司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

取締役としての地位に基づく会計帳簿等閲覧謄写請求

2017-04-17 14:41:17 | 会社法(改正商法等)
 旬刊商事法務2017年4月15日号に,商事判例研究「取締役としての地位に基づく会計帳簿等閲覧謄写請求」がある。東京地判平成23年10月18日(金融・商事判例1421号60頁)の判例評釈である。

 東京地裁は,

「会社法及び関連法令上,取締役の会社に対する会計帳簿等閲覧謄写請求権の根拠となる規定は,存在しない」

「取締役からその会社に対する義務の履行に必要な行為であるとして会計帳簿等の閲覧等を求められた会社が,正当な理由なしにこれを拒む場合において,当該不当拒絶により取締役の義務の履行が不能となったときには,その履行が不能となった義務の違反に基づく取締役の責任が会社又は第三者から追及される局面において,当該不当拒絶の事実を取締役のために斟酌し得るものと解すれば足り,取締役の利益が不当に損なわれることがないようにするために,訴えをもって履行を求めることができる権利としての取締役の会計帳簿等閲覧謄写請求権をあえて観念するまでの必要はなく,相当でもない」

と判示して,請求を棄却している。


 下記の通説的立場に則ったものであるようである。

「取締役会設置会社の取締役は,取締役会や代表取締役から権限を付与されない限り,業務執行をする権限はない。こうした取締役(非業務執行取締役)は,取締役会の構成員として議事・決議に参加するほかは,特に会社法が認めたもの(会社訴訟の提訴など。会社法第828条第2項等参照)を除き,会社の運営・管理に関与する固有の権限は持たない。たとえば,会社の会計帳簿(会社法第432条)を閲覧するといった,会社の業務や財産の調査権も有しない」(田中亘「会社法」(有斐閣)235頁)

 これに対し,江頭教授は,

「閉鎖型のタイプの会社を念頭に置くと,取締役は,大株主又は大株主の派遣者である場合が多いので,強い監督権限を認めることが望ましいこと(会社法第592条参照),及び,取締役会設置会社であっても,監査役設置会社(会社法第2条第9号)以外においては,監査役による調査がないこと(会社法第327条第2項ただし書・第389条第1項)に鑑み,指名委員会等設置会社・監査等委員会設置会社以外においては,『取締役会を構成する個々の取締役が単独で調査権を行使することができる』の見解を支持すべき」(江頭憲治郎「株式会社法(第6版)」(有斐閣)412頁以下参照)であるとする。

 通説の立場は,もっともであるし,大株主であれば,会社法第433条第1項の規定に基づく閲覧謄写請求が可能であるわけであるが,江頭説を支持したい感である。
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名義株で,80億円の申告漏れ

2017-04-17 13:11:04 | 会社法(改正商法等)
日経記事
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG15H04_V10C17A4CR0000/

 上場企業のオーナー会長の相続にあたり,長男名義の株式が「名義株」と認定され,80億円の申告漏れと判断されたという。

 相続税の追徴税額は,過少申告加算税を含めて約40億円だとか。すごい話である。
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「法定相続情報証明制度」が始まります!

2017-04-17 10:52:51 | 不動産登記法その他
「法定相続情報証明制度」が始まります! by 法務省
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00284.html

 法務省HPにサイトが新設。


cf. 不動産登記規則の一部を改正する省令(法務省令第20号)
http://kanpou.npb.go.jp/20170417/20170417h07000/20170417h070000002f.html

不動産登記規則の一部改正(案)に関する意見募集の結果 by 法務省
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=300080154&Mode=2

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「法定相続情報証明制度」の創設に係る改正不動産登記規則が公布

2017-04-17 09:06:56 | 不動産登記法その他
不動産登記規則の一部を改正する省令(法務省令第20号)
http://kanpou.npb.go.jp/20170417/20170417h07000/20170417h070000002f.html

 「法定相続情報証明制度」の創設に係る不動産登記規則の一部を改正する省令(法務省令第20号)が,本日公布された。

 施行期日は,平成29年5月29日(月)である。


【パブコメ原案からの修正点】
第247条第1項柱書 「確認できる」→「確認することができる」
同  「写しに登記官が認証文を付記したもの」→「写し」

同条第2項第2号 「戸籍法」→「戸籍法(昭和22年法律第224号)」

同条第3項第4号 「謄本又は全部事項証明書」→「謄本,抄本又は記載事項証明書」
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不動産登記規則の一部を改正する省令に関するパブコメの結果

2017-04-17 00:02:14 | 不動産登記法その他
不動産登記規則の一部改正(案)に関する意見募集の結果 by 法務省
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=300080154&Mode=2

「法定相続情報証明制度」の創設に係る不動産登記規則の一部改正に関するパブコメの結果が公表された。

 というわけで,本日の改正規則の公布が見込まれる。

〇 第248条関係
 郵送による申出も認める。

〇 第247条第7項関係
 法定相続情報一覧図の再交付の申出は,保管の申出をした相続人のみが行うことができる。

 申出をした登記所以外では,再交付の申出をすることはできない。

 申出をした相続人以外の相続人は,再交付の申出をすることはできない。

〇 第247条第1項柱書関係
 数次相続が生じている場合,二次相続に係る被相続人の本籍地又は最後の住所地がどこであるかに関わらず,一次相続に係る被相続人の本籍地又は最後の住所地を管轄する登記所に二次相続に係る被相続人の法定相続情報一覧図の保管等申出をすることができるようにする。

 法定相続情報一覧図については,図面形式に限らず,相続人の一覧表形式も認める。

〇 第247条第2項第3号関係
  単に相続関係説明図を作成するためとする利用目的は適当ではない。

〇 第247条第2項第4号関係
  法定相続情報一覧図の写しは,申出に係る利用目的に鑑みて交付を求める通数が合理的なものであるかを確認する。

〇 第247条第4項関係
 相続人の住所は,任意的記載事項とする。

〇 第247条第5項関係
 法定相続情報一覧図の写しには,飽くまで戸除籍謄本等の記載に基づくものである旨の注意書きをする。
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