もうすぐマリコさんを乗せたJR吾妻線が長野原草津口に到着とのことなので、彼女をピックアップしてヒロコさんはじきにやってくるだろう。雪はあいかわらずちらちらしているが、彼の車はスタッドレスを装着しているとの事なので安心だ。そろそろコスギくんとルソーくんが音楽の森に到着する時刻だったので、ぼくらも大急ぎでそこに向かうことにした。音楽の森の駐車場に到着した時は、白の三菱デリカスペースギアがすでに停まっていた。車を近づけると中からルソーくんがはちきれそうな笑顔で出てきた。そして、デジタルカメラを構えたコスギくんが顔を出す。1ヶ月ぶりの再会だ。<とりあえず>と言いながら、デジタルカメラのシャッターを押す。お約束のコスギくんのセリフに理津子が笑い出した。初対面の挨拶を済ませた理津子とコスギくんは、さっそくモーグルの話題で盛りあがっていた。どうやら、2日前の立山山麓スキー場で開催された全日本選手権モーグルで、世界選手権に出場する選手らを抑え益川雄選手(北野建設)が2年ぶりのタイトルをとったらしい。所属先の先輩、上村愛子選手の4連覇、6度目の優勝とあわせて、モーグルスキーヤーたちの話題の的となっているようだった。
9時30分になり、ヒロコさん、マリコさんが到着。まるで電車のように、時間通りの到着だ。小児科の医者をしているというマリコさんは、まぶしく輝く笑顔を満面にして車から降りてきた。草津の雪のちらつく早朝の曇天を吹き飛ばすようなビッグスマイルだった。たぶん、診察で不安な子供達は、彼女の笑顔を見ることで安心するに違いない。そんな笑顔だった。そして、いつもの涼しげな流し目で運転席から降りてきたヒロコさん。ぼくらは、駐車場で車座になって再会を喜び合った。ヒロコさんの乗るレガシーツーリングワゴン。彼もまたスタッドレスを装着しており、道中は楽勝だったらしい。初対面の理津子とそれからマリコさんとぼくらは挨拶をしあって、そして、コスギくんにはビデオの編集のお礼を言って・・・。
各自がヘリスキーのための準備をはじめた時に、イズミさんが運転するBMWと田中さんのジムニーがやってきた。イズミさんは、奥さんと娘さんを連れて来たのだが、家族はみんなスノーボード派なのでヘリスキーにはイズミさん一人だけで参加だ。彼は家族を今晩泊まるホテルに置いてきたとのことだった。今日は奥さんと娘さんは、草津の温泉めぐりを楽しむらしい。一方、田中さんは大きなマスクをして車から降りてきた。マスクの理由を聞くと花粉症でくしゃみが止まらないとのことだ。目が赤く、痛々しい。「花粉症」と聞いて、ぼくも無性に目が痒くなってきた。この季節、花粉の飛翔量はピークを迎えるのだ。こうして、今回のヘリスキーのメンバーが全員そろった。こうして待っている間にも、何組かのスキーヤーたちがヘリに乗り込み、渋峠の白い雪の中を目指して飛び立っていった。
予約していた時間にヘリスキーの受付し、諸注意や保険の申し込みをしてヘリに乗り込んだ。ヘリのそばに行くと氷の粒がローターの風でビュンビュン飛んで来る。ヘリは乗客5人乗りだった。そこで、ぼくらは4人づつの2グループに分かれ、ピストンで移送してもらうことにした。ローターが回転速度を上げると、結構スムーズに空中に浮かび上がった。後のグループのイズミさん、田中さん、コスギくん、ルソーくんが手を振っている。そしてどんどん小さくなっていく。 ぼくは、少しだけ湧きおこる恐怖と戦っていた。高い所から地面を覗き込んだときに足がむずむずする感覚。好きにはなれない。
草津から渋峠まではカーブの続く山道でドライブを楽しむことができるが、冬の間は深い雪に阻まれ道路は閉鎖されてしまう。だから、草津-志賀間は菅平を回っていくから車で数時間の旅程となる。これが映画「私をスキーに連れてって」で、原田知世が演じる池上優が冬場は滑走禁止の志賀・万座ルートを地図で見つけて、そのコースを一人で挑もうとした物語の背景だ。しかし、ヘリで飛べば、あっという間だ。
9時30分になり、ヒロコさん、マリコさんが到着。まるで電車のように、時間通りの到着だ。小児科の医者をしているというマリコさんは、まぶしく輝く笑顔を満面にして車から降りてきた。草津の雪のちらつく早朝の曇天を吹き飛ばすようなビッグスマイルだった。たぶん、診察で不安な子供達は、彼女の笑顔を見ることで安心するに違いない。そんな笑顔だった。そして、いつもの涼しげな流し目で運転席から降りてきたヒロコさん。ぼくらは、駐車場で車座になって再会を喜び合った。ヒロコさんの乗るレガシーツーリングワゴン。彼もまたスタッドレスを装着しており、道中は楽勝だったらしい。初対面の理津子とそれからマリコさんとぼくらは挨拶をしあって、そして、コスギくんにはビデオの編集のお礼を言って・・・。
各自がヘリスキーのための準備をはじめた時に、イズミさんが運転するBMWと田中さんのジムニーがやってきた。イズミさんは、奥さんと娘さんを連れて来たのだが、家族はみんなスノーボード派なのでヘリスキーにはイズミさん一人だけで参加だ。彼は家族を今晩泊まるホテルに置いてきたとのことだった。今日は奥さんと娘さんは、草津の温泉めぐりを楽しむらしい。一方、田中さんは大きなマスクをして車から降りてきた。マスクの理由を聞くと花粉症でくしゃみが止まらないとのことだ。目が赤く、痛々しい。「花粉症」と聞いて、ぼくも無性に目が痒くなってきた。この季節、花粉の飛翔量はピークを迎えるのだ。こうして、今回のヘリスキーのメンバーが全員そろった。こうして待っている間にも、何組かのスキーヤーたちがヘリに乗り込み、渋峠の白い雪の中を目指して飛び立っていった。
予約していた時間にヘリスキーの受付し、諸注意や保険の申し込みをしてヘリに乗り込んだ。ヘリのそばに行くと氷の粒がローターの風でビュンビュン飛んで来る。ヘリは乗客5人乗りだった。そこで、ぼくらは4人づつの2グループに分かれ、ピストンで移送してもらうことにした。ローターが回転速度を上げると、結構スムーズに空中に浮かび上がった。後のグループのイズミさん、田中さん、コスギくん、ルソーくんが手を振っている。そしてどんどん小さくなっていく。 ぼくは、少しだけ湧きおこる恐怖と戦っていた。高い所から地面を覗き込んだときに足がむずむずする感覚。好きにはなれない。
草津から渋峠まではカーブの続く山道でドライブを楽しむことができるが、冬の間は深い雪に阻まれ道路は閉鎖されてしまう。だから、草津-志賀間は菅平を回っていくから車で数時間の旅程となる。これが映画「私をスキーに連れてって」で、原田知世が演じる池上優が冬場は滑走禁止の志賀・万座ルートを地図で見つけて、そのコースを一人で挑もうとした物語の背景だ。しかし、ヘリで飛べば、あっという間だ。