ごきげんようでござる!
8月19日は「俳句の日」らしいので一句読ませていただくでござる。
「主人公 後を継いだら 老けた顔」
1986年展開の「戦え!超ロボット生命体 トランスフォーマー2010」はTVシリーズ第2弾と成る訳でござるが、日本では途中の両軍のリーダー交代が描かれた劇場版「トランスフォーマー・ザ・ムービー」が公開されること無く展開されたので、当初のキャラクター関係が不可解だったでござる。
まあ、映画を観ずに「コンボイが死んだキャンペーン」を体験した御仁はファミコンゲーム「トランスフォーマー コンボイの謎」のプレイヤーキャラがウルトラマグナス(C-69、ウルトラマグナス、3980円)だったこともあり、ウルトラマグナスが2代目サイバトロン総司令官に就任するると思われていたのでござるが、コンボイ総司令官の遺志を継いだのは「ロディマス」・・・?
サイバトロン総司令官 ロディマスコンボイ(C-77、ロディマスコンボイ、2200円)なのでござるが、拙者が最初に見たのは映画用設定イラストだったので、誰?
と言った感じで、ホットロディマス(C-78、ホットロディマス、1600円)と同一人物だと分かったのはTVシリーズ放送開始後なのでござるよ。
いや~拙者は、ロディマスコンボイとホットロディマスが似ているので親子なのかと思っていたでござるが、どうやらタカラ自信も同一人物だと知らずに商品設計を行ったそうで、完成後、映画版主人公のホットロディマス(海外名、ホットロッド)がマトリクスの力により姿を変えた姿こそホットロディマス(海外名、ロディマスプライム)だと知ったときには、商品を作り直すことができなかったそうでござる。 (笑)
もし、事前に映画の内容をタカラの玩具開発者に伝わっていたら別の商品が販売されていた可能性ががあるのでござるよな。
さて本品は「トランスフォーマー2010」商品として販売されたでござるが、基本パッケージデザインは前シリーズと同様でござるが、日本版商品は先に販売された海外初期販売品と異なりタイヤパーツがゴム製からプラスチック製に変更されているでござる。
更に付属のカードは販売時期により異なっていたらしいでござる?
拙者の購入品(初期販売品?)のカードはタグ取り付け穴(?)が設けられた薄手のカードでござる。
さて、本品のヴィークルモードはSFデザインなトレーラーだそうでござるが・・・
予備知識の無い最初の状態で見せられた時にはキャンピングカー?
みたいな印象だったでござる。 (笑)
うむ、いくらフューチャーデザインとはいえ使用目的が伝わらないデザインは好ましくないうえに、当時は日本でも見かける機会が少なかったファイヤーパターンのマーキングがシール処理で再現されている姿は、日本人が持つトラックやトレーラーとは掛離れたデザインだったでござるよな。
なお、本品のギミックはタカラの完全オリジナルで、商品開発の際に渡されたのはロボットとヴィークルモードが書かれた設定画2枚のみで、変形方法やギミックはすべてタカラまかせだったそうでござる。
映画本編ではヴィークルモードの変形が描かれておらず、2010の変形は玩具版を参考にしたそうでござるな。
ハズブロ側はヴィークルモードから直接ロボットモードに変形する商品を望んでいたそうでござるが、タカラ側はトレラー(?)でコンボイとの近縁者(この時点で2代目司令官と知らされていない?)だから、ロボット本体とコンテナ(モビル・ディフェンサー)に分かれる設計を採用したようでござる。
ふむ、確かに構造的にはコンボイ本体のヴィークルモードをフューチャー化したようでもあり、ホットロディマスと似通ったデザインでもあるでござるが、コンテナが無いと頼りがいの無いデザインでござるよな。
なお、この時点で劇中と同じくコンテナが変形により消えたり出てきたりするのでござるが、ホットロディマス自身が姿を変えたロディマスコンボイだとすれば、コンテナはユニクロン戦争以後作られたと解釈するべきなのでござろうか?
まあ、タカラも最初から同一人物だと知っていれば直接変形で設計したそうでござるよ。 (笑)
更に困ったのがロボットモードで、設定画通りの細身のプロポーションでござるが、ハズブロから変形の簡略化の要請が有った為に、商品サイズの割には可動部が少なく背中の構造は悲しすぎる造形なのでござるよ。
膝部分もパーツ分割から見れば動きそうでござるが、自立性を優先した結果無可動になったそうでござる。
そして、何ともしがたいのは商品の老け顔でござる。
如何見てもチャー(C-82、チャー、1400円)と同世代にしか見えない設定画を参考にしたのでイケメンの若き戦士ホットロディマスと同じである顔が老齢のベテラン戦士な顔にしか見えないのでござるよ。
まあ、如何みてもコンボイより老けて見える顔は大変問題があるでござるよな。
確かにパワーアップで責任感を感じて凛々しい顔つきになったと解釈すればよいのでござるが・・・ 老け過ぎでござる。 (笑)
う~む・・・ 米国人には繊細なサジ加減がデザインに反映できないのでござるな?
まあ、標準的な日本設定の例だと次期司令官候補に求められるのは、最前線に立つ強さと正義感を持ち、責任感及び空気感を読めるマジメで叩上げな人物で、よく言えば伝統を守りつつ革新して行く完璧超人が求められるでござるが、米国だと伝統に縛られず破天荒で正義感あふれるリダーが求められるわけでござる。
まあ、人格や行動には多少問題があれど、迷う前に行動するスピードと牽引力がリーダーの資質らしいでござるな。
さて、アニメでは描かれる事は無かった玩具オリジナル・ギミックのコンテナ部はモビル・ディフェンサーと呼ばれる移動砲台でロディマスコンボイ最大の武器となるでござる。
普通に日本設計の商品だと砲台にミサイル発射ギミックを仕込むのが通例でござるが、本品も米国安全基準のおかげでミサイル発射ギミックが廃止されているので大味な造形になっているでござる。
なお、本品は砲台部の防護盾(×2)とロディマスコンボイの手持ち武器であるフォトン・エリミネーターは完全な余剰パーツとなりコンテナ内に収納することは不可能でござる。
モビル・ディフェンサーによる連動攻撃はタカラがコンボイと同じような司令官専用ギミック(?)をイメージしたものでござるが、ハズブロやアニメ製作側には不評だったのかアニメ本編で描かれることがなかったでござる。
しかしまあ、本品はプレイバリューが乏しい商品なのでコレくらいのギミックは持ち合わせていても良いと思うのでござるよな。 (笑)
まあ、商品は如何あれ設定上は戦略のエキスパートで、戦闘中でも見事な動きをみせるが時々感情的に成る。 すべての生命を守る使命感が彼のパワーの源だそうでござるが、大部分はマトリクスの英知とコンボイの意思なのでござるよな。 (笑)
アニメでも放送会により顔が違ったりするでござるが、暴走族上がり(笑)の能天気でイケイケ司令官ではなく、自分の使命感の重さに悩む若い司令官として描かれいたのが好感を呼んだようで人気もあるのでござるが商品完成度はホットロディマスに劣るため2001年には復刻版(復刻版C-77、ロディマスコンボイ、3500円)が販売されたものの再販には恵まれない商品でござる。
まあ確かに映画版主人公として設計したホットロディマスとは商品の力の入れようが異なることが実感できる商品でござる。
タカラも本品に関しては最もリメイクしたい商品だそうでござるがチャンスを逃し続けていたりするそうでござる。 (笑)
しかし、今年は2010年でござるから今度こそクリスマス商戦には難とかなるでござるかな?
なお、ホットロディマスのカラーリングは若さあふれる情熱の赤だそうでござるが・・・ 拙者には紅葉や枯葉を思い起こせるシニアな赤に見えるのでござるよな。 (笑)