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tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

ブログエアコン(14)

2011-08-10 23:59:42 | joke

 

「それって、都市伝説だろう?」
彼の話を聞いて、ぼくは相手にしなかった。

1980年後半~90年代前半に流行した都市伝説に、「人面犬」や「口裂け女」、「トイレの花子さん」など有名な話があるのだが、ぼくらスキーフリークの間では「ターボばあちゃん」が噂の的だった。

スキー場に向かって、深夜に関越自動車道をひた走りに走っていると、谷川岳PAの先の関越トンネルで、突如、誰かに窓を叩かれる。見ると自分の車と並走する老婆がこちらを見ている、というもの。
ボロボロの着物を着たしわしわの老婆が、ボッサボサの銀髪を振り乱してすぐ隣を走っているらしい。・・・バイクでじゃなく、自分の足でだ。
当時に聞いた話では、その老婆の速度は時速100lm/h以上。追い抜きざまに、ニヤリとドライバーに笑いかけるとのこと。
当時の関越トンネルは、速度制限70km/hの対面2車線。老婆に気を取られて運転がおろそかになると、事故は必須だ。

・・・ヤツは負けず嫌いだった。
『てめえ、真夜中にドライバー脅かして楽しいのかよ。絶対抜かせねえ・・・』
なんとも豪胆というか、蛮行というか。彼は老婆に抜かせまいとしてアクセルを床までふみこんだという。

「そんで、真夜中の関越トンネルでババアとバトルになってさ。むきになって100km/hまで飛ばしたわけ。
なんとか、なんとかババアを振り切って、トンネルを抜ける時は140km/h。あのトンネルって、出口の先は凍結してんじゃん。ギアをサードに落としてブレーキをポンピングしたけど。スピードが落ちるまでは絶対死ぬと思ってた」

いきなり、140㎞/hでアイスバーンに乗っかれば、だれでもびびってしまう。よく無事でスピードを落とせたものだと感心する。

「けどさ・・・」
と、ヤツは言葉を続けた。
 
「居たんだよ、あのババア。塩沢石打ICを降りて国道353号、国道117号を経由して志賀高原スキー場にやっと着いて。駐車場に車を留めて仮眠してたら、外は吹雪だというのに窓をコンコン叩いてさ。俺をじぃーって見ながらニヤニヤ笑ってやがった・・・」

*****こわくないっすか??

本人はちょ~こわい・・・です。


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ブログエアコン(13)

2011-08-09 22:56:57 | 日記

 

あらぬ声がもれ響いていた。

アパートの階下の部屋でだ。
ぼくは睡眠が深い方で、一度、寝てしまうと、少々のことでは起きない。
だが、こんな熱帯夜の夜はさすがに眠りが浅い。夜中に目が覚めてしまうことがある。
安普請のアパートの階下の情事を声を聞いたのは、そんな夜だった。

階下の住人は30前の女性。昔は男女ともに適齢期というものがあったが、今は、バツイチも含め、独身生活を楽しんでいる単身者が、こうしたアパートに住みついて人生を謳歌している。
このアパートに引っ越してから半年たつが、階下の住民と顔を合わせたのは2度だけ。
一度は、アパートに引っ越したその日に、挨拶品を持って挨拶に行った時だ。
そして、もう一度は、偶然に乗り合わせた電車でのこと。
目があった瞬間に向こうも驚いた様子だったが、すぐに無視された。
というよりは、むしろ嫌悪感を抱いているような・・・
都会生活者にはありがちの反応。・・・係わりたくないという気持ちがありありと現れていた。

普段は、階下の物音はほとんど聞こえない。もちろん、こちらも気を使って、音が響かないようにしている。特に夜中にアダルトビデオなどを観るときは、ヘッドフォンが必須だ。
一戸建てと違いマンションやアパートでは、特に生活音に注意が必要だ。自分の基準に頼ると間違いを犯しやすい。世の中、クラクションや電車の音でも目が覚めない人もいれば、 時計の針音で眠れない人もいる。騒音によるトラブルは結構多い。

階下の女性は引っ越した。それで、ぼくは彼女が引っ越した理由と、ぼくと電車で会った時になぜ嫌悪の表情を浮かべたのかがわかった。

深夜の無人の部屋から、よがり声が響いていた。

信じようと信じまいと

 

(立秋が過ぎたというのに・・・。一体何がしたいんだ自分)


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ブログエアコン(12)

2011-08-08 23:10:54 | 日記

 

「きっとあの男は下着ドロボーだ」

その夜の英会話の授業のはじめに、アイルランドから来た若い英語教師はそう言った。
彼女の名前はメアラ・フリン。年齢23。同じアイルランドのフィアンセを追って日本へやってきて、英会話の先生をしている。

彼女の名前、「メアラ」というのはアイルランド語で「海」を意味するらしい。
一番最初の授業で、名前の意味について彼女はそう説明したのだが、ぼくら生徒のそれぞれの名前の日本語の意味を聞かれて困ってしまった。・・・「ミキ」なんて名前。なんて説明すればいいんだ?

さて、ご存知のように、英語に「敬語」や「オンナ言葉」というのは存在しない。厳密に言うと、アメリカ南部のティーンエイジャーの女の子たちが話す言葉は
・単語を省く。
・造語でしゃべる。
・きちんとした文章になっていない。
・脈略がない。
・話がどこに飛ぶか予測がつかない
・相手にわかるように話をしない。
という「オンナ言葉」以上の特徴があり、これはそのまま、ぼくの英語に、ひいてはぼくの文章にも当てはまっている。
・・・という話は置いておいて、英語には「オンナ言葉」が無いから、メアラの授業でのその会話を正確に日本語に訳して書くと次のようになる。

「昨夜、夜の一時ごろ、アパートに帰ったら、反対側のアパートに不審な男が立っていた」
「アーハー?」
「私のアパートの反対側には、若い日本人女性が住んでいるんだ」
「それで?」
「男はじっと、そのアパートの窓をみていた」
「・・・」
「きっとあの男は下着ドロボーだ」
「ということは、あなたは下着を盗ませたことが・・・そーりー。下着を盗んだ・・・こと?あるか?」
「ん?・・・普通の人なら、そんな時間にそんな場所にはいないだろう」
「その若い女の”愛人?”・・・じゃなくて、”恋人”かも・・・」
「いや、あきらかに変態だ。白い日本の着物を着て、あたまに白いバンデージ巻いてたし」
「ボンデージ?って、頭につけるんだっけ?」
「???」

いやあ、全然会話になっていない英語の会話を、そのまま日本語に訳して書くって難しい。
話を整理すると、こうだ。
・丑三つ時に彼女がフィアンセが待つ自分のアパートに帰宅した。
・彼女のアパートの反対側の建物の暗がりに、白い着物を着て頭に白い布を巻いた男らしき人が立っていた。
・男は、ゆらゆらと人間離れした動きをしていた。
・また、男がタバコでも吸っているように、その周りがぼっと時折光って見えた。
・その夜は、なま暖かい風が吹いていた。

・・・って、メアラ先生。それって、ひょっとしたらその男は下着ドロボーじゃなくて、幽霊じゃね?

>投稿: miki⇒tetujin様
>「しらねぇってこわくね??」と生徒さん達がいったかどうか。
> 各国幽霊スタイルって違うから~
 

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ブログエアコン(11)

2011-08-07 22:27:21 | 日記

 

「なぁ」
ばくは知人の助教授に、ぼくの疑問と推論を簡単に書いたメモを渡した。
そのメモに目を通した助教授は
「・・・それに気付いたか」
彼女の口調は重かった。
***********

都内にある大学の教室で行われた、食品科学セミナー。
講師は「世界一受けたい授業」と評判の某国立大学の名誉教授。
セミナーの内容は、「食肉や魚介類の加熱加工による風味・食感の変化や伝熱工学アプローチによる加熱調理の科学的解析」というものだった。

食品科学のセミナー。さぞかし、短大の家政科あたりの若いギャルたちが集う華やかなものと想像していたのだが、そのセミナーに参加してみたら、参加者は若い男ばかり。男の園だった。んで、そのほとんどが、家電調理器具メーカーのデザイナーたち。日本の家電製品の設計の最先端の現場を垣間見たような気がしていた。
セミナーの途中に休憩が入り、その都度、質疑応答がある。若いオトコたちの熱気あふれる会場だったので、さぞ活発な質問がとびかうと思いきや、だれも質問しない。講師がかわいそうになって、ぼくはいくつかの質問をしたのだが、何を質問したのか今は思い出せない。どうせ、くだらない質問だったのだろう。。

さて、そのセミナーに参加して、不思議に思ったことがあった。

・・・なぜ人は後方に座りたがるのだろうか。
大学の教室はたいていがそうなのだが、そのセミナー会場の教室も2人掛けの机が整然と並んでいる。横2列、縦に10列。
知り合いの助教授にばったりあって、ぼくがその教室内に入ったとき、既に、30名ほどが席についていた。空いているのは前の方の席だけだった。皆、示し合わせたように後方の席に座り、携帯メールなり本を読むなりして、セミナーが始まるのを待っていたのである。

ぼくは知り合いの助教授と一緒に、前列2列目の机に並んで座った。
セミナーが始まる頃には全ての席が埋まるのだろう。そう思った。というのも、セミナー開催者の挨拶によれば、聴講の事前申し込みが殺到し、参加募集をそうそうに打ち切らなければならなかったとのことだったからだ。振り向くと、ぼくらが座った2列目以降はすべて満席。狭い教室が半そでのワイシャツを着たサラリーマンたちでぎっしりと埋まっていた。・・・暑苦しい。
それでも、ぼくの前の机、すなわち、最前列の席にはだれも座ろうとはしなかった。いわゆる、「かぶりつきの席」というのに。
パリの某ムーランルージュや日本の某OS劇場なら、席を案内してくれるガルソンに相当チップをはずまないと通してもらえない席だ。今日は、無料でそんな席に自由に座れるというのに何故だ?

最も考えられるのは、その席が予約席であること。予約してまでセミナーに出席するとは、かなりの勉強家なのだろう。その割に聴講をすっぽかしたようだが・・・。よんどころのない緊急の用事でもできたのだろうか。
次に考えられるのは、それらの席が「踊り子には手を触れないでください」的に「おさわり禁止」になっていることである。著名な画家が学生の頃に机に書いた落書きが保存されているとか、あるいは、席が放射性物質や未知のウィルスで汚染されているなどということは十分に考えられる。あるいは、戦時中の不発弾がそこに埋設されたままになっていて危険なのかもしれない。
それとも、その席の下の床が壊れていて、座ると床下まで落っこちてしまうのだろうか。そしてその先は異次元空間につながっていて、何人もの学生が行方不明になっているとか・・・

ぼくは隣に座っている知人の助教授に、ぼくの疑問とそれに対するありったけの推論を簡単にメモって渡した。
なお、知人の助教授というのは、身長が170㎝以上ある女性だ。今日みたいにハイヒールを履くと、座っている時はそうでもないが、一緒に並んで立った時にはかなりの威圧感を感じる。

メモに目を通した彼女は
「・・・それに気付いたか」
「ど、どうした? 急にマジな顔をして」

メモの裏に何か書こうとして、彼女はペンを止めた。
そして、小声でぼくに耳打ちした。

「・・・出るんだ」
「何にだ?まな板ショーにか?」

バコッ!
ウッ、痛て、みぞおち。普通。するか、ひじうち。
・・・ほらっ、講師がこっちを見てるじゃまいか。

「自殺した生徒の霊が出るんだ。あの席に座ると」

講師がスクリーンに映した図面の説明にもどった隙に、助教授は面倒くさそうに言いながら、ぼくらの前の一つの席を指差した。そして、もう係わり合いたくないとてもいうように、前のスクリーンに目を移した。

・・・この大学は明治時代から続くエンジニアを育てる学校で、毎年何人かの自殺者が出ることで有名である。


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ブログエアコン(10)

2011-08-06 22:24:31 | 日記

 

今年のブログエアコンはmikiさんの「mikiの日々是海の日」投稿したコメントの転載です。
(許可をいただいての転載です。)
http://mikinki.cocolog-nifty.com/


友人が自分の彼女を誘って行ったのは東伊豆の某ダイビングポイント。ダイビングを終えての帰り道、彼は往路と違う道を選んだ。夕暮れの135号線が事故渋滞でむちゃくちゃ混んでいたので、彼女と海沿いのラブホにでも寄って渋滞をやり過ごそうと思ったらしい。
トモロトンネルに向かい下田側から上って行くと、あの稲取廃隔離病棟を経て旧国道の隧道に行き当たる。今でも消毒の匂いが凄く 隔離患者の霊が出るなど不穏な噂が後を立たない。あの、廃隔離病棟だ。

そこを経由して、海沿いの道に出る。
「早まるな」だの「いのちの電話」などの看板がたくさんあるあの道。古くから言われる自殺の名所。また、海水浴客が磯で違法にでっかいアワビを採って持ち帰って、家であけてみたら髪の毛うじゃうじゃだったそうな。。

すっかり日が落ちた海沿いの旧道。普通ならロマンチックなシチュエーション。ところが、彼は霊体質特有の悪寒と頭痛にひどく悩まされたようだ。が、彼のような体質を持つ者が長距離のドライブをすると、こうした体験はよく起こる。そのため、彼はそれを無視することにしたと言う。

彼がその道を通ったことを悔やんだのは、ゆるいカーブにさしかかった直後だった。目の前の路上に、女性の姿をした白っぽい影が浮かんでいた。一瞬前まで、そんな物はそこには無かった。彼は、とっさにハンドルを山側に切って、ブレーキを踏みながらサイドブレーキを思いっきり引いた。

車は思い通りにその場でスピンした。2台の車がすれちがうのがやっとの細い旧道。片側は眼下の海に続く崖だ。学生時代、自動車部でならした彼ならではの回避テクニックだった。
フルチューンしたハッチバッククーペのランサーセレステ。硬めのサスも十分に機能したようだ。
だが、スピンした車は、その後側部を路上に浮かぶ白っぽい影にぶつかって、減速し停止した。

白っぽい影にぶつかった衝撃は、はっきり車内の二人に伝わっていた。
それでも、彼は自分が何にぶつけたのか理解していた。断じて人ではない。そう確信していた。
・・・とはいえ、一応は確認しないわけにはいかない。彼は車を降り、女性らしき白い影がいた地点を見回した。
そして、そこには彼の確信の通り、何の痕跡もなかった。

・・・そうした出来事があって、彼が愛車のランサーセレステを手放すというので、ぼくはそれを譲ってもらおうかと彼の家に見に行ったのだ。さすがに彼の顔色は悪く、もうこの車には絶対に乗りたくないと言い、そして、車の右後部には小さい傷が残っていた。

ぼくらは、この車とぼくの車で交互に、冬の間はよくスキーに行ったものだった。
彼のドライビングテクニックは本物だった。当時、故障ばかりしていたぼくのワーゲンをやすやすと操り、リアエンジン・リアドライブというのに雪道でアクセルターンとかも決めて見せた。
リュック・ベッソンの迫力のカー・アクションなみに・・・。当然のことながら、助手席に乗るぼくは、恐怖でいつもおしっこをちびっていたが。。

・・・もう時効だと思うので彼に訊きたい。そのとき、道路わきの崖下は確かめたのか?と。

って、まるで火曜サスペンス劇場っすね。ふぅる~。

>投稿: miki⇒tetuhin様
>ちょっと~tetuhinさん
>こちとら、恩師までひっぱりだしての短い文章。
>何、この本格派(爆)
>やぱ、数日置くと息ふきかえすのね(爆∞)

>崖下まで確かめてたら、大切な友達はもっと危ない目にあったかも。くわばらくわばら。

>投稿: tetujin | 2011年7月20日 (水) 22:13
>>やぱ、数日置くと息ふきかえすのね(爆∞)

>やぱ、本家のブログでネタ切れになっちゃいますた。
>時間をおいて、mikiさんのところのコメントを転載してもいいっすか?

>出典を明らかにして、トラックバックも必ず付けますんで。よろしく!
 
>投稿: miki⇒tetujin様
>あははめっさおかしいんですが
 >どうぞコメント(2つにわけて、2夜分にするとお得?)
 >を持っていって下さい。だってtetujin様のですから


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