2012.02.09、「秋入学、総合大5割が前向き」の続き。『春に入学、秋から授業』は、一橋大学案である。
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22日(水)日経のウェブサイトに掲出された。一橋大が独自案を検討とあった。ネットでは一部しか記事が読めないので、通勤途中駅売りの日経を購入して読んでみた。
①東大が全面移行を検討している秋入学への対案
一橋大は、入学時期は春。本格的な授業の開始を秋に移す案。
②入学~秋学期までを「導入学期」、4年次最後の3カ月を「修了学期」
③実質的な学部教育は7学期で終了
春入学・春卒業の枠組みのまま、国際標準の秋入学に合わせた授業日程が編成可能。
裏技的だが、上手いアイディアである。
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新入生の入学時期は現行のまま。入学して夏休みの時期までを「導入学期」とする。学部教育を7学期(3年半)で終える。卒業に必要な単位はこの期間で取得しなければならないことになる。
記事を読んだところ、現在でも実質3年間で卒業必要単位をほぼ取り切る学生が多いようだ。よく言えば4年間ゆったりと勉強している、わるく言えばあまり勉強していないとも取れる。ただ、間違えてもらいたくないのであえて書くのだが、僕は大学で詰め込み、急がせすぎは絶対いけない。知識だけの人間ではしかたがないだろう。技術だけを持たせたいとしても、それは別の教育機関の仕事である。少なくとも促成栽培的な発想、効率だけでのものの考え方、単一の思想で組織、特に学校期間が動くのは間違いであると思う。
入学した4月から7月の「導入学期」中に、『大学の責任』で、『語学や歴史、思想、思考系の科目など大学で学ぶ基礎教育を行う。希望者には海外留学も奨励する。』そうである。この考え方は正しいと思う。入学を許可した以上大学の責任である。身分は大学生である。東大案のように秋入学にすると、高校卒業後半年は、身分が高校生でも大学生でもないことになる。お役所的な言い方になるが、入学試験の合格者は、あくまでも手続きが済むまでは許可候補者である。これはまずいと思っていた。
一橋大案のように、入学すれば、授業料その他の負担が発生するが、身分の心配はひとまずなくなる。負担はあっても、実質4年間で卒業する(させる)前提ならば、学生の学費負担が大きく変更になることはない。そう考えていいと思う。
「導入学期」は、学部教育の導入期間という位置づけだと思う。学生は単位はもらえないのだろうし、もしももらえちゃったら、秋入学にはならない。
ただ、もしもこの案でいく場合、導入学期講座担当者をどうするかである。これを外部委託なんてことになったら、目もあてられない。これだと「導入学期」分は別料金ということにもなりかねない。その間授業を持たない先生たちに給料をあげる理由がなくなる。大学が自前で何とかするしかないだろう。
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徐々に現実的対応を各大学が模索しはじめている。今後ともこのニュースは追いかけることにしたい。
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