司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

事業再生ブラックジャック

2009-10-09 20:48:37 | 会社法(改正商法等)
朝日新聞記事
http://www.asahi.com/national/update/1009/OSK200910080167.html

 「事業再生ブラックジャック」と名乗る会社社長が,弁護士法第72条違反を理由に,大阪弁護士会から告発を受けているそうだ。同社長は,清算株式会社の清算人に次々に就任し,債権者と交渉して,債権放棄を受ける等をしていた模様。

 しかし,これはどうであろうか。取締役に就任する場合,資格は関係ない。これと同じく,清算人に就任する場合も,資格は関係ない。外部者として債務整理に首を突っ込むのは論外であるが,清算人として会社の内部に入ってしまえば,清算人の職務として行うのであるから,合法である。これを反復継続したとしても・・・違法とはいえないと思われるのだが。大阪府警が,1年以上も前から告発を受けながら,なかなか動かないのもそういう判断ではないだろうか。

 以前から,こういう手法は,あり得ると考えていた。会社の役員等に就任すれば,会社の法務に関する限り,やり放題となるからである。大阪弁護士会の告発は,そのようなやり口に警鐘を鳴らすものであるが・・・立件は,難しいかと思われる。
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特定保健用食品に係る表示の許可

2009-10-09 11:17:36 | 消費者問題
エコナ関連製品に関する花王株式会社からの失効届の提出について by 消費者庁食品表示課
http://www.caa.go.jp/foods/pdf/syokuhin41.pdf

 消費者庁の設置により,特定保健用食品に係る表示の許可については,厚生労働省から消費者庁に移管されているが,本件は,消費者団体である「主婦連合会」がエコナの安全性を問題視していたことに起因する自発的な(?)失効届出のようである。
http://shufuren.net/modules/news/article.php?storyid=52

 「トクホ」も安全とは言い切れない,ということであろうか。

【追記】
 消費者庁にPTを設置する動きがあった模様。自発的ではなかったということか。
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090929AT1G2901529092009.html
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東証上場制度整備懇談会

2009-10-09 11:03:52 | 会社法(改正商法等)
 東証上場制度整備懇談会
http://www.tse.or.jp/rules/seibi/discussion.html

 公開会社法で取り入れられる見込みである「独立取締役」等について,東証上場制度整備懇談会で議論がされている(ただし,公開会社法を前提としての議論ではない。)。

・ 取引所ルールによって定める独立性の要件と、会社法上の社外性の要件との関係については、上場会社の実務上の混乱がないよう配慮すべきである。
・ 上場会社が独立役員として特定した人物の独立性について、規則の趣旨に照らして、取引所が客観的に適切性を判断する枠組みが必要である。
・ 役員の選任議案に投票する株主の立場から言えば、独立性の要件への該当状況について、事前の情報提供があることが望ましい。
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「法と教育学会」12月に設立

2009-10-09 10:58:47 | 法教育
 「法と教育学会」設立が設立されることになり,設立総会及び設立記念シンポジウムが12月6日(日)に東京で開催する予定である。

cf. 法教育フォーラム
http://www.houkyouiku.jp/special.html
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小学生を対象とした法教育教材例の作成について

2009-10-09 10:53:54 | 法教育
小学生を対象とした法教育教材例の作成について by 法務省
http://www.moj.go.jp/KANBOU/HOUKYO/kyougikai/kyouzai/top.html

 法務省が設置した法教育推進協議会が取りまとめたものである。
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公開会社法,東証規則で先行実施へ

2009-10-08 10:06:17 | 会社法(改正商法等)
時事通信記事
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol&k=2009100700579

 民主党政権下で,改正に向けて動き出している「公開会社法」であるが,改正に先駆けて,その内容を東京証券所等の上場規則で実施する方向で検討されているようである。
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知る楽歴史は眠らない「ニッポン借金事情」

2009-10-06 15:57:17 | 消費者問題
NHK 知る楽歴史は眠らない「ニッポン借金事情」
http://www.nhk.or.jp/shiruraku/tue/

 10月6日(火)から,毎週火曜日22:25~22:50の放送(全4回)。語り手は,井原今朝男国立歴史民族博物館教授。


cf. 平成21年4月7日付「「借り手に優しい?中世日本」
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貧困ビジネス横行

2009-10-05 16:58:37 | いろいろ
毎日新聞記事
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20091005k0000m070109000c.html

 生活保護受給者が全国的にも10%を超える等,「貧困」が大きな社会問題となっているが,生活保護のピンハネと指摘されてもおかしくない悪質な貧困ビジネスが目立っているようである。採算を度外視する必要はないと思うが,公費に群がるハイエナのような輩(ハイエナに失礼か。)が跋扈しているようだ。
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平成22年版六法

2009-10-05 11:40:33 | 会社法(改正商法等)
 平成22年版六法が書店に並んでいる。例年よりやや早い感じ。会社計算規則が大きく様変わりしているので,購入しておくべき。

 最近は,「法令データ提供システム」で条文を確認することの方が多いのだが,紙の六法は,参照条文がありがたいので,やはり重宝している。

 大同小異だが,会社法の整備法が載っている点で,「ポケット六法」(有斐閣)あたりがお薦め。
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賃貸マンションオーナーの裏技節税

2009-10-04 17:10:50 | 会社法(改正商法等)
産経新聞記事
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/091003/crm0910031254032-n1.htm

 賃貸マンションオーナーの裏技節税を,会計検査院が問題視しているようだ。「こうした“法の盲点”を利用した複雑な租税回避策をオーナーに提供することで、多額の相談料や成功報酬を手にしている税理士やコンサルタントが多い」(上記記事)というのも,頷けない話である。

 そう言えば,以前,設立の相談で,資本金の額をいくらにするかという話の時に,消費税の免除について触れたところ,「(消費税の)還付を受けるからええねん」ということだったが,疑問が氷解である。
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債権法改正,今月法制審に諮問へ

2009-10-04 16:24:21 | 民法改正
 今日の日経朝刊によれば,債権法の改正について,今月下旬に開催される法制審議会に諮問されるようだ。11月下旬に専門部会が立ち上げられ,議論された後,平成24年2月に答申案がまとめられ,同年の国会に改正法案が提出されることが見込まれている。
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緑の町に舞い降りて

2009-10-04 11:40:45 | 会社法(改正商法等)
 昨日は,岩手県司法書士会会員研修会「会社法と商業登記」。岩手会の皆さん,お世話になりました。

 さて,岩手県を訪れるのは,平成18年10月,同19年3月に続いて,3度目だが,今回は,初めて,空路を利用。伊丹から「いわて花巻空港」へ。空港では,松任谷由実の「緑の町に舞い降りて」がBGMとして流れている。同空港のイメージソングなのである。
http://sankei.jp.msn.com/life/trend/090420/trd0904201823020-n1.htm

 閑話休題,京都会の若手会員が,いわゆる過疎地開業で,岩手県に移るという話を聞いてびっくり。若手会員が京都会から他会に転じて活躍している例が最近多い。喜ばしい話であるが,流出し過ぎは・・・困りますね。
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社員総会及び評議員会の議事録への記名押印

2009-10-02 19:22:05 | 法人制度
 公益法人informationのFAQにおいて,問2-7-5「社員総会及び評議員会の議事録への記名押印」に修正が施されている。
cf. FAQ

 おそらく,以下が追加されたものと思われる。「登記申請代理の委任者と受任者との間のトラブルを防止する観点」は,重要。


 「しかし、議事録の原本を明らかにし、改ざんを防止する観点、登記申請代理の委任者と受任者との間のトラブルを防止する観点等から、社員総会(又は評議員会)の議事録についても、議事録作成者が常に記名押印を行うことが望ましいものと思われます。
 また、このような観点だけでなく、関係法令の規定(注)等を考慮すれば、社員総会については議長及び出席した理事、評議員会については出席した評議員及び理事(及び議長)が記名押印をすることが有用な取扱いと考えられます。

(注)一般社団法人等登記規則により、社員総会(評議員会)の決議により代表理事(各自代表の理事を含む。)を定めた場合には、いわゆる議事録署名人が定められたか否かにかかわらず、その議事録に変更前の代表理事が届出印を押印していない限り、議長及び出席理事の全員が議事録に押印しなければならず、代表理事の変更の登記申請書に当該押印に係る市町村長作成の印鑑証明書を添付するものとされています(一般社団法人等登記規則第3条において準用する商業登記規則第61条第4項第1号)。」
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【重要】 公益法人等への移行をまたぐ任期の取扱い

2009-10-02 19:14:20 | 法人制度
公益法人informationのFAQの変更


 公益法人information のFAQにおいて,特例民法法人が公益社団・財団法人又は一般社団・財団法人に移行したときに在任していた理事,監事の(残りの)任期の扱いに関するQ&Aに修正が施されている。

 変更箇所としては,Aの第3項及び脚注の2から8までが追加されている。

 重要なところであるので,ご確認を。

 その他,8月25日付で,移行絡みの論点で多数修正されているので,よくご確認を。
8月25日付のFAQの変更
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株式交換における会計処理

2009-10-02 17:40:41 | 会社法(改正商法等)
 「市民と法」2009年10月号116頁以下に,司法書士須藤雅巳「株式交換における株主資本の計算」が掲載されている。

 会社計算規則第39条第2項ただし書の規定によれば,株式交換において,会社法第799条の債権者異議申述手続をとっている場合以外の場合には,原則として,株主資本等変動額の全額を資本金又は資本準備金に計上しなければならず,その他資本剰余金の額を増加させることはできないとされているが,上記論稿は,任意に債権者保護手続をとった場合に,その他資本剰余金の額を増加させることを認めるべきであるとして,異を唱えるものである。

 この点,会社法施行前後のわずかの期間ではあるが,私も誤解しており,「株式交換においては,原則として債権者保護手続は不要であるが,株式交換完全親会社においてその他資本剰余金を増加させる場合には,債権者保護手続が必要となる」と読んでいた。条文の読み方としては,まったくもって汗顔の至りであるが,上記論稿を読んで,再考してみると,採り得ないものでもないようだ。

 現行の条文上は,確かに無理筋であるが,会社法第799条第1項第3号を改正して法務省令委任規定を置き,会社計算規則において定める「株式交換完全親会社においてその他資本剰余金を増加させる場合」に債権者異議申述手続を要する,とすればよいのである。条文上,任意の場合は無理だが,法定の場合に取り込むことを否定する理由はないからである。同時に資本準備金等の減少の手続を行うことで実現することは可能であるが,敢えて別途の手続を要求する必要もないであろう。

 そのためには,会社法の改正が必要となるわけであるが,近い将来,改正(公開会社法)が行われる可能性が高まっており,その際に,拾い上げてはどうかと思われる。

cf. 月刊登記情報2009年9月号13頁以下,同2008年9月号50頁以下
   郡谷大輔・和久友子編著「会社法の計算詳解(第2版)」(中央経済社)522頁
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