は年末に向けて調整する。中小企業の会社員が加入する全国健康保険協会(協会けんぽ)の補助金は削減する前提だ。
政府の日本再生戦略に関する特別枠では、1088億円を要求する。革新的な医療機器、医薬品の開発支援などで411億円を要求する。
生活保護受給者の就労支援など低所得者対策には142億円を投じる。
●まちづくり、防災に重点=公共事業費4.1兆円-国交省概算要求
時事 (2012/09/07-12:52)
国土交通省は7日、2013年度予算概算要求を発表した。一般会計総額は前年度比4.3%増の4兆7410億円。
このうち、民主党政権発足後、大幅削減されてきた公共事業費は5.1%増の4兆1343億円を要求する。
13年度予算概算要求基準で設けられた特別重点要求枠を活用し、低炭素・循環型のまちづくりに213億円を計上。巨大地震に備えて建築物の耐震化を進める防災対策費として、150億円も盛り込んだ。
このほか、東日本大震災復興特別会計に8754億円を計上した。被災地の復興を本格化するとともに、全国で津波防災対策などを強化する。
低炭素型まちづくりでは、都市機能を中心部に集約し、徒歩や公共交通機関で市役所や商店街など主な施設間を移動できるようにすることにより二酸化炭素(CO 2)排出量を減らす「コンパクトシティー」整備の支援事業として8億円を要求する。国が管理するダムへの小水力発電設備増設など、公共施設での再生可能エネルギー活用や省エネ対策には、12年度の100倍以上となる160億円を計上した。
●女子選手海外修行に3億円支援…文科省概算要求
(2012年9月6日17時48分 読売新聞)
女子スポーツ選手の国際大会での活躍を受け、文部科学省が、女性アスリート強化支援の新たな取り組みとして、2013年度予算の概算要求に約3億円を盛り込んだことが6日、分かった。
海外リーグに参戦する選手の「海外武者修行」のための渡航費や滞在費を支給するもので、五輪で活躍が期待されるアスリートの強化支援に本腰を入れる。
昨夏のサッカー女子ワールドカップ(W杯)で日本代表(なでしこジャパン)が初優勝を飾り、ロンドン五輪ではバドミントンと卓球で日本初のメダルを女子が獲得、重量挙げとアーチェリーでも女子初のメダリストが誕生したことなどが追い風となった。新規事業では、それぞれの競技の強豪国でチームに所属したり、練習に参加するなどの際に、渡航費や現地での生活費を支給する。初年度は8競技の選手を対象とし、国内競技団体から推薦を受けることを検討している。
●消防防災インフラを強化=2.3%増の17.8兆円-総務省概算要求
時事。(2012/09/07-09:39)
総務省は7日、2013年度予算概算要求を発表した。一般会計の総額は前年度比2.3%増の17兆8557億円。自治体に配る地方交付税は同1.5%減の17兆1970億円となった。地方交付税などを除く政策的経費は同33.6%増の4231億円で、東日本大震災を踏まえた消防防災インフラの強化に重点配分した。
消防防災関係では、水陸両用車の配備など自治体の緊急消防援助隊の強化費として10億1000万円を新たに要求。地方自治関係は、自治体の情報通信基盤を民間事業者に開放して医療や介護などの住民サービス向上につなげる実証事業に11億5000万円を計上した。
政策的経費は、次期衆参両院選挙の関係経費を計上したことで大きく伸びた。
●復興庁発足後初の概算要求、2兆8230億円
(2012年9月7日14時48分 読売新聞)
復興庁は7日、発足後初めてとなる来年度予算の概算要求を発表した。
高台移転など被災者の住まいの再建を進めるための復興交付金(5827億円)のほか、防潮堤や農地の復旧事業費(6897億円)など2兆8230億円で、2012年度当初の復興予算から38・2%増になっている。
ほかに増額されたのは、仮設住宅を暮らしやすくする補修などを支援する費用(648億円)や、原発事故の影響を受けた福島県産農産物や観光業に対する風評被害対策費(30億円)など。また、被災商工業者の工場や生産設備再建のための「グループ補助金」については、希望が多いことから制度継続を要望した。
●環境省、1兆1千億円超要求へ 復興や再生エネ導入
2012/09/05 13:57 共同通信
環境省は5日、13年度概算要求で、過去最大だった12年度当初予算より約9%増の約1兆1200億円を計上することを明らかにした。大震災からの復旧・復興と再生可能エネルギー導入の拡大が柱。同日の民主党環境部門会議で示した。
復旧・復興事業では、福島県内の除染で出た汚染土壌などを保管する中間貯蔵施設の設計費や、栃木など4県で計画する「指定廃棄物」の最終処分場整備費など、廃棄物関連で600億円程度を計上する見通し。
新規事業として、福島原発事故の被ばくが遺伝子に与える影響を調べるため、福島県民を対象に「全ゲノム(遺伝情報)解析調査」を実施する費用も盛り込んだ。
●経産省は1・1兆円要求 再生エネ重点で3割増
東京 (共同)2012年9月6日
経済産業省は6日、2013年度予算の概算要求の概要を民主党経産部門会議に報告した。一般会計の要求総額は1兆1648億円。再生可能エネルギーの導入拡大策など日本再生戦略に沿った特別重点枠、重点枠に計2572億円を配分し、12年度予算に比べると約3割増になった。
再生エネルギー、省エネの分野で2095億円を計上。既存住宅の省エネ改修補助金100億円、マンションの節電システム導入支援費90億円などを盛り込んだ。成長が期待される医療など「ライフ」の分野は227億円、農林漁業分野は106億円。
原発などの地元向けの電源立地地域対策交付金は12年度並みの1千億円程度。
●いじめ対策費など要求=7.2%増の6兆455億円-文科省
時事。(2012/09/07-15:57)
文部科学省は7日、2013年度予算概算要求を発表した。一般会計と復興特別会計を合わせた要求額は前年度当初比7.2%増の6兆455億円となった。特別重点・重点要求枠は4943億円。東日本大震災を受けて、公立学校施設の耐震化などの防災対策費3022億円を盛り込んだほか、いじめ対策としてスクールカウンセラーの配置拡充などで73億円を要求した。
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内閣官房の国家戦略室が原発ゼロだと電気代が倍になる方向の資料を出している。
「エネルギー・環境会議』の資料。のちほど、リンクし、図をコピーしておく。
同会議の「資料2 エネルギー・環境戦略策定に当たっての検討事項について」の中の「ナリオ別の影響』のページ
経済界はもちろん、一部、原発推進の新聞なども、そこを強調している。
しかし、「“原発ゼロだと電気料金高騰”は疑問」などの反論も多く出ている。
東京新聞は社説で、明確に「間違い」を指摘している。
ともかく、政府は世論を受けて、「原発ゼロ」を目標にするらしい。
しかし、年限を示さない、ポーズだけの逃げ。
(朝日)民主党のエネルギー・環境調査会(会長・前原誠司政調会長)は4日、「原発ゼロ」実現を2050年代前半とし、
さらに前倒しするため、15年に具体策を示すとした素案をまとめた。
事実上、結論を3年間先送りする。
ブログ末には、「原発ゼロ社会/期限を切って実現目指せ」という河北新報の社説を記録。
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●【社説】原発ゼロ社会 電気代高騰は本当か
東京 2012年9月4日
二〇三〇年の原発比率を決める議論が大詰めだ。
国民の多くが「原発ゼロ」を望む一方、政府内には電気代高騰や電力不足を招くとの慎重論がなお残る。
だが、その主張にまやかしはないのか。
「原発ゼロ」でも電力不足が生じないのは、今夏が証明した。
東京電力管内は猛暑日が連日続いたが供給力は勝り、西日本でも関西電力大飯原発の再稼働なしで電力が足りたのは周知の通りである。
では、電力料金高騰の方はどうか。政府は家庭の電気代について三〇年に原発ゼロとした場合、一〇年を月一万円とすると一万四千~二万一千円に跳ね上がる試算を示した。
しかし、これは省エネ技術や節電行動を無視した、いわば“非現実的な数字”である。
省エネ対策を研究する独立行政法人、科学技術振興機構によると、例えば消費電力が多い家電を一九九五年製と〇五年製で比較すると、消費電力はエアコンで43%減、冷蔵庫は実に72%減だった。
こうした省エネ性能の向上や節電の広がり、さらに次世代自動車や省エネ住宅などの普及予測から、年間の総電力消費量は現行の一・一兆キロワット時から〇・八兆キロワット時に約27%下がるとみている(政府予測は一兆キロワット時)。
発電単価が高くなっても家庭の電力消費が大きく減るので、電気代は今より半減も可能と主張する。
家電などの買い替えを前提としているが、省エネ技術を無視したり、逆に消費電力の大きい粗鋼生産量をかさ上げするような政府試算よりはよほど信頼できよう。
大阪府市エネルギー戦略会議に提出された自然エネルギー財団の試算も、家庭で約三割節電すれば、電気代は一〇年と変わらないとの結果だった。
こうした試算以外にも、電力会社の地域独占など非効率を改めれば電気代は下げられる。
再生可能エネルギーも、市場参入を促し、技術革新や量産化で発電コストの引き下げを目指すべきだ。
何より原発は「安全神話」が崩壊した瞬間に、政府が最安としてきた「経済性神話」も崩れ去った。
同財団は福島事故の損害賠償や除染が二十兆~七十五兆円に上り、立地対策費などを適切に反映させれば、原子力の発電コストが最も高くなると指摘した。
国民の過半が原発ゼロを望む重い覚悟を受け止めるべきだ。政府が方針を決めれば、民間や国民は知恵を絞り、工夫を重ねよう。それが日本の国民性である。
●原発ゼロで“光熱費大幅上昇も”
NHK 9月4日 14時46分
政府は新しいエネルギー政策の策定に向けた関係閣僚会議を開き、この中で枝野経済産業大臣は、将来、原発がゼロになった場合には家庭の平均的な光熱費が2倍の3万2000円余りへと大幅に上昇するおそれがあることや青森県が受け入れてきた使用済み核燃料の扱いをどうするかなど課題があると、報告しました。
会議ではまず、古川国家戦略担当大臣が、政府が行った各種の世論調査について、「少なくとも過半の国民は原発に依存しない社会の実現を望んでいる」という検証結果がまとまったと報告しました。
一方、枝野経済産業大臣は原発がゼロとなった場合の課題について報告し、
▽これまで青森県が再利用されるのを前提に受け入れてきた使用済み核燃料の扱いをどうするかが大きな課題となることや、
▽2030年に原発をなくし、代わりに太陽光や風力などの再生可能エネルギーの普及を図る場合、送電線の整備や土地の確保などに必要な投資額が50兆円に上る見込みであることなどを指摘しました。
また、枝野大臣は、
▽原発をゼロとした場合の家計への影響として、1人暮らしを除く世帯の電気料金を含む平均的な光熱費は、おととしは月額1万6900円だったのが、最大3万2243円と、2倍に増えるという試算も示しました。
さらに、▽将来、原子力に関する技術をどう維持していくのかや、
▽輸入に頼る原油やLNG=液化天然ガスについて日本企業の価格交渉力が低下しないよう対処することも課題だとして指摘しました。
政府はこうした課題も検討しながら、近く改めて関係閣僚による会議を開き、新しいエネルギー政策に「原発ゼロ」を明記することも含めて、最終調整することにしています。
●原発ゼロ、再生エネ拡大が柱 政府環境戦略の素案判明
西日本 2012年9月7日
東京電力福島第1原発事故を受けた政府の「革新的エネルギー・環境戦略」の素案が6日、判明した。
「原発に依存しない社会の一日も早い実現」を掲げ、「グリーンエネルギーの拡大」「エネルギーの安定供給」と合わせ3本柱とした。
原発比率は「2030年には15%を下回らせ、さらにゼロを目指す」としたが時期は空欄。
高速増殖炉もんじゅ(福井県)は廃止、原子力委員会は廃止を前提に見直す。戦略は来週初めまでにまとめ閣議決定する予定で、脱原発が初めて公式な政府方針となる見通し。
●原発ゼロ「50年代前半」 民主、結論は15年に先送り
朝日 2012年9月4日18時28分
民主党のエネルギー・環境調査会(会長・前原誠司政調会長)は4日、「原発ゼロ」実現を2050年代前半とし、さらに前倒しするため、15年に具体策を示すとした素案をまとめた。
事実上、結論を3年間先送りする。
一方、野田政権は同日、「原発ゼロの課題」をまとめた。政権は党の提言を踏まえ、来週にも新しいエネルギー政策を決める。
民主党調査会の素案は、「原発ゼロ社会を目ざして」と題し、原発ゼロを実現する前提でまとめた。
「40年廃炉」の規定を厳しく適用する、停止中の原発は原子力規制委員会の安全確認を得たものだけ再稼働する、新増設をしない――という3原則を明記。
これで50年代前半に原発ゼロが実現する。
さらに前倒しを目指して15年にその後の目標を定める。
そのため、今後3年間を再生可能エネルギー導入や省エネルギー推進の「スタートダッシュ期間」と位置づけている。
●フクシマウォッチ:原発ゼロを目指す古川戦略相
ウォール・ストリート・ジャーナル日本版 2012/9/6
政府のエネルギー・環境会議は近く中長期のエネルギー戦略を決めるが、古川元久国家戦略相は脱原発に向けたキャンペーンを強化している。
古川戦略相は6日、自然エネルギー財団主催の国際シンポジウムで講演し、「何年もふるさとに帰れないような事故を起こすリスクのある原発からは一日も早く脱することのできる社会を作っていくため、その大きな方向性を指し示すことが使命だ」と語った。
エコノミストや政府当局者のなかには、こうした動きは日本経済に深刻な打撃を与えることになると指摘する向きもいる
。実際、経済産業省は今週、調査報告書を公表し、原発ゼロとする場合、家計の電気代は2倍になるとの見方を示した。
しかし、古川戦略相は再生可能エネルギー生産の促進につながるという点で、脱原発が日本経済に利益をもたらす可能性があると指摘する。
同相は講演で、「グリーンエネルギー革命を実現することが、長期の低迷に苦しんできた日本の新しい時代をリードしていく」と語った。
「イノベーション」の定義を試みることから、秋葉原型の創意工夫、酒の輸出促進に至るまで、低迷の続く日本経済の復活につながり得るアイデアを模索する古川戦略相に、JRTは注目してきた。
古川戦略相は講演で、日本経済を10年前の米国と比較した。
同相は、米国は情報技術産業の繁栄を通し景気拡大に成功したと指摘。
再生可能エネルギーを推進するとともに原発を脱することで、日本もこれと同じことを行うべき時だと語った。
●2段階で「原発ゼロ」 政府、エネ戦略で調整
中国 '12/9/6
政府は5日、新たなエネルギー・環境戦略で、2030年時点で総発電量に占める原発比率を15%以下に引き下げ、最終的には「原発ゼロ」を目標とする方向で調整に入った。
全原発の廃炉に向けた工程表を15年までに作成し、2段階で脱原発を実現する。
再生可能エネルギーの普及状況や国際的なエネルギー情勢をにらみながら工程表を5年ごとに見直す。
民主党内には、早期の原発ゼロへの慎重論が根強く、実現時期を明示することは難しいと政府は判断。
段階的に原発を廃止する目標を掲げることで決着を図る考えだ。
民主党のエネルギー・環境調査会は5日の総会で、政府への提言の最終調整を調査会の役員会に一任した。
同調査会は週内に提言をまとめ、政府に提出する。
政府は、野田佳彦首相がアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議から帰国した後の10日に新戦略をまとめる方向で調整している。
政府のエネルギー・環境会議では、原発ゼロに向けた課題として、核燃料サイクル政策の見直しや、原発を代替する再生可能エネルギーの拡大、原発立地地域の振興策などを掲げている。工程表にはこれらの課題を克服する方策やスケジュールが盛り込まれる。
原発ゼロの時期を現時点で明確にすることには、経済界や労働組合の反発も強い。政府は衆院解散・総選挙をにらみ、脱原発を求める世論の広がりも踏まえつつ、現実的な着地点を探っている。
野党はより早期のゼロ目標を打ち出す可能性があるが「課題への克服策がないまま、原発ゼロの時期だけが選挙の争点になるのは避けたい」(官邸筋)との思惑もある。
●「原発ゼロ」宣言も目標年限は見送り 民主党調査会が素案
産経ビズ 2012.9.4 13:07
民主党のエネルギー・環境調査会の役員は4日午前の総会で、将来の原発依存度に関する党内の意見集約に向け、「原発ゼロ社会を目指す」としつつ、具体的な目標年限を見送った素案を提示した。党内論議を経て修正を加え、週内に最終案をまとめる方針。
素案は、原発は40間年の稼働で廃炉▽原子力規制委員会の安全確認を得た原発のみ再稼働▽建設中を除き原発の新設・増設はしない-の3原則を明記。この原則を厳守することで「2050年代前半には国内に稼働する原発はゼロとなる」とする一方、脱原発を求める世論の高まりを受けて「原発ゼロ社会を可能な限り早期に実現すべきである」とした。
原発ゼロに向けた今後3年間の重点対応や、使用済み核燃料問題に関する専門機関「原子力バックエンド機構」の設置、高速増即炉の実用化を前提としない対応を政府に提言する。火力発電への依存の高まりを受け、「国際社会に対する温室効果ガス削減計画は再検討する必要がある」とした。
●「“原発ゼロだと電気料金高騰”は疑問」
将来の原発への依存度をゼロにした場合、電気料金が値上がりするとした日本経団連の試算=試みの計算に対して、自然エネルギーを推進しているソフトバンクの孫社長は「甚だ疑問だ」と批判しました。
「経団連がまさに一生懸命言っているのは料金が高くなるという課題。つまり、原発がなくなると電気代が倍になると脅してるわけです。私は甚だ疑問を持っている」(ソフトバンク 孫正義社長)
ソフトバンクの孫社長は6日に開いた自然エネルギー財団のシンポジウムでこのように述べて、電気料金が倍になるとする日本経団連の試算を批判しました。
その上で、原発の発電コストには除染や廃炉にかかる費用が含まれておらず、今後も原発を利用し続けた方がコストは高くなる可能性があると指摘しました。
また、孫社長は「電力会社の独占の状態を改善することが電気代を抑える最大の鍵だ」とも指摘しています。
● 原発ゼロ電気料金月3万円台? 真実は?
防災グッズマガジン - 2012年9月6日
国民への脅しか
将来のエネルギー政策に関する関係閣僚会議で、原発がゼロになった場合一般家庭の平均光熱費が3万円台になるという試算となった。
これは2010年の平均1万6900円の2倍程度である。
枝野経済産業大臣によると、2030年に原発をゼロとした場合、代替エネルギーとして太陽光などの再生可能エネルギーの普及に伴って必要となる送電線や設備の整備に50兆円かかることからこの数字が算出されたとのことだ。
確かに現段階で火力発電はギリギリの状況だ。燃料の高騰も続いている。それでも、本当に電気料金は2倍にもなるのだろうか。
数字のまやかしに騙されるな
東京新聞の社説によると、政府が示した試算は省エネ技術や節電行動を無視した非現実的な数字だということだ。
家電の省エネ技術は日々進化を続けている。1995年製と05年製の家電の消費電力を比較すると、エアコンで43%減、冷蔵庫は72%減となっている。
関西電力管区内では大飯原発3・4号機の再稼働がなくとも今年の夏は電力不足とならなかったことが証明された。
関西はもちろん全国の一人一人が将来の原発ゼロの重みを受け止めて節電に取り組んだ結果が表れている。
最近は太陽光パネルを付けている家庭も増え、次世代カーや省エネ住宅も普及している。年間の総電力消費量は減少傾向にあり、30%節電すれば電気代は10年の水準を保てるとの試算もある。
政府の原発推進派が脅しのためにこの数字を強調する可能性があるが、エネルギー問題は日本の技術や国民の脱原発への意思でクリアできるに違いない。
子ども達へ負の遺産を残さないとする国民の覚悟を受け止めた政策を進めるべき時なのではないか。
●原発ゼロ社会/期限を切って実現目指せ
河北 2012年09月07日金曜日
原子力発電をこれからどうすべきか、国の検討作業が大詰めを迎えている。
閣僚で構成するエネルギー・環境会議では、原発ゼロの社会を目指す方向になっている。福島第1原発事故後、「脱原発依存」を決めた民主党政権にとって、取りあえず政策の一貫性は保たれる。
ただ、達成の目標年次を示さず、漠然と原発ゼロだけを決めようとする意見もある。それで果たして、脱原子力社会に本気で取り組んでいけるのか。
「脱原発」と一口で言っても、実現は容易なことではない。社会のさまざまな分野で変革が求められる。
目標年次を設けるかどうかによって、国民や企業への浸透度、協力の度合いはかなり異なってくるだろう。できるだけ早く脱原子力の設計図を描き、多少の幅はあるにせよ各分野で期限を切って取り組むのが最も望ましい進め方のはずだ。
原発は現在、全国に50基ある。1990年以前に運転を始めたのは32基あり、それらは2030年時点で稼働から40年になる。民主党政権の「原則40年で廃炉」のルールを適用すれば、18年後には約6割の原発は運転をやめることになる。
もちろん新規建設や現在の敷地内での増設があれば、事情は違ってくる。原発ゼロを目指すためには最低限、運転期間に上限を設け、新増設を断念することが必要だ。
福島第1原発事故の反省に立つなら、地震や津波の危険性も重要な判断材料になる。原子炉直下に活断層がある可能性を指摘されている原発もある。危険性が高ければ、40年にこだわらず廃炉にするのが筋だ。
これから仮に再稼働の検討が必要になるケースでも、もちろん安全性の徹底追求が欠かせない。今までと同レベルの安全基準による再稼働はあり得ない。
全国の原発は今後、厳しい条件を課して次第に減らすのが現実的な手順になるのだろうが、期限を設けて計画的に実行していかないと、実現が怪しくなりかねない。
当然、代替電源が必要になるが、太陽光や風力などの新エネルギーは無論、既存の発電所も含め計画的に需給バランスを取らなければならない。家庭や企業の節電も不可欠になる。
いずれも急に求めてもやれることは限られてしまう。だが、年単位で準備期間を置けばそれなりの効果が期待できるはずだ。
巨大な発電所を集中立地する時代が過ぎ去ったことも、原発事故の教訓の一つとして受け止めなければならない。
脱原子力社会のキーワードは「小規模・分散」。発電と同時に温水を供給できるようなシステムを実現し、地域で利用する仕組みになる。どの燃料にするかは、地域の特性に応じて考えればいい。
脱原発の準備には膨大な投資と時間がかかるだろうが、それは持続可能な社会を築くための前向きな経費だ。決して無駄なコストではない。
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電力業界の幹部が、原子力委員会の秘密勉強会で、
「使用済み核燃料の再処理事業は、原発に使用済み核燃料がたまって稼働できなくなるのを防ぐため、と明言していた」という。
「国も電力会社も、再処理はウラン資源を節約し、エネルギー面の安全保障のためだと再三強調してきたが、虚偽の説明だったことになる」とも。
今朝の中日新聞一面や東京新聞の記事。
ところで、新たに原発規制を担う原子力規制委員会ができるが、その委員長人事に批判が集中していた。
国会の同意が必要。
ところが、国会がまもなく閉会するので、野田首相の「任命」で強行してしまうという。
反省のない関係者やトップ。原発推進の立場からすれば、これ幸いに、ということか。
見習いたくない物事の進め方。
そんなことを思いながら、今日のここ山県市議会の9月定例会の開会へ向かう。
終了後は、議会改革特別委員会が午後も続く。
さらに、明日12時が一般質問の通告期限なので、その提出までは余裕がない。
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●「ウラン節約」ウソだった 再処理「原発維持のため」
東京 2012年9月5日
原子力委員会が原発推進側を集め昨年十一月に開いた秘密勉強会の場で、電力各社でつくる電気事業連合会(電事連)の幹部が、使用済み核燃料の再処理事業は、原発に使用済み核燃料がたまって稼働できなくなるのを防ぐため、と明言していた。国も電力会社も、再処理はウラン資源を節約し、エネルギー面の安全保障のためだと再三強調してきたが、虚偽の説明だったことになる。
発言者は電事連の原子力部長。内閣府の検証チームが集めた議事資料などによると、昨年十一月二十四日の会合で、原子力委の鈴木達治郎委員長代理が「電力会社としては、コストが高くても再処理する理由があるのか。とりあえずは(使用済み核燃料を)処理できるということがメリットか」と部長に質問した。
これに対し、部長は「その通り」と即答し、「再処理路線でなければ、使用済み核燃料の受け入れ先がなくなり、原発が止まってしまうことになる」と述べた。
本紙の調査で、国内約六割の原発では、稼働させれば数年内に使用済み核燃料プールが満杯になる。核燃料が交換できなくなり、それ以上は稼働できず、行き詰まった状態になると判明している。
鈴木氏の質問は、電力各社にとって再処理を続けるメリットは、プールにたまった使用済み核燃料を減らし、原発を維持することかどうかをただす趣旨。部長の答えは、まさに電力会社の本音を語ったものだ。
ただし、日本の原子力政策の建前は、再処理で出たプルトニウムを使い、混合酸化物燃料(MOX燃料)にしてプルサーマル発電で再利用。それが「資源小国の日本にとってウラン資源の節約につながる」ということだ。その建前で十兆円もの巨費を投じてきたが、再利用の輪は完成しておらず、MOX燃料の利用計画も立てられなくなっている。
政府・与党は近く、将来の原発比率をどうするか結論を出す見通しだが、再処理を含め原発を維持しようとする動きは根強い。
政府からは、原発ゼロにした場合、光熱費がアップするなど否定的な側面だけを宣伝する動きも強まっている。
だが、これまでの再処理の建前はうそで、原発を運転し続けるための方便ということがはっきりしたことで、再処理事業の存続意義はますます揺らぐことになりそうだ。
電事連は「(秘密勉強会の)出席者や発言者の確認をしていない」として、検証チームへの資料提出を拒否している。
●原子力委員長らを厳重注意 非公開勉強会問題で細野原発相
産経 2012.8.30
核燃料サイクル政策の見直し作業を行っていた原子力委員会の小委員会が、原子力の推進側だけを集めた非公開の「勉強会」を開いていた問題で、細野豪志原発事故担当相は30日、原子力委の近藤駿介委員長と、小委の座長を務めた鈴木達治郎委員長代理を、管理不行き届きだったとして口頭で厳重注意した。
近藤委員長らは記者会見で「運営に至らない点があった責任を痛感し、深くおわびする」と謝罪。近藤委員長は9月分給与の全額、鈴木委員長代理は半額を自主返納する考えを明らかにした。
また原子力委はこの日の臨時会議で、5月にまとめられた小委の最終報告について、「小委メンバーに確認した結果、全委員が勉強会の影響はなく変更の必要はないと回答した」(鈴木委員長代理)として見直さないことを決めた。
●核燃サイクル:秘密会議問題 原子力委員長が主導 原発依存度「コントロールできる」
毎日新聞 2012年08月25日
内閣府原子力委員20+件会が原発推進側だけを集め「勉強会」と称する秘密会議を開いていた問題で、近藤駿介原子力委員長が有識者会議「新大綱策定会議」を巡り昨年12月8日、原発依存度について「最後はコントロールできる」と自ら原発維持の方向で取りまとめる方針を明らかにしていたことが分かった。毎日新聞の情報公開請求に対し、経済産業省資源エネルギー庁が24日開示した職員作成の議事メモに記載されていた。近藤委員長の発言内容が明らかになったのは初めて。(3面に解説と議事メモ要旨)
秘密会議は昨年11月〜今年4月、計23回開かれ、近藤委員長は1回目から連続4回出席したことが判明している。近藤委員長はこれまで秘密会議への出席を認める一方「あいさつしただけ」とし監督責任にとどまるとの見解を示していた。議事メモによると、策定会議や核燃サイクル政策を議論する有識者会議(小委員会)の議題も指示しており、秘密会議を主導していた実態が判明した。
エネ庁が公開したのは7回分計58ページの議事メモ。このうち昨年12月8日分に近藤委員長の発言があり、将来の原発依存度を話し合った策定会議について「円滑に議論は進まないかもしれないが、いざとなれば(原子力)委員会が引き取る。(議論がまとまらず、依存度ゼロかどうか)両論併記としても最後の打ち出し方はコントロールできる」としていた。当時、原子力委は策定会議の議論をベースに原子力政策全般を定めた「新大綱」を作成する方針で、「最後の打ち出し」は新大綱を指し、原発維持で結論づける姿勢を示した。
同日分のメモによると、近藤委員長は「論点ペーパーをまとめてみたので、これをベースに大綱(策定)会議で議論してもらったらどうか」「(高速増殖原型炉)もんじゅについて(次の)小委員会で検討したらどうか」などと指示していた。
●原子力規制委人事、首相が任命へ 国会の同意得ず
2012年9月5日
新たに原発規制を担う原子力規制委員会の発足に向け、野田佳彦首相は初代の委員長と委員4人を国会の同意なしに任命する方針を固めた。
いずれも国会同意人事だが、会期末の8日までの採決が見送られるため法律に基づく例外規定を適用する。内閣の人事案に与党から異論が出たためで、これに首相が任命権を行使する異例の事態だ。
原子力規制委の設置期限は26日に迫る。野田内閣は発足をこれ以上遅らせられないと判断。規制委設置法の付則には国会同意がないまま閉会した場合に首相が任命できる例外規定があり、これを適用する。今月中旬にも初代委員長に田中俊一・前内閣府原子力委員長代理を任命。ほかの委員4人も政府案通り決める。
人事案は内閣が7月26日に衆参両院に提示。だが、田中氏らを「原子力ムラの住人」と問題視する声が民主党内からも起き、党執行部が採決を先送りしてきた。民主党の城島光力国対委員長は4日、今国会中の採決に「極めて困難になった」と断念を表明した。
●原子力規制委人事採決せず:「決められぬ政治」の典型
毎日新聞 2012年09月05日
東京電力福島第1原発事故を受け、政府が新たな安全規制の柱に据えた原子力規制委員会は、委員長と委員の計5人が国会の同意を得ないまま任命され、発足する見通しとなった。
国民の代表から了承を得ない委員たちが「なし崩し」の形で、当面の安全規制を担う異例の事態となる。
田中俊一・高度情報科学技術研究機構顧問を規制委員長に充てるなどの人事案について、民主党国対幹部は同意なしの首相任命を早くから「想定している」と発言。採決日程を野党に示す気配を見せなかった。
民主党内には人事案に対し、「委員長候補は原子力ムラの一員」など反対も根強く、無理に採決すれば再分裂を招きかねないから、という内向きの論理だ。自民党はこれを強く非難しているが、党内で人事案そのものを全否定する声は実は少ない。これに対し生活、社民、みんななどの中小野党は人事案の大幅な差し替えを求めた。自民党は結局、民主党批判に終始して時間を浪費した。
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インターネットのニュースを見ていたら、「カロリー制限で寿命は延びるのか」という話題があった。
ひと通り見てみた。
実際にカロリー制限している人には、「カロリー制限」の功罪について、参考になるニュースだろう。
・・・私はというと、一応、食事には気を付け、運動も心掛けている。
その意味では参考にすべきか・・・
「食事制限された猿は、ガンの発生率がいくぶん抑制されたものの、心臓血管疾患の割合はわずかに上がった」
「総じて、老化と関係の見られる疾患(糖尿病や高血圧など)の発症を、遅らせているように見られた」
「だがカロリー制限との因果関係はハッキリしない」
・・・・
当該研究者やその研究結果に対する論評を見て感じたのは、「カロリー制限」自体はあまり意味がないのではないか、ということ。
たとえば、
「激しいカロリー制限をしている男性はテストステロン(男性ホルモン)が少なくなり、骨密度維持に問題が生じる恐れがある」
などの意見もあるし、
「単純にカロリーだけの問題ではなく、食事の内容が問題なのだ」
という話は納得。
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●カロリー制限しても寿命は延びず
「ウォール・ストリート・ジャーナル日本版 2012年 8月 30日 9:33 JST
ある研究によると、サルを使った実験では、カロリーを制限すると健康にはなるが、その寿命は延びないことが示唆された。これは大幅なカロリー制限は寿命を延ばすとの、一部の人たちの考えを否定するものだ。
過去数十年にわたるマウスとラットを使った各種の実験では、カロリーを制限すると、その寿命は30~40%延びた。カロリー制限が寿命を延ばすという考えは、2009年に発表されたアカゲザル―遺伝子的にマウスなどよりも人間に近く、同じように長期間生きる―を使った研究結果で、寿命が延びる傾向が見られたことで強まった。ただ、その研究結果は明瞭さを欠いていた。
こうした研究成果は、摂取カロリーを制限するだけで長生きできるのではないかという魅力的な考えが生まれ、何千人もの人は現在、寿命を延ばすために、典型的なカロリー量である1日2200カロリーを30%も下回る熱量しかとっていない。薬品会社は、ひどい空腹感を覚えることなく同様の効果を得られる薬品を研究している。
科学者らは、カロリー制限がもたらす利点が適応反応につながっているのかもしれないと推測し、食料が不足すれば動物は繁殖できず、その老化プロセスも鈍ると考えた。これによって、食料が豊富になり、繁殖できるようになるまで時間稼ぎができるというわけだ。
しかし、科学誌ネイチャー(電子版)に29日に掲載されたデータは、この理論は人間には簡単に適用できないかもしれないことを示唆した。メリーランド州ボルティモアの米国立老化研究所(NIA)の老人病専門家で、報告の中心執筆者となったラファエル・ドカボ氏は「明らかになりつつある一つのことは、カロリー制限は地球上を歩いている全ての生き物にとって寿命を延ばす聖杯ではないということだ」と指摘した。
同氏らの研究ではサルを1~14歳と16~23歳の二つのグループに分けて、通常より30%少ない餌を与え、その結果を通常に近い餌を与えた2グループと比較した。少量の餌のサルはいずれのグループでも、通常の餌のサルたちより長生きすることはなかった。
健康面への影響はまちまちだった。少量の餌を与えられた雄のサルのコレステロールは非常に低かったが、雌のサルにはこれは見られなかった。カロリー制限はガン発生率を低めたようだが、一方で、心臓血管疾患の発生率をわずかながら高めた。有望な結果は、さまざまな老化に関連した疾患の発生は少量の餌のグループでわずかに遅れたように見えたことだ。
NIAでのサルの研究は、ウィスコンシン大学で同様の研究が始まった1980年代末にスタートした。アカゲザルは平均して30年近く生きるため、生存中の差異を調べるには長期間が必要になる。
ウィスコンシン大学の研究は決定的な発見をもたらした最初のものだった。09年に発表された研究結果では、老齢に関連した原因による死亡を除外する限り、カロリー制限はサルたちの寿命を延ばしたことが分かった。ただ、一部の科学者らは、その方法論を疑問視した。これらの死亡を含めれば、寿命が延びたことは消えてしまうというわけだ。
それにもかかわらず、同大学のデータはカロリー制限が霊長類の寿命に影響する可能性があるとの手掛かりを初めて提供した。ミステリアスなのは、NIAの研究ではなぜ違った結論が出たのかということだ。
一つの理由は、これらの研究が異なった形で行われたことだ。ウィスコンシン大のサルたちにはNIAの場合よりもはるかに多くのスクロース(蔗糖)が与えられた。また、大学の対照群(カロリー制限のないグループ)は好きなだけ食べることができ、NIAでは一定の量しか与えられなかった。
テキサス大学健康科学センター(テキサス州アンアントニオ)のバイオ老人病専門家スティーブン・オースタッド氏は「制約条件から見て、いずれの研究もうまく行われた」とし、「いずれも発見したことをどのように人間の条件に当てはめるかについての問題を提起した」と述べた。同氏はNIAの研究には参加しなかったが、この研究についてネイチャーに解説を書いた。
人々はその遺伝子的組成と食事の構成によってカロリー制限への反応が異なる可能性がある。その結果も、制限を始めた時に太りすぎなのか、あるいは既にやせているのかによって異なるだろう。適正に制限すれば、心臓疾患のリスク低減など健康面での若干の利益は得られるようだ。ワシントン大学(ミズーリ州セントルイス)の科学者は6月、カロリー制限をしている人の心臓は実年齢より20歳も若い人のようだったとの研究結果を発表した。
一方で、テキサス大のオースタッド氏は、激しいカロリー制限をしている男性はテストステロン(男性ホルモン)が少なくなり、骨密度維持に問題が生じる恐れがあると述べている。
●カロリー制限は本当に体にいいの? 老化の専門機関が「寿命への素晴らしい効果は期待できない」と報告
ロケットニュース 2012年9月1日
ダイエットの一環で「カロリー制限」をしているという人に、知っておいて頂きたい情報がある。それは、アメリカの老化研究の専門機関が、カロリー制限に関する重要な報告をしているのだ。この機関は約20年にわたってアカゲザルの調査を行ったきた。そうしたところ「カロリー制限は寿命への効果は期待できない」と結論づけているのだ。もしかすると、「体のため」と思ってやっていることが無意味であるかもしれない。
アメリカの国立老化研究所(NIA)は、23年にわたってアカゲザルの調査を行ってきた。当初120匹(現在は約50匹)の猿のうち、半分にカロリー3割減の食事を提供し、ダイエットを実施してきた。その結果現在まで生き残っている猿が、必ずしもダイエットから直接的な恩恵を受けて延命した訳でないと、科学誌『ネイチャー』に報告している。
食事制限された猿は、ガンの発生率がいくぶん抑制されたものの、心臓血管疾患の割合はわずかに上がったという。
総じて、老化と関係の見られる疾患(糖尿病や高血圧など)の発症を、遅らせているように見られたとのこと。だがカロリー制限との因果関係はハッキリしないようだ。
実は2009年にウィスコンシンの霊長目リサーチセンター(WNPRC)が、カロリー制限が寿命に良い効果を与えると報告し、世界的な話題になった。カロリー制限を受けた猿は、「糖尿病が発症する確率が低かった」としている。ところがそもそも比較されたふたつのグループの食事量に大きな違いがあった。制限を受けていなかった猿には、食事量の限界がなかったため、甘いものを過剰に摂取していたようだ。そのため研究方法に疑問の声もあった。
したがってNIAの報告は、WNPRCの報告と対照的な結果となっている。このふたつの報告を踏まえて、テキサス大学ヘルス・サイエンス・センターのスティーブン ・オースタッド氏は、「カロリー制限が、体重を維持するために必要な食物摂取と定めるならば、ごくわずかな太りすぎている人の健康増進に役立つかもしれない」と説明し、「寿命への素晴らしい効果は期待できない」と話している。
なお、オースタッド氏によれば、極端な食事制限は骨密度の維持に問題を生じる場合があると指摘している。今回の報告はアカゲザルを対象にしたものだが、カロリー制限が人間にどれほどの影響を及ぼすのかは、今後の研究によって明らかになるかもしれない。
●サル、食事制限で寿命延びず マウスでは効果
日経 2012/8/31
サルは食事でカロリー制限しても、ダイエットをしないグループと比べて寿命は延びなかったとの研究結果を、米国立加齢研究所などのチームが30日付の英科学誌ネイチャーに発表した。
コレステロール値が下がるなど健康状態は改善。
マウスではカロリー制限によって寿命が延びることが分かっており、より長生きの人間や、人間に近いサルで同じ効果があるか注目されてきた。
チームは「霊長類がカロリー制限によって寿命が延ばせるかどうかは、環境や食事内容などさまざまな要因が影響するのではないか」としている。
チームは実験動物のアカゲザルで、カロリーを20%ほどカットしダイエットした場合と、しない場合を20年以上にわたり観察、比較した。両者に寿命の違いはなく、寿命は延びないとの結論となった。
しかしダイエットに何の効果もないわけではなく、オスに限ると、ダイエットした場合は血中のコレステロールの値が下がったほか、若いサルでがんの発生率が減ったりするなど、健康状態には差が出た。
また、統計的には確証とはいえないが、ダイエットをすると平均でメスが28歳、オスは35歳まで生き、飼育されたアカゲザルの一般的な平均寿命の27歳を超え、長生きする傾向があった。
別の研究ではダイエットでアカゲザルの生存率が上がったとの結果もある。チームは「複数の研究を比較し、どのような仕組みが働いているか調べることが重要」としている。〔共同〕
●「カロリー制限」で寿命は延びるのか:最新研究から
WIRED.jp 2012年8月31日
27歳のオスのアカゲザル2頭。左のサルは餌のカロリーを制限され、右のサルは制限されていない。Photo: National Institute on Aging
2009年に発表されたアカゲザル実験の結果などから、食事制限は長寿の秘訣であるとして、1日1食など厳しい食事制限を実践する人たちもいる。しかし今回、低カロリー食は寿命延長に効果がないとの結果が出た。
アカゲザルに低カロリー食を与える実験を行ったところ、高カロリー食をとっていたサルに比べて長生きしなかったという研究結果が発表された。超低カロリー食によってサルの寿命が延びたとする2009年の研究(日本語版記事)とは相反する結果だ。
2009年の研究は、実験用マウスではなく、霊長類において寿命の延長効果を証明した初めての研究であり、食事が「長寿の源」になるという期待が高まるきっかけとなった。8月29日付けの「Nature」で発表された今回の研究はそれに反するものだが、最終的な結論が決定されるものではなく、事態がより複雑なものであることを示すものだ。
通説では、食事制限は単純明快な長寿の秘訣であるとされており、厳しい食事制限を実践する人たちもいる(日本語版記事)。今回の研究結果によって、カロリー制限のもたらす効果とそのメカニズムに関する議論が活発化することになるだろう。
米国国立老化研究所(NIA)の研究者ラファ・デ・カボは1987年に実験を開始したが、ちょうど同じころ、ウィスコンシン大学でも別の類似した実験が始まった。2つの実験はいずれも、通常健康的とされるカロリー摂取量を最大40%カットしたカロリー制限(CR:calorie restriction)がマウスや昆虫等にもたらしたとみられる健康保護および寿命延長効果は、霊長類にも発揮されるのかを調べることが目的だった。
そして2009年、ウィスコンシン大学の研究チームは、CRが実際にサルの寿命を延ばすのに効果があったと報告した。しかし、デ・カボ氏と、同じくNIAのジュリー・マティソンが率いた今回の研究では、少なくとも中年期およびそれ以降の年齢からCRを開始したサルにおいて、寿命延長効果はみられなかったと報告している(赤ん坊のころからCRを開始したサルは、まだ老年に達していないので、あと10年ほど経たないと結果がわからないという)。
NIAの研究チームがCR実験を行った合計57頭のサルは、いずれも健康状態の改善を示したが、その結果はまちまちだ。例えば、オスではコレステロール値と血糖値が低い値を示したが、メスにはそのような傾向はみられなかった。また、健康全般に改善効果がみられたとしても、CRに寄せられる、時として過剰なほどの期待に比べれば、けっして目覚ましい結果とはいえない。
今回の研究には参加していないテキサス大学のスティーヴン・オースタッドが行った研究では、実験用に改良された血統のマウスではなく、最近まで野生だったマウスの子孫には、CRの効果はみられなかったという。実験用マウスは、野生マウスと比べて不自然かつ本質的に不健康なため、誤解を招く結果をもたらす可能性がある。
また、CRはマウスの種類によって非常に異なった効果をもたらすという実験結果もある。遺伝子構成の違いによって、寿命が延びるマウスもいれば、寿命が縮むマウスもいた。変化のないマウスもいた。
そのほか、餌のやり方、餌の成分、さらには飼育環境までもがCR実験の結果に影響を及ぼしたとの報告もある。
例えばウィスコンシン大学の実験では、対照群のサルはいつでも好きなときに餌を食べることができた。餌の皿は常に満たされており、餌の内容も糖分が多いものだった。それに比べると、カロリー制限を受けていたグループのサルは長生きしたように見えるが、中程度のカロリーを摂取していたとしても、同じように対照群より長生きした可能性がある。
そして今回のNIAの実験では、対照群のサルは非常に健康的な、糖分の少ない餌を食べていた。そのため、単純にカロリー制限による改善効果が小さかったのではないかと考えられるが、同時に、それでもまだ対照群が野生のサルに比べて過体重だった可能性も考えられるとオースタッド氏は言う。その場合、実験で行われたカロリー制限は本当の意味での制限になっておらず、さらに厳しい制限が必要だったことになる。
加えて、先のウィスコンシン大学の実験結果は、統計分析のデータから、例えば麻酔中の合併症などの原因で死亡したサルを除外したために、結果が歪められてしまった可能性もある。そのようなサルも含めた場合、見かけ上の寿命延長効果は低下する。(※両群の生存率の違いは加齢関連疾患(がん・心血管疾患・糖代謝異常)による死亡のみを取り出した場合に見られるものであり、全ての死亡原因でみると違いは見られなくなる)
NIAの実験では、癌や代謝性疾患の発症率が下がるなど、いくつか健康改善効果もみられはしたが、これは「常識」の正しさを証明しているだけの可能性もあるとオースタッド氏は言う。「CRが最良の結果をもたらした場合でさえ、健康的な体重を維持することでは得られない、何らかの健康効果が得られるとは限らない」。
ワシントン大学の老年学研究者で、ヒトに対する食生活実験を通じてCRを研究しているルイージ・フォンタナによると、サルを使ったふたつの実験は、どちらも信頼性が十分に高いとは言えないという。
結果に影響を及ぼす要素のひとつは、ストレスだ。両研究とも、餌やりが定期的に行われ、それをしっかりと監視できるよう、サルたちは1頭ずつ個別のケージに入れられていた。これはサルにとって健康的な環境とはいえない(冒頭に掲載した写真はサルたちが隣り合わせているように見えるが、これは説明用に撮影したもので、こうした環境は日常的にはなかった)。
「霊長類のような知性の高い動物が、生涯ずっとひとつのケージに閉じ込められ、ほかの仲間との接触も絶たれ、カロリーも制限される。そうしたときに鬱的な状態になることは想像できる」とフォンタナ氏は述べる。「代謝経路の下流にある因子の多くは、主に脳の視床下部によって制御されていることがわかっている」。
フォンタナ氏は、カロリー制限を受けたマウスとヒトの両方にみられたカギとなるホルモンの変化が、両実験のサルには認められなかったことを指摘し、これはタンパク質の比較的豊富な餌を与えていたためだと述べている。
ヒトにおいては、タンパク質の摂取量を大幅に減らした場合にのみ、これらのホルモンが低下するという。カロリーを減らしただけでは十分でないのだ。「これらのサルに一部の寿命延長効果がみられなかったのは、高タンパク食をとっていたことが原因の可能性がある」とフォンタナ氏は述べている。「単純にカロリーだけの問題ではなく、食事の内容が問題なのだ」
「カロリー制限が疾患の発症と進行に大きな影響を及ぼすことは間違いない。このことは、生物の種を問わず、一貫して観察されている。一方、カロリー制限が生存率に及ぼす影響は、それとはまったく別の問題だ。われわれは目下、健康寿命と寿命の違いを解明しようと取り組んでいる」とデ・カボ氏は述べている。
TEXT BY BRANDON KEIM
TRANSLATION BY ガリレオ -高橋朋子/合原弘子
●カロリー制限、寿命に関係なし? 米研究所がサルで実験
朝日 2012年9月1日
カロリーを約3割減らすダイエットをしても長寿につながらなかった――。米国立加齢研究所がアカゲザルを20年以上飼育した実験で、こんな結果が出た。カロリー制限は「長寿の極意」とされてきただけに議論を呼びそうだ。科学誌ネイチャーに発表された。
計121匹のサルを二つのグループに分け、一方はカロリーを約3割減らしたダイエットをさせ、死亡率に違いが出るかを調べた。
その結果、性別やダイエットを始める年齢にかかわらず死亡率に統計的な差はなかった。ただ、ダイエットをしたサルは体重が軽く、コレステロールや中性脂肪が低めで、加齢に関係するがんや糖尿病、関節炎の発症は遅い傾向があり、「健康上の利点はある」との結果が出た。
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先日のアメリカの裁判
「アップルが米で勝訴=連邦地裁評決-サムスンに830億円賠償命じる・スマホ特許」(朝日)が話題になった。
(関連) 2012年8月29日ブログ⇒ ◆アップルが米で勝訴=連邦地裁評決-サムスンに830億円賠償命じる・スマホ特許
その時も触れたけど昨日8月31日に東京地裁で(中間)判決があった。
こちらは、サムスンが勝訴。
もっとも、争点や内容が違う。
今日は、両者の思惑や世界的な争いの概要を解説する記事が目立つ。
なんとなく、両社のネライが見えて来る。
そのあたりを記録。
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●スマホ楽曲同期の特許訴訟、アップルの主張退けサムスンに軍配
INTERNET Watch (津田 啓夢) 2012/8/31 18:11
東京地方裁判所は8月31日、米アップルがサムスン電子の日本法人を相手取り、1億円の損害賠償を求めた特許関連裁判について、アップル側の訴えを退ける判断を下した。
米アップルは昨年9月、サムスンの日本法人数社を相手取り、サムスンのスマートフォン「GALAXY」シリーズの8モデルが、アップルが保有するパソコンと端末を接続して楽曲の同期をとる特許技術を侵害しているとして、1億円の損害賠償請求を行った。
8月31日、東京地裁はこの請求を棄却するとともに、販売差し止めを求める仮処分命令も却下した。サムスン電子ジャパンでは、今回の判決について「サムスンは米アップルの特許権に抵触するものではなく、全く別の技術であると強く主張していた。判決は、サムスンの主張の正当性を認めたもので、きわめて妥当」とコメントしている。一方、アップルの日本法人では、今回の判決についてノー・コメントとしており、控訴するかどうかは不明だ。
また国内では、アップルが画面を下までスクロールさせると弾むように表現する技術の特許について、サムスンを訴えているほか、サムスン側もiPhoneやiPadが特許侵害しているとして、販売差し止めを求めている。これらの争いについては今回、判断は下されていない。
共にグローバル企業であるアップルとサムスン電子は、世界各国で50件以上に及ぶ訴訟を行っている。8月24日には、アップルのお膝元である米カリフォルニアの連邦地裁において、陪審団による評決が決まり、サムスンに対して10億5100万ドル(約827億円)の支払い命令が下された。この裁判では、アップル側の7件、サムスン側の5件の特許について審議され、最終的にマルチタッチなどアップル側の7件の特許が認められたと伝えられている。
なお、GALAXYシリーズをフラッグシップモデルにスマートフォンを積極的に展開するNTTドコモでは、各国で法律が異なり、企業の保有する知的財産の内容も異なっているとしている。アップルとサムスンの訴訟についても、国ごとに争点が異なっている点を指摘している。
●サムスンはアップルの特許を侵害せず――東京地裁の判決...
コンピュータワールド (2012年08月31日)
米国でのApple勝利から一転、今度はSamsungが勝利をつかむ
東京地方裁判所(東京地裁)は8月31日、米国Appleと韓国Samsungの特許侵害をめぐる訴訟で、SamsungがAppleの特許を侵害していないとの判決を下した。両者間で繰り広げられている訴訟バトルにおいて、今回はSamsungが勝利を収めたことになる。
東京地裁の東海林保裁判長は、メディア端末とスマートフォン/タブレット間の同期に関連した1件の特許について裁定した。
東海林裁判長は、Samsungの製品はAppleの保有する技術特許には該当しないと述べ、Appleの請求を棄却した。この訴訟はAppleによって2011年8月に申し立てられていた。
Samsungは声明で、「今回の判決結果を歓迎する。当社製品がAppleの知的財産を侵害していないという、これまでずっと主張してきた当社の立場が認められた。革新的な製品をこれからも消費者に提供し続け、モバイル産業の発展に向けて貢献していくつもりだ」と述べた。
Apple日本法人の広報担当者にコメントを求めたが、すぐには回答を得られなかった。
カリフォルニア州地裁は24日、同様の裁判で、SamsungのスマートフォンとタブレットがAppleの保有する複数の特許を侵害していると判断。Samsungは10億5,000万ドルの損害賠償金をAppleに支払うよう命じられている(関連記事)。
この判決を受けて、Appleは27日、「Galaxy」ブランドなどSamsungの8製品に対する販売差し止めを米国カリフォルニア北地区連邦地裁に申し立てた(関連記事)。
また、韓国ソウル中央地裁は24日、AppleとSamsungの特許侵害訴訟をめぐる裁判で、両社とも双方の特許を侵害しているとの判決を下した。賠償金支払いのほか、「iPhone 4」と「Galaxy S」シリーズを含む両社の複数端末に対する一時的な販売差し止めが命じられている(関連記事)。(Jay Alabaster/IDG News Service東京支局)
●アップルVSサムスン 各国で異なる判断目立つ
スポニチ.[ 2012年9月1日 06:00 ]
アップルVSサムスン スマホ訴訟
“第1ラウンド”はサムスン側が完勝した形だが、日本での争いは長期化しそうだ。31日の判決は技術面が争点。IDCジャパンの木村融人シニアマーケットアナリストは「大きな意味のある勝敗ではないように思う」と話す。
両者間の訴訟は、アイフォーンの代名詞ともいえるタッチ操作の特許侵害訴訟など、いまだ10数件が係争中。アップル完全勝利となった米の判決では、アイフォーンの丸みを帯びた長方形の形状やアイコンなどのデザイン特許、タッチ操作などの機能性についてサムスンの侵害を認定。木村氏は「デザイン関連訴訟の判決の行方に注目している」としている。
サムスン側の弁護士によると、特許をめぐる訴訟は欧州や韓国、オーストラリアなど10カ国で50件以上起こされ、異なる判断も目立っている。韓国では裁判所が互いの特許侵害を認め、両社の一部製品の販売差し止めなどを命令。ドイツでは今年1月アップルが勝訴したが、オーストラリアでは昨年11月、連邦最高裁がサムスン勝訴の判決を下している。
●日本で敗訴も痛くないアップル 裁判長期化で圧力
日経 2012/8/31 22:19
スマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)の特許をめぐり米アップルが韓国サムスン電子の日本法人を相手取り起こしている訴訟で、東京地方裁判所が31日に出した判決では、1億円の損害賠償やサムスン製スマホの販売禁止など、原告であるアップルの請求を退けた。
ところがこの判決は、アップルにとっては痛くもかゆくもないものだ。西村あさひ法律事務所の山口勝之弁護士は「アップルが徹底的に争う姿勢を示し続けることが(米グーグルのOSである)Android(アンドロイド)陣営へのプレッシャーになる。
仮に最高裁まで争いアップルが敗訴しても、それまで長期間圧力をかけ続け、Android陣営を弱体化できれば十分と考えているのでは」と分析する。
■現行機種も訴訟の対象 米国よりも影響大きい日本
韓国サムスン電子製のスマートフォン「GALAXY S II LTE」
山口弁護士がまず指摘するのは、米国と日本の訴訟では対象となっている機種が異なることだ。
米国の訴訟では既に販売が終了した従来モデルが中心で、サムスンが負けても「目先のビジネスには影響がない」(山口弁護士)ものだった。
ところが日本の訴訟では「GALAXY S II LTE」や「GALAXY Note」、「GALAXY S II WiMAX」といった現行機種も対象に含まれている。
このため「もしアップルが勝っていれば、販売差し止めの仮執行でサムスン製品の販売に影響が出る可能性もあった」(山口弁護士)とし、サムスンにとっての逼迫度が米国より大きいとする。
そのうえで山口弁護士は「アップルは法律上の特許権侵害を解決したいのでなく、Android潰しが目的のはず。ならば今回の一審判決後もひるむことなく、リーガルコストを惜しまず徹底的に攻めてくるだろう」と指摘する。Android陣営で最大シェアを誇るサムスンを攻めることが、Android陣営全体の弱体化につながるという読みだ。
■訴訟費用は「ネガティブキャンペーンの経費」
今回の訴訟合戦は、スマホの世界大手2社となったアップルとサムスンがメンツをかけて各国で繰り広げているもの。日本での訴訟も複数の争点でそれぞれ審理されており、いずれも最高裁まで争われるとの見方が大半だ。そうした観点で見れば「アップルが負けたといっても、3回ある判定の1回目で不利な判断が出ただけ」(山口弁護士)。高裁判決で覆り、仮執行が付く可能性も考えられる。サムスンにとって緊迫した状況が続くことに変わりはない。
また、訴訟が長引けば長引くほどアップルに有利になるとする。「サムスンが敗訴して販売禁止になる可能性が今後も長期間残るなら、通信事業者がAndroid搭載スマホの取り扱いを減らしたり、ユーザーがAndroid搭載スマホの購入を手控えたりといった影響が出てくることは十分考えられる」(山口弁護士)
今日判決が出た争点が最高裁まで争われ、仮にアップルが敗訴したとしても、失うものは訴訟費用のみ。それをネガティブキャンペーンの必要経費と割り切ってしまえば、結果がどうあれ最高裁判決までの数年間、Android陣営の足を引っ張ることができ、アップルにとって有利な状況を作りだせる。「企業法務の観点からすれば、それが裁判の有効活用というものだ」(山口弁護士)。もちろんアップルが勝訴すれば、同社がもくろむAndroid潰しは大きく前進する。サムスンによるアップルへの反訴もあるが、そこでサムスンが勝ったところで「iPhoneはGALAXYのパクリだ」とユーザーが考える可能性はゼロに等しい。
■差し止めまで認められるかは微妙だが……
米アップル製のスマートフォン「iPhone 4S」
もちろん、アップルがかけられる圧力はそこまで強くならない可能性もある。今回の訴訟で争点となっているデータ同期の特許は、スマホという製品が持つ付加価値の全体像から見ればごく一部にすぎない。山口弁護士も「iPhoneの工場から横流しして作ったデッドコピー品というならともかく、今回の訴訟でアップルの主張が全面的に認められたとしても、スマホそのものの販売差し止めまで認められるかどうかは微妙」とする。
それでも、訴訟の影響で足元では混乱が起きている。GALAXYを販売するNTTドコモが28日に開催した新製品発表会の質疑応答では、新機種はそっちのけでアップル対サムスンの訴訟に関する質問がいくつも飛び交った。訴訟が長引いてこうした混乱が続くと、その影響はボディーブローのようにAndroid陣営に効いてくる。これはアップルの思うつぼだ。
日本市場はサムスンにとって重要な市場だ。携帯電話最大手のNTTドコモは、サムスンのGALAXYシリーズをスマホの筆頭格の端末と位置付けて積極的に販売している。業界2位のKDDI(au)もGALAXYシリーズを主力端末の一つとしている。サムスンはメンツをかけた法廷論争を続けつつ、アップルによる圧力をいかに食い止め、通信事業者やユーザーの動揺を抑えられるかという難しいかじ取りを迫られる。
(電子報道部 金子寛人)
●質問なるほドリ:アップル・サムスン訴訟 両社は何を争っている?=回答・立山清也
毎日新聞 2012年09月01日 東京朝刊
<NEWS NAVIGATOR>
◇操作法などの特許技術 シェア争い、10カ国で50件訴え
なるほドリ 米アップルと韓国サムスン電子の訴訟は、何を争っているの?
記者 スマートフォンやタブレット端末に使われている特許(とっきょ)をめぐり争っているのです。アップルが自社の技術をサムスンにコピーされて使われていると訴え、サムスン側が訴え返すという構図で、日本以外に米国、韓国、英国、ドイツ、オーストラリア、フランスなど世界10カ国で約50件の訴えを起こし国際的な特許紛争になっています。世界のスマホ市場で両社は約50%のシェアを占めていますが、この大訴訟の行方を世界中のメーカーが注視しています。
Q どんな技術が問題になっているの?
A 例えば、指で2度たたくと画面を拡大できる機能などの操作方法です。長方形で丸みを帯びたスマホのデザインについても争っています。31日の東京地裁ではパソコンとスマホなどでデータを同一化する機能について争い、アップルは敗訴しましたが、これ以外にも同地裁ではタッチ画面の操作性などをめぐる訴訟が継続中で、両社の法廷闘争(ほうていとうそう)は今後も続きます。
Q どうして訴訟合戦になったの?
A 背景には世界のスマホ市場での覇権争(はけんあらそ)いがあります。伝記によると、アップル創業者(そうぎょうしゃ)の故スティーブ・ジョブズ氏は、サムスンの基本ソフトを「アップルの『アイフォーン』のアイデアを盗んだものだ」とし、「水爆を使ってでも抹殺する」と激怒したといいます。アップルは「先行者メリットで後発グループの追い上げを阻み市場での優位性を保つため」(MM総研の横田英明・通信アナリスト)に訴訟を乱発し、シェア確保に躍起になっているわけです。
Q 日本メーカーへの影響は?
A アップル勝訴が世界中で続けば、サムスンと同じ基本ソフトを使っている日本メーカーもスマホの開発で注意が必要になってくるでしょう。「両社は簡単には和解せず、訴訟が長期化する可能性が高い」(アナリスト)とみられています。そうなると、トラブルを避けるため、アップルの特許侵害を招いた基本ソフトから別のソフトに変更するメーカーが出てくるとの指摘もあります。(東京経済部)
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◆各国での主な訴訟の状況◆
国名 状況
日本 サムスン勝訴 サムスンの特許侵害認めず
米国 アップル勝訴 約825億円の賠償命じる
韓国 引き分け 両社に賠償命じる
英国 サムスン勝訴 サムスンの販売認める
ドイツ アップル勝訴 サムスンの販売禁じる
オーストラリア サムスン勝訴 サムスンの販売認める
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取り上げてほしいテーマをお寄せください。〒100−8051(住所不要)毎日新聞「質問なるほドリ」係 naruhodori@mainichi.co.jp
●アップル対サムスン、世界中で訴訟合戦 和解交渉への駆け引き?
産経 2012.9.1 01:20
スマートフォンをめぐり、米アップルと韓国サムスン電子が世界で展開する特許紛争は今回、サムスンに軍配が上がった形だが、米国では同社に巨額賠償を命じる評決が出るなど司法判断は分かれている。上訴などで訴訟の長期化も見込まれる中、専門家からは「将来的な和解交渉を有利に進めるために各自が材料集めをしている」と“駆け引き”の側面を指摘する声もある。
大手2社による訴訟合戦の口火が切られたのは昨年4月。デザインなどの特許をサムスンに侵害されたとして、アップルが損害賠償などを求める訴えを米国で起こした。対するサムスンもアップルの特許侵害を主張して訴えるなどし、世界各国に紛争が飛び火した。
背景には、急成長する市場で存在感を示したいという双方の思惑がある。さらに、サムスンの機種は米グーグルの基本ソフト(OS)の「アンドロイド」を搭載していることから、訴訟合戦の行方は、アップルとグーグルの代理戦争としても注目を集めてきた。
こうした訴訟は和解に持ち込まれるケースも多いが、両社は一歩も譲らぬ攻防を繰り広げている。
韓国の裁判所は8月、アップルとサムスンが互いに特許を侵害していると認定。双方の一部製品について販売禁止や賠償を命じる「痛み分け」の結果となった。これに対して米国では陪審団がアップル側の主張をほぼ全面的に認め、サムスンに約825億円の支払いを命じる評決を下した。
各国の訴訟が長期化する可能性もあるが、特許紛争に詳しい上山浩弁護士は「実際に販売差し止めの効力が発生するころには対象製品は旧機種となっており、市場にはそれほど出回っていないだろう」として影響は限定的との見方だ。
上山弁護士は「両社が複数の特許を持っている以上、訴訟で勝敗を決するのは難しく、(相互が特許を使えるように契約を結ぶ)クロスライセンスでの解決が現実的」と指摘。「各国で勝訴判決を取ることで、今後の和解交渉を優位に進めたいとの狙いが見える」としている。
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