司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

多重債務者への「不寛容」が強まってはいないか

2004-05-23 22:57:38 | 消費者問題
 岩波書店「世界」6月号に大山小夜氏(金城学院大学講師)の玉稿「多重債務者への『不寛容』が強まってはいないか」が掲載されている。

 「武富士問題を契機として、消費者金融業界やそれを取り巻く司法、行政、立法、報道などのあり方に関する検討や調査がさかんに行われている一方、多重債務者自身の置かれている状況に目が向けられることは、ほとんどない。
 多重債務に陥り破産を申し立てた一人の男性のケースを、彼の生活世界や主観的認識に寄り添いながら記述し、さらにそれを統計資料などを通じて現在のマクロな社会状況に位置づけながら、多重債務問題の解決の意義を示す。」(HPの紹介記事より引用。)http://www.iwanami.co.jp/sekai/

 貸金業者との関係についての債務者の認識が、「友人」に始まり、「招かれざる客」、「交渉相手」、「関係を絶つべき対象」、最終的には「戦略を立てて対策を講じるべき他者」と変遷すると捉えているのは実に興味深い。
 また、貸金業者の広告が「自らを報道批判の対象から気を配るべきスポンサーに変え」ており、「プロの貸し手への寛容な態度が広がると、ひいては、多くがプロの貸し手から借り入れている多重債務者への不寛容をもたらす」として、多重債務の原因を「債務者と業者との対面的な相互関係に着目」して再検討すべきと結んでいるが、慧眼といえよう。
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MOTスクールライフ⑥

2004-05-23 22:35:43 | いろいろ
 本日はグループワークの会合。そろそろ守秘義務の問題が生じるのかなと思われるので、内容は省略。会合場所は、京都大学カンフォーラ(正門入るすぐ西横)。1年前にできたらしい。昔はなかった建物がそれこそ雨後の筍のように次々とできているようで、学生時代を懐かしむ寄す処はまったくなくなりつつある。
http://www.s-coop.net/camphora/
 
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司法ネット

2004-05-21 20:23:43 | 司法書士(改正不動産登記法等)
 総合法律支援法案が今国会で成立する見込みであり、翌々年度にも日本司法支援センターを中核とする所謂「司法ネット」が構築されることとなる。その一翼を担うべく、司法書士界を挙げて積極的取り組みを行う必要があるところであるが、京都司法書士会も明日の定時総会において平成16年度事業計画の目玉として「司法過疎対策(司法書士ゼロ地域解消)」を打ち出し、一早く各地にアクセスポイントを設置して、先鞭を付ける構想である。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/sihou/houan/040302/sougou/gaiyou.pdf
http://www.shiho-shoshi.or.jp/iken/2004/iken/160109.htm
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不動産登記法の改正

2004-05-21 20:08:22 | 司法書士(改正不動産登記法等)
 不動産登記法案が本日衆議院を通過し、参議院に送付された。同法改正により、オンライン申請が可能となり、「本人確認報告書」、「登記原因証明情報」等の添付が必要となるため、日本司法書士会連合会では鋭意モデル案を作成中であるが、今般その作業部会に中途「入隊」することになった。千載一遇の機会と思わず引き受けてしまったが、また一つ難題を背負い込んでしまったような・・・。
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裁判員法成立

2004-05-21 17:43:40 | いろいろ
 裁判員法が本日成立した。5年の周知期間を経て、2009年度にも実施される。
 さて、就職禁止事由(第15条第1項)があるのをご存知だろうか?司法書士は、残念ながら就職禁止事由に該当し、裁判員となることができない(同項第8号)。その他、国会議員、国務大臣、裁判官及び裁判官であった者、検察官及び検察官であった者、弁護士及び弁護士であった者、弁理士、公証人、警察官、裁判所の職員、法律学の教授又は助教授、司法修習生、都道府県知事及び市町村の長及び自衛官等は裁判員となることができない。納得いくような、いかないような・・・。
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税理士と会計士は違います。

2004-05-21 09:50:46 | いろいろ
 昨日(20日)の日経朝刊13面に全国青年税理士連盟が、「税理士と会計士は違います。」という意見広告を掲載し、波紋を呼んでいる。「本来、どちらも国家試験に合格することが資格取得の原則となっているが、現在は公認会計士に無試験で税理士資格を付与する制度となっており、その制度改革を求める」旨の内容である。提言自体は是とすべきことであろうが、税理士界は、税務署OB組、試験組、公認会計士組、ダブルマスター組という複雑な資格付与構造となっており、抜本的改革が望まれるのではないだろうか?
 ちなみに、弁護士も無試験で税理士、弁理士資格が付与されており、「税理士国保目当てに税理士登録する弁護士も多い」という話である。
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画期的!更新料の支払義務なし判決

2004-05-19 12:56:38 | 消費者問題
 昨日、京都地裁で、法定更新の際に更新料の支払義務はない、とする画期的な判決がなされた。京都の賃貸業界に、まさに激震が走ったことであろう。

http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2004051800272&genre=D1&area=K10

cf.敷金問題研究会 http://hccweb5.bai.ne.jp/~hea14901/
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インターネットによる議決権行使

2004-05-19 11:52:45 | 会社法(改正商法等)
 株主総会におけるインターネットによる議決権行使が可能な企業が250社を超え、東京証券取引所上場企業では1割を超えたとのこと(今日の日経朝刊1面)。
 平成14年4月施行の商法改正により利用可能となったものだが、ようやく普及し始めたようだ。導入当初早速利用してみたが、信託銀行のサイトにアクセスして、株主コード、パスワード等を入力すれば、議決権行使画面に到達。後は、議決権行使に関する参考書類を片手に議案ごとに賛否をチェックすればいいので、至って簡単である。
 ちなみに、京都司法書士会は今月22日(土)に定時総会が開催される。そのため本日は総会対策のリハーサル。爆弾発言に戦々恐々(?)。
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MOTスクールライフ⑤

2004-05-19 11:38:19 | いろいろ
 昨日、第3章「技術移転①」が行なわれた。講師は、株式会社リクルート・テクノロジーマネジメントディビィジョンのチーフアソシエイト原豊氏。TLOについての簡明なお話。
http://www.recruit.co.jp/cgi-bin/rperl5.pl/tmd/ja/index-j.html

 さて、宿題として与えられたグループワークは、「架橋点が自由に動く高分子ゲル(環動ゲル)の活用について」。う~ん、考えよう。
http://www.cmcbooks.co.jp/books/mat/t390.html
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MOTスクールライフ④

2004-05-17 19:09:09 | いろいろ
 本日は、第2章「ロジカル・シンキング」が行なわれた。講師は、マッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社のプリンシパル菅原章氏。明快な語り口だったが、内容としては同社のエディターである照屋華子・岡田惠子両氏の共著「ロジカル・シンキング」(東洋経済新報社)の初級編というところ。

 学生時代に学んだ論文作法として「問いに素直に答える」、「①問題の所在を明らかにした上で、②規範(判断基準)を定立し、③判断を行なう」というものがあったが、まさにロジカル・シンキングのベーシックである。加えて、「MECE」によって、「漏れ、ずれ、重なりをなくす」ようにチェックすることが肝要。

 明日18日(火)の第3章「技術移転」の事前課題が配布された。グループワークがメインとなるらしい。
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まさに「壁ぎわ税務官」

2004-05-16 21:52:29 | いろいろ
 まさに「壁ぎわ税務官」を地で行く話。
http://news.goo.ne.jp/news/asahi/shakai/20040516/K0013201911010.html

 不動産取引でも最近は差押が入ってない物件の方が珍しいといってもいいくらいである。happy!happy!というよりは、破綻処理的色彩が濃い。なんといいますか、なんといいますねえ。
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日本スポーツ仲裁機構

2004-05-16 19:09:30 | いろいろ
 日本スポーツ仲裁機構(JSAA)が、プロ選手の年俸調停やイベントの放送権、スポンサー契約、学校の部活動での事故など、スポーツに関するあらゆるトラブルの仲裁に乗り出すとのこと。http://sports.nikkei.co.jp/flash_k.cfm?news_id=51109

 プロ野球選手の年棒紛争に関しては、「統一契約書によりコミッショナーに一任されている(正確に言えば、コミッショナーと両連盟会長を調停委員とする『参稼報酬調停制度』による。)」として冷ややかな見方もあるようだ。しかし、新仲裁法は、附則第4条において個別労働関係紛争を対象とする仲裁合意は無効としており、仲裁法施行後の契約については「コミッショナー一任条項」は無効となりうるのではないだろうか?

※ 「仲裁法」は、本年3月1日から施行されている。これにより、従前の「公示催告手続及び仲裁手続に関する法律」は、「公示催告手続に関する法律」と改められた。

cf.川井圭司著「プロスポーツ選手の法的地位」(成文堂)
中村達也著「仲裁法なるほどQ&A」(中央経済社)

なお、仲裁法附則第3条は、消費者仲裁合意を消費者から解除できることしており、約款による包括的仲裁合意の解除権を認め、消費者保護を図っている。
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公共嘱託登記

2004-05-15 22:30:44 | 司法書士(改正不動産登記法等)
 国、都道府県、市町村が公共事業等のために用地買収を行なうと登記が必要となる。大量の業務を迅速に実施するために、公共嘱託登記司法書士協会が組成されているし、同様の団体が土地家屋調査士、測量業界にも作られている。この3団体に対する一括委託システムを違法であるとして、住民グループが京都府知事に対して不当な公金支出の損害賠償請求訴訟を提起していたが、その高裁判決が昨日なされた。

http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2004051400152&genre=D1&area=K00

 妥当な結論というべきか。
 ちなみに、公共嘱託登記司法書士協会は任意加入であり、私は非会員である。
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5月は消費者月間

2004-05-15 22:11:18 | 消費者問題
 5月は消費者月間である。http://www.consumer.go.jp/

 点検商法、アポイントメントセールス、次々販売等々、悪質商法が跳梁跋扈している昨今であり、うっかりひっかからないように充分留意していただきたい。京都司法書士会でも高校生、大学生向けの消費者教育事業を実施している。
http://www.siho-syosi.jp/koukou.htm
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行政なんでも相談所

2004-05-14 18:40:09 | いろいろ
 本日13:00~16:00、京都高島屋にて開催された「行政なんでも相談所」(主催 京都行政評価事務所)の相談員を務めた。私の相談対応分だけでも3時間で11件。息つく暇もないほどであった。
 今日の相談は、なぜかしら不動産の「共有」を巡る相続と紛争のオンパレード。税金対策、あるいは問題の先延ばしで安易に「共有」を選択しがちであるが、後々容易に解決し難い状況に陥る、のである。司法書士に対する苦言も頂戴した。自戒、自戒。

http://www.siho-syosi.jp/topics/20040506.html
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