tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

チョーク・ソムブーン19 (3)

2009-09-09 23:48:06 | bad news


船に乗っていた日本人は4名。亡くなった奈良県の男性(44)と、札幌市の男性(51)と妻(54)、そして日本から派遣されていた日本人のダイビング・インストラクターだ。

"チョーク・ソムブーン19”の転覆・沈没に関しては、今もなお、情報が混乱し、矛盾し、混沌とした様相を帯びている。入手できる資料は限られたものであるし、“現地取材”のような型で当事者に直に会っているわけではない。言わばすべて二次取材、誰でも容易に手に入れることができる新聞、ダイビングの週刊誌、月刊誌、インターネットの記事程度だが、このブログで事故の再現をしてみようと思う。

実際に何が起こったのかを知るのは困難を極めた。たとえば、当日の天気予報はどうだったのか。船の設計や建設、操船には問題がなかったのか、それとも鯨やコンテナなどの漂流物にぶちあたったのか、船に関与する者なら誰でも一番知りたがること、船の安全にとって基本的かつ一番大事なことを知るのすら大変なことだった。


"チョーク・ソムブーン19”は、シミラン諸島でのダイビングサファリを終え、3月8日午後4時ごろ同諸島を出発し、プーケットのシャロン湾に向けて8~9ノットで航行していた。同日午後23時(日本時間9日午前1時)、プーケット島沖約30kmの海域で、スキッパーはレーダーに現れた局地的な降雨を認める。船からは南に12kmほど離れた地点だった。レーダーに認められた局地的なスポットは、その後、10分程度で船に急接近。左舷に大波の直撃を受けた船は、あおられて転覆し沈没した。それと同時に、それまでおだやかだったあたりの海域は急変。雷を伴う暴風雨となった。

強い寒気が上空にあり、暖かい海水に近い大気が暖められて天気が急変し、小型の竜巻が発生することがよくある。竜巻により高波が発生する。竜巻は海水を巻き上げ、大波を作る。
船はやや高い追い波の中を航行するとき、波の斜面を下りるときにバウが波に引っかかり、スターンが流れ回頭しやすくなる。波の進行方向に対して船が横を向く方向に回頭するのだ。したがって、船が横波を受けるようになり船はローリングする。大きなローリングは波が高いときは、船は転覆にいたる。