旬刊商事法務2023年7月5日号に,実務問答会社法第75回として,内田修平「事業年度末日後に会計監査人非設置会社かつ非公開会社となった株式会社の事業報告及び注記表の記載事項」が掲載されている。
設例は,「ある事業年度の末日時点で会計監査人設置会社かつ公開会社であった株式会社が,その後,当該事業年度に係る事業報告および計算書類の作成前に,会計監査人非設置会社かつ非公開会社となった場合」である。事業年度末日後に非公開取引等によって会社の属性に変更が生じる場合が念頭にあるようである。
ところで,事業年度の末日時点で「大会社」であれば,その後当該事業年度に関する定時株主総会までの間に,資本金の額が5億円未満になったり,負債総額が200億円未満になったりしたとしても,翌年の定時株主総会の終結の時までは「大会社」のままであり,会計監査人非設置会社となることはできない。したがって,設例は,「大会社ではない」が大前提であるようである。
この「大会社ではない」を前提に,設例の株式会社が会計監査人非設置会社となることができるのは,
1.監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社である場合に,監査等委員会又は指名委員会等を置く旨の定款の定めを廃止すると共に,会計監査人を置く旨の定款の定めも廃止したとき
2.1以外の場合に,法律上の強制ではなく,任意に会計監査人を置く旨の定款の定めを設けていた株式会社が,この定めを廃止したとき
というケースである。
上掲実務問答は,会計に関する解説が中心であるが,前提として上記に関する言及がある方がわかりやすかったのではないか。
設例は,「ある事業年度の末日時点で会計監査人設置会社かつ公開会社であった株式会社が,その後,当該事業年度に係る事業報告および計算書類の作成前に,会計監査人非設置会社かつ非公開会社となった場合」である。事業年度末日後に非公開取引等によって会社の属性に変更が生じる場合が念頭にあるようである。
ところで,事業年度の末日時点で「大会社」であれば,その後当該事業年度に関する定時株主総会までの間に,資本金の額が5億円未満になったり,負債総額が200億円未満になったりしたとしても,翌年の定時株主総会の終結の時までは「大会社」のままであり,会計監査人非設置会社となることはできない。したがって,設例は,「大会社ではない」が大前提であるようである。
この「大会社ではない」を前提に,設例の株式会社が会計監査人非設置会社となることができるのは,
1.監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社である場合に,監査等委員会又は指名委員会等を置く旨の定款の定めを廃止すると共に,会計監査人を置く旨の定款の定めも廃止したとき
2.1以外の場合に,法律上の強制ではなく,任意に会計監査人を置く旨の定款の定めを設けていた株式会社が,この定めを廃止したとき
というケースである。
上掲実務問答は,会計に関する解説が中心であるが,前提として上記に関する言及がある方がわかりやすかったのではないか。