司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

「雑供託の実例雛形集」

2004-09-10 12:19:45 | いろいろ
立花宣男監修・野海芳久著「雑供託の実例雛形集」(日本加除出版)

 雑供託とは、特に明確な定義があるわけではないが、定型的な供託類型に属さないものをいい、①弁済供託のうち地代・家賃の弁済金銭供託以外のもの、②弁済供託に準ずる供託、③執行供託と弁済供託の混合供託をいうのが一般的。

 法務局供託課の職員向けの手引書として書かれたものであろうが、供託に関しては、実務家が参考にできる書籍が皆無に等しかっただけに、まさに唯一無二といえるかもしれない。
コメント

法令の英語訳

2004-09-09 23:54:17 | 会社法(改正商法等)
 先日、政府が日本の法令の英語訳に着手する方針を固めた旨報じられた。
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/ynews/20040612i304.htm

 とはいえ、軽く考えていたのだが、民法の英語訳を入手する必要があって、インターネットで検索すると、確かにない!

 学術機関の検索サービスであるNACSIS Webcatではそれなりにヒットしたが、一般人には入手が困難。

 しかし、先日大阪に出向いた折、政府刊行物サービスセンター(合同庁舎内)で尋ねると、「ありまっせ!」と教えられたのが、財団法人英文法令社刊。国立国会図書館にも収蔵されているので、それなりの出来なのであろう。とりあえず注文した。5500円也。多少手直しすれば使えるかな?
コメント

動産・債権譲渡に係る公示制度の整備に関する要綱

2004-09-09 09:38:18 | 会社法(改正商法等)
動産・債権譲渡に係る公示制度の整備に関する要綱が公表された。

 こちらも新聞報道等で既報のとおりの内容。
コメント

保証制度の見直しに関する要綱

2004-09-09 09:30:06 | 会社法(改正商法等)
保証制度の見直しに関する要綱が公表された。

 新聞報道等で既報のとおりの内容。
コメント

総合相談センター「みちしるべ」

2004-09-08 23:31:41 | 司法書士(改正不動産登記法等)
 京都司法書士会は、司法過疎対策事業の一環として、本年10月から京都府中部の丹波町、日吉町及び瑞穂町の3町において、京都司法書士会総合相談センター「みちしるべ」を開設する。司法書士、弁護士ゼロの地域に総合相談センターを設け、地域住民の法へのアクセスポイントの増加を図るもので、政府の進める司法ネット構想のリーディングケースともなりうるもの。丹波町及び瑞穂町は2日(土)、日吉町は10日(日)がスタートとなる。これに先立ち、9月23日(木)に「丹波町道の駅マーケス」にて開所式を行う予定。

・丹波町 道の駅マーケス 毎週土曜日13:00~16:00
・日吉町 日吉町生涯学習センター「遊 you ひよし」 毎週日曜日13:00~16:00
・瑞穂町 総合保健福祉センター 毎週土曜日13:00~16:00

 3町の町民に限定ということではありませんので、近隣の町、また遠路遥々を問わず、気軽な相談窓口として、たくさんの方々にご利用いただきたいと思っております。当ブログをご覧の皆様には、知人、友人、親戚縁者等々へお知らせいただく等、周知方のご協力をいただきましたら幸いです。
コメント

「中小企業の視点からの会社法改正の方向性」説明会

2004-09-08 17:16:49 | 会社法(改正商法等)
 中小企業庁による「中小企業の視点からの会社法改正の方向性」説明会(近畿会場)が、9月6日(月)14:00~16:00大阪合同庁舎1号館にて開催された。

 中小企業庁財務課長が講師役。「中小企業の観点からの商法の現代化の在り方について」と題して、1時間ほどの講義と1時間弱の質疑応答。内容としては、会計参与について比較的時間を割いていたのと、事業承継の視点での小論点が若干目に付いた程度。
 語り口は明瞭だったが、若干ミスリーディングであった点を含めて3点ほど質問したところ、持って廻った(いわゆる言語明瞭意味不明な)話で、まったく的を射た回答は得られなかった。
コメント

契約書を代理人として作成すること

2004-09-08 10:18:42 | いろいろ
 9月2日付「資格ないのに示談交渉」に付けていただいたコメントに関してであるが、東京都行政書士会HPの「改正行政書士法と代理権」によれば、

「現在の司法制度改革審議会において、最高裁、法務省、日弁連、日行連等参加の下に、弁護士法七二条の弁護士以外に業として取り扱うことを禁止している法律事務は、「争訟性のある法律事務」に限ると確認されたのである。従って、契約締結代理事務を業として扱うことは、弁護士法違反では無いことが確認されたのである。それを受けて、行政書士法が改正され、契約代理業務が行政書士の法定業務とされたのである。」
「書類を代理人として作成するのであって、書類を代理して作成するのではない。・・・契約代理業務には、争訟性のある法律事務以外のすべての法律事務が含まれているのであるから当然に契約交渉代理も含まれると解さなければならない。」

ということである。

 「書類を代理人として作成する」というのは、署名または記名押印を本人ではなく「代理人の名で」行うことを意味する。この点から、契約締結交渉の代理権まで導き出せるのか、改正法案審議段階において疑問に思ったのであるが、行政書士さんの立場は総じて上記引用箇所のとおりであった。

 また、引用した解説では「争訟性のある・・・以外のすべて」という表現が用いられているが、「争訟性」は「紛争性」とも微妙に異なるより狭い概念であり、したがって代理権の範囲はより幅広く解される余地がある。たとえば、通常の商取引における契約締結交渉の代理権まで認められるとも解されよう。手元にないので参照できないが、兼子仁東京都立大学名誉教授著「行政書士法コンメンタール」(北樹出版)が最近刊行されているので、この辺に関しても詳しい解説があろうと思う。

 一つの資格において法律上「できること」と「できないこと」の判別は非常に悩ましい。



行政書士法第1条ノ3  行政書士は、前条に規定する業務のほか、他人の依頼を受け報酬を得て、次に掲げる事務を業とすることができる。ただし、他の法律においてその業務を行うことが制限されている事項については、この限りでない。
一  (略)
二  前条の規定により行政書士が作成することができる契約その他に関する書類を代理人として作成すること。
三  (略)
コメント (2)

武富士が破産者の住民票を取得

2004-09-06 10:44:26 | 消費者問題
武富士が破産免責を得た債務者の住民票を定期的に取得しているとのこと。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040906-00000012-khk-toh

 債権者は、債権管理のために貸付の際に債務者から戸籍謄本、住民票(または運転免許証の写し)を徴求し、債務者が所在不明となった場合定期的に住民票等を取得して捕捉できるようにしているのが常道である。これは銀行も同じであり、賃貸借契約時に賃借人が提出を求められるのもまた然りである。したがって、夜逃げしていた債務者が子供の就学のために住民登録を移した途端に債権者から請求を受けるというのも決して珍しい話ではない。

 司法書士は「職務上の請求書」によって職権で住民票等を取得できるので、銀行等から債務者の所在確認等のために取得して欲しい旨依頼されることがあるが、「職務上の請求」の趣旨に外れるので取得してはならず、丁重にお断りしている(中にはこのような依頼に唯々諾々と従う者もいるが、伊藤芳郎弁護士のように綱紀云々となってしまうのである。)。

 破産免責を得た債務者は本来債権管理から外れるはずであり、「債権保全」と称して住民票等を取得するのは明らかに不正な取得であろう。住民基本台帳法第50条等による厳重な処罰が必要ではないか。
コメント

公証人シンポジウム

2004-09-05 17:29:28 | いろいろ
 日弁連HPにドイツ公証人制度調査報告書が掲載されている。

 9月25日(土)東京にて日弁連主催シンポジウム「21世紀の公証人制度を考える」、翌26日(日)京都にて京都司法書士会主催「予防司法を考えるシンポジウム」が、ドイツ公証人トーマス・ミルデ氏を招いて各々開催されるが、上記はその参考資料として貴重なものである。京都のシンポジウムにご来場下さる方は、できれば上記報告書をご一読の上お越しいただきたい。
コメント

「外交談判法」

2004-09-05 14:10:25 | いろいろ
フランソワ・ド・カリエール「外交談判法」(岩波文庫)

 ルイ14世に外交官として仕えたカリエールが、平時にあっての交渉の積み重ね、外交網の完備、専門家としての外交官の養成等について説いたもの。古典であるが、交渉力を高めるための入門書として、「ハーバード流交渉術」と並んで現代でも高く評価されている。絶版であったが、本年11月10日重版予定とのこと。

cf.「法律家のための交渉力入門」~日弁連編「平成15年版現代法律実務の諸問題」(第一法規)所収
コメント

「消費者契約における不当条項の実態分析」

2004-09-05 13:42:29 | 消費者問題
別冊NBL/No.92「消費者契約における不当条項の実態分析」(商事法務)

 消費者契約法が平成13年4月1日に施行されてから早くも3年を経過しているが、消費者取引において消費者の利益を害する契約条項は依然として多々見受けられる。そこで、消費者契約の実態を踏まえ、様々な契約類型について「不当条項」を収集、検討しているのが本書である。

 敷金に関するものとして、最近京都の大手業者が採用している「定額補償分担金として、退去時の賃貸借開始時の新装状態への回復費用の一部を負担させ、その金員を契約時に支払わせ、入居期間内外を問わず返還しない」とする条項を、「自然損耗の場合についても借主へ賃料とは別に負担を求めるものであり、消費者契約法第10条に反し無効である。」と断じており高く評価できる。
コメント

貸金業協会

2004-09-05 10:24:13 | 消費者問題
 貸金業を営むには、都道府県庁または財務局に登録しなければならない。これは法律上の義務であり、無登録業者はいわゆる「ヤミ金」であって、5年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金又はこれの併科(法人の場合は1億円以下の罰金)である。しかし、貸金業協会への入会は任意であり、平成15年度末現在の登録業者数は23865、その内貸金業協会の会員は8843であるから、組織率は37%といったところである。cf.全国貸金業協会連合会

 参考データのとおり、登録業者数及び会員数は漸減傾向にあるが、店舗数は逆に増加しており、大手業者の寡占傾向にあることを如実に示している。営業譲渡、合併、株式買収等によるM&Aも華やか(?)である。

 さて、貸金業者も過払金返還請求訴訟の激増という逆風下においていろいろと対策を講じており、協会顧問弁護士による研修会等も盛んに行われているようである。また、会報、HP等においての情報提供もなかなか充実している。
都金協2003年10月号「座談会 激増する過払金返還請求にどう対応するか」
都金協2002年1月号「過払金返還請求の激化に反論」by小田部胤明弁護士

cf.東京都貸金業協会 機関紙「都金協」 同 関係法令・資料等

 いったん完済後、しばらくして新たに借入を行った場合の過払金の借入金に対する充当あるいは相殺が可能か、という点が最近の争点の一つであるが、上記小田部弁護士の反論も両論併記に止まっている。



コメント

資格ないのに示談交渉

2004-09-02 18:28:46 | いろいろ
弁護士資格ないのに示談交渉、行政書士ら2人逮捕 (読売新聞) - goo ニュース

 職域が拡がるにつれ「できること」と「できないこと」の境目を踏み外してしまう者が出てくる。司法書士の代理権も、あくまで簡裁の事物管轄の範囲内での代理権であり、「民事に関する紛争」という要件があるので、いかなる事柄でも代理できるわけではない。裁判外の和解契約の代理は可能であるが、紛争性のない契約締結交渉の代理は、契約金額が140万円以下であってもできないのである。他山の石とすべきであろう。
コメント (1)

合格発表のトラブル

2004-09-02 11:24:09 | 司法書士(改正不動産登記法等)
 昨日の合格発表のトラブルについて法務省のお詫び

cf. http://www.asahi.com/national/update/0901/021.html

 受験者からの抗議の電話はほんとになかったのだろうか?

 法務省のHPも、法制審議会の委員名簿の名前と肩書がずれて不一致だったり、パブリックコメントを実施するのにwhat's new?欄に掲載されないままになっていたり、結構ミスが多い。きちんとしたチェック機能が働いていないようだ。
コメント

第3回簡裁訴訟代理能力認定考査の合格発表

2004-09-01 18:07:26 | 司法書士(改正不動産登記法等)
 本日、16時各地の法務局掲示板において合格発表が行われた。法務省のHPにも掲載されている。

考査受験者数(A) 3351名
認定者数(B) 2342名
認定率(B/A) 69.9%

 今回の認定者には、平成15年度司法書士試験の合格者で、未だ司法書士登録を済ませていない者が多数含まれており、正確な数字は出せないが、8000名超の司法書士が簡裁訴訟代理関係業務を行なう資格を得たことになる。

 ちなみに、平成16年4月1日現在の数字は、全国17650名中6402名(京都会は430名中183名)であった。
コメント (3)